荏原美知勝 OISCA PNG駐在代表 プロフィール:
1983年6月から1993年1月まで:オイスカパラオ研修センター指導員
1993年3月から2004年3月まで:オイスカラバウルエコテック研修センター所長
2004年3月から現在まで:同上研修センター 技術顧問及びオイスカパプアニューギニア駐在代表
ぜひ!!ご覧ください。これが海外現場のオイスカ!(by 吉田) 2019年放送「NHK World」(28分)
PNGの村々での農業指導。我々オイスカ職員がなぜオイスカで働くか伝わると思います。
7月2日から4日まで、視察とボランテイアに参加させて頂きました。ただいま、コロナ渦で家族を現地に残し、たまたま一緒に日本に来た次男とともに、赴任できない日々が続いておりまます。「まだ一度も、名取に来る機会がなかったですよね。折角だから(同じく赴任できない)ミャンマー駐在代表の小杉さんや、海外事業部の新人職員たちと一緒に。小杉さんとは何年も会ってないんですよね」と吉田君から声がかかりました。
フィリピン、パラオとパプアニューギニアで何度も植林活動をしてきましたが、今回の名取市での視察とボランティア活動は今まで経験した植林活動との違いをいくつも体験することができました。そして期待していた通り、現在駐在しているパプアニューギニアのラバウルでの植林活動だけでなく農業畜産業にも生かせそうなアイデアももらうことが出来感謝でした。再赴任した際には是非実施してみたい幾つもの考えが沸き起こりワクワクしています。
2011年3月11日、大津波が襲った名取の海岸に沿って100ヘクタール(200m x5km)の面積に整然とクロマツをメインに、そして約600本という数でしたが、広葉樹であるヤマサクラ、ケヤキ、コナラなど10種が植林されていました。冬と夏で反対に吹く強風にさらされる苗を守るため、各種の柵も5m位の間隔で地面に置かれていました。地震と火山の噴火以外に酷い自然災害が殆ど無いラバウル地区の人たちが実施する植林の違いのひとつがここにありました。名取ではこのような経費と労力を惜しまずに掛けないと苗が育たず、松林の再生が難しいのです。厳しい気象条件下でのプロジェクトである点も心に響きました。
今回訪れることが出来た海岸林再生プロジェクトはオイスカの中でも最大規模であり、かつ成功しているプロジェクトであると思います。成功の秘密が何処にあるのかも考えました。
1、土地問題が無い。
2、地元住民の願いに沿ったビジョンであること。
3、官民+企業の協働体制を整備すること。
4、活動資金を積極的に集める人材が確保されていること
5、地元住民を中心にしたボランティアが参加できるプログラムがあること。
6、活動報告が細やかに支援者に届いていること。
7、プロジェクト指導層の情熱!
8、最も大切かつ根本的な点として、例年以上(予想を超えた)の異常気象に見舞われていないこと。
今年2020年で10年目を迎えたこのプロジェクトが、これからも多くの人とサムシング・グレートに支えられて前進できるよう祈っています。
息子の望人(のぞみ)の視察感想:
津波で被害を受けた場所に一緒に行こう、お父さんから誘われた時想像した名取の町と、実際に見た町は全然違っていました。地元の皆さんがオイスカのスタッフと一緒になって100haの松の木を植えるプロジェクトを見て、本当にびっくりでした!そして自分もボランテイアの人たちと“最高の森を造っているプロジェクトに参加できてとても嬉しかったです。
荏原美知勝
以下、Nozomi君の撮影