海岸林視察レポート

2020年10月22日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
10月10日のボランティアは中止となってしまいましたが、前日からオイスカ中部日本研修センターのスタッフが
家族で視察に来ていました。そのスタッフからレポートが届いたので、お届けします。
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はじめまして、オイスカ中部日本研修センターで農業研修の担当をしている筑田明生です。
海岸林再生プロジェクトの視察に行って来ました。
10月10日(土)のボランティアに参加させて頂こうと、張り切っていたのですが
前日に「雨の為中止」になってしまいました。しかし吉田部長と浅野さんから「案内してあげるからいらっしゃい」とのやさしいお言葉を頂き、家族4人で行って参りました。
私は現在、農業をやっていますが、林業に興味を持っていた時期もありました。
オイスカ開発教育専門学校在籍時、フィリピンの海外研修で池田広志先生に植林プロジェクトの調査を進められ、
オイスカや政府が行っている植林プロジェクトの事を調べた事がきっかけでした。
その時、プロジェクトを主導する人によって森の姿が変わるのを見て、考えがまとまらず、なかなかレポートが書けなかった事を今回思い出しました。
自然の中で遊ぶのが好きだったので、農林業に興味を持ち将来の仕事にしたいと思っていたのですが、様々な要因(目的?)を持った人工造林は目前の問題を解決しながら百年先を見通した、大きな責任が伴う仕事なので、自分にはとても想像が出来る範囲の話ではありませんでした。
「予習してから来るように」と吉田部長からアドバイスを頂いたので、「よみがえれ!海岸林」を最初から読みました。vol.9に佐々木統括の「技術者の顔と経営者の顔、両方を持つことが大切」という言葉がありました。そういう方でないと出来ない仕事だと思います。
前日入りで予定を組んでいたので、9日(金)は空港から名取事務所へ直行して現場へ案内して頂きました。子ども達はお花を摘んで遊んでいましたが、浅野さんからお話しを聞かせて頂きながら、うわさのツルマメの抜き取り作業をさせて頂きました。
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その後吉田部長と合流し、試験的に植林している広葉樹の生育調査に同行させて頂きながら、更に詳しい話しを聞かせて頂きました。雇用を生み、林を造る。生物の多様性にも配慮が必要。松林の景観を「人が厳しい自然との共生の中で作り上げてきた文化的景観」と言う記事を読みましたが、その通りだと思いました。

樹高と根元径を測ります

樹高と根元径を測ります


10日(土)は雨でしたが森林組合の方が作業をしていたので、ほんの少しお手伝いさせて頂きました。子ども達は吉田部長と一緒に応援してくれました。
植付をさせてもらいました

植付をさせてもらいました


震災から10年ほど経った今も、まだまだ震災の影響は色濃く残っているようでした。名取のプロジェクトを視察させて頂く事は素直に楽しみでしたが、複雑な少し緊張した気持ちで訪問しました。震災遺構荒浜小学校の1年生の教室を見て、小学校1年生の長女は津波の大きさに驚いていました。
今回はGo toキャンペーンの恩恵に預かり、仙台うみの杜水族館へも行くことが出来ました。思考を凝らしたイルカショーでは、スタッフの懸命な姿に感動しました。「復興を象徴する水族館」のコンセプトをしっかり感じることが出来る場所です。
自分は中山間地で農業をしています。近年では温暖化の影響か害虫の発生や作物の生育状況にも変化が現れています。持続可能な自然との付き合い方の大切さを日々身近に感じています。
水田や畑も先人が行ってきた区画整理や水路、農道整備の上に成り立っています。今回の訪問で海岸林も自然に成立したものではない文化的景観である事を認識し直しました。これからもこのプロジョクトを通して皆が海岸林の役割を理解し、守り続ける方法を学べる場所になるだろう、と感じました。

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