クロマツ播種5万6千粒
昨日と今日でクロマツ播種5万6千粒を終えました。
27日のみ参加してきた広報室の林がなが~い1日の様子を報告します。
朝8時から開始。
佐々木統括から説明ののち大事な儀式が。
種蒔きは育苗の始まりの大切な作業。
今年の苗がよいものになるようお神酒を捧げました。
神棚に見立てた棚には虫よけスプレーなどが並んでいるのが何ともうちのプロジェクトらしいというか……。
(ちなみにこのお酒、作業後に女性陣がペットボトルに詰めかえて持ち帰ってきました)
さてここからが作業の報告。
今年はすべて宮城県産の種子。粒が大きい!
↑ あらかじめ水に浸けて
← 当日朝水を切り
↓ ベビーパウダーをまぶします
まずは3月に土詰めをしたコンテナをビニールハウスから運び出します。軽トラックをビニールハウスの中に入れ、荷台に積み込みます。
畑にコンテナを並べると水をたっぷりかけて準備完了。
棒で穴を開ける人、種子を一粒ずつその穴に入れていく人、
穴を指でつまんでふさぐ人、土が少ないコンテナに土をかぶせる人。
それぞれ入れ替わりながら作業が進みます。
どれもしゃがんだ姿勢が続くので足腰が痛くなるのは同じ。
すべて人の手でやる作業ですからそれはいろいろあります。
穴あけ係は同じ力で棒を差し込んでいるのに、
土の硬さがそれぞれ違うので深さが一定にならないことに難しさを感じ、
種子まき係は小さな粒を一つひとつ、穴に入れているつもりでも2粒落ちてしまったり、
穴ふさぎ係は種子の蒔き忘れを見つけては「お~い、ここ誰がやったの?」
「毎年芽が出ないやつがあるけど、あれはそもそも蒔いてなかったんだな」などと言ってみたり。
単調な作業が続くからか、いつも以上にどうでもいい話も飛び出して
和やかな雰囲気でした。
それでもみんな6回目ともなると手順が分かっているから早い!
手薄なところを手伝ったり、次は何が必要か分かっているから動きに無駄がない。
役割が決まっているわけではないのに、全てがスムーズに動いていくって気持ちがいい!
手際よく進んだおかげでお昼休みもたっぷり。
その時間を使って同時に進んでいる植栽現場の視察へ。
27日は4000本、28日は4300本が植えられました。
「名取市海岸林再生の会」のみなさんが出荷準備をした苗は10本ずつの束にして、1箱に10束入っています。
現場に行くと森林組合の皆さんもお昼休み中でした。
長靴を脱いで車の中で休憩中。お昼寝をしている人もいれば、若いお兄ちゃんたちはスマホを眺めていました。
私たちは事務所で椅子に座ったり、畳の上に座ったりしてお弁当をいただきましたが、重労働をしている皆さんがこうして狭い車の中で休憩している様子になんだか申し訳ない気持ちになってしまいました。
1時から作業開始。ものすごい勢いで植えていく現場に響くのは鍬が砂地に刺さるサクッという音と苗木袋を引きずる音だけ。どうでもいい話で盛り上がってしまう播種チームとは違うなぁ~とまた申し訳ない気持ちになりました。
この見事にまっすぐ植えられたクロマツ、見てください!
皆さんが黙々と作業をしているのに写真を撮っているだけの自分は
ここにいちゃいけないとまたまた申し訳なく思える現場でした。
さて育苗場に戻って播種作業再開。
植栽70,000本に向けて、ただいま32,000本植付完了
4月17日から名取市海岸林再生の会の手による苗木の出荷、宮城中央森林組合の手による植付、
毎年恒例の両輪による植栽が始まって8日間が経ちました。
宮城県産精鋭樹クロマツ コンテナ苗 9,710本
宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ 挿し木苗 450本
香川県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ コンテナ苗 5,485本
宮城県網地島産精鋭樹クロマツ コンテナ苗 8,510本
岡山県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ コンテナ苗 8,300本(継続中)
宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ コンテナ苗 これから
合計 32,455本
植樹祭で1万本植えますから、職人さんのノルマとしては半分超えたところ。
職人さんたちの声
「オラ、30分で80本植えた」(22.5秒で1本。化け物の世界)
「あの人たち、半日で300本植えてった・・・」
という声もあれば、育苗場で苗木の受け渡しをしているときは
森林組合若手:「あのー、そんなに苗木出荷しないでもいいっすよ・・・」
再生の会女性:「そんなこと言わないで、頑張んなさい。ほら!コーヒーあげっから」
森林組合若手:「朝、起きられねーんです。カラダ痛くって・・・」
明日4月27日から2日間は、これに並行して2019年植栽用の「播種」を行います。
種は24日から冷蔵庫の外に出し、水に浸してあります。丸2日経つとだいぶ浮き種が
減ってきます。
今日もまた、強風注意報。
肌寒く、午後から雨模様。
「風で回される」 ~強風のあと~

「やはり風で回された・・・」
手直し個所は同じ人が植えた場所ということが多い。応急処置は施した。
幸い、本数は多くなかったが、森林組合に状況をシェア。
佐々木統括が毎年造林講習会で指示するのは植え付けの深さ。
今年の指示はコンテナの培養土から2~3cmのところが地表となるように、
「やや深植えを!」と
今年からは震災で倒伏した松チップは完全に品切れ。
これまでは、砂の移動防止、砂からの根元保護、ときに保湿、
ときに高温障害防止に役立ってきた。


これからは風がもろに根元に直撃する。
砂も飛ばされ、根元は傷つき、地表も削られ培養土が露出する。
浅植えだと苗は風で回され、写真のように隙間ができて枯損に繋がる。
海岸林の植栽の典型的な光景。
最大瞬間風速29.8m。なにしろすごい風でしたから。
襟裳岬で教わった「根踏み」も検討しなければならないか?
もっときちんと点検しなければ・・・
4月15日(土) ボランティア報告 ベルマーク
広報室の林です。
だいぶ時間が経ってしまいましたが、
前回のボランティアの日の報告の続きです。
タイトルを見て「海岸林再生プロジェクト」なのにベルマーク?
と疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
その日、朝一番に私がボランティアさんから手渡されたのが
ベルマークだったものですから……。
いつも埼玉県草加市から夜中に車で出発して現場に来てくださる
「チーム草加」の皆さんは、オイスカでベルマークを集めていると知り、
参加するたびに集めたベルマークを持ってきてくださるのです。
お昼ご飯の際にキリンの生茶やファミリーマートのおにぎりを持ってきている方を見かけると、「これ、ベルマークついているので、いただけますか?」と声をかけさせてもらっています。少しでも多くの方にご協力いただければと思い、男性の更衣室にこのような「ベルマーク回収袋」を設置させてもらいました。
もともとはボランティアの日の当日のお昼ご飯時を狙って設置した訳ですが、袋の中を覗いてみると……
↓ わかりますか? ほとんどが自宅で回収したものを袋に入れて持ってきてくださったものなのです!!
チーム草加をはじめ、たくさんの人が協力してくださっていることに感謝!
オイスカではベルマークを回収し、海外の子どもたちが取り組む
学校単位での森づくり運動「子供の森」計画の支援につなげています!
これからボランティアに参加する皆さんもぜひ回収して、
現場に来られるときにご持参ください!
よろしくお願いします。
こんなものについています↓
こんにちは。浅野です。
みなさん、四葉のクローバーが幸せの象徴とされているのはご存知ですよね?
それは、四葉のクローバーの大きい筋の葉脈が、十字架の形に見えることからそう言われているらしいです。
クリスチャンではない方でもそう言われているのは、シロツメクサ(クローバー)が三葉から四葉に変異するのは
とても稀だから偶然見つけられたら幸せ、ということだそうです。
実は、四葉のクローバーが見つかる確率は、1/1万~1/10万。
つまり、0.01~0.001%になります。
確かにこの確率を聞くと、見つけると幸せに感じてしまうのも不思議ではないですよね?
ちなみにクローバーは四葉以上のものもあって、その発生確率は…
・5つ葉 : 100万分の1
・6つ葉 : 1600万分の1
・7つ葉 : 2億5000万分の1
見つけてみたいですねー。とっても幸せに感じるんでしょうね。
と、ずらずら書いたのには訳がありまして…
オイスカの林広報室長は、なんと四葉のクローバーを見つける達人なのです!
本人曰く、四葉のクローバーに呼ばれるんだとか…
この前のボランティアの日でも、なにか持ってるなぁ…と思ったら
全て四葉のクローバー。5本もありました。すごいなぁ…
それを見たリピーターのSさんは「え!俺も見つけたい!!」と言って
シロツメクサの群生」へ。頑張って探すこと数分…。「あ!あった!!」と嬉しそう。
「俺、もう満足~」と言いながら他の参加者と合流。
普通、探さないとないですよね?林室長は群生を見てアルかナイかわかるそうです。
ちなみに四葉のクローバーの小葉は、それぞれ意味があり、諸説ありますが、
日本で1番言われているのは「希望・誠実・愛情・幸運」
外国では、
・Faithful Love ( 満ち足りた愛 )
・Fame ( 名声 )
・Wealth ( 富 )
・Glorious Health ( 素晴らしき健康 )
これら四枚が揃うと「 True Love ( 真実の愛 ) 」という意味になるそうです。
皆さんも海岸林の現場に来られる際は、ちょこっと意識してみると楽しいかもしれません。
ボランティアの皆さんも、プロも、我々も、生き物の変化をいつも楽しんでいます。
先日、林野庁が実施した平成27年度「生物多様性調査in名取地区」をいただきました。
これまで3年、春夏秋冬、虫取り網などを持って調査する人たちを何度も見かけました。
その結果にびっくり。こんなにいろいろいるのか・・・
【植物・樹木】
・盛土上 264種
*うち、法面以外は、H25:131種、H26:175種、H27:218種
・非盛土 234種
合計 337種 *H25調査:299種から大幅増加
*うち、要注意外来種生物:12種
ニセアカシア、セイタカアワダチソウ、オオブタクサなど
【昆虫】 278種 トンボ10種
【鳥類】 43種 もう少し多い。
【哺乳類】 4種 ジネズミ、タヌキ、キツネ、ネコ(1匹)
【両生類】 3種 アマガエル、ウシガエル、カナヘビ
こういう調査、いろいろな意味で貴重ですね。
本当によく調べたと頭が下がりますし、我々にとっても勉強になります。
私は生き物が大好きなので、脱線して仕事サボらない様に気を付けます。
今よく見る生き物は、
・カラス、トビ、ハクセキレイ
・ヒバリ、ハマチドリ、キジ、カモ
(これらは産卵場所を探している模様。歩いていてもギリギリまで逃げません)
キジが去年よりも進出しています。ハヤブサ類もよく見ます。
・花は、セイヨウタンポポ、スミレ2種
・威勢が良い草は、クローバー。真っ先に生えてきます。
日本三大毒草、ドクウツギも防風垣の中のものが旺盛に芽吹いています。
(やっぱり、風当たりの強いところは厳しいのでしょう)
クズ、ニセアカシア、ツルマメグサはまだ活性化していません。
今日は、事務所の中にスズメが入ってきました。
今年は塗装工事をやっているので巣作りは諦めたか?
4月22日、広葉樹開葉・生育確認調査をしました。
森林組合は、前倒しで仕事を終え、土曜日ですから少し早上がり。
再生の会は、同じく前倒しで仕事が進んでいるので今日はお休み。
凸版印刷労組の視察も終えた後、夕方一人寂しく調べました。
結果を一言で言うと、
2016年10月のボランティアの手にによる2日間の植え付けは「成功」。
ただし、あくまでも中間報告です。冬を耐え抜いた後も、6月に枯損のピークがあります。
現場は大きく2ヵ所
①【砂地】(名取市海岸林中央部・国有林)
広葉樹10種類
・宮城県産ヤマザクラ・オオシマザクラ・ウワミズザクラ・コナラ・ケヤキ・クリ(全体の90%)
・皇居から提供されましたエノキ(全体の6%)・アカガシ・スダジイ・タブノキ
所感
・2016植栽苗の生育状況は、過去二年に比べて逞しい。
10月、184本補植のうち、94.6%活着。
・これまでの植栽は、萌芽更新の繰り返しで、依然根元は細く、上方成長もしない。
・砂地での常緑広葉樹の生育状況は、他団体の事例同様、極めて悪く、
土壌に考えにくいほどのコストをかける必要がある。エノキのみは今後の見込みありか。
②【粘土質】*極めて栄養分乏しい (名取市海岸林南端の空港近く・市有林)
広葉樹6種類
・宮城県産ヤマザクラ・オオシマザクラ・ウワミズザクラ・コナラ・ケヤキ・クリ
所感
・2016植栽苗の生育状況は、過去二年に比べて逞しい。
10月、70本補植のうち、100%活着。
・これまでの植栽は、樹木らしくなり良好。
「タブノキは砂には刺さらない」と専門家が言った一言が印象に残ります。
海岸林への広葉樹は、コストと労力の覚悟を持って取り組まねばなりません。
私たちは海から最も遠い林縁部への671本をもって植付は終了しました。
再生の会は今日も頑張ってます
4月23日、穏やかな朝。
名取市海岸林再生の会は、明日の苗の出荷に備え、午後から10人出勤。
森林組合も、塗装屋さんも今日はお休み。
「あれ~、吉田君残ってたのぉ?ドアが開いてるから、泥棒かと思って怖かったぁ~」
1時間前から早くも集まり始め、真っ先に昨日の植栽本数を確認。
植付状況を私から引き継いだ。
「いゃ~、金曜日の午後、休めてよかった~~」(さぞかしゆっくり体を休めたはず)
「吉田君も頭も心も休ませなきゃだめだよ~。あたしもさ~、昼寝するはずだったんだけど、
旦那は出張でいないし、気分転換と思って、頑張ってパラディソ行ったんサー」
(パチンコ?・・・ 昼寝じゃなかったの??)
「元手が6,000円でしょ~、そしたら〇〇万も出ちゃったんだよね~」
「1ヵ月分以上稼いじゃった。旦那には内緒にするんだ~。」
「台は選ぶとダメなんだよねー。頭がぼーっとしてたんだよね。それがよかった」
「福岡みたいにスプレーかけられない様に、周りよく見て、急いで帰ったのよ~
家に着いたの20時回ってたかな~」(・・・・・・)
「よかったぁ~、自慢できる相手がいて~~」(・・・・・・)
岡山県産抵抗性クロマツ約20,000本に着手です。
私は捻挫したので、駅まで送ってもらい帰京。
25日にまた来ます。
ことしも宮城県名取市の海岸にクロマツの苗を植える、言ってみれば「海岸林再生プロジェクト」の肝になる作業が17日に始まりました。震災の翌年の春に苗づくりが始まり、その二年後の2014年にはじめての植栽、ことしが4回目ということになります。
植栽予定地は14ha。1ha5000本ですから7万本植える勘定です。このうち1万本は5月20日の植樹祭で参加者が植えるので、プロが植えるのは6万本。17日は午前中にプロジェクトを統括する佐々木廣一さんから植え方についての指導や注意があった後、午後に22人の職人さんが3500本植えました。
ことしの植栽には、これまでにないことが二つあります。一つは「名取市海岸林再生の会」がつくった苗が宮城県の山林種苗品評会で最優秀賞をとったことです。去年も賞はもらったのですが、最優秀ははじめて。つまり、宮城県で一番素晴らしい苗を使って植栽をするわけです。もう一つは、植栽する場所の土の質です。これまでは小石、大石がゴロゴロしている場所も多く、「月面にマツを植える」などと言われたものですが、表面に津波で倒れたマツを砕いたチップがまかれていたのをご記憶の方もいると思います。チップは土が乾燥したり風に飛ばされたりするのを防ぐ働きをしています。これに対し、ことしの植栽地はほとんどが「砂漠」。砂地でチップもまかれていません。
ということは。佐々木統括の説明は簡潔です。「植えるのは楽だが苗には最悪!」。去年までのような、鍬を振るうと土中の石にあたって火花が出る、手がしびれる、といったことはありません。サクッと鍬は入り、苗を植えるための穴も簡単に掘れます。しかし植えられた苗はそのあとが大変。砂地だと乾燥が心配になりますが、怖いのが風だそうです。風で飛んだ砂がやすりのような凶器になって苗を削るからです。現場には防風柵がありますがどのくらいの効果があるか。統括から職人さんたちには、実際に植えるまでの苗の管理がその後の成長にも大きく影響することなど、縷々説明がありました。
宮城一の苗がこの厳しい環境でどんなふうに育っていくのか、心配でもあり楽しみでもあります。
午後からの植栽。去年も見ましたが、土質の違いからでしょう、ことしはなるほど速い。ただし、ベテランの職人さんと若い新米さんとでは速さも出来栄えも違います。
ベテランには特徴があります。動きがリズミカルなこと。苗を植える動作がどの苗の時も同じで鍬を振るう回数にも違いがない。もう一つは無駄な動き、無駄な力がないこと。ある職人さんは、「人それぞれやり方はあるからね」と言いながら、自分の手順を見せてくれたのですが、穴を掘る、苗を入れる、土を戻す、踏み固める、という一連の動作にリズムがあって無駄がないから美しささえ感じる。もちろんスピードも速い。そして、素人が見ていても気づかない、鍬の使い方のちょっとしたコツを教えてくれました。
となると、自分でもできそうな気になって試してみたくなります。職人さんたちの邪魔にならないように少しやらせてもらいました。
当たり前ですが、思うようにはいきません。たとえば、鍬を4回振るった時にできる穴の深さが毎回違って、苗を植えるのに浅すぎたり深すぎたりする。たまたまちょうどいい深さになって「やったぜ!」と思っても、次はまた駄目。そんな繰り返しだからリズムなど出るはずはありません。ただ、やみくもに鍬を振るうのではなく刃の部分の重みを使えばあまり力は要らない、というような感覚は少しずつ身についてくる。やはり、木を植えるのは楽しい経験です。
ベテランの方には、海岸の植栽の方が山中よりもきつい、という話も聞きました。山の斜面の方が大変なのではないかと思ったら、斜面の下側に立って上側に植えるのは屈まなくていいぶん楽なんだそうです。なるほど、理屈が通っています。
林業は知らないことばかりですが、現場に行くと妙に難しい言葉に出会うのも私にとっては面白いことの一つです。「苗はまっすぐ植えないとジュウキョクする」。佐々木統括が職人さんたちに注意を促した言葉です。「ジュウキョク」とは、マツがまっすぐ上に伸びず、くねくねと成長していくことを指す言葉のようで、字を当てれば「柔曲」なんでしょうか、あるいは「重曲」かな。でも、日本で一番大きな辞書にも載っていません。一方で、職人さん、とくに年配の方と話していると方言でちんぷんかんぷんのことがある。それもまた、得難い体験です。
17日の現場は海からの冷たい東風「ヤマセ」が吹いて肌寒い一日でした。「風よ、苗につらくあたるな」。そんなことを口走りたくなるような……。
一緒に現場に行ったオイスカの若手職員と、終わったあと、木を植えることの面白さをあらためて知った、という話をしました。植樹祭でその楽しさをぜひ味わってほしいと思います。
香川県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツを植えました
4月20日、最大瞬間風速29.8mの暴風の時に植えたのは「香川県産抵抗性クロマツ」。
宮城県産抵抗性クロマツの不足の中、2014年に香川県・岡山県が宮城県の要請に応えて
種子を提供、種苗組合組合員の名取市海岸林再生の会は、宮城県からの払い下げを受け、
2年の長い育苗を経て植付に至りました。
まず、香川県・同県森林センターの皆様に、私たちからも御礼を申し上げます。
また、香川での活動報告会には2年ご出席いただき、先日は写真展開催もご協力いただきました。
名取市海岸林再生の会に配分された種子による記録は、
2014年4月の播種は6,165粒。(発芽率97%。他と比べ最優良)
同年11月の宮城県苗畑調査では6,041本。
2015年11月の苗旗調査では5,725本。
そして、今回の植栽は5,485本。
植栽と同時にモニタリング調査地も設定しました。
苗の平均は苗高29,8cm、根元径6.9mm。
(*植え付けの仕様書は20cm~45cm、根元径6mm)
予定通りの寸法の苗です。
植栽箇所は名取市海岸林中央部からやや北。
水鳥がたくさんいる広浦の東側。
昨年来、多湿傾向の現場ではありますが、しっかり育ててゆきたいと思います。
なお、香川県からは2015年にも約26,000粒の種子を提供いただいており、
発芽率は90%。来年の植栽に向けて、現在22,224本(11月調査)を
育苗場で育てています。