※オイスカ誌2023年5月号に掲載した海外ニュースをまとめて紹介します
■オイスカ・パキスタン総局
洪水で深刻な物資不足に直面する被災地で 大学生による支援物資の回収・配布を後押し
パキスタンでは、昨年発生した大規模な洪水により、未だ多くの住民が避難所生活を余儀なくされています。特に被害の大きかったのは南部のシンド州やパンジャブ州などで、国土の約4割が水没し、食料をはじめ深刻な物資不足に直面しています。
オイスカ・パキスタン総局では、被災者支援のための食料品や衣類、日用品などを回収するボランティアを広く大学生に呼びかけました。3月末には、呼びかけに応じた学生らと共に支援物資の仕分けや配布を行いました。今回集まった物資は10トンにのぼり、避難所生活を送る人々のもとに届けられました。
同総局の菅沼ちづる会長は、「今回の洪水は気候変動の影響と言わざるを得ないが、政府の温室効果ガス削減の取り組みは微々たるもの。NGOの立場で、これまで以上に植林や環境教育の取り組みにも力を入れたい」と話しています。
■日本NGO連携無償資金協力
タイでは3年目となる継続支援 ウズベキスタンでは新規支援が決定
現在、タイでは日本の外務省による日本NGO連携無償資金協力(以下、N連)の支援を受け、「ラノーン県のマングローブ林再生を通じた社会的弱者層生計向上プロジェクト」に取り組んでいます。今年3年次を迎える同プロジェクトへのN連の支援が決定し、3月10日に在タイ日本大使館で、署名式が行われました。オイスカからは、春日智実駐在代表とオイスカ・タイ総局のアリ・チョアングリア会長が出席。梨田和也大使と春日駐在代表が署名しました。
また、中央アジアに位置するウズベキスタンの干上がってしまったアラル海でもN連の支援を受けて活動が本格的に始動。「ウズベキスタン西部植林と薬草栽培による沙漠緑化及び生計向上プロジェクト」として、カウンターパートであるカラカルパクスタン農業大学内に事務所と育苗場を、また緑化を予定している地域に活動拠点を設け、資材倉庫なども整備する予定です。
現地では天候不順の影響もあり、業務の遂行に難しさを抱えていますが、行政機関などと連携を深めながら活動を進めていきます。