2022年12月5日

フィリピン・ネグロス物産展示即売会に参加 台風被害からの復旧を果たし 高品質シルクを広くアピール ほか【オイスカ誌ニュース】

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  • ※オイスカ誌2022年12月号に掲載した海外ニュースをまとめてご紹介します


    フィリピン・ネグロス物産展示即売会に参加
     台風被害からの復旧を果たし 高品質シルクを広くアピール

    ショールを手にした女性からは、「冷房がきいた部屋で羽織るのに使いたい」といった声も聞かれた

     9月20〜25日、フィリピンのマニラ南東に位置するマカティ市にて、ネグロス物産展示即売会が3年ぶりに開催されました。これは西ネグロス州が主催するもので、ネグロス島から44グループが参加し、さまざまな産品を紹介しました。マカティ市長、上下院議員のほか、連日100名を超える来場者が訪れる中、オイスカバゴ研修センターでは、養蚕プロジェクトで生産される生糸の紹介やショールなどの織物の販売を行いました。

     昨年12月には台風の被害を受け、繭生産も生糸の生産も足踏み状態となりましたが、日本からの支援による復旧が進み、その生産量は台風前の水準に戻りつつあります。

     今回が7回目の参加となり、来場者からは、シルク製品が出展されるのを楽しみに待っていたという声も聞かれ、同国で長年養蚕農家支援に取り組むオイスカの活動が、マニラ首都圏でもしっかりと認識されていることがうかがえました。

    活発化するフィリピン北部での活動
     ヌエバビスカヤ州やアブラ州で 植林のほか教育分野での活動も広く推進

    カルロス・パディリア州知事より感謝状を受け取る
    永石安明事務局長(右から3人目)

     9月21日、フィリピン・ルソン島ヌエバビスカヤ州でのオイスカの長年にわたる環境保全活動や農業指導に対し、カルロス・パディリア州知事より感謝状が授与されました。オイスカは1977年より、州内の大学において青年の農業指導に取り組み、当時のフィリピン政府による食糧増産プロジェクトにも寄与しました。また1993年からは、アリタオ町キランにおいて植林プロジェクトを実施し、地域の住民や日本からのボランティアと共に600haを超える緑化を実現。乾季の水不足に悩まされていた同地の山々が植林により保水機能を取り戻し、年3回の米づくりができるようになるといった成果を上げており、現在も植林地の管理をしながら緑化活動を継続しています。

     また10月28日には、同島アブラ州のアブラ州立大学(前州立科学技術大学)と、オイスカ・インターナショナルの間で日本語指導者育成に関する覚書を締結しました。これは、2019年に同大学と交わした覚書を再締結したもので、コロナ禍で大学が休校し、計画の中断が余儀なくされたことや昇格に伴う大学の名称変更を受けて、改めて内容の再確認、再スタートを図るものです。覚書には、学内に日本語学科を開設するため、日本語講師の指導力向上を目指す養成研修を関西研修センターで行うことなどが重点項目として盛り込まれています。

     また、同地域からオイスカを通じて派遣される技能実習生については、同大学の卒業生から選考することが協議されました。日本語に熟達した者を派遣することで実習先での技術指導への理解が深まり、より高いレベルの技能を習得することが期待されます。

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