吉田です。木崎浜から大淀川を渡り、両側に海岸林を見ながら走れる一ッ葉海岸有料道路を北上。ポツポツしか松枯れがないシーガイヤ付近を通過すると、遠くに茶色が見えました。いわゆる激害地でしょう。この14年半で、秋田、福島、宮城、千葉、静岡、長野、香川、福岡の惨状を見に行きました。被害拡大の要因の一つとして、あまりの被害木の多さに、予算面や人的に伐採・処理が追い付かずタイムアップとなって、マツノマダラカミキリが大量に羽化してしまいます。ここの現場の激害化への進行は今年始まったことでなく、数年前からだろうと思いました。

 クロマツ海岸林には、こういう恐ろしいリスクがあることをよく知っている人は多くありません。行政マンでも、無知や誤った解釈をしている人が多いのが事実で、一般市民であればなおさらです。激害地になる可能性があることなど、信じられないでしょう。森林の被害は様々です。蔵王の樹氷を形作る青森ヒバが「トウヒツヅリハマキ」に侵されていることも、広葉樹の「ナラ枯れ」(菌をカミキリが媒介)が全国に蔓延していることも、私の自宅がある東京・多摩地区の、青梅市の梅がウメ輪紋ウイルスに感染し(2009年)、4万本が伐採されたことも、ソメイヨシノの外来種クビアカツヤカミキリ被害が15都府県に蔓延していることも、かなり報道されていますし、防除・再生の努力も続けられています。職業柄、無関心ではいられません。

 ただ、ここは最内陸側一帯が広葉樹林化していました。防災林機能としてこれが唯一の救いに見えました。ですが、最前列の被害箇所はいずれ抵抗性クロマツの再造林をすると思います。広葉樹では無理でしょう。

 今回の宮崎海岸視察では、海岸浸食にも注目しました。宮城の海岸も同様ですが、波打ち際にも、海岸林にも、厳しい環境があり、努力の様がありました。

海岸林最前列に「サボテン」。さすが南国。初めて見ました。
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