吉田です。351回目の名取出張。東京の自宅に帰る新幹線の車中、怒涛の3連戦を振り返っています。いろいろなことがありました。今回も怪我なく無事終わってホッとしています。今回は「毛虫!ブログ読んで!」と各事務局に事前アナウンスをしたので、少しは予習してくれた方がいたかな~?と思います。少しは・・・(笑)なぜ葛刈りするのか、どうやって作業するのか、事細かに繰り返し書いてきました。

 この3日間、カネボウ労連・化学総連・全積水グループ労連・京セラ労組+地元リピーターが182名、作業範囲はおよそ1.75ha(東京ドームグラウンド面積1.3ha)、約5,775本のクロマツの世話(①毛虫駆除1.75ha、②葛刈り0.75ha)をしていただきました。2017年植栽のクロマツ1本に5匹ほどのマツカレハ毛虫。単純計算でどんなに少なくとも28,875匹、一人150匹ほど殺した勘定です。化学総連・全積連は全体的にキャリアと高いリピート率があるので、葛刈りと毛虫駆除の二刀流。空っぽになった「アースジェット」(税込316円/本)は86本。カウンターで調べてみましたが、私は1分間で平均15匹を殺しました。

 現場に着いてすぐ、佐々木統括と毛虫について話し合い。マツ1本にせいぜい5・6匹ぐらいなら、強い殺虫剤ではなく、アースジェットで毎年徐々に殺していこうと決めました。去年は海岸林外の内陸防風林では30匹/本の異常発生。再生の会のプロに頼んで強い殺虫剤で駆除して枯死を免れました。ほかの生き物もたくさん殺してしまうので、あまり使いたくありません。ちなみに、ここでの森林害虫の主な被害は2020年のアカシンクイムシ(2019年植栽木の新芽が狙われ、剪定鋏で患部を切り落として回収焼却)、2023年のマツカレハ(化学総連・全積連100名とプロで対処)。これからは松くい虫病がいつ来てもおかしくありません。森林の権威の太田猛彦先生(東大名誉教授・オイスカ顧問)は「エボラ出血熱」に例えています。その場合は行政の出番です。

 前夜はなかなか眠れませんでした。ボランティア受け入れはすでに1万人以上、慣れてますが、何度やっても緊張します。初戦はカネボウ労連、女性が多く、ほぼ全員ここは初めての方・・・毛虫と戦ってもらうことをとても躊躇しました。こういう迷い、ときどきあります。でもいつも、いま最優先でやらねばならないのは何か?と考えます。いまのこの時期はマツカレハ(毛虫)退治。去年に続く大量発生。毒毛針がやたら風で飛散する毛虫ではないし、いま放置すれば葉を食べ尽くしてしまう。葉がなくなるということは、当然防風効果は落ちます。光合成の量が少なくなるわけですから、幹は太らず、根も伸びず、生長が極端に遅れた「もやし状」の林になります。酷ければ枯れます。見くびってはならないと思いました。昼からは浜風が吹くとの予報に従って、頑張ってやってもらおうと腹をくくりました。体験ではなく、戦力として受けるのがここの原則ですから。

 結果、お願いしてよかった!の一言に尽きます。人海戦術は無敵です。風上からのアースジェット一斉射撃は壮観でした。ホームセンターで連日大人買いして、レジのお母さんに「また?」と目で笑われ、恥ずかしかったけど・・・。化学総連・全積連の皆さんは、去年と同じ場所で同じ仕事となりましたが、森林保全に求められる粘り強さを感じてくれたと思います。葛刈りとの見事な二刀流でした。毛虫にばかり気を取られてしまいますが、葛にもしっかりダメージを与えました。「明るくなった!」の声がそこかしこから聞こえました。それでもまた発生してきます。この夏、毛虫がいなくなったころ、もう一度残党狩りします。

 個人的にはマツカレハの広域捜索方法も体得しました。きっと、全体のごく一部の局地発生だと思いますが、浅野さんと手分けし、毛虫捜索範囲を拡大して歩いて、来週末のANA労連、再来週末の公募日を迎えたいと思います。150人ぐらい来てくれると思います。葛がどこにあるかはよくわかっています。本当に皆さんありがとうございました。まだ、乗り切った感はありませんが、まずはお礼まで。私自身もいつも通り楽しんで仕事できました。

 明日は写真報告などをと思っています。

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