サステナブルな世界を考えるトークイベント2024秋
「『輪と和』が創るサステナブルな世界 ~日本企業が求められるネイチャーポジティブへの取り組み~」
と題し、トークイベントを開催し、会場とオンラインのハイブリッド開催で合計143人の参加がありました。
○日 時:11月26日(火)16:00~17:20
○場 所:コングレスクエア日本橋
○プログラム
・基調講演「持続可能な環境の実現にむけての地球規模の取り組み」
太田 猛彦氏(東京大学名誉教授)
・トークセッション「サステナブルな世界に向けての日本企業の取り組み」
<ファシリテーター 兼 スピーカー> 太田 猛彦 氏(東京大学名誉教授)
<スピーカー>
小橋 稔睦 氏
(東京海上日動火災保険株式会社 経営企画部部長 兼 サステナビリティ室長)
星野 正大 氏(住友化学株式会社 サステナビリティ推進部 主席部員)
林 久美子 (公益財団法人オイスカ 海外事業部 海外開発協力担当部長)
(*このイベントは、国土緑化推進機構「緑と水の森林ファンド」の助成を受けて実施しました)
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** 目次 **
1.基調講演「持続可能な環境の実現にむけての地球規模の取り組み」 太田猛彦氏(東京大学名誉教授)
3.プレゼンテーション 東京海上日動火災保険株式会社 小橋 稔睦 様
4.トークセッション「サステナブルな世界に向けての日本企業の取り組み」
・基調講演「持続可能な環境の実現にむけての地球規模の取り組み」 太田猛彦氏(東京大学名誉教授)
2、3年前から地球が悲鳴を上げていると状況があり、プラネタリー・バウンダリー(地球の限界)の考え方で表現された現在の地球の状況では、遺伝的多様性の減少、生物化学的負荷の面で限界を超え不安定な領域までも超えてしまっています。
地球温暖化をいちばん最初に科学的にスタートさせたのは、都市の影響のないハワイのマウナロア山の標高3400mの観測所です。ここで大気中の二酸化炭素濃度観測を開始しました。
1992年に土木学会誌に大気中の二酸化炭素濃度の経年変化グラフが載ったのがきっかけで土木学会に入りました。1990年当時、ハワイのマウナロア山の観測所での大気中の二酸化炭素濃度は350ppmで、2021年には415.7ppmに上昇しています。
私は地球環境問題を大きく二つにわけて考えています。「地下資源利用の問題」と「土地と水の利用の問題」の2つにわけて考えています。「地下資源利用の問題」は、地下資源を地上に出して使った廃棄物の問題ではないか、「土地と水の利用の問題」は地球の上の土地や水利用の問題ではないかと考えています。20~30年前からこのように考えています。「地下資源利用の問題」で最もひどいのは二酸化炭素排出による温暖化問題です。「土地と水の利用の問題」は森林が中心になっていますが、すべてのしわ寄せで生物多様性の喪失が起きています。
森林は多面的機能があると言われています。世界的には生態系サービスという言い方で森林の機能を整理しています。森林の多面的機能というのは、基本的には生物多様性保全と地球環境保全。地球環境保全は温暖化のみでなく気候システムの安定もあわせて地球環境保全なのだと2001年の学術会議の報告にレポートしたことがあります。
1992年に気候変動枠組条約と生物多様性条約が決まり、今になってやっと何とかしなければいけないという状況になってきました。京都議定書や愛知目標がありましたが、当時はあまりうまくいかなかったという事情がありました。今になり、事態が深刻になり、パリ協定で対策が進みだしました。
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2018年の特別報告書で気温上昇を1.5℃に抑えることが決まり、日本もこの目標に取り組もうとなりました。最近、IPCCの統合報告書が出ましたが、今、生まれた人が70年度にどうなるのかというレポートが出ていますが、実際に温暖化の影響が顕著になり、海面上昇や平地でも突然雨が降るようになり、温暖化が洪水まで引き起こしていると思われています。
気候危機は非常に深刻な状況になっており、戦争などしている場合ではないのではないかと思っています。
温暖化によって森林火災が増えています。森林がなくなり、ますます温暖化が進んでいるという状況です。一方、生物多様性については、「生物多様性及び生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)」の2019年に発表した報告書によると、約100万種の動植物が絶滅危機にあると公表しました。やっとCOP15(国連生物多様性条約第15回締約国会議)で「昆明・モントリオール生物多様性枠組み」ができました。
整理すると、30年も前から「気候変動枠組条約」と「生物多様性条約」があり、やっと動き出したのが「昆明・モントリオール枠組」と「パリ協定」です。30年目標として国内では「生物多様性国家戦略2023-2030」と「GX実現に向けた基本戦略」が定められ、目標は、気候が安定するためのカーボンニュートラルと生態系サービス維持のための生物多様性完全回復、フルリカバリーです。ここに企業も積極的に関わらなければならないとして世界的に考えているのがTCFDとTNFDとなってきています。
森林は2つの大きな目標に関わっています。森林をめぐる炭素循環はカーボンニュートラルです。炭素を貯蔵し続けられる。もともと地球の陸地には森林はなかった。3億年以上前に森林が陸地に形成されるようになり、まだその頃は海岸にしかなかったので、雨は海岸にしか降らなかった。植物の進化によって乾燥に強い種子植物ができ、徐々に森林は大陸の内部に拡大していき、アマゾンの内陸にまで雨が降るようになって地球の気候が安定するようになりました。だから、陸地の上を森林でカバーしなければならない。森があることで水が蒸発して雨が降る。海が陸地の上にも広がったのと同じ。これが気候変動にも関係している。温暖化だけではない。
森林には陸地にすむ動植物種の3分の2以上が存在しているわけなので、生物多様性に森林が関わっているのは当然。
陸地に植生を戻さなければならない。植生のないところは灌木でもいい。宮城県名取市の海岸林再生プロジェクトなど、オイスカがやっていることはまさに植生を戻すことです。
森林の面積が世界中で減ってきている。
昔、日本の国土には森林がなかったのです。東京都の水源林に木が一本もない。愛知県の里山にも。地下資源を使わないので、資源は木しかない。燃料も家を建てる材料もすべて木。3000万人も人がいたら森林がなくなるのは当たり前です。山に松しか生えてないのです。松は養分のないところにも育ちますから、山の落ち葉や下草を全部取って使ってしまったので、山に養分がないということです。これが昔の日本の里山です。多摩丘陵も秩父の山にも木がありません。関ケ原の合戦の時から山に木はないのです。それが今はいっぱいある。木が無かったときは山崩れが頻繁に起きていたが、今は山崩れが大幅に減っている。山から土砂が運ばれないので砂浜が減っている。日本の海岸の砂浜が維持されてきたのは、山から流れる川から土砂が運ばれてきたからなのです。
これが今、世界中で昔の日本と同じことが起こっている。フィリピンでもはげ山が連なっています。
これからの林業は、木材生産というのもありますが、治山治水と生物多様性の保全、気候変動への対応とすべてやらなければならない。
森林を使う場合もよく考えて使わなければならない。使わなければ炭素が固定されるので良いのはわかりますが、生物多様性もしながら使わなければならない。これが森林の使い方だろう。世界でも同じようにやならければならない。地域の気候にあった植生を回復しなければならない。多雨地帯の森林だけでなく、マングローブもサバンナも半乾燥地も森を戻すことが大事だと思っています。
・プレゼンテーション 住友化学株式会社 星野正大様
今回はこのような機会をいただきありがとうございます。本日は住友化学グループの生物多様性の取り組みについてお話しさせていただきます。
始めに少し住友化学について紹介させていただきます。住友化学は別子銅山で行われていた銅精錬事業において生じた煙害を解決するため、原因となる銅鉱石中の硫黄分を取り出し、それを原料に使うことで 肥料を製造する住友肥料製造所としてスタートいたしました。スタート時の考え方である経済価値と社会価値を共に創造すること。つまり、自らの利益にするとともに事業を通じて広く社会にも貢献していくことが住友の事業精神である「自利利他 公私一如」として創業以来受け継がれています。
現在、住友化学は食糧、ICT、ヘルスケア、環境と、幅広く社会課題の解決に取り組み、貢献したいと考えています。本日は環境の部分についてお話ししたいと思います。
住友化学グループの生物多様性の取り組みについてお話をいたします。住友化学グループは、レスポンシブルケアの考え方を重視していち早く実施してまいりました。レスポンシブルケアは1995年にこの活動方針を制定し、生物多様性を含む環境保全の取り組みを責務としていち早く実践してまいりました。一方 これまで取り組んできた生態系の保全などの取り組みだけではもはや生物多様性の損失を止めることは難しいと言われています。こちらにお示ししております図は、横軸は年、縦軸は自然の量のようなものをイメージしていただければと思います。現在のままでは生物多様性の保全などの取り組みだけでは生態系の喪失を止めることは難しいと言われています。先ほど太田先生のお話の中でもありましたように、生物多様性の損失を止め反転させるネイチャーポジティブを実現するためには、カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミーを統合的に取り組むことが必要であると考えています。このような考え方に加えまして住友化学グループでは、先ほど触れましたレスポンシブルケアの考え方のもとに進めてまいりました「責務」の取り組みと住友化学グループの製品技術を通じて社会課題を解決する「貢献」の両面からネイチャーポジティブに向けた取り組みを推進していこうと考えています。
その具体的な取り組みについて少しお話をさせていただきます。はじめに「責務」についてです。こちらはGHG排出量をゼロに近づける取り組みです。カーボンニュートラルに関する取り組みですので 右上に CN と書いています 先ほどお話しましたように、カーボンニュートラルの取り組みもネイチャーポジティブの実現に向けては関連があり、非常に重要な取り組みであると考えています。左側にお示ししておりますのは、燃料転換の取り組みです。石炭や重油などの燃料からCO2排出係数の低いLNGに燃料を変更する取り組みで、愛媛と千葉の2つの工場を合わせて、年間 89万トンのCO2の削減ができるという見込みです。右側は排水処理技術のイノベーションに関する取り組みです。住友化学グループでは、化学プラントから発生する様々な種類の排水を微生物と使って無害化する処理を行っています。その際に大量の汚泥が発生するのですが、この汚泥を焼却するために化石燃料を使っています。そこで、この排水を処理する微生物を最適化することにより、大幅に汚泥を減らし、使用する燃料を減らすことができています。
続きまして、こちらは水資源の有効利用に関する取り組みです。東友ファインケムという韓国にあります住友化学グループの一つの会社のサーキュラーエコノミーに関連する取り組みですので、右上にCEと書いています。こちらの図に示しますように東友ファインケムの平澤工場では、製造工場から出る排水を膜分離活性汚泥法と逆浸透膜法を組み合わせた排水リサイクルシステムを使い、処理された水を再利用する取り組みを行っています。このような取り組みは、水資源の依存を減らすとともに、水生生物への負の影響を減らす大切な取り組みであると考えています。
次に「貢献」の取り組みについてです。住友化学では土壌環境を改良する菌根菌という技術開発に取り組んでいます。菌根菌は土壌に存在する有用な微生物で、植物の根と共生することで植物の成長を促進しています。植物の光合成で生じた炭素化合物を受け取る特性を持つので、土壌中の炭素化合物を増やすことができます。つまり、大気中のCO2を減らすことにもつながります。このように植物の成長を促進させるとともに大気中のCO2削減にも貢献しますので、カーボンニュートラルとネイチャーポジティブの両方に関連する取り組みであると考えています。
次にプラスチック資源循環についてです。住友化学グループはプラスチック資源循環に資する製品技術の提供を通じて、プラスチック廃棄物問題の解決への貢献、さらにGHG排出量の削減にも貢献したいと考えています。左側にお示ししておりますのは、メカニカルリサイクルというリサイクルの取り組みの事例ですが、自動車に使われているポリプロピレンというプラスチックをリサイクルする技術の開発やリサイクルの仕組みづくりにも取り組んでいます。
こちらはアクリル樹脂のケミカルリサイクルというリサイクル技術の開発に関する取り組み事例です。すでにサンプルを提供できる開発ステージにあり、「Meguri」という住友化学グループのリサイクルプラスチックのブランドで社会に提供していきたいと考えています。日本ではプラスチックはほとんど燃やされていますので、プラスチックを資源として循環する技術を開発することでプラスチックのサーキュラーエコノミーとカーボンニュートラルに貢献したいと考えています。
愛媛工場の敷地内にある御代島を工場内緑地として維持管理することで生物多様性の保全に取り組んでいます。もともと島だったのですが、工場の埋め立てによって陸続きになりました。面積は約22haあり、ハヤブサや年々数が少なくなっている生物が棲んでいることが調査で分かっています。このような生態系を守るために長年緑地を維持管理してまいりました。そのおかげで、現在は、生物多様性を保全している地域として環境省様の「自然共生サイト」やグローバルなOECMとして登録されています。
3つ目としまして「社会貢献活動」についてです。こちらはオイスカさんと協働して行った植林活動です。左側は2011年に発生した東日本大震災の津波で失った海岸林を再生させるために100ヘクタールの海岸林の再生に貢献しました。右側はタイで実施したマングローブ植林プロジェクトに関するものです。養殖場や養殖場の建設、鉱物採取などで減少したマングローブを再生させるために11年間にわたって植林活動を実施してまいりました。コロナもありまして現在はなかなか植林を行うことができていませんが、 現地では「住友化学の森」として住民の方々が森を守ってくださっていると聞いております。
こちらはクリーンアップの活動です。プラスチックやポイ捨てされたゴミは雨風によって河川から海に流れて海洋プラスチック問題の原因にもなっています。住友化学グループではこのクリーンアップ活動をグローバルクリーンアップチャレンジとし、グループ一体としての取り組みとして推進しています。このようなクリーンナップ活動も海洋生物をはじめとする生物多様性の保全に貢献する大切な取り組みであると考えています。そして何よりも大切なのは、従業員の皆さんがこういった取り組みに参加、体感することによって社会課題を自分ごととして捉え、自分にできることは何だろうかと感じてもらうこと、これが大切だと考えています。
以上 本日お話しさせていただいた内容をこちらにまとめました。「責務」「貢献」「社会貢献活動」の取り組みで整理しておりますけれども、これらの取り組みを通じて「人と自然が共生する社会」を目指してまいりたいと思います。 ご清聴ありがとうございました。
・プレゼンテーション 東京海上日動火災保険株式会社 小橋 稔睦 様
私の所属する経営企画部サステナビリティ室は、統括部門としてサステナビリティに関する方針の策定や施策の立案などを行っています。本日は、当社のサステナビリティの取り組みの考え方や具体的な取り組みの一部をご報告させていただきます。スライドをご覧いただきながらお聞きください。当社のパーパスはお客様や社会の「いざ」をお守りすることです。当社は、このパーパスを起点に様々な保険商品、サービスの提供を通じて、時代とともに変わりゆく社会課題を解決してきました。例えば、創業当初は日本初の保険会社として海上保険を通じて日本の経済発展に貢献しました。また、1914年、まだ日本で車が1000台も走っていないそんな時代に国内で自動車保険の営業認可を取り、保険の提供を通じてモータリゼーションを後押ししてまいりました。その後も1957年に日本初の賠償責任保険の開発、2002年に日本初の生命保険と損害保険の一体型商品を提供しました。このように時代とともに変化する社会課題に対して保険商品を提供することでその解決に貢献しながら当社自身も持続的あるいは長期的に成長してまいりました。
当社は、様々な事業活動を通じて社会課題の解決に取り組んでいます。このプロセスにより社会的価値を創出しながら同時に経済的価値も向上させています。この価値創造のサイクルを継続することで社会の期待に応え続け、100年先も成長し続けることを目指しております。
次に当社グループがサステナビリティを考える上でステークホルダーと重点的に取り組む領域についてご説明いたします。当社では従前から代表的なステークホルダーであるお客様、社会、社員、株主、投資家に加え、未来世代をステークホルダーとして明確に位置づけている点に特徴があります。また、社会課題は非常に多岐にわたりますが、当社では特に解決に取り組む重点領域として 8つの領域を設定して取り組みを推進しています。本日はこの中で「気候変動対策の推進」「災害レジリエンスの向上」「自然の豊かさを守る」に関連する内容をお話しさせていただきます。
先ほどステークホルダーのところでお話しました未来世代について少し補足をさせていただきます。当社では一歩先の未来を見据えながらサステナビリティの取り組みを進めていくため、未来世代を主要なステークホルダーとして明確化しています。未来世代や持続可能な環境・社会を引き継ぐことは今を生きる我々、現役世代の責務だと考えておりまして、3つの注力テーマ(自然資本の回復/気候変動対応、未来を担う人材の育成、サーキュラーエコノミーへの移行支援)に取り組んでおりますが、本日はこの中で「自然資本の回復/気候変動対応」についてご説明したいと思います。
こちらのスライドは、当社グループの自然資本・生物多様性に対する考え方をお示ししたものです。地球の環境を守るには、太田先生のお話にもあった通り、自然資本・生物多様性の損失を止め、回復させるネイチャーポジティブを実現することが必要不可欠です。当社グループでは自然資本・生物多様性の保全を真正面から取り組むべき重要な課題として位置づけて、それらを事業活動を通じて取り組むことで成長との好循環の創出を目指しています。
こちらのスライドは当社グループの気候変動対策の考え方について示したものです。気候変動はお客様や社会の安心と安全に脅威をもたらすグローバルで人類史的な課題であり、災害の激甚化は保険業界に直接的な影響をもたらすと考えております。保険ビジネスはもとより、機関投資家、グローバルカンパニー、そして良き企業市民として真正面から取り組むべき最重要課題と認識しています。例えば、表の中にございますように、保険商品では洋上風力発電を支える保険や太陽光発電事業者向けの保険などを通じ、脱炭素化社会への移行を後押ししています。また、自社のオペレーションにおけるCO2の排出量削減のため、2030年までに主要拠点において100%再エネ化、社有車も100%電動車化する目標を掲げて取り組みを進めています。また、保険商品サービスにおける取り組みとして、「GreenGift」プロジェクトを通じマングローブ植林活動などの地球環境保護活動を行っています。他の企業様でも参考になるかと思いますので 本日はこの取り組みを中心にご説明したいと思います。
GreenGiftプロジェクトとは、お客様に保険契約時に紙の証券や約款をお渡しするんですけれども Web 証券など、ホームページを閲覧いただく方法を選択いただくことによる紙資源の使用料の削減額の一部を使って環境保護活動に役立てるプロジェクトです。当社だけでなく、社員、お客様、保険を提供する保険代理店、オイスカ様をはじめとするNGO、現地の行政機関、団体、住民が連携し共同で行っている点が特徴です。2023年度にWeb証券、WEB約款などを選択いただいた契約は約1430万件に上り、紙の削減効果は約3300トンとなっています。当社の環境保護活動はGreenGiftプロジェクトを通じて行っていますが、具体的な取り組みの一つとして、マングローブ植林活動についてご説明したいと思います。
1999年、当社の創立120周年事業として、長く続けられる環境保護活動をという社員の声を受けてマングローブ植林を開始しました。このプロジェクトでは、東南アジアを中心に9カ国(インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、ミャンマー、フィジー、インド、バングラデシュ、マレーシア)で植林を実施しておりまして、累計面積は1万2000ヘクタールを超えています。マングローブはCO2吸収、固定効果が高く、また生物多様性保全、生態系回復の効果や防災・防潮効果も大変高いことで知られており、地球の未来にかける保険と位置づけて取り組みを開始してから今年でちょうど25年の節目を迎えております。2019年に「マングローブ価値共創100年宣言」を公表しました。マングローブ植林プロジェクトを 100年間継続するとともに、オイスカ様をはじめとするパートナー団体や社会の皆さまと共にマングローブを基盤とした生態系サービスなどの提供を通じて、 価値の共創を目指しています。
1999年から25年にわたるマングローブ植林の成果を数値化するため、第三者に調査を委託しました。生態系と生物多様性に関する様々なアプローチに基づいた調査、これに基づいて試算した結果 、2023年3月までの25年間に生み出された経済価値は累計で2023億円に達しているという試算結果を得ました。また、植林地域とその周辺に暮らす約157万人に影響を与え、地域の人々の暮らしの向上や防災・減災などにも効果を発揮しています。また、マングローブ植林活動を支援するだけでなく、毎年、マングローブ植林地でボランティア活動も実施しており、海外も含めたグループ会社から社員が参加しています。ボランティア活動ではマングローブの苗木を植えたり現地の小学校へ訪問し交流活動を実施しています。 社員にとっては直接マングローブが生み出す価値へ触れ プロジェクトの意義を深く理解することができる貴重な機会になっています。その他の取り組みにつきましては時間の関係もございまして 本日の説明 から割愛させていただきます。ご清聴ありがとうございました。
・トークセッション「サステナブルな世界に向けての日本企業の取り組み」
【ファシリテーター 太田先生】
本日ご登壇いただいた2社は、古くからオイスカの活動を支援しておられ、サステナビリティという課題に真剣に早くから取り組んでおられる素晴らしい企業だと思っております。東京海上日動さんは非製造業、BtoC企業で、住友化学さんは製造業、BtoB企業ということで、企業の性格が違うため、最初の質問は個別にお聞きしたいと思います。
住友化学さん、新しい社会課題を解決するための製品開発を「貢献」と取り上げ、「責務」は企業としてCO2を削減するということのようですが、この「貢献」は社会課題に取り組み、それを社業として商品にするすばらしい取り組みだと思いますが、この部分についてもう少しお話ください。
【住友化学 星野様】
おっしゃっていただいた通り、製品技術を世の中に提供していくことで社会課題を解決することを「貢献」の取り組みと位置付けています。弊社の特徴的な取り組みとしましてはトリプルSというものがあり、これは「住化、サステナブル、ソリューションズ」の頭文字を取ってトリプル S と名付けている取り組みです。このトリプル S は、気候変動の緩和と適用、資源循環への貢献、自然資本の持続的な利用の分野で貢献しているという住友化学グループの製品・技術を自社で認定しまして、その開発や普及を促進している取り組みとなります。このトリプル S の製品技術の売上収益については、目標を掲げておりまして2030年度に1兆2000億円という目標を掲げて取り組みを推進しています。
【ファシリテーター 太田先生】
サステナブルな世界を実現するために資源を効率的に循環利用する経済システムとしてサーキュラーエコノミーという取り組みが世界中で注目されています。できるだけ地下資源を入れず、資源循環させていくシステムを消費者、生産者でまわし、時には自然のものを取り入れていくということですが、住友化学さんはサーキュラーエコノミーの中でプラスチックを特に選んで取り組んでいるようですが、こちらについてもう少し詳細を教えてください。
【住友化学 星野様】
プレゼンテーションでも触れましたが、開発中の技術も含めリサイクルプラスチックを「Meguri」というブランドを立ち上げて、世の中に提供して社会課題の解決に貢献したいと考えています。 この「Meguri」は、住友化学の若手社員が集い、議論を重ねて命名しました。ここに込めた想いが3つあり「資源循環」「人とのめぐり逢い」「事業を通じて社会課題を解決する原点回帰」としてこのブラントを立ち上げています。原点回帰に紐付けてお話しますと、創業当初は肥料を作ることが基点になっているご説明しましたが、このプラスチック資源循環の取組みは、現代の「自利利他 公私一如」の実践かなと捉えています。まさにこのリサイクルプラスチックを世の中に提供していくとともに、プラスチック廃棄物問題または 海洋プラスチック問題を解決するということで現代の「自利利他 公私一如」の実践と位置付けて取り組みを進めているところです。
【ファシリテーター 太田先生】
プラスチック廃棄物は本当に世界中でいろいろ議論しておりますし、私も川崎市民アカデミーでプラスチックの廃棄や循環をする先進企業を見学に行ったことがありますが、皆さんすごく関心がありました。社会課題を企業の中で取り入れて解決するのはすごいなという感じがいたします。
ここからは東京海上日動さんにお伺いします。東京海上日動さんは、レジリエントに向けた事業と機関投資家として他の企業を見るということもあると思います。その中で、さまざまなステークホルダーとともに環境活動の取り組みを実施していらっしゃいます。社員や代理店の皆さんにボランティア活動を通して社会課題を理解してもらうために社内の人を喚起しているようなところがあると思いますが、社内で活動を盛り上げていくためにどういう取り組みや工夫をしているのかお聞かせください。
【東京海上日動 小橋様】
マングローブ植林以外にもアマモ場の保全再生活動の支援など様々な地球環境保護活動を行っています。当社では会社としての環境保護活動に加え、社員のボランティア活動も行うことで社員に活動の意義を理解してもらったり、次の行動につなげてもらったり、社会への発信を促すことで活動の広がりを期待しています。これらのボランティア活動には社長や役員も参加しており、会社として重要な取り組みとして位置付けております。また、GreenGiftプロジェクトに限らず、よき企業市民として社員全員が毎年1回、社会に貢献する活動を行うことを推進しています。推進に当たり、部門ごとにサステナビリティのキーパーソン(責任者)をまず設け、年度初に部門としての計画を立ててもらいます。それらに基づいてサステナビリティキーパーソンが中心となって、活動する取り組みをずっと行っておりまして、ここ数年の社員の企業市民活動の参加率は、延べ人数ベースで、毎年100%を超えるような水準で実施ができております。こうした活動も浸透してきているのではないかと思っております。
【ファシリテーター 太田先生】
社内で対応していくというのは色々と難しいところもある中で、それを進んでやっておられるということだろうと思います。子ども達への教育支援という話が出てきましたね。この辺りについても少しお話をしていただけますか
【東京海上日動 小橋様】
ご説明しました通りGreenGiftプロジェクトを通じて、会社としては環境保護活動を行い、社員にボランティアの機会を提供しています。さらに、事業活動やこれらの環境保護活動で得た知識や経験を生かして社員や保険代理店が講師になり、小学校などに行き出前授業を実施しています。受講者の累計で15万人を超えていまして、だいぶ浸透している取り組みかなと考えています。みどりの授業というのがありまして、これは先ほど私がご説明したマングローブ植林の経験を生かして子どもたちに地球温暖化防止や生物多様性などについて学んでもらうプログラムになっています。ぼうさい授業というのは、本業の保険事業で培った経験やスキル、ノウハウを防災という切り口で切り取って小学生にお伝えをする内容になっています。このような啓発活動はどういった企業様でも、事業活動と関連付けて実施することができる内容かなと私自身は考えています。
【ファシリテーター 太田先生】
私の専門は森林環境学で、防災から森を見るということで森林関係の皆さんと一緒に色々と取り組んでいます。東京海上日動さんといえば新社屋を木材で建設中と、木を使うということですが、この辺りを紹介していただけますか
【東京海上日動 小橋様】
当社の本社ビルは丸の内の赤レンガでできた個性的なビルでございまして1974年に建てられ、古くなってまいりましたので、現在、建て替えを行っております。新しいビルは木の本店ビルとして生まれ変わる予定です。柱や床は国産木材を使って建てるということで、今建築中です。木材は成長過程でCO2を吸収して環境に優しい建築素材として知られており、一般的なビルに比べ、建築時のCO2排出量を約30%削減できるのではないかということでエコなビルの建て替えに挑戦をしております。また、先生の話もございましたけれども、戦後に植林された木々は利用期を迎えており、国産木材の使用が森林の再生だとか地方の雇用の創出にも貢献することを我々としては期待しています。私自身もそうですが、多くの方にとってこの取り組みが、森林や木材について考えるきっかけになれば嬉しいですし、私も新しい社屋のプロジェクトが始まり、先生の著書「森林飽和」に出会い、勉強させていただいた経緯がございます。
【ファシリテーター 太田先生】
木材を使いCO2を固定し長く使うことはすばらしいと思います。木材を使いながら生物多様性を保全するために、生物多様性の保全ができている山の木材を使うことが重要です。何でもいいから木材を持ってくるのではなく、木材の生産現場にも目を向けていただき、生物多様性保全ができている森から切り出した木材を使用して欲しいというのが私の個人的な意見です。図々しくも注文をつけさせていただきました。
ここから、もう少し広い討論をしていきたいと思います。
ここまでは、BtoB企業の住友化学さんとBtoC企業の東京海上日動さんのサステナブルな世界に向けての取り組みを聞かせていただきました。実施するために自社だけではなく、オイスカを利用して推進するという面があると思います。今回のタイトルの「『輪と和』が創るサステナブルな世界」の「輪」は循環という意味で、住友化学さんが資源循環で色々な製品を考えているということだろうと思います。「和」はみんなで一緒にやっていくという意味で、従業員さんだけでなく、お客様や代理店、投資家みんなでやっている東京海上日動さんのやり方があると思います。そのあたり、森という観点も含めて考えていきたいと思います。オイスカと協働して日本国内のみでなく世界に向けて森づくりをしておられます。オイスカとの関係も含めて、なぜオイスカなのか?オイスカとやってよかったことをお聞きしたいとおもいます。
【東京海上日動 小橋様】
オイスカ様と一緒に取り組んでいるマングローブ植林事業を例にとりお話をさせていただきます。まず、マングローブ植林の実施計画を策定しないといけないのですが、各植林地の行政や自治体、現地で植林を担ってくださる団体、現地の住民など、植林事業に関わる様々な方々との調整が必要になりますが、当社ではそれらの調整を行うことが難しく、世界中に様々なローカルネットワークを持つオイスカ様に担っていただいています。海外でプロジェクトを円滑に進めるには、現地との関係作りがとても重要です。当社にとってオイスカ様はそのような観点で大切な存在です。これがまず第1点目でございます。
2点目にオイスカ様はマングローブにとどまらず森林や環境保全に関するノウハウや高い専門性があります。マングローブ植林もさまざまな手法がありますが、海面上昇などの環境の変化によってこれまでの植林方法ではうまくいかなくなることも多々ございます。そういった際もオイスカ様が現地の方と一緒になって改善策を検討してくださり、新たな植林方法の研究なども行っていただいています。これが2点目です。
3点目はビジョンに絡んだ話ですが、当社はマングローブ植林事業において単にマングローブを植林するだけではなくてマングローブを基盤とした生態系サービスなどの提供を通じて植林地域の皆さまにさまざまな価値を提供したいと考えています。この点についてはオイスタカ様が掲げられているビジョンなどとも重なるところがあると考えておりまして、こうした点もオイスカ様との協働の一つの理由です。ローカルネットワークの観点、専門性の観点、ビジョンの3つの観点についてお話をさせていただきました。
【住友化学 星野様】
弊社はオイスカ様とは50年以上お付き合いで 私が生まれる前からの付き合いなので、残念ながらどうしてオイスカ様を選んだのか、その経緯については残念ながら調べきることができませんでした。オイスカ様との取り組みを長く継続している理由を職場の担当者とも少し議論をしてみたのですが、一番だな という意見は、現地の方々ととても良好な関係を築いてくださっていることが1つ大きなポイントだという話をしました。東北やタイの植林ボランティアに行った時は、現地の方々と弊社の役職員とがつながりが持てるように、オイスカ様は上手く前に出すぎずサポートしてくださり、そのおかげでボランティア活動に参加した弊社の社員が楽しくそして感激して帰ってきたというような感想もたくさんあったと聞いています。オイスカさんの人と自然を大切にするというポリシーに弊社の従業員も共感してオイスカさんとの良好な関係が続いているのではないかと考えています。
よかったところと言いますと、繰り返しなるかもしれませんが、ボランティア活動に参加した皆さんから、「実際現場を見る」「現地の方との交流を大切にする」という感想が多く、すごいなと思うのは「今後の生き方を見つめ直す機会になった」というような感想までありました。社会貢献活動に参加して現場はこんなことになっているのだと、社会課題をまさに体験、体感していただくことは、やはり社会課題を自分ごととして捉えて行動変容につなげるということになると思っていますので、こうした活動は、実は事業の新たな創出にもつながると考えています。今後もこうした体験や体感を従業員にしてもらえる機会を提供するような役目もサステナビリティ推進部にありますので、1人でも多くの方にそういった活動に携わっていってもらえるようにしたいと思っています。
【ファシリテーター 太田先生】
私がここに参加させていただいているというのは、2011年の東日本大震災の後、オイスカが中心になり名取市の100ヘクタールの海岸防災林の再生をオイスカと地元の人が一緒になって実施しているのがすばらしいと思い、ずっと現場を見させていただいて、今もお世話になっているわけです。
振り返ると、私は内蒙古の沙漠緑化の活動現場を見せていただいたことがあります。木を植えるだけでなく、その地域の人たちの生活を支えるために対応しているのがすごくよくわかりました。
昔からオイスカの活動の基本はそういうものだという事を知っていました。
これも企業さんがずっと支援してくださっているから事業が実施できるのだと思います。その代表企業がこの2社で、このやり方が今のネイチャーポジティブやカーボンニュートラルの時代に合っていると思います。ぜひオイスカの特徴を林さんからぜひお話いただきたいと思います。
【オイスカ 林】
全国に1500社あまりの法人会員さんがいらっしゃいますが、代表してこの2社に登壇していただいていますが、長きにわたるご支援をありがとうございます。
オイスカの活動は、先生からもお二人からも十分お話いただきましたので、私からはご案内をさせていただきます。皆さまの資料の中に年次報告書があります。マングローブの活動の記載もありますのでぜひご覧ください。
【ファシリテーター 太田先生】
オイスカは2社だけでなく、人があつまってくる場所でもある。オイスカだけでなく、2社のみなさんもそれぞれ特徴のある活動をされています。他社と協働で、労使協働で取り組んでいるという特徴がありますのでおねがいします。
【東京海上日動 小橋様】
サステナビリティの取り組み全般に言えることですが、企業一社でできることには当然、限界がございますので、大きな効果をもたらすためには大きな座組で取り組むことが必要だと思っています。オイスカ様が中心となって各企業が協力して取り組むことで、初めて、先ほど海岸林の話もございましたが、目に見えるような大きな成果につながります。海岸林も何人ものサポーターがいて出来上がったものと認識をしております。また、事業活動以外において同じ目的だとか価値観を持って活動することで本業とは少し違った軸で他の企業様と関係を構築することができるとも感じております。オイスカ様と取り組んでいる宮城県の海岸林再生のプロジェクトがございますが、このプロジェクトでも他社の皆さんと一緒にボランティア活動を行うことが多いです。参加した当社の社員の感想などを聞いてみますと、やはり、「他社さんと一緒に取り組んでこれまでになかった刺激を受けた」といったような感想も寄せられてますし、私自身も積極的に現場のボランティアに参加するようにしているのですが、毎回、新しい刺激を感じています。こうしたことから当社が行うGreenGiftのプロジェクトの先ほど紹介したアマモ場の再生・保全も他社様と一緒に活動することを積極的にやっております。
【住友化学 星野様】
労使協働でというところが弊社の特徴かもしれませんが、そのポイントかなと思うのは、やはりコミュニケーションがよく取れているからなのかなと個人的には思っています。労使の関係ではなく、業務を離れて同じ作業場で汗を流して会話し、行動する時間を持つことで 同じ方向を向いて頑張っていこうという意識を共有することで、いい関係が構築できているように思います。また、その労使協働でという意味では、マッチングギフトとして「子供の森」計画にも支援を行っています。先日、弊社の大阪工場に「子供の森」計画参加校の子どもたちがいらしていただいて、現地の踊りや活動の成果報告等をしていただきました。全国の事業所からはオンラインで視聴できましたので、私も拝聴したのですが、すごく楽しそうにイベント自体とても盛り上がり、工場長が踊ったりしてすごくいい取り組みだなと思って感激したところです。
一方で、他社との協働というところに関して、資源循環の取り組みは特にそうですが、我々は技術の開発を中心にやろうとしていますが、技術だけ開発しても、当然、社会に実装できないんですね。こういった仕組みづくりに関しては、他社の皆さまと連携して手を取り合って進めなければいけないと認識しています。弊社の東京本社は、「シナジカ」という共創ラウンジという場所を持っていまして、ここでは、他社様など、産官学いろんな方を招いて、一緒にそういう取り組みを創出しましょうというディスカッションできる場を持っていますので、社会課題の解決は一社では当然できませんので、引き続きそうした皆さまと一緒に手を取り合って取り組んでいければと思っています。
【ファシリテーター 太田先生】
ここに「輪と和」と書いてありますけれども、今までのお話でも分かりますようにオイスカは、いろいろの企業や団体の方が一体になって、人と人が手をつなぐ「和」、また、みんな一緒に苦労しながらやっていく「和」もあると思います。これを60年以上やって来られているオイスカが、今の時点でどう考えておられるか、さらに、これからどんな風に考えておられるのかお話いただければと思います。
【オイスカ 林】
今回お話しいただいた2社は、取り組みの社内への落とし込みなど、非常に巻き込み力が強いと感じています。先ほど、住友化学さんが「子供の森」計画の支援をマッチングでしていただいているという事でしたけども、社員さんからの寄付金に会社がマッチングする形で寄附マッチングをするというような取り組みも本当に素晴らしいなと思いますし、東京海上さんの未来の世代がステークホルダーになっていて、外への発信も非常に一生懸命やっていただいているというところで巻き込み力の強い企業さんだと感じています。
発信という点で、先ほど東京海上さんからお伺いしたことをご紹介したいのですが、「第一回日経ブルーオーシャン大賞」に東京海上さんが「気候変動に関する部門」で賞をいただいたそうです。このように、発信の部分でもすごく一生懸命やってくださっていて、私たちNGOは、広報の力も弱いですし、仲間を広げていく力も弱いのですが、こうしたご支援くださる会員企業の皆さんのお力をお貸しいただけることも本当にありがたいです。先ほど先生がおっしゃっていただいた通りですが、支援してくださる方がいらっしゃるからオイスカが国内外で活動を展開できます。これからもこの輪をどんどん広げていかなければいけないなと感じています。今回、大きな企業さんがお越しいただきましたけれども、私たちは全国に13の支部があり、それぞれの支部には本当に小さな会社さんですが工夫しながら我々の活動を支援してくださっている会員企業様もたくさんいらっしゃいます。もちろん私たちNGOは会員様や支援者様からご支援いただいていますが、今回掲げているサステナブルな世界をつくるという点で、仲間であり同志だと感じていますので、ぜひ、今日お集まりいただいた皆さんからもいろんな発信をして、いろんな人を巻き込んでいっていただきたいなと思いますし、私たちオイスカがそのつながりや巻き込みをする場となれるようにこれからも活動していきたいと思います。
【ファシリテーター 太田先生】
ありがとうございました。やはり、オイスカはみんなと一緒に、世界を見据えてやっていますね。農業も含めて、生物多様性も創立当初から頭に入れてやっておられますね。今の世界の流れは、途中でお話ししたような流れになっていますが、それに対応できる、あるいはそれにずっと早くから自然に対応してきたのがオイスカという団体ではないかなと思います。私もオイスカの仲間に入れていただき、プラスだったし、良かったなと思っています。オイスカで会った皆さんの顔も思い出しますが、それも私自身の人生の財産だなって思います。ぜひ、このオイスカの和を広げていきたいという感じがいたします。残念ながら、まだオイスカの名前を知らない方もいらっしゃるようなので、林さんからも発信という言葉がございましたけど、ぜひ発信していったらいいのかなと思います。どうもありがとうございました 。
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