地球環境を考えるトークイベント2024春『小さなヒーローたちの森づくり~タイとインドネシアの子どもたちとコーディネーターが語る活動の秘訣~』と題し、5月19日(日)に大阪府(CIVI北梅田研修センター)とオンラインにてトークイベントを開催し、約90人の参加がありました。
■プログラム
15:00 開会挨拶 ー公益財団法人オイスカ関西支部 会長 上村良成ー
15:10 子どもたち・現地スタッフによる発表(使用言語:日本語)
16:05 トークセッション&質疑応答(使用言語:日本語)
16:50 閉会挨拶 ー公益財団法人オイスカ関西支部 副会長 畝川寛ー
16:55 閉 会
子どもたちとコーディネーターの自己紹介を終え、いよいよ発表です。日本語で発表の準備をしてきてくれました。
▶ タイの子どもたち・現地スタッフによる発表
タイのスリンってどこ?学校ではどんな様子?などといったお話から始まり、その後は、地域の環境問題、地域に生息する守らなければならないセキショクヤケイやトカゲなどの野生動物や少ない動物、丈夫な木であるタイ・ローズウッドなどの減少している樹種について発表がありました。タイでは近年、乾季が長く、40°以上の日が続いていて、学校の池や村の川などの水がなくなったり、雨季には洪水が起きています。
「子供の森」計画について、植林や、環境キャンプなどの活動紹介。
森からの恵みとして「木が大きくなると日影ができるだけでなく、いろんなキノコが出てきたり、赤アリやほかの生き物たちの棲み処が出来たり、良いことがたくさんあります。」
「森は地球の宝物!一緒に木を植えて森を大切にしましょう!」と、力強いメッセージで締め括りました。
子供たちの発表のあとには、現地スタッフのヤットさんによる補足として、タイ国内各地で多発する災害や各地域での取り組み、「子供の森」計画の成果や活動における課題について発表がありました。
▶ インドネシアの子どもたち・現地スタッフによる発表
インドネシアについての概要やくだもの、有名な食べ物や伝統衣装などについての発表から始まり、タイと同様に環境問題や絶滅危惧種について話をしました。インドネシアでは乾季が長くなり、降水が少なくなったり、雨季には洪水が起きたりと気候が変化していることによる問題や、ゴミ問題が深刻化しています。
植林やリサイクル活動と成果については、植林活動やリサイクル活動、エアコンの排水を利用した取り組みなどの紹介と、学校の木々が成長した様子などについて報告。
最後には、「皆さん、空は一つで地球も一つです。私たちの地球を良くするためにいつでも、どこでも力を合わせて一緒に頑張りましょう!」と、熱いメッセージと今後への意気込みを伝えてくれました。
現地スタッフのエギさんによる補足として、インドネシアでの環境問題や植林活動と成果、リサイクル活動とお米作り、今後の課題についてお話がありました。
トークセッション&質疑応答
トークセッションの前には、会場を盛り上げるためにインドネシアの現地スタッフのエギさんによるアイスブレイクを行いました。
山本(司会):活動する時に子供たちが集中して打ち解けて活動ができるようにするために、アイスブレイキングをしておりますので、今日はこれを皆さんと一緒にやってみたいと思います。それではエギさんお願いします。
山本(司会):ありがとうございました。皆さんも一緒に体を動かしてくださりありがとうございました。ちょっと雰囲気が柔らかくなったかなと思いますので、トークセッションに移っていきたいと思います。モデレーターの浅野さんお願いします。
浅野(司会):それではトークセッションに移りたいと思います。「子供の森」計画では、コミュニティーの中心である学校を拠点に子どもたちが森づくりなどを通して、自然を守ることの大切さを学んでいます。その学びを家庭に持ち帰り、その活動が徐々に地域に広がっていくことを目指して、それぞれの地域で活動を進めています。この絵のように「育てる」「伝える」「広がる」のフェーズごとに現地での活動についてお話を聞いていきたいと思います。
「育てる」
Q.「子供の森」計画で様々な活動を行っていますが、一番好きな活動は何ですか?理由も含めて教えてください
ワウワーさん(タイ):勉強する時に花の匂いがしてとても気持ちがいいので、私は花が大好きです。植える場所の準備や手も体も疲れるので大変です。でも友達と一緒にやると楽しくできます。
テングくん(タイ):僕は木を植えることがとても好きです。小さい頃は森に行って色々なものを採って売ることもあったので、森の大切さがわかります。
アンドラくん(インドネシア):木を植えることがとても好きです。(アンドラくんは木を植えることをテーマにした歌を歌ってくれました。)
浅野(司会):歌も上手ですね。ありがとうございます。先ほど、木を植える時にワウワーさんは準備が大変だと言っていましたが、大変なことは何ですか?
アンドラくん(インドネシア):大変なことはありません!
浅野(司会):それだけ好きなんですね。大変なことも楽しくなっちゃうくらいに。それではティアスさんは先ほど花を植えるのが好きと言っていましたが、どんな花が好きですか?
ティアスさん(インドネシア):(ティアスさんも花の歌を歌ってくれました。)バラとジャスミンが好きです。
浅野(司会):この中でバラ育てている方いますか?お!ぜひプレゼントお願いします(笑)
~コーディネーターへの質問~
Q.発表の中でコロナのパンデミックの後に子どもの考え方や態度が変わり、活動が難しくなったという話がありましたが、どのように変わって何が難しくなったのですか?(インドネシア)
エギさん:パンデミックの時は家で携帯を使いオンラインでやっていたので、私が何か教えてもあまり聞いてくれませんでした。子どもたちの意識や先生が何か言ったらすぐに動いてくれるようにするために、何回も学校に行って同じことを繰り返したことで、少しずつ意識が戻ってきました。
Q.雨が降らなく気温も40°以上の日が続いていて、乾燥しすぎて木が枯れてしまうと話していましたが、どのような工夫をしていますか?(タイ)
ヤットさん:遠い所から水を引いたり、子どもたちが考えたペットボトルに水を入れて小さい穴を開け、木に挿すといった方法で解決しています。
「伝える」
Q.学校で行った活動などを家族に話した時にどんなことを言ってくれますか?「子供の森」で習った活動をやったことがあるか、どんなことをやったか教えてください。
テングくん(タイ):どうやって森をつくったのかという話をしました。そしたら家でも植えましょうという話になり、家族で色々な野菜とか小さな木を植えました。例えば、レモンとかバナナの木などです。
ワウワーさん(タイ):家族と話してそれから花が大好きなので家の前に花を植えました。お父さんとお母さんも一緒に植えて、とてもきれいな花が咲きました。隣のお家とか近くの地域の人にきれい!って言ってもらえて、近所の人たちは私よりももっと花を植えました。
アンドラくん(インドネシア):お母さんとお父さんに話して、「「子供の森」はとてもいいことだね、明日から弟と一緒にやってください」と言われました。それから一番最初にやったことは、木を植えることと、ゴミの分別をして家の掃除もしました。ペットボトルからお花のポットとか貯金箱も作りました。
ティアスさん(インドネシア):お父さんとお母さんに話すと、「「子供の森」の活動はいい活動ですから、地球を守ってください。」と言われました。そしてお家では花を植えるためにお父さんに花を買ってくださいとお願いしました。家で花を植えてゴミの分別もしました。隣の家の人とも一緒に花を植えました。
「将来こんな風な故郷にしていきたい!」という想いを絵にしてくれました!
【タイ】
【インドネシア】
「広がる」
~コーディネーターへの質問~
Q.地域の方に活動や意識が広がるまでに色々な壁があったと思いますが、そういったときに頑張ろうとモチベーションをどのように保ってきたのですか?
エギさん:そういうこともたくさんありましたが、私はその時に、今しかやることができない。明日はどうなるか分かりませんので、今できることを今やろうという気持ちでモチベーションを上げています。
ヤットさん:私は子供の笑顔を見ると頑張ろうって思えます。それとある人から教えてもらった「死に物狂いでやれ!」ということを大切にプロジェクトを行っています。
~会場からの質問~
Q.これからどんなことを勉強したり、体験してみたいですか?
ティアスさん(インドネシア):私の学校だけではなくて他の学校にも教えていきたいです。できればインドネシア全土で教えていきたいです。
アンドラくん(インドネシア):地球は一つしかありませんから、地球を守りたいです。地球が無くなってしまう時には私たち人間も居なくなってしまうので、もっともっと地球の勉強をしたいです。大人になったら環境に優しいテクノロジーについて勉強したいです。インドネシアでは環境汚染の問題もありますので。
ワウワーさん(タイ):もっとこの活動を広めるために、他の学校に行って教えてもっと緑を増やしたいです。
テングくん(タイ):もっと他の学校にも「子供の森」計画の活動に参加してもらい緑を増やしたいです。そして森の大切さを知らない人に効果がたくさんあることを伝えたいです。植林コンテストの賞をとって一番になりたいです。
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