植えて10数年後の姿
富士市を歩いた日、平均樹高6m程度、ごく小規模な林分を1ヵ所だけ見れた。
名取の近い将来に対する目の訓練をしなければならないのです。
ここだけ、他とまったく違う樹高。
ロープも張られている。神社の入口らしい。神社所有?
私の見立てでは、平均樹高は6m以上。樹齢13年、胸高直径15㎝。
本数調整伐すべきだろうか。名取なら考えたい状況に見えた。
林内を覗いてみた。
まずは、本数調整伐より「つる切り・除伐」を実施することだろう。
植えたときは1万本植えか?でも、切り株は見当たらない。
間隔もまちまち。樹間が2m以上の場所も。活着率が5割以下だったのでは。
地下水まで10mの砂山の上。厳しい乾燥の地なのだろう。
離れた場所で見るより、マツの傾斜角度が著しい。
防潮堤による防風効果が薄れる距離なのか。
富士市の他の林分でも、防潮堤から離れるほど枯損が多かった。
コストはかかるが、植えた直後の防風垣、静砂垣の有無はこのような違いになるのか。
案外下草があるのは、枯損木や、枝下高が極端に高いことによる日照のため。
太平洋側、植えて10数年、欲を言えば人工盛土の上という植栽事例は限られています。
目星はついていますので、コツコツ足で稼いで鍛錬したいと思っています。
全国の海岸林は、ゴミが皆無の現場と不法投棄最前線の現場にはっきり分かれます。
富士市は、目下、まさに海岸林造成を「施工中」。拾ったばかりかもしれないし、
それとも悩んできたのかもしれない。私が訪ねたのは休日でもあり、
犬を連れてマツの中を歩く人、防潮堤上をサイクリングする人が多かった。
海岸林に沿って人家だけでなく墓地もある。松林への進入路も、作業道を兼ねた歩道もある。
しかし、それにしてもゴミは落ちていない。
勝手な想像ですが、地域住民と松林との関わり、海岸林保全に熱心な行政、
それらの熱量がゴミの投棄を抑止しているようにも感じました。
いま名取の現場では、まだ探さないと見つからない程度ですが、問題はその周囲。
今年の植樹祭の会場付近は、最もゴミを「投げられる(宮城弁)」場所です。
そのままにしておけば、当日も参加者は目にするでしょう。
事前に処理するのがイイか、参加者に協力してもらうのがイイか・・・
最近は、ベッドのバネだけが多数投棄されました。
ちなみに、我々で処分すれば寄附金で処理することになる。
行政に頼んでも震災ゴミか、震災後のゴミかで、所轄も変わる。
先日も情報交換の場で話題に出しました。
各地の優れた海岸林保全の現場のように、とてもゴミを捨てる気にならないような、
熱すら感じる姿にしてみたいと、あらためて思いました。
植林絶対主義根絶キャンペーン
本部・広報室の林です。
海岸林チームがみんな名取や愛知に出張している留守番中、
久しぶりに次のような電話のお問い合わせを受けました。
「海外林(「海岸林ですけど…」と訂正したいのは我慢)再生プロジェクトの
ボランティア募集のサイトを見ていますが、作業に根踏みとか除草とかしか
書いてないんですが、植林作業はないんですか?」
「はい。ボランティアの皆さんに植栽はお手伝いいただいていないんです」
「え?しょくさ……何ですか?」
「しょくさい、植栽です。木を植える作業はプロにお任せしていて、
ボランティアの皆さんにはその後必要な保育管理をお願いしています」
「え?草取りってことですか?」
「草取り以外にも、苗木が育つために必要な作業全般です」
「ああそうですかぁ~分かりました」……ガチャン!!
オイスカは長く国内外で森づくりに取り組み、ボランティアの受け入れの経験も35年以上。
植える体験をしたい人が多いのは知っているし、その気持ちも分からなくはありません。
実際、プロジェクトの現場にボランティアに来てくださる方の中にも「植えたいなぁ~」と
思いながらツルマメと格闘したり、溝切り(排水路づくり)をしたりしている方もいることでしょう。
それでも多くの方が、クロマツのお世話を通して「愛着を感じる」「がんばって成長して
もらいたいと心から思った」と、感想を話してくださるのを聞きました。
植えて満足するだけの人を増やすような体験機会の提供は真の森づくりには
つながらないと、常々考えています。本当に必要なのは、長く続いていく保育作業だから。
久しぶりの「植えたいだけ」さんとの電話のやり取りで、「保育管理大事!」の発信が
まだまだ足りないのかなぁと、ちょっとがっかりした次第です。
植林絶対主義根絶キャンペーン第一弾。
(なんだか字面が怖い……もうちょっと楽しそうなネーミングにしないと。
「クロマツのお世話も楽しいよキャンペーン」とか?……発想が貧相だなぁ)
世の中の「植えたいだけ」さんたちに声を大にしていいたい!
こうやってツルマメを抜き取ってくれるボランティアさんが
いるからクロマツが立派に育っているのですよ!!!
3月25日、新幹線から沼津‐新富士間で見える富士市の海岸林を歩いた。
マツだけでなく、南海トラフ対策のいまも見たかった。対象は全長20㎞。
富士山を背に東海道線JR吉原駅を下車。海抜5m。
駅北側の後背地はさらに低くなり、線路と松林に沿うように東西に川と湿地。
駅南側から汀線までは1㎞。その間「砂山公園」まで上り坂。
途中、海抜10m程の位置に高さ15mの津波避難タワー。海沿いには4基。
砂山に至るまで、神社などの石碑や説明版などを見ると、「漂砂」「高潮」に
苦しめられてきた地元史も刻まれていた。河口や港はときに砂で埋まり、
13mの防潮堤も高潮で越波されたという。
海岸林の整備も進められている。
車窓から見ると、遠くにせりあがった場所にパラパラと見えた松。
現場に行くと、想像とまるで違い、舐めるように歩くことになり、
5時間かけてたった5㎞しか歩けなかった。
一つどうしてもわからないことがあり、数日後、富士市林政課に電話。
技術的にはあり得ない、見たことのない施業だった。一体なんだろうと思って。
「分かる人いらっしゃいますか?」と聞いたら、即、担当の方とつながった。
プロの仕事、行政が発注した仕事ではないこと、自分で植えて自分で育てる住民の存在、
後押しする行政など、一本の電話でいくつものことを教えていただいた。
一生懸命な住民の先走り、行政にとっては意図せざる仕事でした。
ちゃんと説明を聞いてからにしなかったため、住民は下草刈りの量が増えることになる。
しかし、失敗してわかることもある。羨ましいような住民の存在と言えなくない。
電話してよかった。
市民参画の姿をまた知ることができたので。
参考になるかわからないけど、私も現場を歩いた感想をお伝えした。活着率向上の手段など。
Mさん、部外者からの突然の電話なのに、親切に教えていただいてありがとうございました。
こんにちは、浅野です。
初・北海道と言うといろんな人から「え!アフリカ行ってたのに!?」とよく分からない
驚かれ方をするのですが、それとこれとは別物なのです!
札幌で報告会をしたことはブログに書きましたが、報告会以外のことも書いてみます。
①カシワの海岸林
北海道には小樽市銭函から石狩市厚田区聚富までの20㎞、最大幅800mにおよぶ天然の海岸林があるのです!
しかも、クロマツではなくカシワ。「防風保安林」に指定されています。
時間と残雪の関係で端から端まで見たわけではありませんが、カシワの林帯を見てきました。

カシワは新芽が出るまで葉が落ちない、葉は新芽を守っているということを
聞いていたので、実際に見てみました。
②町村農場
聞いたことがある方も多いかもしれません。
せっかくだから…ということで、連れて行ってもらいました。
(古くからのオイスカの会員さんなのです!)
ちなみにソフトクリームをいただき、クリームチーズをお土産に買ってきました。
③北海道支部を訪問
これはスタッフブログの方に書いたので、こちらをどうぞ。
→ http://www.oisca.org/blog/?p=24484
と、いろいろな所に行ってきましたが初・北海道の感想は「広い!」ですね。笑
こんにちは、浅野です。
3月23日~25日まで札幌に出張してきました。
出張の目的は24日の「森林再生フォーラム2018」、小林省太さんの講演です。
今回のフォーラムはNPO法人北海道森林ボランティア協会・アレフグループとの共催でした。
当日は100名の参加があり、小林さんの基調講演・各団体の報告と続きました。
小林さんは「元新聞記者の目で見たプロジェクト」と題し、プロジェクトの進捗状況や
今後の課題を報告。「海岸林再生にゴールはない」と締めくくりました。

北海道森林ボランティア協会の酒井専務理事は2004年の台風で被害にあった林での活動、
デリシャス㈱(アレフグループ)の庄司社長は自身が海外協力に携わるようになった
きっかけから現在の取り組みまでをそれぞれ報告しました。

参加者は真剣に話に耳を傾けており、熱心にメモを取る方や写真を見ながら
大きくうなずいている方もいました。
他の団体と一緒に行うことで、今まで関心を向けていなかったという方たちの参加もあり、
勉強になったとの声も多く聞かれました。また、ボランティアに参加したいとおっしゃる方もいました。
大阪マラソン寄付先団体説明会
こんにちは、浅野です。
先週は出張weekでした。大阪に行き札幌へ。
大阪では大阪マラソンの寄付先団体向け説明会に出席してきました。
今年は14団体のうち2団体が初採択、2団体が返り咲き。
オイスカは今年で5年連続の採択。本当にありがたい限りです。
昨年は61名の方がオイスカのチャリティランナーとしてエントリー。
当日は58名の方が走ってくれました。
そのうち6名はオーストラリアから。自分たちで大阪マラソンのチャリティランナー制度を見つけ、
海岸林再生プロジェクトの活動に賛同して来てくれました。他にも中国や台湾からの参加も。
今年は70名を目指したい!ということで、皆さんぜひご協力をお願い致します!!
お問い合わせは浅野まで!!

広報室の林です。
↓これ、全国の皆さんには公開していない今年の植樹祭のチラシの一部です。
(植樹祭は宮城県民限定で募集しているためです。県外のみなさんすみません)

頭にタオルを巻き「植樹祭 今年もやるぞ!!」の男性が誰なのか、
ブログ読者の皆さまに説明は不要と思われます。
左下のキラキラした目の女性が誰なのかも、
これまた説明は要らないかもしれません。
チラシ制作を依頼した名取市出身のイラストレーターico.さんから
ラフ案が上がってきた後、担当者SがAの写真をico.さんに送り、
「最後のコマの女性をAに寄せてください」と依頼したもの。
プロのイラストレーターだから当然なのかもしれませんが、
スゴイ似てる!!! 顔そのものもですが、醸し出てる雰囲気が……。
先日、「海岸林再生プロジェクト」とは別の案件で、
林野庁の方々と一緒に仕事をした際、多くの職員の方が
「いや~Aさんはホントすごいですよね~」とほめていました。
その理由は「あの目力で、吉田部長を動かしている」と。
「俺もあのウルウルした目で言われたら、動かされちゃうかも……」との声も(笑)。
現場の森林組合のお兄ちゃんたちがドキドキしちゃう、アイドルA
以前の植樹祭チラシ用に描いていただいたイラストも、
のちにプロジェクトのパンフレットの表紙に使うほどすばらしいものでしたが、
このキラキラ、ウルウルのアイドルっぷりが
ものすごくうまく表現されたこのチラシ、永久保存版です!!
(ちなみに、私はAのことを女優の松岡茉優さんに似ていると思っており、JRのポスターや
テレビのCMで彼女を見かけると心の中で「あ、Aに似てる~!」とイチイチ反応しています)
オタクの休日の夕方は、一層深みにハマり、さらにマニアックに。
2016・17年度植栽地の「いつ枯れても不思議でないゾーン」を逡巡。
無駄な努力をしない、諦める判断も仕事のうちと思います。
どうしても難しいことの場合、多額を投入すれば解決することもあります。
しかし、何でも手間やお金をかければいいとは、まったく思いません。
森林組合の諸氏も、植えても100%無駄な場所には植えないよう徹底されています。
「ボランティアをタダの労働者と思うな」と佐々木統括からも厳命されています。
きっと今年も、ボランティアにはツルマメとの格闘を託されるでしょう。
去年は100%そうでした。すでに去年同様のボランティア数の見込みです。
「戦力」として受けるからには、無駄な仕事に充てるわけにはいきません。
ただ、去年の努力の甲斐あって、任務が軽く済むこともあるかもしれません。
そういう場合は・・・
逡巡した場所。
そこに仕事見つけてあります。
去年はツルマメに遮られ、辿り着きませんでした。
ですがまだ、幸運なことにマツは生き永らえています。
来月は森林組合も来ます。彼らの意見も聞いてみよう。
盛土を造成した建設会社現場代理人の方とも会う約束をした。
造成設計担当者も、造成工事実行者も考えに考えた、努力の結果を私は知っています。
いまは砂に隠れて見えないある存在の情報を集め、私の策を試す価値があるか検討しよう。
やるなら第1上半期。
戦術検討。私にはイイ休日になりました。
チーム海岸林の根性を示したいと思います。
10年前の林業会社時代は毎日でしたが、いまは1年に1回あるかないか。
足で稼いで必要な情報を集めるのは若い者の仕事。
2014年・15年26haの点検はもう済んでいる。
ということで、2016年・17年34haの点検を。
こちらは木が小さく、防風垣で遮られるので、倍以上足で稼がねばならない。
寒風害の影響は少ないが、頑張れー!と声をかけたくなるものもある。
枯れたものを見つけ、抜いてみて原因を考える。今回も発見があった。

植樹祭の場所で
これは深植え・窒息が原因と見える。一番下の2本の
小さな枝が隠れるほど、植えるではなく、5㎝ほど「埋めていた」
植え方マニュアルを読まず、当日説明も聞いていなかったため、同じ人が何本も同じことをする
伐られたものが刺してある・・・
切口で分かる。イタズラではない。
そういうものを10本ほど見つけました。
誤伐してしまい、恥ずかしく、忍びなくて、「ごめんなさい」と言いながら刺したか。
ここは、腰まで草が生えてきて、しゃがんで刈ると人も草に埋もれてしまう場所。
その中に潜らないと、マツがどこにあるか見えない。草の根元から刈り取らねばならない。
草の合間から見える顔は、汗まみれで、砂まみれ。
昨年、幾人ものボランティアの方、プロで代わる代わる苦戦したことを思い出す。
中国人の方が「すみません!伐っちゃいました!」と自己申告してくれたことも。
真夏、みなさんよく頑張ってくださった。
伐られたマツを見て、感謝の気持ちが湧くというのも変だ。
とにかく、まったく腹は立たない。
真剣にやった結果だ。
ですが、「誤伐した人は刺す」。
今までなかった傾向が、わかりました。今後の参考にします(笑)




















