まず、昨日下見した、通天閣の折返点までは。
完全に自分の世界に入りました。
難波の22㎞の収容関門をやっとの思いで通過すると、
「注意!実際の関門はここから600m先」とボードで応援している人が。
ん??? そういうことなのか。初めて後ろを振り返ると金色の風船も接近。
思っていた閉鎖時刻を600m先で通過しなければならない。
いよいよ追い込まれた。去年はこれを疑問に思う必要はなかったですが。
第3折返点は通天閣のたもと。新世界の入口。
ある意味で伴奏者の「ゆりやん」さんとは交錯の記憶もなく、通天閣も見ず。
(彼女は好みのイケメンに告白し続け、「正」の字を腕に書きながら走って、
全員から断られ、19㎞でリタイアの模様。私、告白されなかったけど)
26㎞収容関門は花園あたり。
ここも実際の閉鎖場所は数百m先。この時点では、巻き返すのは厳しい。
でも4㎞ごとの回収を逃れよう。一縷の望みにかけて。
去年は、開き直って中央分離帯に座り込んでマッサージした場所。
今年は、ここでとうとう金色風船に抜かれて、じかに励まされてしまった。
「付いてきてください。4㎞を30分で走ればいいんです!」
笑ってしまった。(それ、最後通告? 5時間で走るペースでしょ・・・)
玉出の30㎞関門は、大きな交差点でした。
「あと1分です!」とハンドマイクで言われ、
沿道から「吉田さーん!諦めるな!」。「吉田!」の連呼と手拍子。
(ゼッケンに名前が書いてあり、知らない人から応援いただきました)
目前の関門では、金色風船集団が大きな声を出しながら待ってくれている。
あきらめそうでした。靭帯が切れそう。でも、ギッタンバッコン走って通過。
後ろは3人だけセーフ。倒れこんでいました。
私は交差点の向こうにも見えるように90度で敬礼。拍手されました。
(普通ゴールした人がするものですが・・・)
ここの閉鎖道具は、厳しさが伝わる、白くて太い布ではなく、
どこか「温情」と「配慮」を感じた虎ロープでした。
住之江公園を通過。ハイになってるので、気力だけは十分。
風船集団はまた遠くに行ってしまいましたが、全力で歩いて追いました。
先に待っているはずのオイスカ関西応援団が、大幅に前進して来ました。
「いま急いでるんで-」と言って34㎞地点を通過。
ですが、問題はまだ数百m先の関門。

去年から気になる車でした

去年から気になる車でした

去年から馴染み深い看板でした

去年から馴染み深い看板でした

行く手に、白い線が張られました。
例の太い布だから遠くからも見えます。
もはやこれまで。
わずか数百m先にいれば、南港の巨大な橋に行けました。
でも、そのわずかこそ、わずかではないのであって。
去年は、その先の38㎞関門で「あと6分」と言われつつも、歩かず走って、
白くて太い布を用意しているのを横目に、完走を確信しました。
その次は、閉鎖が緩そうに見えた41㎞関門。
「乗らないと、次の関門に歩いて行くしかないですよー」
悔しさもつかの間、旅行会社の係員さんから目が覚めるような一言。
関門収容の大型バスは4台。1台に20人以上乗車。相当微妙な雰囲気。
住之江から南港を通らず大きく迂回、大阪港を経由してゴールまでドライブ。
バスから降りた時、車椅子を借りそうになるほどの左膝脇の筋が痛み。
去年は、フィニッシュ地点で完走メダルとタオルをいただきました。
今年は、裏口で、全員貰えるメダル大の、無念の「あんぱん」。
他意はまったくないと思いますが、一人で勝手に脱帽しました。
ですが、それでも本当に美味かった「あんぱん」でした。

去年よりも焼き付けて会場を後にしました

去年よりも焼き付けて会場を後にしました

cf. とどめは、帰路の地下鉄。ICカードの料金不足で「閉鎖」されました。
これからは料金不足で閉じられるたび、あの瞬間を思い出す・・・

吉田です。
残念ながら、34km収容関門の閉鎖時刻をクリアできず、
スタートから5時間で、今年は終わりました。
過去4年のオイスカ海岸林ランナーとして、初の回収。
「敗者は語らず」ですが、
甚だ恐縮ながら、読者がいなくても、敢えて報告させていただきます。
途中で消えている「ランナーズ・アイ」
http://runners-i.eonet.jp/runner/detail/558

大阪マラソンでは、4・5㎞間隔で10ヵ所の「収容関門」があります。
私は、今年の閉鎖時刻と、去年のタイムのメモを持って臨みました。
map_osaka

また、3つの折返点、つまり往路と復路が重なっている場所があります。
私には、行き違うオイスカ海岸林ランナーを発見する楽しみな場所です。
しかし今年は、「金色の大きな風船」を背中から高く上げている集団、
つまり、7時間の時間制限を示す「完走サポート集団」の接近を
思い知らされる場所にもなってしまいました。
第1折返点手前の8㎞地点の淀屋橋から11㎞地点の天満橋。
ここで多くの海岸林チャリティーランナーとすれ違います。
引き離された距離を理解しつつも、見つける楽しみが上回る場所。
EXPOブースで初めて会った人から、筋金入りの支援者、同僚まで。
折返点通過後、オイスカのチャリティカラー「紫」のチームを率いる
チームリーダーである吉本の芸人「ゆりやんレトリィバァ」さんと初めてすれ違い、
https://www.osaka-marathon.com/2017/info/movie/
金色の風船集団、監察車、そしてしばらく後に、収容関門で閉鎖されて、
回収されてしまった人を乗せたバスが、2㎞あまり後ろに迫っていました。
去年見たのは13㎞の淀屋橋。去年より相当ロスした自覚もありました。

宮城から走りに来てくれた佐野さん。途中でハイタッチを交わせた

宮城から走りに来てくれた佐野さん。
途中でハイタッチを交わせた

4年連続チャリティランナーの藤澤さん。大阪から名取にも何度も。途中2回声を掛け合った

4年連続チャリティランナーの藤澤さん。
大阪から名取にも何度も。途中2回声を掛け合った

再び淀屋橋に戻ってきました。
名取にも来たUAゼンセン傘下労働組合員や、三菱UFJニコスの社員さんから、
直接激励をいただきました。沿道警備のボランティアをしていたのです。
最後尾は本当にまばら。すぐ発見できたでしょう。
名取に何度も来てくれているIさんをガッカリさせてしまったかも。

3つ目の折返点はここ

3つ目の折返点はここ

第2折返点20㎞のだいぶ手前、難波から京セラドーム付近までの間。
高速の高架下の中央分離帯を挟んでも、海岸林同士お互い理解できることも多々。
後続の「ゆりやん」さんとも再び。余裕に見えましたが。
一方、金色の風船集団は、シャツの文字通り「完走」をサポート。
よく見ると、風船に「SEIKO」の文字。ん??
私的応援団じゃなく、公式タイムキーパーだと初めて理解しました。
中間地点を過ぎ、難波の交差点に再び。
沿道には買い物客。私がいる最後尾集団は見るからに「負傷」。
視線も痛かった。私は50m毎に、歩いて走ってを繰り返した。
トイレも済ませた。マッサージもした。
去年より逼迫しているから、開き直って胡坐はかかず、立って手短に。
昨日下見して、通天閣付近の距離感も確かめてある。
ここからは一人旅。南海「難波駅前」で、思い切り腿を叩いた。
……明日につづく

こんにちは。浅野です。
遅くなりましたが、大阪マラソンの報告です。
すでに吉田担当部長から報告があった通りなので、そこは割愛させてもらって
大阪マラソンEXPO2017で聞いたランナーさんたちからのお話を少し…。
チャリティランナーの方は寄付先団体のブースにTシャツの交換に来なければいけないので、
その際にランナーの方と話す機会があります。

各色2団体ずつのEXPOブース

各色2団体ずつのEXPOブース


引換証がないとTシャツがもらえません

引換証がないとTシャツがもらえません


登録者61名中58名の方がTシャツの交換に来てくださいました。
さすがに58名もいればオイスカを選んでくれた理由もさまざま。
・本当は10月に名取、岩沼で開催された復興マラソンに出たかったんだけど、どうしても日程が合わなくて…。
大阪マラソンで何かないか探したら見つけたから。
・10月の復興マラソンにも出てきたんだけど、やっぱり気になるから。
・ほかの団体を通じて宮城県内のボランティアに行ったことがあるから。
・福島出身で、近くでやっているプロジェクトだから。
・会社も応援してるし、自分も名取のボランティアに行ったことがあるから。などなど
中には毎年色を変えながら、チャリティランナーをやってるという方も。
オーストラリアからのランナーさんたちは
「自分たちで探して、この活動には本当に大きな意義があると思ったから。
昨日、オーストラリアから来たんだよ(お話したのは土曜日です)」と。
オーストラリアから参加の6名

オーストラリアから参加の6名


この話を聞かせてくれた皆さんは無事完走してくれました!
本当によかったです。
そして、今日(11月30日)は第8回チャリティ寄付先団体公募申請の締め切り日。
無事、申請しました。選考結果は1月末までには出るそうです。
また選んでいただけたら、来年はもっとランナーの方が増えるように工夫をしながら
広報活動をしていきたいと思います!!

総務部ハルハルです。
11月26日(日)大阪チャリティマラソン走ってきました。
マラソン参加の寄附のお願いにあたり、ただご支援、ご協力っていうのは気が引けて、自分でも体張らなきゃと。
5時間以内で完走できなかったら、生まれてこの方した事のない坊主にすると口が滑ってつい宣言。
宣言したのはいいものの、アシックスの分類では、マラソン5時間以内は中級者ランナー。
自分は、最長走行距離10km。どうしよう。。
いざ練習すると膝は痛くなる。本番前に30㎞試走してみた方がいいとのアドバイスを受け、走ろうとするも試走中に足の痛みで感覚がなくなって、結局本番までの最高走行距離は28㎞。
おまけに直前1週間は、3㎞走ると太もも、ふくらはぎにつる感覚が。正直やばい。。。
不安しかなく、坊主を覚悟。。。
いざ本番当日、荷物を預けなきゃと大阪城公園に7時半に到着も、一般ランナー向けの荷物預かり所に誘導され、
今自分がどこにいるのかもわからず、右往左往。
8時集合のところ、8時10分、やっとのことでチャリティランナー荷物預かり所に到着。天候曇りで少し肌寒い中、
荷物を預けた後はTシャツ一枚に。

混雑しているスタート地点

混雑しているスタート地点


雨なんか降る感じではないのに、100円ショップで売られている
ビニール合羽を着用している人をやたら目にする。
あれって、寒さ対策だったんだと納得。
空には、中継用のヘリコプターが2台旋回中。
マラソンスタートまで30分ほどの待ち時間、ちょっと寒いし、心細い。
8時55分チャレンジラン(5㎞)スタート、9時 3万人参加のマラソンスタート、スタート地点に到着するまでに17分。
9時17分すぎいよいよスタート。ごちゃつくスタート地点。
自分の走るスペースを探して、右に左に。
1㎞6分以内で走れたら、完走タイム4時間13分、余裕で5時間以内でいける。いけるとこまで、いってみようと。
0~5㎞ 28分37秒 最近なかった感じ、足の痛みがない。
5~10㎞ 57分8秒(28分31秒)まだ行ける。
10~15㎞ 1時間25分40秒(28分32秒)あれっ、調子いい。
15~20㎞ 1時間54分33秒(28分53秒)おっ、だいぶ貯金ができた。
20~25㎞ 2時間25分5秒(30分32秒)右脇腹に少し痛みが。
前半のツケかな、不安が頭をよぎる。
25~30㎞ 2時間57分28秒(32分23秒)いよいよ未知の領域に差し掛かる。
足は痛くない、でも右脇腹には、まだ痛みが。ちょっと苦しい。残り12㎞。
30~35㎞ 3時間31分46秒(34分18秒)完全に未知の領域。足がつって、伸ばしている人を多数見かける。
自分も不安とともに歩いて楽になりたいという弱い自分が顔を覗かせる。
ダメだ、ダメだ。1度歩いたら、走れなくなる。自分に活を入れる。
右脇腹の痛みはなくなった。でも、足が急に重くなり、ペースも落ちる。
残り7㎞。
35~40㎞ 4時間5分13秒(33分27秒)足がどんどん重くなり、1㎞が遠く感じる。
手に持っていたiphoneが滑って飛んで、
画面から道路に叩きつけられる。やっちゃった。。。
すぐに手に取り画面を確認。割れてない、しかも無傷。
強化ガラス保護フィルム貼っててよかったー!
37㎞長い登り坂、歩いてる人が多い。
ここまでよく頑張った、ここはみんなと一緒に歩いても。。。
弱い自分がまた顔を覗かせる。。ここまで来て歩いたら、全て台無し。
あと少し頑張れ。自分を奮い立たせる。残り2km
40~フィニッシュ 4時間19分32秒(14分19秒)めちゃめちゃ苦しい。
頭では、スパートしなきゃと思っていても、足が前に出ない。
どんどん抜かれる。ゴールが見えた。
スピード全然出てないけど、気持ちだけは、スパート。
ゴーール。ミッションクリア。坊主回避!
一番右の紫のTシャツがハルハル

一番右の紫のTシャツがハルハル


今回、海岸林再生プロジェクトを少しでも支援できればとの思いで、チャリティランナーとして参加させていただきました。多くの方々にご支援、ご協力いただき、本当に感謝しております。
ご支援いただいた皆さまの思いを背負い、私なりに何とか体現したいと8月末~11月本番まで3ヵ月間試行錯誤でトレーニングしてきました。おかげさまでゴールまで1度も歩くことなく完走できました。
直前まで足の不調にいろいろと頭を悩ますことを練習中に経験できたことが、対策を講じて本番で活かすことに繋がり、今では、運がよかったと思っています。
来年以降も海岸林再生プロジェクトの現場に行って活動に参加したり、陰から支えたりと今後も何らかの形で携わって参ります。
改めましてご支援、ご協力ありがとうございました!
今後とも海岸林再生プロジェクトをよろしくお願い致します。

今年の大阪マラソンベストチャリティランナー賞を、
オイスカ海岸林ランナーがいただきました。

「3年連続でオイスカさんですね」。
受付ブース対応と報告会の準備で人を割けず、授賞式に出られませんでしたが、
大会実行委員長さんから褒めていただいたそうです。

この前の大河ドラマ「直虎」。
静岡県掛川の高天神城が出てきましたが、その近くに住む久我さんと天野さん。
海にはクロマツ、海岸林。

名取にも来てくれました。
掛川でも活動報告会の機会をつくって下さいました。

左が天野さん、右が久我さん

左が天野さん、右が久我さん

そして、有言実行で受賞。
久我さんは一昨年、そして天野さんが今年のベストチャリティランナー賞。
応援に来てくれた平山さん(会えなかったけど)はじめ
ご協力いただいたみなさん、本当にありがとうございました。

一言で言って、彼らは明るい。
マラソン前日の活動報告会の後、オイスカ関西支部岡崎会長、黒田事務局長の
計らいで、地下鉄「谷町9丁目」駅の改札横の店で、希望者だけの夕食会。
食べっぷり、快活な笑い。初めて会うチャリティランナー仲間との会話の様子。
惚れ惚れしました。

大阪での報告会にて

大阪での報告会にて。前列がチャリティランナー。
楯を持っているのが天野さん。その右が久我さん

駆けても速い。
さっさと走って、鮮やかに帰る。
見事としか言いようがない。

次はどこで会えるかな?

大阪マラソンへのご協力の御礼

2017年11月28日( カテゴリー: 本部発 )

11月26日、私たちにとって4回目の大阪マラソンは無事終了しました。
途中タイムアップで関門収容された吉田一人除き、怪我なく爽やかに完走。
今年は独特の一体感、連帯感があったのが大きな特徴。
ご協力いただいたすべての皆様に、心から御礼申し上げます。
大阪マラソンは、東北の復興を、西日本に伝えるための重要な足掛かりです。
年を追うごとにオイスカネットワークと支援企業・労組などの連携が進み、
行事として定着、ランナーの出身県も広がりました。
「できるだけ大勢の人から少しづつ」
この行事は、私たちのこの最上位指標の追求そのもの。
まず、オイスカランナー数は、第1回の24人から年々増えて、今年は61人。
しかも、ベストチャリティーランナー賞は3年連続受賞。
どう考えても、ランナー・関係者が数千人に説明したのは間違いない。
加えて、総出走者32,000人÷14団体として、2,285人からの支援。
今年も同僚諸氏は、体を張って「盛り上げ役」を買って出てくれました。

昨日知り合ったばかりなのに、この格好

昨日知り合ったばかりなのに、この格好


名取で一緒に汗をかいて、ここでまた再会

名取で一緒に汗をかいて、ここでまた再会


毎年行っている活動報告会は、今年は復興庁の助成金を活用して開催。
出走前のランナーなど26名が参加。現場のレポートを初めて聞いた方に
大好評だっただけに、より聴講者が増える努力をしなければなりません。
課題は一つ一つの深度、ちょっとした一工夫。
もう一歩踏み込んだ「組織的拡散」。
より早い段階で、布石を打つ時期かもしれません。
次の一歩のヒントがたくさん見えました。
毎年の組織的な参加協力。ネクスタ㈱はその先頭

毎年の組織的な参加協力。ネクスタ㈱はその先頭


「私は300人以上から寄附をいただきました」とは、兵庫の会員企業ランナー。
「社員に海岸林活動報告会をしたらどうですか?」と言われたと大阪の企業の重役。
「私の同僚が、○○局のパーソナリティーなので・・・」と某ラジオ局ディレクター。
「うちの会社からも来年はランナーを」と宮城から大阪に転勤された方。
いまはまだ、裏方チームに余韻も疲れも残っています。クールダウンが先決です。
もし、また寄附先団体に認定いただけたら、輪を一歩でも広げよう。
去年よりこれが前進したと言えるように。
来年のエントリー締め切りは11月30日。認定が決まるのは2月です。

今年度最終モニタリング調査

2017年11月27日( カテゴリー: 清藤先生の視点 )

緑化技術参事の清藤です。
職業体験のため7人の仙台の中学2年生が、15日から17までやってきました。海岸林、オイスカ、職業について
学び、体験しました。詳しい報告は他の方に譲るとして、16日と17日は今年度最後のモニタリング調査を4班に
分かれて生長調査・土壌調査の手伝いをしてもらいました。
2014年植栽から今年2017年植栽までの植栽地に26ヵ所の調査地を設けてあります。それを手分けをして、
50サンプルの樹高と根元径の測定、土壌の硬さと土壌酸度を調べるために60㎝深さに穴を掘ってもらいました。
特に潜って根元径を測るのは大変そうでしたし、土壌調査の穴掘りは初めての中学生にはキツイものがあったでしょう。
image1image2
さて今回は今年度モニタリング最終回、前回の7月からどの程度伸びたのか、秋伸びはそれほどないものの
育てた苗の産地によっても違いがあるはずです。データを集計し分析しなければ具体的なことは言えませんが、
やはり植栽場所による違い、苗によるちがいなどが見られています。
生長が抜群に良いのは、第一育苗場精英樹露地苗による植栽地。調査プロット内でも2mを超えた樹高の個体が
みられるようになりました。ちなみに一番伸びている個体はやはり2014年に植えられた第一育苗場精英樹露地苗
による植栽地でした。最高は310㎝、根元径8.1㎝でした。樹高3mは通常10年以上経ての海岸林での樹高です。
また一年間で一番伸びた長さは130㎝でした。
無題
コンテナ苗はどうも露地苗に比べて2・3年は生長が遅れるようです。
樹木が生長するのには水と養分が必要です。その水と養分は地下部根から地上部へ送っているはずです。
となると根の発達が生長の大きなカギです。根の発達には土が伸びるにふさわしい硬さがあるでしょう。
硬ければ伸びない限界もあるはずです。そのために土壌の硬度も調べています。また根に酸素が必要ですが、
水がたまるような場所では酸欠を起こし根が枯死するのです。露地苗とコンテナ苗の違いは根量の違いが
大きいでしょう。樹木生理学で学んだ記憶では、根は地下部深さ30~50㎝にほとんど分布している。
植えられた苗の根の伸びを観察したいのですが簡単にいきませんが、たまたま大雨で崩れた今年植栽の場所の
苗の根をみることができました。

コンテナ苗の新しい根の発生

コンテナ苗の新しい根の発生


コンテナ苗です。植栽後半年で写真のようにコンテナで覆われていた下部から大量の根がのびていました。
コンテナで育苗中の根は、底穴の空気に触れる底に向かうため、コンテナ下部に、根は伸び細根が多発します。
伸びてコンテナから飛び出た根は、空中断根、根の切り戻しにより根は切断された状態でコンテから取り出され、
出荷されますが、植栽されるとその下部の断根された空気に触れた部分から根が大量発生し、盛んに養分と水を
吸収して生長の基を作っていくのです。まだ支持根になるほどしっかりした根は発達しておりません。
ではこの状態でその後はどうなるのでしょうか?たまたま2014年に植栽されたコンテナ苗での植栽区で水路を
掘った土手で根の伸びを観察できましたので、写真をおみせします。
苗は現在樹高95㎝、その根をみますと支えとなる水平に伸びた根は1mを越しておりました。また真下に伸びて
いる直根も太くしっかりと張っていました。
今回、サンプル数は少ないのですが、コンテナ苗の根の伸び方をみることができました。植栽当初は地下部20㎝
あたりから大量の根量を増やしながら生長に備える根形作りをし、根の充実に伴って上部の生育が順調に
伸び始め、同時に支持根の根を四方に伸ばし始め、また垂直根も発達してしっかりと生育に堪え得る根が、
樹体を支え生長させていくと想像されました。
水平に根が1m以上伸びている

水平に根が1m以上伸びている


2014年植栽抵抗性コンテナ苗

2014年植栽抵抗性コンテナ苗


垂直に太い根が伸長

垂直に太い根が伸長

こんにちは、浅野です。
先週の土曜日(18日)は今年最後のボランティアの日でした。
今回は、リピーターの方向けの視察会ということでオイスカの植栽地だけでなく
愛林碑や他の地区の植栽地を見に行きました。
ボランティアリピーター向けということでほとんどが顔見知り。
皆さん、集合も早くて若干早めにスタート。まずは、自己紹介から。
「身体の続く限りは…」が合言葉なのか、みなさん口をそろえておっしゃっていました。
D
それが終わると現場へ。もちろん乗り合いで。
まずは広浦の愛林碑を見に。
初めて見る方がほとんどだったようで、「こんなところにあったんだぁ…」
「全然知らなかった!!」など驚きの声を漏らしていました。

広浦の愛林碑を前に真剣に話を聞く参加者

広浦の愛林碑を前に真剣に話を聞く参加者


そのあとオイスカの植栽地を見学し、岩沼市の植栽地へ。
吉田担当部長と佐々木勝義さんの話を聞きながら、それぞれの違いや共通点を
実際に見ていろいろなことを考える機会となったようでした。
来年も皆さんにお会いできるのを楽しみにしています!
DSCN0483

11月も中旬になるとハチの姿も見えなくなります。
ですから、安心して中学生をマツの密林の中に行かせてあげられる。
ということで、通常のプロット調査のほかに、最大樹高レベルの
ゾーンで生長調査もしてもらいました。
もとの砂浜の基盤ではなく、人工盛土ではどのような生長を見せるか、
知見はありません。未知の世界と言ってよい。

中学生も枝が密集した林内に入って調査

中学生も枝が密集した林内に入って調査


普通、海岸林は、波打ち際に近い方の松は樹高が低いもの。
断面にすれば、海から山へ右肩上がりです。
ですが、当プロジェクトのいまは、それが真逆。
理由の最たるものとしては、「海側はコンテナ苗ではなく裸苗」だから。
名取での経過を見ても、コンテナ苗は、裸苗に比べて2・3年初期生長が遅れるようです。
2014年に植えて、2016年から大きく伸び始めた名取1区の裸苗、
驚いたことに、この1年で130㎝も伸びた個体があります。
樹高は3.2m。普通10年ぐらい要するはず。
辺りはすでに「鬱閉」。地面はまったく見えません。
これが1年で130㎝伸びたマツ。清藤先生もビックリ

これが1年で130㎝伸びたマツ。清藤先生もビックリ


名取1区の内陸側半分はコンテナ苗。
先日のブログ「森林総研の土壌調査」で紹介した個体は直根は1.3m、支根は50㎝。
調査プロットの樹高平均は103㎝、根元径38㎜でした。
きっと来年2018年、裸苗より2年遅れで大きく伸び始めると見ています。

11月16日、再生の会と合同で来年度事業計画・予算編成会議を行いました。
いつも話し合っていることの最終確認ですから、ちゃちゃっと1時間半程度。
・植栽完了は2020年。工事の都合で1年前倒しは叶わず。
・協定面積は若干追加され、約100haとなる見込み。
・最終植栽実面積(生物多様性保護ゾーン・盛土法面・防風垣・作業道・排水溝などを
 除いたもの)は70haあまりとなる見込み。
・播種は最後となる公算。1㎏、約5万粒。育苗場の一部は返還。
・植栽面積は16ha強、約8万本。波打ち際から一番近い場所全長約4㎞×幅20mなど。
 名取市海岸林全長5㎞は繋がることになります。
・育林面積は66ha。プロ野球グラウンド約50枚分。
・育林費が完全にピーク。そのため全体予算は過去最大の見込み。
・ボランティア受け入れは今年度並み2,000人あまり。
・記録編纂を開始。①社史的な詳細版、②読み物風に、③写真集、④技術マニュアル
・植樹祭はあと3年3回、空港から徒歩圏内で開催見込み。
DSCN0244
変わったことと言えば、国・県・市との将来に関した協議を提案しましたが、
動く気配がないので、当方からはっきり申し出ることに変更。
これ以外はまったく既定路線です。

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