盛土がある場所のマツの根

2012年9月3日( カテゴリー: 現場レポート )

プロジェクト担当の吉田です。
夏休みに、森林組合の佐々木さんにご案内いただいて、牡鹿半島に行った時、
永年精一杯の機能を果たし生き残った海岸林と、立派な松の根を見ることができました。
「クロマツ根っこショールーム」さながらでした。
息子達は綺麗な海で嬉々とし、やはりオヤジ達はマツを見てしまいました。

石巻市牡鹿町十八成海岸


ここは牡鹿半島ですがリアス式海岸ではなく、台風や高波の他、西に向いた海のため、
春の奥羽山脈からの強風が海を越える事による塩害を受けやすい立地かもしれません。
海岸林背後には壊滅した小さな集落があります。全長1kmぐらいの小規模な海岸林とは言え、樹齢は120年。大事に守られてきた事が伺い知れます。
海水面から最大3mの盛土の上にクロマツ林があり、倒れたマツは小川に沿って引いてきた波で盛土ごと海側に引き倒されたのだと思います。周囲には寛政年間等の墓石が散乱しています。
しかし、たった1~2mでも海岸林での盛土の効果を名取市北釜地区と同様に目の当たりにしました。
盛土を失っても、上部を伐採されても立っているマツの根もありました。



 
 
 
下の写真は、昨年東松島市野蒜で見た、盛土が無く、地下水位の高い場所で倒れた樹齢150年近いマツの根です。
マツらしい直根がありません。

ところで、いよいよ名取の治山工事、すなわち盛土工の入札を迎えました。
3m程度の盛土の造成が始まろうとしています。そして、津波で倒されてもなお飛砂を防いできたクロマツは撤去されます。
それでもまだ何かに利用され人の役に立つように思えます。

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