パプアニューギニアは南太平洋最後の楽園といわれるほどの美しい海と山に囲まれ、長い歴史の中で受け継がれてきた伝統文化が息づいています。一方で、近年は焼畑や森林伐採により熱帯原生林が急速に減少し、豊かな自然環境だけではなく文化までもが消滅の危機に瀕するという状況にあります。
オイスカは1980年代から同国の東ニューブリテン州で活動をスタート。ラバウル・エコテック研修センター(以下、センター)における人材育成や「子供の森」計画をはじめ、バイニン族の村で植林・農業指導・女性の生活改善などを進めてきました。それらオイスカの取り組みは国内でも高く評価されており、生活改善プロジェクトのひとつであるカカオの生産・加工は州政府からチョコレート加工場設置のための支援が決定、プロジェクトは本格的な広がりを見せ始めています。
また、2016年には訪日研修生OBのノベット・ペリーがセンターの新所長に就任。 ノベットはこれまでセンターの経理を担当してきたほか、副所長としてスタッフをまとめるなど信頼も厚く、新たな所長として推挙されることとなりました。1987年に開所したセンターは本年30周年を迎え、この秋にはそれを祝う式典の開催も予定されています。
急激な成長を見せるパプアニューギニア。開発途上国に多く見られるように、社会の変化に伴いさまざまな歪みが生じる中、環境保全や人材育成に関するオイスカの取り組みはますます重要になってきています。この1月にはセンターへの支援内容を定めた協約の更新が行われ、本部海外事業部調査研究担当部長の長宏行が現地を訪れ調印式に立ち会いました。協約更新とともにノベットをオイスカ本部および州政府がサポートしていくことが約束され、新体制へと移行したセンターを中心に、 課題解決のためオイスカの活動がさらに発展していくことが期待されています。