2014年9月28日~10月11日、JTとグループ企業が進める環境保全事業のプロジェクト評価を受託し、オイスカの海外事業部調査研究担当部長の長宏行がアフリカ三ヵ国(タンザニア、マラウイ、ザンビア)でこれを実施しました。3回目となった評価には、前回も参加した熱帯農林業の経験が豊富なフィリピンのアブラ農林業研修センターのデルフィン・テソロ所長に加え、オイスカUSAのアンジェラ・タイコも参加。プロジェクトでは2千以上の村で、植林活動や環境保全型の農業、薪使用を減らす改良カマドの支援が行われています。評価では各村での聞き取り調査などにより課題を抽出しその解決に向けた助言をしたほか、事業実施者自身が気付かなかったプロジェクトの意義を提示することができました。
一方、インドネシアでは新屋敷道保理事と海外事業部部長の森田章が、11月3~13日に小型焼却炉の普及に関する調査を行いました。これは沖縄県の㈱トマス技術研究所が、(独法)国際協力機構(JICA)に提案した「インドネシア共和国 島嶼地域における環境に配慮した小型焼却炉の普及に向けた案件化調査」が採択され、オイスカが外部協力団体として調査団に加わったものです。
普及を目指す焼却炉はゴミの体積を100分の1にしタイヤを投入しても煙が出ない高性能で、同社はこれを沖縄の離島に導入して成果を上げており、同国政府や病院関係者などから購入を熱望する声が聞かれました。インドネシアのゴミ事情は深刻で、野積みにされたゴミが各所に放置され、中には低温発火し有害物質を出していると思われる場所もありました。現段階で即座にゴミ問題の解決を目指すのは時期尚早ですが、本事業が普及実証段階に進み、その性能が一般市民にも理解され普及が広がれば、社会的にも大きな好影響を与えられることが予想されます。
オイスカでは、各国の活動で得た経験・知識を、他組織の事業評価や調査といったコンサルタント活動にも活かしながら、世界各地の環境保全や地域開発に貢献していきます。