KDDI株式会社、ロクシタンジャポン株式会社、公益財団法人オイスカ
実施日:2024年7月6日(土)
実施団体: KDDI株式会社、ロクシタンジャポン株式会社、公益財団法人オイスカ
活動:シカ害対策ネット補修
今年も、オイスカの全国支部の会員様、また「富士山の森づくり」推進協議会の参画企業よりKDDI株式会社、ロクシタンジャポン株式会社が参加し、駐日大使館、関係者併せて約170人による活動となりました。
■開会式
開会式では、オイスカ・中野悦子理事長、山梨県を代表して林政部技監の岸功規様、また「富士山の森づくり」推進協議会会長である東京農業大学の佐藤孝吉教授よりご挨拶をいただきました。
中野理事長からは、「遠くから見る富士山はとても綺麗に見えますが、虫害を受けて約100haの木々が枯死し、その周辺の森の再生・整備する活動をこれまで18年間続けてきました。これも、皆さまの継続したご支援のおかげです。富士山は日本人の精神の象徴です。富士山がどこから見ても、美しい霊峰富士と言われるようになることで、私たちの精神も向上すると思います。豊かな森をつくっていくことは、私たちのいのち、未来につながるいのちの繁栄につながります」とのメッセージが伝えられました。
また岸技監からは「この活動の作業地は県有林ですが、協働で森づくりを進めています。今日の作業地は広葉樹を植えたところですが、こちらも現在シカ害が発生しており、その防止のためのネット補修が必要になっています。植えた木が大きくなってきてもこうしたケアが必要なように、森づくりは長い期間がかかるものです。ぜひ皆さまのお力をお借りしたいと思います」とご挨拶いただきました。
続いて、佐藤協議会会長は「協働の森づくりということで、活動にはさまざまな立場の方々にご参加いただいています。特に大切なのは、林業に携わる方々が一緒に取り組んでくださっているということ。林業効率化、人員削減などと言われていますが、こうして林業に携わる方の指導のもと、たくさんの人に森づくりを体験してもらうことは、とても良いことだと思います。今後、森林の植生も、生物もさらに多様になってくるかと思います。これからも木々との対話や変化を楽しみながら作業していきたいと思います」と挨拶されました。
しっかりと準備体操をして活動に備えます
活動地で指導員である地元林業者の方々と合流し、グループごとに作業開始
■活動
KDDI㈱からご参加の皆さんは、リピーターの方も多く、毎回意欲のある方々が集まってくださっています。「森の中の作業はとてもリフレッシュになります。木の香りもとても良いですね。楽しんで作業しています」と、森に戻りつつある森林の恵みを感じていただいていました。
ロクシタンジャポン㈱から昨年に引き続き参加いただいた方は、「昨年、指導員の方に丁寧に指導してくださったことと、ボランティアの内容が育樹作業というのがいいなと思い、また参加させていただきました」と植えて終わりではなく、しっかり育てていくことの大切さをご理解いただいていました。
オイスカが国際協力活動で連携している在京大使館からは、タイ、ミャンマー、メキシコよりご参加いただきました。タイ王国大使館の大使は、「疲れましたが楽しいです。富士山という場所に来ることができ、自分の足で立ち、そして森の中で作業ができたことはとても嬉しく思います。自然を守ることは簡単ではないと知ることができて良かったです」と本当にしっかりと作業を行ってくださいました。
毎年参加をしている四国研修センター、中部日本研修センターの研修生たち。天気に恵まれ、初めてみる富士山をとても喜んでいました。「これまでも、さまざまな場所で森のボランティアをすることはありましたが、木のネットの補修作業は初めてです。でも上手にできます(笑) 頑張ります」と日ごろの研修の成果をここでも発揮してくれていました。
オイスカの各支部(福島、長野、首都圏、静岡、山梨、愛知、四国)より参加の皆さんも「子どもの頃に返ったようにわくわくしながら作業をしています」「毎年、違う場所なので新鮮です。とても楽しいです。木が大きくなっているなと感じます」「昨年参加して楽しかったので、今年も参加したいと思っていました」など、様々なコメントをいただきました。
昨年に続き、2回目の参加となるフィリピンからの技能実習生も「去年のより枝が増えているような気がします」と、多くのボランティアの皆さんが木の成長を楽しみにし、そして一緒に見守ってくれていることを感じることができました。
親子で何度も参加いただいている方は「もちろんボランティア作業がメインですが、豊かな自然の中で涼んだり、山梨県の名産をつかったアイスなども楽しみにして参加しています。活動の雰囲気が良いので、また来たくなります」とお話してくれました。交流人口が増え、地元も元気になることは活動の目的でもあるので、とても嬉しいです。
天気にも恵まれ、暑い中での作業になりましたが、予定の作業をすべて完了いただきました。皆さん熱心に、そしてとてもよい笑顔で作業をされていたのが印象的でした。 本当にお疲れ様でした!
■閉会式
ふじてんスノーリゾートをお借りして昼食のお弁当。その後に閉会式を行いました。
まずは、活動当初より研究者の立場で関わっていただいている山梨県森林総合研究所の長池卓男氏より「森づくりのこれから」についてお話しいただきました。
長池氏からの「今回で10回以上参加された方はいますか?森の様子は昔と違うでしょうか」との問いかけに、活動当初からの参加者から「森はやはり大きくなりましたね。植えるところから始まって、、、こうして新しい人、若い人など皆さん活動に参加されていて、次の人たちにつないでいくことができたかなと思います」とのコメントがありました。 続いて長池氏より「今日の作業の場所も、木が大きくなっていましたね。多様な樹種があるとより強い森をつくることができます。今日作業した列にヤマザクラの木を植えていますが、赤い実がついていましたね。それはとても大きなことです。花が咲いて、実がつくということは、子孫をつくれる大人の木になったということ、植えた木を、大人になるまで育てられたということです。今朝、100年の森づくりという話がありましたが、あと82年、引き続き皆さまのご協力よろしくお願いします」と、植栽木の生長を実感できる話がありました。
また、外交団を代表して、タイ王国大使館の大使より「本日の作業を通して、いかに森づくりが難しいものなのかがわかりました。非常に大変な仕事ですが、意義のある活動であると感じます。オイスカの皆さん、参加された皆さんに感謝申し上げます」と挨拶いただきました。
最後に、事務局を代表してオイスカ山梨県支部会長 宮島雅展より閉会の挨拶として、本日の御礼と共に「今日の木が大きく育って、いつか材として使えることを夢見て、活動を続けていきたいと思います。」と述べると共に、富士山の100年の森づくりへの引き続きの協力をお願いし、閉会となりました最後に、事務局を代表してオイスカ山梨県支部会長 宮島雅展より閉会の挨拶として、 本日の御礼と共に「今日の木が大きく育って、いつか材として使えることを夢見て、活動を続けていきたいと思います」と述べると共に、富士山の100年の森づくりへの引き続きの協力をお願いし、閉会となりました。
多様性に溢れた100年後の森を想像しながら、また来年も再来年も皆さまと共に活動を続けていきたいと思います。多くの方々のご参加、本当にありがとうございました。