地元・地元・地元……
2017年5月27日( カテゴリー: 省太のつぶやき )
宮城県名取市の海岸林再生10年プロジェクトの現場で行われた5月20日の植樹祭。出席した石破茂衆院議員が繰り返し強調していたのが、「地元の気持ち」ということでした。
開会式の挨拶では、江戸時代の初め、伊達政宗にさかのぼって話を始め、このプロジェクトは400年前から松林を育んできた地元の人々の気持ちを受け継ぐものなのだ、ということを強調しました。若手代議士のころからオイスカの海外の現場に何度も出かけたということで、プロジェクトの成否が地元の熱意にかかっていることをよく知っているのでしょう。
その後、植樹祭に参加した市民や高校生らと気さくに言葉を交わしたのも、「白砂青松の再生は、市民一人一人の気持ちがあってこそ」の信念のあらわれのように見えました。
石破議員はオイスカ国際活動促進国会議員連盟会長。一緒に参加した谷公一衆院議員(議連事務局長)とともに、自身でも3本ほど苗木を植えたのですが、その感想を聞かれても、「地元の人々の熱意があってはじめて成立するプロジェクトです」ということばかりでした。
地元を代表する組織のひとつが、クロマツの苗木の生産を担当している名取市海岸林再生の会でしょう。植樹祭が終わってから、再生の会の鈴木英二会長に短歌を一首を教えてもらいました。
よみがえる松の緑に夢をはせ朋友(とも)集いしや北釜の里
北釜というのは、震災前に約100世帯、400人が生活していた海岸に近い集落の名前です。すべてが津波に流され集落に住む56人が死亡、1人はまだ行方不明です。今は人が住んではいけない地域に指定されていますが、歌にはクロマツの成長に故郷の再生を重ね合わせる地元の人々の気持ちがうたわれています。詠んだのは、鈴木会長が経営する会社で働く74歳の男性だそうですが、こうした気持ちが松明のように若い世代に次々受け継がれていくこと。石破議員が訴えていたのは、おそらくそういうことです。