当プロジェクトでは、平成26・27年度植栽地に限って、ごくわずか広葉樹を植える方針です。
波打ち際から400m程離れ、多少塩害が緩和される植栽対象地があるからです。
平成28年度以降は、もう適地がなく、新たに広葉樹を植えることはありません。
佐々木統括や、清藤参事、森林組合、再生の会は一様に、
「海岸林では広葉樹は難しい」と震災の年にはすでに言っていました。
私自身もそう思っていました。
海岸林内陸側と農地の間に、現在は草地の様になっている元の植生を維持したゾーンが
幅30mで残されているので、それと接する海岸林の最も内陸側に、広葉樹をわずかでも植え、
将来、母樹となり、そのゾーンに種子が広がり、実生で育つことをイメージしました。
そして、将来自主的に作成する予定の、仮称「宮城南部海岸林再生マニュアル」に記録し、
後々に残す方針です。
平成27年度広葉樹の春植栽は4月18日に行いました。
樹種はヤマザクラ202本、コナラ40本、クリ40本、ケヤキ22本。
2年間、我が育苗場で育てた苗304本をボランティアの方にほぼ半日かけ、
苦労してもらいましたが9月の時点で、わずか52本(生育率17%)
先端は枯れ、根元から萌芽し、なんとか生きていると言える状態。
枯損木の大半は、一度開葉したものの、その後3か月続いた異常乾燥、
特に6月下旬までに枯れました。
平成26年度は432本植えて、秋の時点で106本しか生き残りませんでした(生育率25%)
2年連続、春植え70%以上枯損。これにはみんなびっくりしています。ここまで悪いとは。
クロマツはこの環境下でも限りなく100%生きているのですから。
従って、昨年と同様、補植しました。
10月17日(土)に、例によってプロのスパルタ指導のもと、ボランティアの手でリベンジを。春に自分自身が苦労して穴掘りし、当日枯れたものを目の当たりにした人もいました。
去年以上に、万全の準備・実施体制で臨みました。今回の補植樹種は、ウワミズザクラ146本、オオシマザクラ59本、ケヤキ80本、ヤマザクラ2本。
一部、異常に水捌けが悪い場所は、存分に溝切りした上、ヤマハンノキを植えることも検討しましたが、最終的に見送りました。
強烈に硬い土壌で40cm四方の穴掘り、培養土・堆肥など用土の撹拌、水運びも含め、5時間70人工。
この場所の厳しい作業の詳細は、後日続報します。