地元の方の言葉② ~再生の会研修会にて~
こんにちは。
本部啓発普及部の家老杏奈です。前回に引き続き地元の方の言葉パート2です。
■歌が上手な農家のTさんの言葉
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海岸林が育っている地域は被災前、葉物の産地として有名で、仙台市場流通の80%を担っていた、仙台の台所だった。おらたちが育てていた葉物が市民の食を支えていた。海岸林は生活するうえで欠かせない存在だが、それだけでなく仙台の台所(仙台市民の食)を支えるうえでも欠かせない存在だ。責任をもって、海岸林の再生に取り組んでいく。
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■いつもにこにこしているTさんの言葉
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自分の家は、津波による被害はほとんどなかったが、町内では大きな被害を受けた家もあり、最初は町内の復興で忙しかった。それがひと段落し、外に目を向け始めた時に再生の会の人から声がかかり、すぐ参加を決めた。オイスカが来てくれ、この活動を支援してくれる人がいるおかげで自分たちが海岸林の再生に携われている。このことが本当にうれしく、みなさんに感謝している。
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■いつも元気なKさんの言葉
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津波が来たときは外にいて、全く津波には気づかなかった。防災警報?が地震で壊れて名取地区は誰も知らなかったんじゃないかな?自分も津波で流されたけど、一緒に流れてくる瓦礫に当たらないように流れに従って泳いで奇跡的に助かった。
自分の家は、名取事務所がある場所のすぐ近くで、今では居住禁止区域になっている。震災後はその場所に近づく気にもならなかったが、今では再生の会の活動に参加し、クロマツを育てるという喜びがある。この活動を続けていきたい。
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震災から5年。正直な感想を述べると私にとってはあっという間でした。
もう5年とのスタッフの声に、え!?もう5年もたつの!?とびっくりする思いでした。
しかし、今回再生の会のみなさんに、
「5年を迎えますが、あっという間でしたか?」と聞くと、
「あっという間・・・ではなかったな」とみなさん答えられていました。
時間の感覚は人それぞれですが、被災された方の5年は私たちには想像できないものなのだろうと感じました。
被災された方の想いを受け、マツは今日も成長し続けます。
地元の方の言葉① ~再生の会研修会にて~
こんにちは。啓発普及部の家老です。
先日、名取市海岸林再生の会の研修会、2016年度の事業計画の打ち合わせに同席させていただきました。
私にとっては3度目の名取。相変わらず寒かったですが、再生の会のおじちゃん、おばちゃんの東北弁は耳に心地よかったです。
おじちゃんとおばちゃんとの関わりの中で印象的だった言葉をみなさんに紹介したいと思います。
■東北弁が素敵なOさんの言葉
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いつも支援してくださっている方に「どうしてこんなに被災地のことを思って、支援してくださるのですか?」と聞きたい気持ちがあります。もし自分が被災していなくて、支援する側に立った場合、自分も同じようにできるのだろうか?一度きりでなく、継続的に支援できるのだろうかと考えます。私は、支援してくださっている全てのみなさんに直接お礼をいうことはできませんが、せめてもの恩返しと思い、マツをこれからも一生懸命育てます。
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■津波で流された畑でチンゲン菜を育てていたTさんの言葉
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辛い経験もしてきましたが、私たちが生きている今日は亡くなった方が生きたかった今日、と思い生きています。震災直後、遺体を探し回っていたあの時、オイスカは何の前触れもなく、海岸林の再生を訴えてきました。どうしてこんな時に・・・とその時は思っていましたが、今となっては、あの時に縁あってオイスカと海岸林の再生に取り組んだことが今につながっていると感じています。先代が守ってきた海岸林。今度は私たちが守っていきます。
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みなさん、普段は明るく元気いっぱいなのですが、津波が来た時の話をされる時は、目に涙を浮かべられていました。
今年で震災5年を迎えますが、まだまだ心の中には深く傷が残っているのだと改めて認識しました。
2月21日(日)まで視聴可能 NHK仙台&宮城テレビ放送
2月15日、全国の支援者への報告・御礼としてメディア関係者向け視察会を
行い、以下の通り放映されました。取材クルーの皆さんはとっても寒い中、
蔵王おろしの真っ只中で取材いただきました。
NHK仙台 2月15日 放映
*2月21日(日)まで、あと5日は見られます。
*50人~150人と言うのは地元被災農家の雇用、年1,400人工
ボランティアは年1,600人以上。
宮城テレビ放送 2月15日 放映
*2月21日(日)まで、あと5日は見られます。
あらためて、これまで5年のご支援、心から御礼を申し上げます。
道のりは長いですがしっかり頑張ります。
2月9日、名取市海岸林再生の会の研修会に、
2016年度の事業計画を打ち合わせ、同席させていただきました。
雇用見通し 1,400人工(8時間/1人工)
ボランティア 1,600人
視察 500人
活動報告聴講 5,000人以上
*以上2015年度と同規模と想定される。
播種
・播種量 約100,000粒(2kg)
・宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ等
・2月、コンテナ2,900台、培養土700体など納品
・3月中旬~、コンテナへの土づめ
・4月下旬、コンテナ播種
育苗:
・管理本数 約160,000本(1年生・2年生合計)
・主な苗
宮城県産抵抗性クロマツ・コンテナ苗
宮城県網地島産抵抗性クロマツ・コンテナ苗
宮城県産精英樹クロマツ・コンテナ苗・裸苗
岡山県産抵抗性クロマツ・コンテナ苗
香川県産抵抗性クロマツ・コンテナ苗
・その他
宮城県産抵抗性クロマツ挿し木・コンテナ苗
宮城県産抵抗性クロマツ・日本製紙開発コンテナ苗
岩手県産抵抗性アカマツ・コンテナ苗・裸苗
宮城県産広葉樹 ケヤキ、オオシマザクラ、コナラ
皇居産広葉樹 エノキ
植栽:
・植栽本数 約50,000本
・植栽面積 10ha
海岸林
広浦の南5ha、閖上3ha(市有林・県有林)45,000本
内陸防風林
海岸林西側ビニールハウス団地内 5,000本
全長約2km、1ha 市有林 *苗木提供のみ
*植樹祭 5月 2ha
育林
・管理総面積 36ha
震災前とほぼ同規模になったご自身の野菜をやりながら、
クロマツとの二刀流です。
今年も体に気を付けて協力し合って、
出れるときは出て来てくださいね。
2月10日、日本記者クラブ主催で、海岸林再生プロジェクトの報告の機会をいただき、
その模様をyoutubeで公開いただきました。(全1時間)
とくにご覧いただきたいのは、動画開始11分頃から、名取市海岸林再生の会の
櫻井重夫副会長が、ご自身で書かれた文章を読み上げる場面です。
ここでしか絶対見られません。
日本記者クラブHP 会見リポート
日本記者クラブの皆さま、諸事ご手配いただいたチーム海岸林の皆さん、
心から御礼を申し上げます。
ここでしか見られないのはもう一つ。
私が「TPP」を何度も「TTP」と言ったこと。
東京本部スーパーパートの和代さんからCメールで、ビシャリ!ご指摘(笑)
緊張して間違えたというより、根本的に間違えてました。
あと、燃料革命と木材自由化を言い間違えた自覚あり。
もう間違えません。恥ずかし~ みんなの代表なのに・・・
日本記者クラブでの報告を前に
植栽地実踏と2016年度の事業予定の打ち合わせを行いました。
その翌日、副会長の櫻井重夫さんと私は東京へ。
「お気の毒に…」、「吉田に関わるとホントに危ない…」と
みんなからシズラレながら。(*しずる=からかう)
上京目的は日本記者クラブ主催の活動報告会。
櫻井さんの奥さんも心配。
娘さんから「記者クラブってよくテレビで見るアレだよね…」と
メールがあったそうで。
ご本人は「眠れね」「ちゃんと帰りもホームまで送ってケロ。迷うガラ」
「やっぱイギタグネ(行きたくない)」と。
「ご安心ください。みんなを代表して、メディアを通じて5年の御礼を言うのが目的。
普段のまんまでイイんです」「人の批判はしない。嘘は言わない。それだけです」と。
新幹線の中で打ち合わせ。
櫻井さんは原稿を書いてくださったので読む練習。
途中で二人とも眠くなって。
揮毫するときも、挨拶するときも震えました。
二人とも、名取から会場に着くまでに3回もトイレに行ったし。
今回の会見は、コチラ主催ではなく、記者クラブの主催。
オイスカ55年でも初。
チーム海岸林で元フォーリンプレスセンター職員の鈴木昭さんと、
元日経新聞論説委員の小林省太さんの後押し、そしで記者クラブのご理解のおかげ。
「現場の人の話を聞く機会を設けたかった」と石川企画部長。
部長や小林さんからコツやアドバイスもいただきました。
今度の3.12以降は、震災復興の露出は一気に落ちるでしょう。
発表の模様は後日。youtubeにも出ます。
櫻井さんの話、感動して、涙が出そうになりました。
Post2020雑感⑪連載最終 海沿いの賑わい、沿岸活性化
連載の最終回にします。
ノンビリ書いているうちに2月になってしまいました。
宮城県石巻市では、暖冬の影響で、例年より1か月早く梅が咲いたそうです。
現場の速い動き出しも覚悟しつつ、春の寒の戻りも頭に入れつつ。
昨年8月から、普段の力を一部割いて「海岸林の将来と地域のビジョン形成調査」を少し
前進させたので、個人的な意見も含め、アウトプットしようとブログに書きました。
これからじっくり時間をかけ、多くの人と話し合いつつ、官民協働の成果にしたいです。
名取市は全国住みやすい街ランキングで第4位。東北では第1位という報道がありました。
しかし、繰り返し申し上げていますが、被災地の海沿い、波打ち際から幅数kmは農地・産業用地、
公園・スポーツ施設など公共施設は立つものの、人は住めない居住禁止区域ができます。
海沿いの賑わいはほんとうに取り戻せるのか、創造的復興は実現するのか不安にもなります。
仙台空港は民営化第1号。30年後には現在の倍の600万人利用を目指すと先週報じられました。
商業施設も充実し、東北から世界に向けた物流の一大拠点として、さらに魅力を増し、
海沿いのにぎわい創出の有力な拠点となるでしょう。
先日、閖上の漁港に水揚げされる赤貝を見る機会がありましたが、漁業・水産加工の復活も
少しづつ前進しています。
空港の北側では、TPP対応の農地整備が進んでいます。昭和40年代の木材自由化により、
外材輸入が一気に進み、国内林業が廃れた状況と同じことが農林水産業全般で起こらぬよう
大区画化、法人化、グループ化、機械化、大規模化が進み、若者の雇用も少しずつ進んで
いるように見えます。あくまでも名取の一部ですが。一法人で水田200haの取り扱いを目指す
法人もあります。
もう十分復興したのではないかと言うムードを被災地以外では感じますが、現場の立場から
言えば、これからが再建への本番です。
連載の最後は、「名取市地方創生総合戦略」「名取市沿岸活性化ビジョン」なども参考に、
「人の流れがどうなるか」という視点から、希望を込めて予想してみたいと思います。
●沿岸域の人の流れはどうなるだろうか?
*自動車
・第2次防御ラインのかさ上げ道路が、空港北側、東側を通り、物流の重要インフラにもなる。
・高速道路の名取スマートICなど、空港インフラがさらに整備される。
・閖上には慰霊碑や、水産加工場、朝市、防災ステーション、スポーツ公園など、人が集う
拠点化されるでしょう。
*電車⇒歩く
・環境省「みちのくしおかぜトレイル」(全長700km)が、海岸林の真ん中を通る可能性がある。
トレイルステーション、道標、休憩小屋、トイレも整備され、空港駅を拠点にして千年希望の丘や、
閖上港への日帰りウォーキング客が増える。蔵王連峰と海岸林と空港のビューポイントを
見ながら飛行機の真下の防潮堤も歩ける。トレイルが盛んな外国からも来るだろう。
*自転車
・宿泊も可能な名取市サイクルスポーツセンターが閖上にできる。全長4kmのサイクリング
ロードコースは、2016・2017年に植える場所の真ん中を通り、松原にもサイクリング客が
増えるだろう。ボランティアも風呂に入り、宿泊もでき、草刈りも自転車に乗って?
・サイクリングロードでは、毎年9月「8時間耐久ままちゃりレース」が復活。我々は草刈り
しながら、それを応援。それとも、チームとして出場?
*飛行機
・LCCや国際線が増便されると思う。国際線はまずタイ国際航空が復活するのではないか。
外国人観光客を増やす流れは進むだろう。空港から歩いて行ける被災地は、外国人も
見たいかもしれない。海岸林にも外国語による説明はもっと必要になる。
「火気厳禁」「地震が来たらすぐ逃げろ」など中国語でも書かねばならないか。
*商業施設
・「仙台国際空港㈱」の主軸である東急グループのホテルが空港内にできるのではないか。
仙台空港アクセス線の鉄道沿線活性化策は、それこそ東急グループが本領発揮。
・拡幅された貞山運河に船着き場ができて休日は閖上~空港~岩沼南部への貞山運河
遊覧船ができたらイイなあ~
・かさ上げ道路が完成した後は、大型トラックの運転手ターゲットの、大きな駐車場がある
食堂ができるとイイなあ~。野菜直売所や釣具屋もできるかもしれないなあ。
●海岸林の防災以外の価値
多くの方がふらりと訪れる憩いの場でもあり、遠足や学習で子どもたちが来られる場であって
ほしいと心から思います。きっと四季折々、多くの生き物を見ることもできるはずです。
海岸林の価値は防災だけではありません。観光や商業振興面の価値もあると考えています。
かつて戦争の惨禍から立ち上がったように、多くの方のチカラで震災から復旧した真の証し
でもあります。再生の会は2020年に「平成の愛林碑を立てる」と意気込んで積立しています。
それとともに、地盤沈下した湿地の真ん中にある昭和32年の「愛林碑」を救出して、一緒に
並べたいとも考えています。歴史をイメージできる場にもしたいです。
この5年、全国のさまざまな海岸林も見てきました。
人知れず、地域を守る機能を果たし続けているのに、何処に行っても見向きもされていない
きわめてマイナーな扱いをされている印象を持っています。
以上、縷々連載したように、名取の海岸林は全国の人々への格好の啓発の場でもあり、
それを活かすことは全国の海岸林の存在意義を知らしめる場でもあります。
また、これからは、「南海トラフへ対策へのモデル」にもならねばと思っています。
連載おわり
Post2020雑感⑩ 森づくりは人づくり ~不断の人材育成の必要~
●ベテランと中堅・若手の組み合わせ
私はプロジェクト全体を預かっているものの、現場では佐々木統括の指揮下に入ります。
この5年、多くの関係者に鍛えられ、支えられてきましたが、佐々木統括、清藤参事、
松島森林総合の佐々木勝義さん、東大名誉教授の太田猛彦先生なしに、この事業はあり得ません。
実践型のベテラン、シニア層の活躍・活用は社会にプラス。それに脚力のある
中堅・若手が、時々叱られ、ぶつかりながら、主体的に従うという図式でした。
技術の柱、理論の柱はベテランに、行動の柱は中堅がという分担はこれからも変わりません。
●いわゆる専門家と、実践家の違い
「事業規模・実践論で考える人が少ない」ことに苦労した5年でもありました。そういう私も、
反対側に陥ることもありました。佐々木統括にも、その点の甘さを見抜かれ、鍛えられました。
2011年7月、法人寄附第一号の三菱UFJニコス㈱の佐々木宗平社長が「これは大変だぞ」とコメント
したと、直後に社員さんから聞きましたが、非常に嬉しく思いました。規模感、コスト感を一瞬で
見抜かれたのだと思います。この言葉は私にとって何よりの励みになりました。
しかも、銀行家の中の銀行家から言っていただいたのですから。とにかく試験レベル、イベントと、
事業は根底から違います。肝心要では、ちょっとした失敗が、大きな損失に繋がるのですから。
●技術者の不足
行政は世論からも、公務員改革、人減らしの流れをたどり、結果、復興最前線は苦境に立ちました。
阪神大震災の時、某自動車会社はタイヤの多くを被災地に主力工場を持つメーカーに頼っていたため
大損害を受けました。あの時、「あそびのない現場はこうなる」と父が言っていました。
農林水産業全般において、現場に精通した人が不足してゆくでしょう。一人前になるのに10年は
かかるでしょう。バブル崩壊後、新卒採用を手控えたため、どこの組織も中堅の人材不足、
若手の育成が遅れている。海岸林のボランティアの日には、他県の行政マンが来ることもあり、
視察も相次いでいます。実践論・技術の研鑽を希望する人が集う場所でありたい。
●技術の継承
「海岸林施業は忘れかけられた技術」と言った方がいました。佐々木統括はご自身の経験に加え、
独自で技術の掘り起こしをしてきました。それを「次世代につなげる」という意識を強く持って
います。その対象は、私たちであり、「事業規模の植栽自体、ほとんど経験がない」森林組合の
作業班であり、行政当局でもあると思います。オイスカ版「宮城県南部海岸林再生マニュアル」は
必ず作りたいと思います。佐々木統括への聞き書きになるかもしれませんが。
また、私自身が佐々木統括の立場を担うことは能力的にできません。経験した世界が違います。
生半可の経験ではとても太刀打ちできない。佐々木統括とともにしてきた5年を振り返ると、
「統括はこのために生まれてきたのではないか」と思うほど、人生のすべてが生きて、あらゆる
ことを応用していると思います。鍛えていただいている今、本当に幸せに思います。
先輩から盗むしかないのですから。
●人づくりは大きく3つ
①野戦を担える実践家の育成
②経営・運営ができる市民の育成
③市民ボランティアの育成、市民全般への啓発
●若い世代へ
正直なところ、子どもたちにわが現場に来てほしい。ですが、教育の現場からも、親からも
そういうリクエストは全くないに等しいのが現状です。昨年、初めて仙台市、松島町、大河原町の
小中学校からオファーが来ましたが。まず、一人でも多くの教員、父兄に情報が届くよう努力を
します。海へのナーバスな感情が多々あるのは事実ですが、もう、震災から5年です。
ただ、「子どもたちのためにと言いながら、大人が上げ膳据え膳するイベントが多い」と、
私がPTA会長をしていた時の校長先生が言っていました。全く同感です。新学習指導要領の柱は、
「アクティブラーニング」。自分で考える力をつけるのが主眼と理解しています。
また、震災の時に小中学生だった子たちが、大きくなっています。何かしたいという気持ちがある
若い衆と出会いたいですね。農林水産業の担い手になろうという人が増えるといいなと思います。
いずれも地道ですが、意識的にコツコツ進めております。5年、10年かかると思います。
私自身の立場も①②でもあります。成長しなければならない立場。
今年はどんな出会いがあるのか、どんな出来事が起こるのか、楽しみです。
雪の中でもマツは頑張っています
こんにちは。浅野です。
今年初!名取に行ってきました。
というのは、1月24日の話ですが…更新が遅くなってしまいすみません。
先月の大寒波で名取も雪に覆われていました。
今回、いくつかの業務のために現場に来たのですが、その中の一つに
「3月13日の歩こうツアーの下見」がありました。
植栽完了地を端から端まで歩こうというツアーなのですが、
説明をしながら歩くということで、どこがどのくらい成長してるのか、
といった確認をしてきました。
雪の中、てくてく歩くこと数分…何かの足あとが。
さらに数分…また足あと。しかも違う種類。
動物・鳥…大小さまざまな足あとがいたる所で見られました。
約3kmの中にこんなにたくさんの生き物が帰ってきてることをすごくうれしく感じました。
それと同時に雪の中でも力強く生きているマツたちに元気をもらいました。
ということで、みなさんにも見に来ていただけたら…と思います。
3月13日に歩こうツアーを予定していますので、ぜひご参加ください!
Post2020雑感⑨ 資金をどう調達するか
●2020年以降は、官が出来ることは官で、民が出来ることは民で
あと5年で復興交付金は終わる。東北はいつまでも国税をアテにしてはいられない。
地主の応分の負担、自らの出費を覚悟いただかねばならない。オイスカも協力継続が
大前提だが、あらためて、地権者の「自助」の覚悟、応分の負担を再確認しなければ
ならない。「自助自立精神」に協力するのが、オイスカ創立来55年の不文律。
その上で、当方も覚悟して協力させていただく。これまでは民間資金で実施していたが、
今後は行政の施策・制度を駆使することも考えねばならない。
官が出来ることは官で、民が出来ることは民で。
●収入源の分散化
Post2020は、宮城県南部に広大な面積に植栽された海岸林が生まれる。
しかし、あまりに広大。十分な公的資金が、名取に供給されるとは思えない。
まず、毎年、下草刈りを行わねばならない。公的資金はNPOに投入されるのではなく、
地権者が所有する森に直接投入される。しかし、まずそれを第1の収入源と考える。
行政から林業事業体への委託の他、NPOに委託される部分もあるかもしれない。
第2に民間努力による収入。まず、名取には育苗~植栽~2034年までの育林費用として
10億円目標で募金を募っており、最低でも2億円は、オイスカで管理する「積立金」
(内閣府にも「特定費用準備資金」として計画を提出している。
それは、「仮称)名取市海岸林を守る会」の活動資金・運営にも活用する。
この積立金が第2の収入源となる。
そして、第3の収入源は、寄附金・民間助成金収入。寄附金募集は半永久的だろう。
収入源の分散化・多様化は、運営の独立性・安定性の意味で重要と考える。
●地元NPOの自己資金率
全国の地場NPOの自己資金率(公的資金に頼らない部分)は、依然として「極めて低い」
というのが、NPOコンサルの多くの所見。志で立ち上げても、公的助成、委託事業
による補助金収入が大半を占めるという状況。
①公的助成・補助金収入、②寄附・民間助成収入、③事業収入
以上の3本柱が考えられる。収入源の分散、②③が半分以上となる高い自己資金率が
安定経営には理想的。しかし、②だけでも相当の労力が必要となる。
また、③については、海岸林の諸資源による取り組みで、ビジネスベースに乗った
事例は聞いたことがない。
●資金獲得の手法
どのような目標を掲げ、どのような経過で目標に辿り着こうとするかと、資金獲得
の手法は大いに関係があると考える。結論から言えば、名取の海岸林の場合、
「出来るだけ多くの方から少しづつ」という手法で森づくりの労力も、資金も募るのが
妥当だと考える。しかし、きれいごとばかり言えないので、官民にある良い施策に
アンテナを張り、あらゆる制度を駆使しながら、やり繰りすることになるのだろう。
また、オイスカを通じて東京をはじめ国内外のパイプを利用してゆく必要もある。