【観察日記】2日見ない間に
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
観察日記を楽しみにしているという声を耳にして、俄然やる気になっています。
土日明け、2日間見ない間に緑がぐーんと濃くなっていてびっくりしました。
あれ?写真でみるとあまり変化がないですね・・・
中心部分の葉の長さが伸びたために、緑が濃く見えるようになったようです。たったの4日でこんなに伸びるのですね。
でも、背丈は発芽7日目に計測した6.5㎝からほとんど伸びていません。
中心から伸びている葉はほとんど同じ場所から八方に伸びているようなので、背丈が伸びません。
クロマツは頂芽が伸びることで背丈が伸びていきます(詳しくはこちらのブログ)
頂芽が伸びる時期は春先から初夏にかけてです。中には秋に伸びるものもあります(詳しくはこちらのブログ)
ということは、育てている幼苗は9月ごろになったら頂芽を伸ばして背丈が伸びるのだろうか??
またまた観察する楽しみが増えました!
ひょろっとしていて成長を心配している6本葉のクロマツですが、他に比べると葉の数は少なくて心もとない感じはしますが、元気に成長しています。
あれっ??随分と寝坊助のクロマツです。
6月ボランティア合計375人、7月も絶好調ですが・・・
6月は本当にボランティアに恵まれました。その数375人。
7月もその勢い変わらず、6月に迫る人数になる見込みです。
一般募集ボランティアの日は両月とも130人。
「人もお金もこれから数年が大変なのだから頑張らねば」という声をよく聞きます。
心豊かですね。本当にありがたいことです。
リピーターのシェア率も驚くばかり。
3回以上来訪は白腕章、10回以上は緑腕章。
腕章組が増え、力をつけ、仕事は確実に質が上がっています。
2017年植栽地のツルマメの海は相当解消しました。
今年も2度3度と、執拗に抜き取るつもりです。
2014年、2015年、2016年の植栽地について、、
植付当年はツルマメ、イヌビエ、メヒシバが繁茂しましたが、あの頃が嘘のように根絶。
部分的に出ている場所があっても、全体としては、目くじらを立てるほどではありません。
植栽地合計約50haは、宮城中央森林組合と松島森林総合の2社で、場所によっては
2回の下草刈りに着手済みです。葛はクズコロン、ニセアカシアはグリホエースの塗布も
行います。
ボランティアは、2017年・2016年の約25haの、中でも草の繁茂がひどい場所に
戦力を集中投下します。まだ何とかしたい場所がたくさん残っていますから。
課題はやはり地元市民の参加。若者の参加。
名取市外からは来てくださるのですが(笑)、まったく私たちの力不足です。
6月30日までJR名取駅連絡通路で写真展をやって、ボランティア参加を呼び掛けてみましたが、
どうもまったく効果なし・・・乗降客数1日2万人とのことですが。
地元の参加。これは本当に難しいですね。一人づつ増えてゆけば良しとします。
まったくいないという訳ではないし、粘り強く、辛抱強く。
7月15日は、個人参加の地元高校生が数名来てくれます。楽しみです。
広報室の林です。
先週、本部事務所にボランティアに来てくれていた大学生が活動最終日に
「お世話になりました」と小さなプレゼントをくれました。
わかりますか?
ビーズでつくった飛行機。
「飛行機が大好きなんです。ANAが大好きで……。ANAで働きたいと思うようになってから
もともとの進学の希望を変えて、今の大学には一浪して入ったんです」と。
確かに飛行機もANAカラーになっています!
フライトアテンダントになるには身長が足らないから、グランドスタッフとして働きたいと話してくれました。
ANA愛にあふれる話があれこれ出てくるので、こちらも負けじと、オイスカとANAとの関わりをゾウを運んでもらった話から、ボーイング787の話などあれこれ話をしてしまいました。
ANAつながりでなんだかぐっと距離が縮まったような気がしました。
なんだかうれしくなってしまい、ANAすか隊の皆さんが、飛行機の塗料でつくったANAカラーマツを1つあげました。事務所のデスクに2つ飾ってあったのですが、彼女はずっと「ANAカラーだなぁ」と気になっていたのだそうです。
「ガラスケースに入れて飾っておきます!」と喜んでくれました。
そして最後に「絶対ANAに入って、名取のボランティアに行きますから!」と宣言。
実現したらいいなぁ。
楽しみに待っているからね!
【観察日記】葉の数
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6/1に種をまいたクロマツ、6/30で発芽から20日になりました。
ずっと見ていても飽きなくて、
だんだん緑が濃くなってきたな~
茎もしっかりしてきたな~
一つの穴に2本では窮屈そうだな~
などと、一人で眺めているのでした。
ひとつ、かなり細身で弱そうに見えるクロマツがあります。葉の数は6本・・・あれ?他のクロマツは?と数えてみると、他はほとんどが8本です。
どおりでか弱そうに見えるはず
緑化技術顧問の清藤先生に伺ったところ、6~8本が標準なのだそうです。
弱そうに見えるものほど、ガンバレ!と応援したくなります。
心配なのが下のクロマツです。
ずっと提灯状態のままで、上でキュッと結ばれているようで葉が広がらないのです。
このままどうなってしまうのだろう?
キュッと結ばれている所を取ってあげればいいのかもしれませんが、このまま観察してみたくてそのままにしています。

マツと言えば、2本の葉が寄り添い、夫婦に形容される2本の松葉ですが、クロマツは発芽からどのくらいの歳月で2本が寄り添う姿になるのだろう?
観察を続けていると面白いですね
【観察日記】殺鼠剤まき
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6月1日に東京の事務所で種まきしたクロマツですが、6/29付ブログで発芽から9日目までのかわいい姿を紹介しました。
かわいいクロマツ苗がネズミに食べられたら大変!!
と吉田が、名取事務所から殺鼠剤(さっそざい)を持ってきました。
この辺りにネズミがいるの??? ぜったい居るって!!!
とのやり取りがあり、殺鼠剤をコンテナのまわりにまくことになりました。
殺鼠剤は口に入れても、素手で触ってもいけないもののようです。
スーパーの袋に入った殺鼠剤を持ち、クロマツのコンテナの前まで来た途端、
吉田が殺鼠剤をばらまいてしまいました・・・あらららら
オイスカの東京事務所の建物の1階はこの春から保育園に改装され、0歳から5歳までの園児が通っています。
クロマツ苗を置いてある場所は園児が行き来する場所です。
園児が触ってしまったら、ましてや口に入れたら大変!と慌ててほうきで掃いて寒冷紗の中に収まる場所に入れました。
クロマツコンテナを指さし「これなぁに?」
と園児が先生にたびたび聞くとの事で、先生から「何の苗ですか?」と聞かれることが数回
ということで、急ごしらえで小さな看板を立てました

他の植物は「これはなぁに?」と聞くことはないのに、苗には興味があるのですね。
まだ生まれたての小さいものには、手を掛けてあげなければという本能が働くのでしょうか?
クロマツの成長を楽しみにしてくれる人が増えて嬉しい限りです
クロマツは、浅植えもダメ、深植えもダメ
心の中ではまったく別の、私の指導不足、責任を感じています。
概して名取市民は、植えるのが早くて上手ですが、中には・・・
今年の植樹祭開催地では「深植え」が目立ちます。
残念ながら、同じ人が同じことをずっと続けたようです。
19歳の大学生が、我々の次に気付いてくれました。
若くても感性があれば、わかる人はわかりますね。
正しい位置に植えたのに、最後に心を込めながら余計なことをしてしまう人も・・・
根元に手で「盛った」感じ。それならまだご愛敬。修正が利きますから。

しかし、完全に深植えの場合は、救出すると根元の周りに穴ができる。
根元周りに「水たまり」をつくるようなもの・・・クロマツは多湿に弱いのです。
これは修正が利きません。手間がかかります。
生き物ですから、カラダ全体で生きています。
力枝まで土で覆われてしまうと、窒息のような状態になっています。
救出したら、すでに大切な力枝がすでに枯れていました。
現に植樹祭植栽苗はそういう苗が多かった・・・
また、浅植えの場合は、根元の培養土が風でえぐり取られ、
根の上部が空気に触れ、風に晒され枯れてゆきます。

いずれも、培養土上部から3cm、植えた後は平らにと、
1枚ものの植栽マニュアルを郵便で届け、当日も説明したのですが。
「マツは投げてでも根付く」と聞いたことがありますが、
少なくとも海の話ではないです。
木を植えるのは難しいですね。指導はなお難しい。
来年は、「苗を育てている人の気持ちになって、木の気持ちになって
植えていただけるような開会式」をしなければならないと思っています。
型通りの指導ではダメですね。自分の責任です。もっと工夫しないと。
【観察日記】クロマツ発芽9日
こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
6月1日に東京の本部で種まきをしたクロマツが無事に発芽しました。
とはいえ、1台のコンテナに24個の穴があり、すべての穴に種をまいたのですが、20個しか発芽しませんでした。
発芽率83%です。
名取の育苗場で、再生の会のみなさんが手掛けている今年のクロマツの発芽率は96%ですので、それには遠く及びませんが・・・
6月1日に種まきをし、発芽は13日ごろだろうと吉田からアドバイスがありました。
やりすぎに気を付けながら水やりをし、発芽を心待ちにしていました。
12日、出勤して一番にクロマツを見に行くと、なんとすでに発芽していました!!
11日に同じく発芽を心待ちにしていた職員が確認したところ、すでに発芽していたとのこと。
種まきから10日での発芽
今年の名取での種まきが4月27日、発芽確認が5月16日なので20日での発芽に比べると随分早い発芽でした。
毎日観察しているのですが、毎日見ていても飽きない魅力があります。
再生の会のみなさんが、発芽したばかりの芽を見て「めんこいなぁ」と言う気持ちがよくわかります
と思っていましたが、6月13日、初めて女王バチと思われる、
すごく大きなスズメバチを海岸林と農地が接するあたりで見ました。
(三和ゲート西側)
私たち、ハチとか、雷とか、危ない系にはアンテナ張ります。
即、「女王バチ誘引トラップ」の作製を決めました。
兵隊バチを狙うのではなく、女王バチを狙って巣をつくらせない。
本当は、4月ぐらいから始めるのがイイのですが。今ならまだ間に合うと。
ANAの廣瀬君、久保君も一緒に、名取市海岸林の南部に4か所、内陸防風林に2か所を設置。
作り方は、2リットルの空ペットボトルに日本酒360ml、酢180ml、砂糖を少々。
「ハチ誘引剤」などとネットで検索すると山ほど出てきます。流儀もいろいろ。
前に勤めていた林業会社では、扉を内側にする派と外側派の
両方の意見がありました。高級なお酒のほうがイイという人も。
(そういうことはないと思いますが)
もし見事に捕殺したら、「してやったり?」
落ちているのがいいのか?、落ちていないのがいいのか?
どうなんでしょうね。
話は少し変わりますが、17日、虫取り網を持ったおじさんを見かけました。
「生物多様性の調査員?」と思って聞いてみると、「昔からの趣味」だと。
「樹木・草340種以上、昆虫270種以上、鳥類54種・・・という数字どう思いますか?」
と聞くと、ほとんど疑惑のまなざしで、「もっといる」とぶっきらぼうな答え。
「いる」という言葉。
その方は、草木より生き物を思ったから「いる」と言ったのかもしれません。
6月9日-10日の2日間ボランティアに来てくださった化学総連の事務局より
ブログが届いたので、ご紹介します!(原文ママ)
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化学総連では4回目となるオイスカ様の海岸林再生プロジェクトのお手伝いに6月9日(金)10日(土)と参加してきました。今回の参加は化学総連加盟組織18単組総勢52名が参加し、9日(金)についてはコラボとして全積水労働組合連合会の皆さまと一緒に参加し総勢97名と大規模な参加となりました。
9日の初日は、オイスカの吉田様・浅野様と合流しクロマツの育苗場でオイスカが行う海岸林再生の重要性・必要性やこれまでの活動内容・今後の活動についてレクチャーを受けました。その後、今回作業する内容について吉田様から「簡単で地味な作業」と説明を受けどんな作業なのかワクワクしながら、クロマツのもとへ移動しました。
移動中では約2mまで成長したクロマツや昨年植樹したクロマツなどがあり、過去に参加経験がある参加者からは、「大きく育ったなぁ~」と我が子の成長を見守るような声も聞かれました。
そして私たちが作業する現場へ到着!作業内容は、二手に分かれ一つは「つるまめ」の除草隊ともう一つは、鎌を持つ草刈隊でした。つるまめの除草は非常に重要な作業であり、つるまめが成長するとクロマツに巻き付き、日光が当たらず成長を妨げてしまいます。吉田様より、つるまめがどんな雑草なのかレクチャーいただき、「1本とも見逃さず抜いて下さい!」と指導いただき作業開始しました。
最初はみんなで「つるまめこれだよね?」「あった!あった!」と確認しながらの作業でしたが1時間もすると慣れてきて、みんな一心不乱で作業を行いました。そんな中、癒しを与えてくれる出来事が・・・。草の中に鳥の卵を発見!!と思いきや、今度は別の場所で鳥のヒナも発見しました!!鳥たちも育つ環境にまで復興していることを改めて感じる出来事でした。また、鎌での草刈隊は、鎌の扱い方や刃の研ぎ方についてレクチャーいただき、草刈りを行いました。そしてあっという間に夕方・・・生い茂っていたつるまめやその他雑草も除草し、きれいになりました。参加者からは「きれいになってクロマツが大きく成長してくれるといいね!」と労をねぎらっていました。
2日目の朝、今にも雨が降りそうな雲行きのなか現場へ向かいました。現場到着後、化学総連会長の挨拶に始まり、軽く体操を行なったあと作業を開始しました。2日目の作業も同じ作業です。前日行った作業ということもあり、作業はスムーズで天気も晴れてあっという間に作業終了時間になりました。
最後に、2日間と言う短い時間でしたが作業に従事させていただき、名取海岸復興へのお手伝いになれたのであれば幸いです。今回の作業内容で吉田様から「地味な作業」と言われましたが、地味な作業とは感じませんでした。何故ならこの地味な作業というのは私たちが働く現場でも重要なことだと感じたからです。一つでも手を抜けば、大きな事故につながりかねません。その必要性を十分理解しておくことが大事です。今回の作業を通じて改めて勉強になりました。参加された皆さまも活動を通じて学んだことはたくさんあると思います。今回の経験を通じて周りの方々に実状を伝え活動の輪を広げられるきっかけに出来たらと感じました。
化学総連の活動も大地に根付いた活動に取り組んでいきますので引き続き宜しくお願いいたします。
すでに「退職」を考えて始めていた。途中で何かを辞めるという経験はなく、
すでに7年知遇を得たタイの人たちや、戦友でもある後輩たちがいる国への
複雑な気持ちを片隅に持った出張だった。
インド洋大津波から3年の、南部ラノーン県のマングローブ植林プロジェクトを、
出張の本題終了後、じっくり村々を訪ねる機会を得た。
「なんで村の人は造林の労務に参加するのか?」
この疑問を察して、タイ政府職員で県全体の海岸林造林の総責任者カヤイ君や
オイスカタイ総局が急遽応えてくれた。
当時、オイスカとの共同区域だけで700haの再造林が完成していたと思う。
4つの海岸沿いの漁村を訪ねた。傷跡は見られるが、村は元通りに見えた。
「漁獲高が減った。1回の出漁の水揚げが30分の1」
「仕事を求めて若い人は出稼ぎに行き、村には年寄りばかり」
「若い人たちが戻って生活できるよう、マングローブを植えたい」
見た目の復興とは別に、知る人ぞ知る、切迫した事情を知った。
水平線まで見渡す限りの海の森を、マングローブリサーチセンターの4階建てぐらい
あろうかという櫓に登って、「遠くを」眺めるカヤイ君の豊かな表情を今も忘れない。
2007年7月、退職するとき、タイのみんなへの言葉が見つからなかった。
完全にオイスカのことは忘れて林業労働に明け暮れていたが、
2009年、春日智実さん・ヤット君のタイでの結婚式に招待いただき、、
タイの恩人、親友、田野井君など大事な後輩たちと再会。
朝5時半までホテルのロビーで、マングローブの村人も一緒に車座になって飲み明かし、
30分だけ寝て、フラフラで結婚式に行ったことを思い出す。
そして2009年秋、縁あって、一方、恥を忍んでオイスカに復職。
すべてにおいて新入職員として。恥ずかしく、悔しいことばかりの毎日だった。
そうしているうちに震災がきた。これまでのすべてを注ぎ込むと確かに決めた。
もちろん、無意識のうちにタイでの経験を活かすことになった。
孤立無援、四面楚歌、サンドバックとなるのを覚悟し、事実そうなった。
2012年3月11日、カヤイ君、ヤット君と林久美子さんと、
初めての3.11の2時46分は、宮城で海を見ながら一緒に手を合わせた。
あの時は、私がタイの現場を励ます立場だった。
「また頑張ろうと思った。来てよかった」とカヤイが言った。
そして、今年、5年ぶりにそろって宮城で再会。
しかし、私の師匠、見原アイサさんは天国から参加。
6月8日、」日タイ「海岸防災林トークセッションは会場に向かって話をした。
だけど我々、自分に、お互いに、思えば天国のアイサさんにも何かを話していた気がする。
互いの存在を励みに。
オイスカ職員たるもの、みんながこういう心の世界を持っていると思う。
「あいつがいるから、アイツらが頑張っているから、俺も頑張る」
それが私たち。私たちオイスカ。国際協力の醍醐味。
オイスカタイのスタッフブログ「さわっでぃーオイスカタイ」
http://ameblo.jp/oiscathai/
*訪日記録、気長に待ってます。