県立名取北高校1年生19人のフィールドワーク

 吉田です。10月16日午後、今年から始まった県立名取北高校の総合学習「地域探究講座」、1年生を対象としたフィールドワークがありました。保育、自然科学、家政学、インクルーシブ教育、障害者福祉、国際理解、震災伝承、地域史など、地元関連10分野の講義を4月に聞き、その上で海岸林再生プロジェクトのフィールドワークを選択した19人をバスで案内しました。

 1学年240人が8分野から選択したうちの19人。シェアは8%。「海岸防災林に関心を持つのは、若者の13人に1人」という数字があぶり出されました。今年の夏、名取の海に来た生徒さんは3分の1以下。余談ですが、今年のボランティア941人のうち、Uー22の若者のシェアも8%でした。(去年より2%増)

 むかし、オイスカに入った駆け出しのころ、京浜急行電鉄の会長のお計らいで、横浜駅の大魔神神社があった一等地で「タイ植林20周年写真展」をしたことがあります。ですが、あまりに見てくれる人がなく、カウンターで数値を取りました。一つだけ覚えている結果は、1・2枚でも止まって写真を見てくれた人は平均200人に1人だったこと。しっかり見てくれる人はほとんどいませんでした。

 今日、再生の会が建てた石碑の近くに、新しい缶コーヒーが一つ捨てられていました。高校生の彼らに「これは我々に真心が足らないから、この松たちの持つ数多の意味が知られていないから捨てられる。捨てる気にならないような海岸林にしたい。だから一人でも多くの若い人に現場を見てほしい。そのために東京から来る価値があると思って今日は来ました」と話しました。

 オイスカは、世の中から関心を得にくい分野で生きているという宿命は感じます。ですが、二宮金次郎さんなら「お前の努力が足らないからだ」と言うだろうと思っています。

 かなりキャッチボール的コミュニケーションをしたつもりです。全員が何回も言葉を発する状況を作りました。クイズも逆質問もしました。すごく真剣に聞いてくれ、歯ごたえのある質問が飛んできました。この21人の中から1人でも、11月16日の公募ボランティアに来てくれたら素直にうれしいです。3年間の付き合いが生まれるといいなと思います。

 今日は、フィールドワークに参加しない2・3年生、野球部や海岸林リーダーの生徒たちが挨拶に来てくれたり、若い先生とずっと一緒だったり。楽しかったですよ。野球部の3年生のマネージャーさんには、「大学に行ったらオイスカでインターンしない?」って名刺渡したり・・・

【3時間バスコース】
北高→サイクルC屋上→北釜防潮堤&波打ち際→葛繁茂地帯→骸骨コレクション&石碑→2014年植栽地林内&計測体験→北高

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