2023年7月5日

【日本NGO無償資金協力訪日研修 】タイから21名、インドネシアから17名が 自立した活動を目指し日本での研修に参加【オイスカ誌ニュース】

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  • ※オイスカ誌2023年7月号に掲載した国内ニュースを紹介します


    外務省の日本NGO無償資金協力の支援を得て、タイとインドネシアで進むプロジェクトの取り組みとして、訪日研修が実施されました。

    ※プロジェクト詳細は各記事の最後で紹介しています

    ■タイ

    訪問地:宮城県/日程:5月12〜16日

    カヌー体験時の安全指導を学ぶ(亘理町B & G 海洋センター)
    ゆりあげ港朝市の視察

    タイ・ラノーン県からは、事業終了後の活動の自立を目指し、活動地の漁村住民リーダーや現地の専門家など21名が訪日研修に参加しました。

    訪問先の宮城県名取市では、「海岸林再生プロジェクト」で、全国から集まったボランティアと作業に汗を流したほか、㈲MARUTA、㈱センシン食品などの水産加工会社や、ゆりあげ港朝市協同組合の視察を行いました。

    名取市は北限のしらす産地として、その加工・販売に力を入れており、大きな工場で釜茹でする加工の過程を学んだ参加者からは「鍋で茹でる場合の時間や茹で方を教えてほしい」など、すぐに実践するための具体的なアドバイスを求める姿も見られました。

    最終日にはオンラインのトークイベント(実施レポートはこちら)を開催し、現地での活動紹介のほか、訪日研修での学びを発表。マングローブ由来の製品開発と販売を行う女性リーダーは、自信に満ちあふれた様子で製品を紹介しました。また、村を離れて都会で仕事をしていたという若者が、村に戻って魅力ある地域づくりに力を注いでいるといった経験を話すなど、プロジェクトの主役である地域住民からの報告に重きを置いたイベントとなりました。視聴者からは「村の住人が主体的に取り組んでいる様子が、生き生きと話す姿から伝わってきた」といった感想が寄せられました。

    ラノーン県のマングローブ林再生を通じた 社会的弱者層生計向上プロジェクト
    タイ・南部ラノーン県の4つの地域を対象に、マングローブ林の再生と住民の生計向上を目指す取り組み。主な収入を漁業に頼ってきたが、漁獲高が減る中、より付加価値の高い加工品やマングローブを活用した染め物、お茶や石けんなどの製品開発・販売により、安定した現金収入を目指す。また、豊かに蘇ってきたマングローブ林を活かし、エコツーリズムにも力を入れていく予定。

    プロジェクト紹介動画もぜひご覧ください!

    ■インドネシア

    訪問地:福岡県、長崎県/日程:5月17〜26日

    八女市星野村での研修風景。棚田の視察も
    神楽保存会との交流も行った

    インドネシアの西ジャワ州のチプタグラルからは、村の男性ら17名が来日し、福岡市内に滞在しながら、農業分野の視察研修などに参加しました。長崎の種苗会社での研修のほか、村には伝統的な演劇が伝わっていることから、日本の神楽を保存する団体と交流を行いました。また、プロジェクト対象地域では棚田でのこめ作りが盛んなことから、似た景観を持つ八女市星野村や東峰村、うきは市を訪れ、どのような形で観光振興がなされているかを視察し、現地に持ち帰って今回の学びをどう共有し、現地での活動へ活かすかについての検討も行われました。

    20日には西日本研修センターで活動報告会を開き、地元の方々を中心に現地で行われている本事業の紹介や、今回の訪日研修の様子などを報告しました。熱心に質問する参加者の姿が各訪問先で見られ、この事業の持続的な発展に向けたよい機会になったことがうかがえました。

    ▶伝統的生活様式を守って生活する共同体の生活基盤 の整備と生活環境の改善、生計向上の支援事業
    インドネシア・スカブミ県の山岳部で伝統的な生活様式を守って生活をする共同体チプタグラルが活動の対象地。現金収入の獲得手段が限られていることから、教育や医療などの基本的な社会サービスを受けられず、観光客などが外部から持ち込んだゴミの問題にも直面。適切なゴミ処理や各種農産物の生産と販売支援を通して、彼らの生活環境改善と生計向上を目指す。

    プロジェクト紹介動画もぜひご覧ください!

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