ボランティア対象の、初めての本数調整伐指導者講習会(1月21日)
吉田です。通算314回目、今年初めての名取出張は、主にボランティアリピーター対象の、本数調整伐指導者講習会でした。去年からプロによる本数調整伐(2014年植栽地約10ha)を始めましたが、今年からはボランティアリピーターも初参入!私たちにとっては「念願の一つ」でした。そもそも、自分で植え、夏の暑い日には下草を刈り、ツルが絡んだら解放してあげ、苦労して育てた木を自分で伐るということは、よほど運がいい林業のプロでもない限り、まずあり得ません。
「指導者講習会をやろう!」とは、名取事務所の佐々木統括の発案です。画期的な提案に驚きましたし、嬉しかったですね。
はやり病などなど・・・からキャンセルが10名あったのですが、定員30名に対して東京本部職員含め20名が参加。プロの指導者は4名。思っていたより人数が減ってしまいましたが、集まってほしい人が、集まるべくして集まっていただけた感がありました。
まずはオリジナル資料を手に座学を1時間。講師は佐々木統括。口火を切って出た一言は、「素人にわかりやすく話すことはできない。それが林業・・・」。伐採手順を単に説明する「イベント」ではありませんでした。なぜ伐採するのか、どういう考え方で伐るのかを説明できるようになってほしいというメッセージや、「危険予知」「効率より安全最優先」ということに重きを置いた講義でした。
実践は午前・午後各1時間。名取市海岸林最南端にて。(今回は仙台空港で15時から「高校生・大学生海岸林リーダー体験発表会」があるので早上がり。次回2月4日は夕方までみっちりです。)去年からプロが始めていますので手順はイメージできるのですが、チェーンソーではなく鋸で、伐採のみならず搬出まで、どのぐらいの作業量ができるかは未知数でした。伐採木は20kg~30kg。それを数10m人力で集積場所まで運びます。松脂で鋸の切れ味が悪くもなります。プロとは持久力・筋力も違います。まだ2回しか来たことがない高校生もいます。
今回は指導者4名を除き、オイスカ職員を含めて、午前中1時間20名、午後1時間13名で220本の伐採・集積が出来ました。数十回から100回以上来ているリピーターもいます。声の掛け合い、助け合いが見事です。面積にすると0.13ha。「今までで一番きついかも」という感想も聞きました。私の歩数計では実働2時間・10,000歩弱でした。1本も伐らず、ひたすら体感20kg以上?・・・の木を引きずって搬出・集積に専念してましたので。
本数調整伐の時期は年末年始を挟んだ厳冬期です。ボランティア公募は年に何回も出来るわけではありません。来年以降も50人を超えるような大人数や、企業・団体参加による伐採は考えていません。あくまでも個人の意思で来るボランティアを中心に考えています。
講習会は今期はあと1回。次の2月4日はもう少しきついですよ。安全第一で慌てずやりましょう!
ちなみに、先週から宮城中央森林組合・松島森林総合によるプロの本数調整伐が始まっています。5,000本/haの33%(1伐2残)を伐ります。航空機誘導塔を挟んだ南北の約15haで2014年と15年の植栽木です。仕事は3月上旬には完了します。