オイスカは東日本大震災で被害を受けた沿岸部で「海岸林再生プロジェクト」をスタートさせ、10月30日に視察ツアーを派遣しました。より多くの人に海岸林の存在意義を伝え、プロジェクトへの理解を深めてもらうための企画で、オイスカ会員や報道関係者、企業や駐日大使館から約160名が参加しました。このツアーは、同プロジェクトへの参画を表明している全日本空輸㈱(ANA)の全面的な協力により実現したもので、同社の呼び掛けにより米ボーイング社、英ロールス・ロイス社からも代表が参加。 成田―仙台間の移動に利用した新型ボーイング787型機は省エネ航空機としても注目されており、飛行機を背に記念撮影をする参加者の姿も多く見られました。
仙台空港からは4台のバスに分乗し、空港近くの宮城県名取市北釜地区や閖上浜など3ヵ所の海岸林を順番に視察しました。各ポイントで講師を務めたのは、太田猛彦東京大学名誉教授ら専門家や「名取市東部震災復興の会」の鈴木英二会長ら今後プロジェクトに携わる地元の方々。海岸林の役割や重要性、今後の海岸林再生に向けた思いを聞いた参加者からは「地元の皆さんが立ち上がろうとしている強い思いを応援したい」といった感想が聞かれました。地元からは「自分たちの思いが伝わった」という喜びの声や「一時的ではなく、長く目を向けてもらいたい」と協力を要請する声があがり、オイスカとしても10年という息の長い再生活動により多くの人たちの参画が得られるよう、今回のような視察や体験などの実施にも力を入れることを約束しました。