2009年2月18日

自然を守る活動、インド南部と北部で同時発信 中野総裁がインド各地の式典に出席し関係者を激励

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    中野総裁を囲み、完成したエコリソースセンター前で記念撮影

    2月18日、オイスカ南インド総局の永年の夢だったエコリソースセンターの落成式が、チェンナイ駐在の皆川一夫総領事を迎えて盛大に行われました。同センターが建てられた場所は、ケララ州ワヤナッドのスルタンバッテリーで、地元で熱心にオイスカ活動を行っているユスフ・ハジ氏が土地を提供しました。建設に当たっては、オイスカ南インド支部の構想に賛同した在チェンナイ日本総領事館から「草の根・人間の安全保障無償資金」340万ルピー(1ルピー=2円)の提供を受けたほか、南インド支部・M・アラビンド・バブ事務局長らが奔走し、570万ルピーの自己資金を確保しました。自然林の中にできたセンターですが、樹木を1本も伐採しないで工事を完了。設計・工事をオイスカ会員の建築士が担当したため、途中でセメントや鉄材などが高騰しましたが、出費を最小限に抑えることができました。

    4月からの研修開始を前に2月21日には、オイスカ・インターナショナル・中野良子総裁を迎えて「自然を愛するこころを考える集い」を開催。南インド支部傘下にある約50の支局の代表、教育関係者、地方自治体の首長ら百数十名が出席しました。中野総裁は、「南インド支部の活動は今、タミルナド、カルナータカなど南部5州に広がっています。〝物質偏重〟の時代にあって、豊かな心を備えた人材を育てること、これが創立者が唱えて止まなかった産業精神です。南インド地域だけでなく、中東やアフリカの若者も視野に入れた活動を期待します」と激励の言葉を贈りました。
    翌22日、中野総裁はカルナータカ州のJSS学院の敷地を中心に2007 年より展開されている「東芝の森」の植林地を視察。案内に立ったオイスカ・マイソール支局・ティプスワーミー会長から「4万本の植林が済み、今年度中に目標の5万本を達成します」との説明を受けました。同学院の児童生徒たちは、このプロジェクトを通して植林とその後の管理作業などの事前経験を積んできましたが、今年からいよいよ同学院でも「子供の森」計画の活動が開始されることになり、「東芝の森」と「子供の森」の相乗効果が期待されています。23日には、「子供の森」計画の開始を記念する式典が行われ、主賓として迎えられた中野総裁が、会場を埋め尽くした生徒と教員を激励しました。

    また、中野総裁は南インド訪問に先立つ19日、北部インドのウッタル・プラデーシュ州のラヤン・インターナショナルスクールで行われた記念式典に主賓として出席しました。この式典は同州初となる「子供の森」計画の開始を記念し開催されたものです。オイスカ北インド支部(ラビンダー・K・ジャイトリ会長)は、インドに対する日本国際協力銀行(08年に国際協力機構:JICAに統合)の有償援助の枠組みの中で、首都圏と首都圏に隣接するハリアナ州で「子供の森」計画を展開してきました。その成果がウッタル・プラデーシュ州にも伝播したもので、記念式典にはJICAインド事務所・山田浩司次長も駆けつけ、児童生徒を激励しました。

    子どもたちが中核を担う自然環境を守るための南北インドの最近の活動は、明るい未来を予感させます。日印協力の下、オイスカによる南北インドを結ぶ〝環境保護回廊〟が動きだそうとしています。

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