10月11日から、オイスカインターナショナルの年1回の国際理事会が開催され、
約60名の出席者を前にプレゼンしました。被災地全体がこれまで6年半の間、
海外から多くのご支援をいただいたことに御礼を申し上げるとともに、
オイスカに籍を置いた20年前から、バングラデシュのショニボール運動(自助努力)という
国民運動に感銘を受け、フィリピン最北部のオイスカアブラ研修センターでデルフィン所長から
オイスカスピリットの体現を学び、見原アイサさんをはじめとするオイスカタイから
なぜオイスカが世の中に必要なのかを学んだことなど、各国オイスカの良きエッセンスを
名取で生かしていることを伝えることができました。
下記は参考資料として配布したものです。
2011年に起きた東日本大震災から6年半が経ち、海岸林再生プロジェクト第1次
10ヵ年計画は、国から「インフラメンテナンス大賞」を受賞した。
国からの評価のコメントには「雇用創出」「(プロジェクト基本的システム
の)国内外における汎用性」とあった。
このプロジェクトは、オイスカがこれまで行ってきた海外事業の優れた
コンセプトを導入したものであり、本質的に同一と考えている。
「国内外における汎用性」を評価されたことは、国際協力団体のオイスカに
籍を置く者として、とくに光栄に思っている。
このプロジェクトを立案・実行する過程で考えてきたことを述べます。
【立案コンセプト】
・self relaiance 自助努力・自立精神の喚起
プロジェクトの最大のメッセージ。
支援漬けにすると、末代まで「ぶらさがり精神」は引き継がれてしまう。
・主役は地元
地元のニーズ重視。
地元のやる気を確認できなければ協力する意味がない
・行政との協働
行政が立案した優れた施策・計画そのものに協力し、その一端を担う
・インパクト
大きな目標・計画には大きく協力しないければ、協力の域に達しない
・ペネトレーター
大きな壁に対する突破力を示す。
(バスケットボールのポジション用語)
・NGOの長所、オイスカの長所を駆使する
一地方では賄いきれない、人材・資金など各種資源を広く結集し、
繋ぎ合わせるコーディネート力。接着剤・潤滑油。
NGOとして、他にはできない唯一無二の存在意義を示す
・共感性
支援者を含むすべてのステークホルダーが、我がこととして考え、参画
意識や、オーナーシップを感じられること、多くの人に共感・感動を
与え、学びの場となる存在であることを目指す。
・国際支援機関のトレンド
これまでの「緊急援助」「災害復旧」という事後処理から、「防災・減災」
という「事前対応」に重点をシフトしている。
1,000年に一度の災害に耐えられる「インフラ」とすることを大目標に
復旧に当たるという国の指針に強く共感した。
【実行コンセプト】
・Ultimete Clush
他の追随を許さない圧倒的な技術力と実行力。
コアチームは、プロ中のプロで構成する。
(*早稲田大学ラグビー部清宮克幸監督の当時のチームコンセプト)
・目標必達
目標と各年計画への必達精神の共有。このことは低コスト運営に直結。
さらに、計画達成度の情報開示を行うことで信頼性の確保につながる。
・資金的自立
行政から一切資金支援を受けず、海外を含む民間資金のみで実施。
対等な立場を堅持。徹底して民間活力を導入する。
・雇用創出
地元組織化の要諦は、①自治、②自主財源確保、③還元
・苗半作
・プロの雇用と市民参加の併用
プロでなければできないことはプロに、市民で出来ることは市民で
当プロジェクトはボランティアを「戦力」と考える。
・支援者コミュニケーション能力
支援者あってのプロジェクト。
毎日、絶えず発信し続け、報告義務を極める。
データ開示・説明責任を果たす。
・自己評価の基準「DAC5原則+1」
①計画性、②実行性、③インパクト、④発展性、⑤持続性、+⑥共感性