2007年4月に(財)オイスカと企業・団体、行政や林業関係者との協働で始まった「富士山の森づくり」の調査報告会が08年2月15日、山梨県森林総合研究所で行われました。
オイスカでは、昨年5、6月の植林実施以降、東京農業大学や山梨県森林総合研究所、富士森林施業技術研究所の協力で、苗木の生育状況やシカの食害状況などの調査を実施してきました。報告会では、調査に基づき山梨県森林総合研究所の長池卓男研究員が植林地周辺の森林状況の調査結果のほか、06年に植林エリアで行った調査について報告。また富士森林施業技術研究所の松崎誠治研究員より、各参加企業・団体の植林エリアごとの苗木の枯死率や樹高などを基にした生育状況が発表されました。
さらに山梨県森林総合研究所八ヶ岳薬用植物園の園長で、東京農業大学非常勤講師の清藤城宏氏がシカの生態調査や食害対策のために苗木に設置したウッドガードの効果についての見解を説明しました。本報告会には16の参加企業・団体から約50名が集まりました。
また3月5日 には「富士山の森づくり」推進協議会の発会式が、東京都の虎ノ門パストラルホテルで行われました。協議会は、関係者に本事業の目的や内容を深く理解してい ただき、さらに協働の森づくりによって得られる技術やノウハウを共有し、広く普及していくこと。さらに、より多くの方に森林の重要性や林業に関心をもって もらえるよう活動を発展させていくことを目的に設立されました。東京電力(株)とオイスカが発起人となり、プロジェクトの協働企業や団体、行政、林業関係 者など22の企業・団体が加盟し、当日は19のメンバーが集まりました。
式ではまず、オイスカ・廣瀬道男事務局長(現・常務理事)が発会の趣旨や概要を述べた後、組織広報部・加藤豊課長(現・総務部長)が協議内容やこれからの方 向性について説明。また、協議会の会長に東京農業大学前学長で、地域環境科学部教授・進士五十八氏を、副会長には清藤氏を選出し参加者の承認を得ました。 進士会長は「何よりも、協働で事業を行っていく私たち自身が、主体的に、楽しく森づくりを行うことが大切です。忌憚のない意見を交わしながら、より良い協 議会にしましょう」と述べ、協議会が参加メンバー全員のより多くの意見を反映し、その機能を果たしていくべきだという考えを強調しました。
時折、笑い声の混ざる和やかな雰囲気の中で、参加者は真剣に説明に聞き入っていた
今後は年に数回協議会を行い、反省や今後の取り組みについて話し合う予定です。