2016年4月5日

外務省「日本NGO連携無償資金協力」 ふるさとの発展に女性の力を インドネシアでプロジェクト順調に推移

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  •  2月15~23日、インドネシアの西ジャワ州、スカブミ県、チクンバル郡の政府関係者および女性グループWOMAN(Wanita Motekar Mandiri:インドネシア語で「創造と自立を女性に」の意)の代表ら10名とスカブミ研修センター所長のムハマッド・ハリッドが来日、四国研修センターを拠点に食品加工などに関する研修に参加しました。これは外務省の「日本NGO連携無償資金協力」を受けて2015年にスタートした「主婦の能力強化を通した地域の生活改善と生計向上支援事業」(以下、N連事業)のプログラムとして実施されたものです。

    食品加工の指導を受ける一行
    食品加工の指導を受ける一行

     同国におけるN連事業では栄養改善や生計向上を目指して、オイスカの研修センターがあるスカブミ県の5つの村で主婦が15名ほどのグループを20班組織し、自宅や共同菜園で野菜栽培を行っており、16年からは余剰野菜を使った食品加工のための研修が計画されています。WOMANは、N連事業がスタートする前から実施している先行プロジェクトで結成されたグループです。共同菜園での野菜栽培や栄養改善の普及などに取り組んできた実績があり、N連事業で精力的に活動している女性たちの〝先輩?として、今後食品加工研修のサポートに当たる予定です。今回の訪日では研修に先駆け、主に食品工場の視察を通しその基本や衛生管理、販路の開拓を中心に学びました。愛媛県で道の駅を視察した参加者からは「自分と同じ女性たちがつくった野菜や加工食品に、その名前が生産者として明記されて売られており、安全性を評価して多くの人が購入していた。こういったシステムをインドネシアで可能な形で実現していきたい」といった感想が聞かれました。

    有機栽培の野菜は市場で購入するものより甘くて歯ごたえがよく、家族からも喜ばれているほか、体調の改善を実感しているメンバーもいる
    有機栽培の野菜は市場で購入するものより甘くて歯ごたえがよく、家族からも喜ばれているほか、体調の改善を実感しているメンバーもいる

     N連事業が進むボジョンクンバル村第1班リーダーのロスナワティさんの報告では、毎週日曜日にはメンバー15名が集まり、ミーティングと共同菜園での作業に汗を流しているとのことです。当初はオイスカから支給されていた野菜の苗や液肥を今では自分たちで生産できるようになっているほか、近隣からの要望に応えて苗を配布し、栽培のための知識や技術を伝えるなど地域への広がりもうかがえました。ロスナワティさんは「以前は主婦として家にいただけの私たちにとっては大きな変化。メンバーで決めたルールの下、皆で協力しながら作業をすることはリフレッシュにもなり、つくった野菜が家計を助け、家族が健康的に過ごせることに大きな幸せを感じている」と喜びを語っています。
     これから2年間のN連事業の中では、日本から専門家を派遣し、現地で栽培している野菜や豆などを活用しての新しい食品製造や、販売に向けた指導も予定しています。村の女性の力でふるさとを元気に活性化していく挑戦が続いていきます。

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