座学+現場の松くい虫勉強会 その1

2026年4月16日( カテゴリー: 松枯れなど病虫害対策 )

本部・海外事業部の林です。

だいぶ時間がたってしましましたが3月14日の仙台防災未来フォーラムに
参加した際のご報告です。
(イラストレーターのico.さんもこちらで報告してくれています!)

地元からいつもボランティアに参加してくださっているリピーターの皆さん、
また宮城県支部の会員さんといういつもの顔ぶれ以外の参加者の中には、
和歌山や新潟などから話を聞きに来られた方もいらっしゃいました。

マツノマダラカミキリとマツノザイセンチュウの関係や、松枯れのメカニズムも理解していたつもりでしたが、自称「マツオタク」の中村先生のお話は、本当に分かりやすく不足していた理解が補えたし、本当の専門家はこういうものだ!という姿勢も学ばせてもらいました。

左の写真は先生のレクチャーの間に回ってきたマツノマダラカミキリ。こんな小さい虫たちが、さらに小さな線虫を運んできて、あの巨大なマツが枯れてしまうのは、ウイルスに感染して、人間が病気になるのとまったく同じ。人間はワクチンを打ったり、抵抗力が弱いと感染しやすいからと気を付けるのに、マツに対しては、対策があまりにも疎かにされている現状をあらためて考えさせられました。

敵を知ることは大事。でも松くい虫病を根絶するための私たちの敵は、その直接の原因となる、マツノザイセンチュウや彼らを運ぶマツノマダラカミキリだけではありません。むしろ、彼らを排除することだけ考えていればいいのなら、簡単なことかもしれません。やればいいだけですから。
難しいのは、対策するための制度や行政との調整、市民の理解を得ていくことなどだと感じます。ico.さんがおっしゃっていたとおり、「市民に愛される森」にしていくことが、遠回りに見えて、松くい虫対策の一番確実な道なのだと私も思います。
……ではありますが、まずは先生から教えていただいた基本について少しレポートします!

基本中の基本
「マツ材線虫病はマツノザイセンチュウを病原体とする昆虫媒介性の伝染病である」

先生は、人間に置き換えて考えるのに、「日本脳炎」を事例に挙げていました。
■日本脳炎ウイルスを持った蚊⇒マツノザイセンチュウを持ったマツノマダラカミキリ

■人間の血を吸う時にウイルスに感染する⇒マツの枝の樹皮を食べる時にセンチュウが侵入する

人間が日本脳炎を防ぐためにワクチンを打ったり、蚊に刺されないように対策したりするのと同じように、ターゲットごとに対策をしなければならないということもよく理解できました。

以下が私の理解です。
防除の方法は3つ。
①健康なマツへの樹幹注入
人間で言えばワクチンでしょうか。マツの木1本ずつに薬剤を注入し、センチュウに感染しないように予防するためのもの。ただし、高額です!一本数万円。ですので、公園などではよく使われていますが名取の海岸林で使うことはないです。

②予防散布
日本脳炎で言えば、蚊をターゲットにした対策で、蚊に刺されないように虫よけスプレーをかけたり、蚊取り線香をたいたり……という感じでしょうか。松くい対策で言えば、殺虫剤を空中から広範囲にわたりマツに散布して、マツの樹皮を食べにカミキリがやってきた時に駆除するという方法。これでマツノマダラカミキリの幼虫と、それに伴ってセンチュウが侵入するのを防ぎます。名取では、これが最も大切です。2026年度はやむなく「自己資金」で自主的に、6月上旬に実施します。予定では協定区域内に限定して53ha。500万円以上は確実です。

③伐倒駆除
これは、人間にはできない対応です。枯れてしまい(センチュウが原因でない場合も含む)カミキリが産卵したマツを伐採し、ここからカミキリが出て行かないように薬剤処理したり、焼却したりするのです。駆除するターゲットは、マツの中にいるカミキリということになります。時期によって幼虫か、あるいはサナギか分かりませんが、とにかく羽化して、センチュウを体に取り込んでマツから脱出する前にやっつけなければなりません。名取では、同じく、やむなく「自己資金」で自主的に、5月のできるだけ早い時期までに実施します。枝はチッパーで砕く予定です。

下の表に松くい虫病のプロセスと、防除方法とそのターゲットをまとめてみました。
左に時期がありますが、防除方法については、必ずしもこの時期に行うというものではありません。


次回は、実際に現場で先生に案内をしてもらいながら学んだことをレポートします。

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