最大の課題 ~地元に次世代の理解者を増やすこと~

2024年7月17日( カテゴリー: 若い人たちより。また、若い人たちへ )

 吉田です。7月16日(火)宮城県立名取北高校1年生240人に講演する機会をいただきました。4月には2年生全員に。海岸林再生プロジェクトから最短距離の高校。自分で考える力を持った若者がいる、プロジェクトにとって最も大事な存在の一つ。OBの方たちは森林組合職員として名取の海岸林で連日作業してくれている人にも(娘さんが在校生)、寄付者の地元企業、市役所にも大勢います。8月からオイスカ宮城県支部事務局長に就任する佐藤康夫さん(前東北ガス社長)も聞きに来てくれましたが、息子さんもOBと。

 2015年、地元新聞社「河北新報」の記者さんが、当時の校長先生に海岸林再生プロジェクトを紹介下さったことからご縁が続いてきました。卒業式前日の全校生徒対象の講演会やボランティア説明会の機会を何度もいただきました。自分の意志で、自分で申し込んでボランティアに来てくれた生徒さんは、歴代野球部員や、奉仕部、サッカー部、バトミントン部、弓道部の「有志」、個人一人で、友人と、親御さんと・・・300名に迫るかと。でも、これまで14年の海岸林ボランティア合計は約13,000人ですからまだ多いとは言えません。

 コロナ禍で生徒さんとの直接接触の機会は途絶えてしまいましたが、それを復活に導いてくれたのが野球部顧問で「生物」専門の榊先生(35)。今年も3月2日に野球部全員で間伐に来てくれました。2023年度は、3年生の生物の授業やフィールドワーク、まとめなど6コマで生徒さんと接しました。そして学校全体の総合学習見直しを彼がとりまとめ、3年間かけて自分の関心を探求する「地域理解講座」の一角に海岸林を据えていただきました。海岸林だけは全校生徒対象に、常にトップバッターで講演する配慮をいただいています。

 講演は1時間。涼しかったこともあり、運よく体育館で。クロマツ林は何のために存在するのか知っている人が地元に多数いなければなりません。私がこの世を去ってからも、「海岸防災林」として維持管理は続けねばならないと話しました。生徒さんは全員タブレットを使ってたくさん質問があつまり、240人の前で挙手で質問する生徒もいました。彼らは宮城県南部全域から通う1年生。私もいくつか質問しました。名取の海に来たことがない生徒は半数以下でしたが、遊泳禁止の海、シラスの北限、クロマツ林の存在を知るのはわずか。まず、夏休みに海を見に来てほしい、そしてクロマツを見てほしい、捨てられているゴミも見てほしい。まず、海岸林の存在を知ってほしい。それが皆さん高校生ができること。そして3年間で1回でもいいからボランティアに来てほしいなどと伝えました。

 次は10月16日(水)のフィールドワーク。何としてでも海岸林の現場で説明を聞きたいという1・2年生のために、大型バスを1台予約してあります。

「松がつなぐあした」の著者が贈る言葉 ~松のバトンタッチ~
https://www.youtube.com/watch?v=P2IjcHriqWY&t=17s

*いつか来る機会のために、著者の小林さんや私の部署の女性たちが、北高の生徒さんたちへのメッセージをあらかじめ動画にしてくれていて、講演でも使いました。

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