宮崎県の海岸林 ~①木崎浜46ha~

2025年12月4日( カテゴリー: 松枯れなど病虫害対策, 海岸林あれこれ )

 吉田です。日本緑化センター主催の「松枯れ防除実践講座」参加のため、11月30日(日)に1日早く宮崎空港に降り立ち、翌日午後の開講までの半日×2を現場実踏に充てました。

 (私がオイスカで働き始めた)1994年、林内にシーガイヤリゾートが開発されつつも、それが良い面に働き、よく管理された「一ッ葉海岸」として知られています。首脳会議をやるほどの場所です。ですから是が非でも守らねばならないというアドバンテージが働いていると思います。ですが、今年の全国の松枯れ報道を調べると、宮崎県も酷い被害を受けていると知りました。

https://oisca.org/kaiganrin/blog/2025/11/29/2025%e5%b9%b4%e3%80%80%e5%85%a8%e5%9b%bd%e3%81%ae%e6%9d%be%e6%9e%af%e3%82%8c%e5%a0%b1%e9%81%93/

 まず空港から南へ。観光地「青島」の北、「木崎浜」へ。WBC「侍ジャパン」や読売ジャイアンツのキャンプ地の総合運動公園があり、「サーフィンの聖地」と県庁の方は言ってました。

 最内陸部は南国らしい広葉樹林。さすがに東北とは違う林相です。ですが、その広葉樹もつかの間で、想像以上にクロマツ中心で、「明るい」海岸林でした。陰気さゼロ。ここでは松枯れ対策の薬剤ヘリ散布を毎年実施した結果、被害木はごく少数。海に出ると、今度は海岸浸食の爪痕とその対策工事が目に留まりました。砂浜もマツ林も危機と隣り合わせという、全国の沿岸の典型的な現状そのもの。

 下の写真は、波打ち際から最内陸部に向かって400mあまりを歩いた写真です。

 本数調整伐・衛生伐採(よく育っていない弱いマツを先行して伐る)はしていないようでしたが、毎年確実に松枯れ被害木を伐倒駆除・バイオマス発電利用(需要が十分あるため、林内燻蒸処理の必要なし!)する成果として、林内は見通しがよく、とても明るく、作業道は散歩する人・陸上部の若者に利用されていました。自然砂丘のアップダウンがトレーニングに有効でしょう。ゴミはまったく見かけません。ただし、明るい林内ながら、最内陸林縁部以外の広葉樹への樹種転換(クロマツ全滅となった場合の備え)が意識されていると感じましたが、私が想像していたより最内陸に留まっていました。やはり前面部のクロマツを大事にすることがまず肝要なのでしょう。

 翌日の講座ではイヤホンマイクが用意されたため、専門家の方々の解説や会話をしっかり聞けたのですが、元石川県庁職員で樹木医の講師の方が「正直に言って、松枯れ対策など非常によく管理されている」と繰り返していました。

 下の写真は、内陸側の人家や畑から見た木崎浜海岸林です。

 

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