今年度最後のモニタリング調査(土壌の物理性の部)

緑化技術参事の清藤城宏です。
12月2日、今年最後のモニタリング調査に吉田さん、浅野さん、
それに最近オイスカ会員になられた地元ボランティアの大槻さんの4人で出かけました。
午前中は風があり、写真のように完全武装での調査でした。
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調査の目的は、土壌の硬さの調査。以前紹介した土壌硬度計を使って、
調査プロット19か所で土壌10㎝、30㎝の土の硬さを調べました。
なぜ土壌の調査をしているのか、再度、書かせていただきます。
現在我々が植栽している場所は、山から運ばれてきた採土を約3mに盛土した造成地です。
オイスカ顧問の太田猛彦先生の言葉、「月面に木を植えるようなものだ」のごとく、
厳しい土壌環境下で植栽を行っています。しかしマツ類は土壌環境の劣悪な場所だからこそ唯一クロマツ、
アカマツが生き延びてのいるのも事実です。
私は、ここでは土壌の栄養状態・化学成分よりも土壌の物理性に注目しております。
まず土壌構造です。土壌断面内は砂や粘土などの土壌粒子がお互いにくっつきあって
できた土壌集合体で土壌構造と呼ばれ、とくに水分環境によく反映されるのです。
少し細かい仮説になりますが、土壌構造の基になっているのが土性です。
7つに分類されます。
砂土(s)・・砂ばかり感じるもの、砂質壌土(SL)・・砂を1/3~2/3感じるもの、壌土(L)・・砂を1/3以下感じるもの、微砂質壌土(SiL)・・砂は感じないが粘りのない“こしあん”のような粘土を感じるもの、植質壌土(CL)・・粘りのある粘土に砂を少し感じるもの、植土(C)・・粘りのある“こより”ができきるほどの粘土のもの、そして石礫土(G)・・大部分が石礫であるもの。
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その土性をもとに構造が形成されます。8つに分類されます。ここでは全部を紹介することは省略しますが、
ここの植栽地では粒子がおのおの独立し密着していない単粒状構造をしめしていました。
全体が未着して羊羹上のカベ状構造、2~5mmの丸みのある硬い粒の粒状構造、
そして栄養分が感じられ、ほどよい粒子、湿潤な団粒状構造などがあります。
そして硬密度です。断面に指を押し付けて判定したり、数量的に表す土壌硬度計を使ってその抵抗を測ります。
数字が増す数値を示すほど硬くなり、25㎜が生育不能の限界値になっております。
今回の調査では6mm~21mmの数値が測定されました。林木の成長と土壌の物理性は高い相関がみられるはずです。
このことを今後詳しく分析していきたいと思っております。
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