吉田です。今期の葛刈りも残る2日。5月末から数え921人のボランティアにご尽力いただきました。最北端の閖上漁港から始めて、この日は仙台空港誘導灯のすぐ南の2015年植栽地で作業。よくぞ、はるばるこんなところまできたものだ。

 そもそも、今期のボランティア受け持ちは名取市海岸林北半分。お盆が明けたら、2巡目をと思っていました。ですが、先日のブログで紹介した通り、プロも精一杯作業する中で、「ボランティアで南半分も頼む!」と佐々木統括から指示がありました。お盆が明けた8月24日、東北電力労組宮城県本部青年部の作業からは、普段の手法からスピード重視に切り替え、松のてっぺんにまで登る、大物葛の根元狙いに的を絞りました。2巡目を期していた場所への悔いが残りますが、ボランティアによる人海戦術の評価が、10年を経て上がった証とも思いました。

 1週間前、佐々木統括に「現状ではあの場所にボランティアを入れるのは難しい」と意見を伝えたその数日後、松島森林総合の佐々木代表から「誘導灯の南側、ボランティアが作業しやすいように、伐採列の下刈を終えた。ハチがいないか点検もした。ボランティアで出来るよ」と連絡がありました。私自身も東京海上来訪前日、県職員OBの超リピーターの遠藤さんと現場を点検しました。顔には蜘蛛の巣、服はバカ(アレチヌスビトハギの種)だらけになりましたが(笑)

 過酷な現場だとは思います。「吉田はスパルタ」と身内からも言われますが、当然最大限配慮しています。「戦力としてボランティアを位置づける」「ちょいボラは受けない」という基本方針ですから、今後も進め方に大きな変更はありません。林業会社在職時代(2007~2009年)、ボランティアやNPO、が、どのぐらいプロからバカにされているか思い知らされました。民間の林業の重鎮からは、オイスカの国内の森林保全活動を「お遊び」と面と向かって言われたこともあります。海岸林の仕事を始めたころも、オイスカを揶揄する声が自然と聞こえてきました。いまに見てろと思い続けました。本気の現場には本気のボランティアが集まると信じてきました。その結果ののべ15,000人のボランティアです。

 私にとって東京海上さんは、1994年の新人時代、都内企業会員すべてを受け持った時からのお付き合いをさせていただいています。1998年にはマングローブ植林について丸の内の本社ビルでご相談を受けました。いまに至る5ヵ国での5年×5期目、この巨大マングローブ再生のきっかけに関われたことは、幸運かつ光栄。しかも、名取の海岸林では社員の皆さんと直接相対することにもなり、深いご縁を勝手に感じています。

東京海上日動HD「マングローブ植林」

https://www.tokiomarine-nichido.co.jp/world/greengift/mangrove/

 名取の海岸林と、マングローブをはじめとするオイスカの世界での活動はつながっていると考えています。植える前後の苦労は、名取も海外も同じです。現場の者同士、お互いを励みにして、気持ちはいつもつながってきました。名取の海岸林は、海外現場の小さな出店のようなものです。一般の方にとって、海外の現場には簡単に行けないと思いますが、名取で体感すれば、海の向こうに思いを馳せて、想像できる人もいるはずです。林業会社を退職しオイスカに戻るとき、そして戻った後も、「林業マンの生き様を多くの人に伝えてほしい」社長に言われました。今後も、森林再生の実際の一端を多くの人に体感してもらいたいと思っています。

 ご担当から「40名参加!」と聞いて驚き、とても嬉しく思いました。名簿を見ると、仙台支店自動車営業部を中心とするリピーターも多く。なかでも、本社役員さんと経営企画部長さんは、今月、タイ南部ラノーン県のマングローブの現場のはしご。https://ameblo.jp/oiscathai/entry-12868330006.html

 今回迎える現場は私にとっても最悪レベルの葛。わざと東京海上さんにぶつけたわけではないことは先の文章でご理解いただけたと思いますが、この数年、タイムアウトで不完全な施業だった場所。お盆明け以降は、名取の中では酷い場所続きです。それを承知で、最強の地元助っ人7名が名乗り出てくれました。

 長くなりました。続きは後日。海外事業部の林久美子部長も書いてくれると思います(笑)

 最後にご案内を一つ

 11月26日(火) このプロジェクトに震災以来ご指導いただいている治山の権威、東大名誉教授の太田猛彦先生(オイスカ顧問)、東京海上さん(今回も参加の経営企画部長の小橋さん)、住友化学さん、そしてわがオイスカ、林久美子部長が登壇するトークイベントを企画しました。オンラインもありますが、ぜひ会場に!

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