10月1日、2016年植栽地が多雨に耐えたか、気になって見に行った。
去年、たくさんのアカトンボが面白いように防潮堤に沿って、
北風に逆らって飛んでいたのを思い出しながら現場に向かった。
あれも誰かと一緒に見たい名取。
今度のボランティアの日あたりどうかな。
ですが、クロマツよりアカトンボより、まず目に入ったのは無数のツバメ。
6回目の名取の秋だが、いままでこんな乱舞は見たことがない。
デカいツバメだけでなく、普通のツバメも飛んでいた。
海沿いは猛禽類やカラスも多く、ツバメの生活圏ではないと思っていた。
ツバメは美田園駅周辺にしかいないと言ってもいい。
デカいツバメは、すごいスピードで飛ぶ。
広げた翼は、回転しない弓形ブーメランにも見える。
遥か空高くの集団乱舞は、羽がV字だったり、Xのように見えたり。
翼もカラダも大きい。黒いカラダの一部の白い部分が目についた。
先日のブログ「はや冬支度」の末尾で、シロウトなのに
「大きなツバメ」と勝手に断言したのが気になって、少し調べてみた。
どうも「アマツバメ」らしい。

久々の快晴でした。この中にアマツバメが20匹以上は写っていると思います

久々の快晴でした。この中にアマツバメが20匹以上は写っていると思います


普段はこんな平地にいるわけもなく、留鳥ではなく夏鳥。
ツバメはスズメ目で、コチラはアマツバメ目。
飛びながら寝るとか。渡りでは毎日300km飛ぶとか。
今度、三浦さんの話をちゃんと聞くのが楽しみだ。
雨燕だけど、次の日も晴れました。
そもそも「渡り」とも断言しましたが、きっとそうだろう。
今度行ったときには、南に行ってしまって、一羽もいない気がする…
「誰かと見たい、誰かに見せたい名取海岸林100選」を
再生の会やボランティアのみなさんにも聞いて、まとめてみようかな。
わたし一人で50ぐらいは出せるかも。
私的 誰かに見せたい名取② 「波打ち際を泳ぐワタリガニを、トビが捕まえて、防潮堤で食事した跡」(そのあとはタヌキが殻ごと食べる)

私的 誰かに見せたい名取②
「波打ち際を泳ぐワタリガニを、トビが捕まえて、
防潮堤で食事した跡」(そのあとはタヌキが殻ごと食べる)


今年の植樹祭植栽個所は99.9%生育

今年の植樹祭植栽個所は99.9%生育

活動報告会のシーズンが始まりました。公募するものについてお知らせします。
●埼玉県草加市にて
何度も現場に来て下さっている草加市の元気なみなさんの話が注目点です。
主 催:草加市社会福祉協議会
日 時:10月23日(日)14時~16時
場 所:高砂コミュニティーセンター 
    (草加市立高砂小学校内 草加市中央1-2-5 TEL:048-920-3066)
     東武スカイツリーライン草加駅東口より徒歩12分
     バスの場合、①草加駅東口3番のりば発、谷塚駅東口行き、
     ②谷塚駅東口2番のりば発、草加駅東口行き「あずま通り停留所」下車
内 容:【災害ボランティア研修】 
     1.災害ボランティア団体「チーム草加」メンバーによる
       海岸林再生プロジェクト参加報告
     2.被災地の現状と海岸林再生プロジェクト報告(オイスカ吉田:60分)
       質疑応答
     3.草加市災害ボランティア登録制度および活動について紹介
お申込み:草加市社会福祉協議会 地域福祉課 地域福祉担当
     tel:048-932-6770 FAX:048-932-6779
     ご氏名と電話番号をお伝えください
●大阪市にて
大阪マラソンのオイスカチャリティーランナーは48名も。激励会を兼ねます。
主 催:公益財団法人オイスカ 共催:ベイエリア交流サロン
日 時:平成28年10月29日(土) 16:00~17:00
場 所:ATC(アジア太平洋トレードセンター)ITM館11階
      おおさかATCグリーンエコプラザセミナールーム (大阪市住之江区南港北2-1-10)
     *トレードセンター前駅から直結 
内 容:大阪マラソンのチャリティ寄附先団体に登録されました。
   「海岸林再生プロジェクト」の趣旨に賛同し、支援のためにフルマラソンに挑戦してくれる
    ランナーは過去最多の48名です。この機会にプロジェクトの近況を報告するとともに、
    ランナーを激励すべく、活動報告会を開催します。 
締 切:10月26日(水)締切
参加費:無料 *会場に募金箱を設置しますので、ご協力お願いします。    
お申込み:こちら
     またはメールにてご連絡ください。(kaiganrin@oisca.orgまで)
なお、最も寄附を集めた大阪マラソン「ベストチャリティランナー賞」に
当プロジェクト担当の吉田と決まりました。報告会前に授賞式があります。

昨年もオイスカの支援者、久我宇佐治さんがベストチャリティランナー賞を受賞。14団体のチャリティーランナーは400人以上

昨年もオイスカの支援者、久我宇佐治さんがベストチャリティ
ランナー賞を受賞。14団体のチャリティーランナーは400人以上


【授賞式】
日 時:10月29日(土)15時~15時50分
場 所:インテックス大阪 インテックスプラザステージ 
     *上記会場から徒歩10分。来ていただいた方には吉田が報告会会場までご案内します。
開催イベント:『なないろチャリティステージ』
   第一部:チャリティトークショー(アンミカさんによるトークショー) 
   第二部:ベストチャリティランナー賞授賞式(オイスカ吉田俊通)*15:20前後に登壇
   第三部:チャリティオークション
●横浜市にて
5年半名取の現場を取材し続けている元新聞記者の目で報告していただきます。
主 催:公益財団法人オイスカ   共 催:オイスカ神奈川推進協議会
日 時:11月16日(水)16:00~17:30
場 所:関内フューチャーセンター 1階
    横浜市中区北仲通3-33 TEL:045-263-9239
*みなとみらい線「馬車道」駅から徒歩5分
講 師:小林省太氏(元日本経済新聞論説委員兼解説委員)ほか
参加費:無料 *会場に募金箱を設置いたします。ご協力お願いします。
その他:「新しい東北」官民連携推進協議会 連携支援制度に則った報告会として開催します。
後 援:横浜商工会議所・一般社団法人神奈川経済同友会(予定)
お申込み:オイスカ神奈川推進協議会 事務局  小林孝雄
     下記の電話またはメールにてご照会、お申込みください
    「氏名」「住所」「企業・団体名」「連絡方法」を添えてお願いします。
    電 話 080-5016-2584(携帯)
    メールt-koby@massmass.jp

コチラの盛土

2016年10月4日( カテゴリー: 現場レポート )

最近、豊洲市場の絡みで、「盛土」という、東北の海岸林再生にとっては馴染みの
深い言葉が、新聞の一面トップの見出しにまで連日登場する。
10月1日、朝日新聞朝刊2面に「盛土」は「もりど」と読むか、「もりつち」かと、
小泉純一郎元首相から質問が届いたと載っていた。
「広辞苑には<もりつち>しかないのに、<もりど>と言うのは不思議だ」と元首相。
たしかにどちらも聞く。「もりど」は記事の結論の通り、業界用語という気がする。
それはさておき、名取の「盛土」を担当している建設会社の現場責任者の方に
2017年度植栽予定地の滞水・排水対策工事のココロを伺いに行った。
大まかに言って、
・作業道を南北の排水溝とすべく、切り下げる。
・貴重な水辺である広浦に配慮し、その反対側に排水すべく、東西にも暗渠をつくる。
ただし、なにかを埋め込むのではなく、盛土の山砂を掻き出し、透水性のよい
海砂を入れて、フラットな状態を完成形とする。
・掻き出した山砂は、盛土の低い箇所に運び、盛土高を上げるのに使う。
改善の訴えに耳を傾け、尽力くださった皆様に感謝すると当時に、
現状打破を信じたい。

左はこれまでひどく水が溜まった個所。右(東方向)に流しています

左はこれまでひどく水が溜まった個所。
右(東方向)に流しています


名取は他の例にもれず、9月がもっとも雨が多い。
だいたい230㎜が平均だと思っているが、今年は279㎜だった。
過去6年では、72㎜という年もあれば、335㎜降った年もあった。
林野庁の盛土工事とは別発注で先に造ってしまった、市のサイクリング道の絡みで、
完全な排水不全となり湿地性植物まで生えている個所のクロマツを、いつも真っ先に見に行く。
幸いなことに、いまのところ、まったく枯れずに持ちこたえていた。
一苦労だけどボランティアの手で直そうと思ったりもした場所も、相談したら即、建設会社が手直ししてくれていました

一苦労だけどボランティアの手で直そうと思ったりもした場所も、
相談したら即、建設会社が手直ししてくれていました


被災地復興の現場では、発注者として、さまざまな主体が入り乱れて当然。
人間のすることだから、悪意なきミス、連携ミスはいつ起きてもおかしくない。
しかし、アチラの盛土では、「だれの責任でいつ決めたかわからない」という結論だった。
コチラの盛土も、県と市の2つのサイクリング道がある。
「当局内でも課毎でバラバラに行動している」「自分の工事しか考えていない」とよく聞く。
保安林を解除して拡幅し、植えたクロマツが無駄になる可能性もあると聞いている。
「わからなかった」で手痛い被害を受けるのは我々。
たとえ悪意がなかろうと、飛んでくる火の粉は、振り払わねば自分が焼けてしまう。
自分たちで集めた寄附金を無駄にしたくない。
だから、これまで同様、情報は自ら取りに行かねばならない。
重機やダンプが動く意味、動く場所、動く方向が、やっとわかってきました。

重機やダンプが動く意味、動く場所、
動く方向が、やっとわかってきました。

雨続きで、日照時間が極めて少なかったこの9月も終わった。
稲作はそれでも豊作の見通しらしい。
dsc_0004
10月1日、再生の会は、土曜日は本来定休日なのに、急遽4人出勤。

「よすだくん(吉田君)、いつ来たの?」と勝征さん。

この方と会うと、いつでも安心感を感じる。尊敬する名取市民の一人です。

今日は、空中断根していた2年目苗の「根降ろし」の事前準備。すなわち越冬の準備です。

「昨日今日、やっと晴れたんだー。ちっとも(小松菜が)のびねんだー」と峰男さん。
「でも、今日は暑いよねー。朝夕は少し寒いけど」と奥さん。

空中断根していても、コンテナの外に根が出ている。それをキレイに剃り落とす作業。
地味な作業です。コンテナは3,000台以上。何日もかかります。

「(道具の)刃がすぐ切れなくなるんだ。毎日グラインダーとヤスリと両方使いながら、
刃を研がなきゃならねんだー。グラインダーは刃を削り過ぎるし、
ヤスリはすぐダメになる。 意外と厄介なんだよー」
dsc_0003

「空中断根」は細根の十分な発達を促し、「根降ろし」は根元径の太りを促す意味もある。
根降ろしは10月17日~2日間。かなり腰に来る仕事です。これを再生の会と一緒にやると、
農家の人のカラダの頑丈さを思い知らされます。

根降ろしの後は、0.6haの育苗場はこれまでで最大の使用面積になります。
コンテナ同志間を空けるので、全面使用になるはずです。

「よすだくん、飯だよ。」
「んじゃみんな、いつづ(13時)から(仕事)やっからな~」

仕事も早いけど、撤収も早い。
dsc_0002
午後、植栽現場に出たら、普通のツバメと、少し体が大きい見たことがないツバメが
クロマツの上を乱舞していた。驚くほどの数。
名取の6回目の秋だけど、こんな光景は初めてだ。
きっと南に渡るのだろう。

ツバメもクロマツも冬支度。

9月29・30日、まだランを再開する自信はないけれど、
できるだけ歩こうと予定通り外回り。30日は仙台で。
仙台に着いた途端、寒い。
今日は半袖で歩いている人は少ない。
ボランティアの日に参加いただいた第一三共の東北支店長さんから
特に大事なお客様の卸先との会合で、活動報告の機会をいただいたため、
その打ち合わせなど何件か。
夜、宮城県支部小野事務局長とともに、名取市閖上出身のイラストレーター
ico.さんの個展「みやぎのさんぽ道」展、最終日を見に行きました。
彼女の個展はいつも、私が予想した内容とハズレル。それがまた楽しみ。
今回の感想は、ほんとうに私は女心が分からないんだな……ということ。
小野事務局長は「才能がある人はいいねー」と。
絵は上手くなくても、女心が分かる感性と才能が欲しかったなあ、私は。
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ico.さんは植樹祭の告知チラシや、寄附金募集チラシの絵を描いてくださっていますが、
次は、ご寄附いただいた方へのお礼のグッズを。
いつも、個展の告知用カードでもプロジェクトの事を紹介くださり、
会場にもチラシを設置くださっています。
夕飯は小野さんと二人で、ちょっとオシャレで、古風な
仙台駅東口近くの「豆千代」というお店で。
秋刀魚のお寿司が美味しかった。
せめて、3食しっかり食べて大阪マラソンに備えなきゃ。
歩くのでさえもすごく違和感があるけど、17,000歩ウォークしました。

詐欺師か?

2016年10月1日( カテゴリー: 本部発 )

東京にあるオイスカの本部事務所。
3階の建て物の海岸林チームのデスクがある1階が、
来年4月から杉並区の“待機児童問題”解決にむけた保育所になるため、
9月26日~27日の2日間で2階事務所でへ引っ越し。
その作業中、生まれて初めて腰を痛めてしまいました。
大阪マラソンがあるというのに。
痛めた次の瞬間思ったのは、「これじゃ詐欺師だ」と。
チャリティランナーとしてみなさんから50万円も協力いただいたのに、
走れなかったらどうしようと。
即刻冷やしながら、横になりました。
次の日、病院に行き、先生に聞きました。
「私、1ヵ月後にフルマラソン走れますか?」と。
ダメとは言われませんでした。
ですが、「痛みが癒えるまでの2週間で筋力は50%落ちる」とキッパリ……想像つかない。
スポーツに精通したお医者さんで、リハビリ施設があることを聞いて頼ったので、
即刻、理学療法士の方から、リハビリを教わり、2時間そーっとやってみました。
私が怪我をするとしたら膝だと思ってました。
走ろうと決意してから、ずいぶん時間も費やして練習してきました。
決めた時間に雨だからと休んだことはありませんでした。
片時も忘れたことがないぐらいフルマラソンを恐れてきました。
レース1ヵ月前の9月は、練習量をトップにしなければなりませんでした。
その代わり、疲れも溜まり、風邪を引きやすくなると聞いていました。
9月は雨の中を走る日が多かった。当日だって雨天決行ですから。
けれども注意が足りず、風邪を引いて2度も仕事も休み、焦りの気持ちもありました。
病み上がりの練習はその都度キツかったです。
ゼロから練習し、25kmを何度も走り、だいぶ自信をつけたのに。
でも、もう泣いても笑っても仕方ない。
あと1ヵ月、できることをやるだけ。
震災後のあの1年を思えば、なんのこれしき。
詐欺師と言われてなるものか。

道のりは長い・・・ (2018年度植栽予定地にて)

道のりは長い・・・ (2018年度植栽予定地にて)

カウントダウン

2016年9月30日( カテゴリー: 本部発 )

大阪マラソンまであと1ヵ月となりました。

今日はチャリティランナーの7万円の寄附集めのデッドライン。
(寄附は引き続き受け付けますが、最低寄附金額の7万円を
今日までに集めなければいけないことになっているのです)

先ほどジャパンギビングのサイトを見たら
「締切まであと:14時間07分」と表示されていました。
まさにカウントダウン。

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今もいろいろな方から駆け込み寄附が続いています。
もし「あ、忘れてた!」という方いらっしゃいましたら
今日中によろしくお願いします。

9月16日のボランティア

2016年9月29日( カテゴリー: 現場レポート )

9月16日(金)、UAゼンセンとレナウン労働組合の皆さん総勢85名がボランティアに参加してくれました。
レナウンさんからは1年目から3年目の社員の方が主に来られていただけあって
第一印象は”若い”でした。
初めてボランティアというものに参加したという方も多くて、
最初は戸惑っていた皆さんもツルマメクサやクズを取っていくうちに
マツに情が移ったようで、「あ~かわいそう!」「優しく取らなきゃいけないんだよねー」と
いった声があちらこちらから聞こえてくるようになりました。
午前の作業が終わり、バスに乗り込もうとしているときに「見てください!」と
言いながらなにかを持ってくるレナウン女子が…。
「クズの根っこです!!」

満面の笑みです

満面の笑みです


クズ取りにハマっちゃったみたいです。
午後も引き続きツルマメクサやクズと戦ってもらい、おかげさまで2015年植栽地の保育が完了しました。
Before

Before


After

After


最後に全員で写真を撮って…
dscn0810
皆さん、本当にお疲れさまでした!

食べられるキノコ

2016年9月28日( カテゴリー: いきもの, 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
今日はこの前、植栽地で見つけたキノコをご紹介します。

ちょっと見辛いですが…

ちょっと見辛いですが…


軍手の先のうっすら紫色のついているのがキノコです。
このキノコが何なのか、食べられるのか、毒なのか…
何も分からなかったので、清藤先生にお知り合いの専門家の方に写真を送ってみてもらいました。
すると…
〝拡大写真が塊で写っているのと、バックが青色の手袋なので、正確な色がわかりません。
写真のバックはグレーにしてもらうとわかりやすくなります。
以下に、可能性のある種名を上げます。
・たい肥や有機物を施用、もしくは、地下に廃材等が埋められている場合は、「コムラサキシメジ」(腐生菌)
・いずれも施用していない場合は、アカヤマタケ属(菌根菌)の可能性も考えられますが、
クロマツ苗の大きさからみて、かなり不確実です。
このくらいしか回答できません〟
という返信が。
清藤先生からは「コムラサキシメジ」と言っていいと思うとの返信。
コムラサキシメジ…??
調べました。
【発生環境】 腐植の多い畑や路傍,芝生,ウッドチップ帯,イネ科植物を刈り取って積んだ場所など
【生態】 腐生菌。芝地に生えるとシバが 枯れるが,直接的な病原性があるわけではないと思われる
【発生時期】 初夏~秋
【食毒】 なし。クセがなく、おいしい食用キノコ
おいしい食用キノコ
食べられるキノコ!
ついに食べられるキノコが植栽地で発見されました。
マツの菌根菌のおかげではないようで、残念ですが…。
ただ100%の判定ではないので、
今度見つけたら持ち帰ってちゃんと実物を見てもらいます。
本当に食べられるキノコだとお墨付きをいただいたら
採ってきて、調理して、皆さんにご紹介します。
こうやって食べられるキノコが増えていくとうれしいな~

9月15日、清藤参事、佐々木統括とともに、青森県つがる市(旧車力村・旧木造村)の
屏風山海岸防災林を東北森林管理局津軽森林管理署金木支所の皆さまにご案内いただいた。
「お前、暇なのか?」と佐々木統括が呆れるほど(でもないですが)調べてみたものの、
なかなかコレという文献・論文がない。1682年津軽4代目藩主信政公以来の
林政学的なものは、歴史的背景から想像するのに役に立ったが。
国内随一と呼んで間違いない規模感だけイメージして津軽に入った。
秋田市の東北森林管理局訪問のあと、敢えて海沿いを車で走った。
目的は、ナラ枯れと松くい虫の侵入の状況を見るため。
秋田から青森に入ると松くい虫のいない世界に変わった。
県境に、マツが1本もない幅2kmの防御ラインを作ったことは知っていた。
屏風山での感想は、ただただ茫然としたということ。
整理すると、
◎海側最前列の「犠牲木」は、50年生にも関わらず樹高は膝下
(それだけ強烈な風。これら犠牲木の背後には樹高20数mの無数のクロマツがある)
◎松くい虫がまだ襲ってきていない、見渡す限りの青々したクロマツ林
◎禁伐(本数調整伐などの保育をほぼしない)
○桁違いの面積
○海岸浸食(場所によっては絶壁のよう)
○これがもし松くい虫の被害にあえば、風と砂で後背地農業に大きな悪影響を与える

これは、ほんの一部です

これは、ほんの一部です


膝下高のクロマツが後ろに行くにしたがって徐々に徐々に高くなってゆく

膝下高のクロマツが後ろに行くにしたがって
徐々に徐々に高くなってゆく


【 屏風山海岸防災林の概要 】
●所  有:国有林
●林帯幅 :200m~1,600m(平均600m)
●全  長:18km
●造林開始:1682年
●主な樹種:クロマツとカシワ
●主な林齢:50年(最も古いものは約100年)
最前列のハイマツのようなクロマツを見て林齢を林野庁の方に尋ねると、
「このマツは私が職員採用された30年前と同じ高さです」と…
樹齢50年で膝下の高さ…
なんという厳しい風だろうか。
軟砂は10km前後先まで飛砂害を与えるとのこと。
もし、松くい虫がきて屏風山1,000haに猛威を振るいはじめたら…
スイカは県の生産量の8割
メロンは県の作付面積7割以上
ゴボウ・長芋は日本一の出荷量
水稲は県の収穫量の17%
農業従事者約5,000人の生活は危機的状況に繋がることでしょう。
「後世に伝えるべき治山」にも選ばれた造林の苦労と、極めて重要な存在意義、
そして、1,000haというものがどういうものなのか、カラダで感じました。
このクロマツ林を造成する前、不毛の地だったとは信じられない豊かな土地です

このクロマツ林を造成する前、不毛の地だったとは
信じられない豊かな土地です

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