2009年5月8日

ラバウル・エコテック研修センター  PNG事業評価調査を実施

  • 海外ニュース
  • 短期研修をうけた農民を調査する後藤研究員(左)
    短期研修をうけた農民を調査する後藤研究員(左)

    コスモ石油エコカード基金の「熱帯雨林保全活動支援」を受け、ラバウル・エコテック研修センター(以下、センター)が実施している①定置型有機循環農業普及プロジェクトと、②ケラバット更生施設(矯正局刑務所)での短期有機農業研修などの支援事業の評価調査のため、2月21~28日、本部から後藤厳寛研究員がパプアニューギニア(以下、PNG)に派遣されました。

    ①は環境破壊を起こす無秩序な焼畑から、定地で行う稲作などの持続可能な耕作への転換と、米食への移行による食生活改善が主な事業目的です。その活動の一例でもある②は、ケラバット更生施設の刑務官および受刑者に対して、稲作を中心にした有機農業指導を行うものです。ボカシ堆肥の製造作業場や米を使用した料理講習会を視察したほか、所長代理と担当者への聞き取り調査では、出所した元受刑者のうち5名から水田稲作を始めた旨の手紙をもらった、という喜ばしい話も聞かれました。

    一方、都市部やその周辺域から遠く、情報が行き届きにくい地方の農山漁村には、オイスカの現地スタッフが指導員としてセンターから数日間を掛けて赴き、苗の植付けや精米技術といった稲作の普及活動や、地方行政府・現地NPO職員をセンターに招聘して研修指導を行っています。調査期間中にセンターで開催された、これら関係者との交流会では、研修の頻度を増やして欲しいという要請があったものの、概ね良好な評価を聞くことができました。この交流会の模様は、地元ラジオ局で放送され、PNG英字紙「ナショナル」の地域版でも紹介されました。

    また、前イーストニューブリテン州知事や前ココポ市副市長、現ココポ市長らとの会談では、本事業への好評価だけでなく、オイスカに対する大きな期待が感じられました。同国のこのようなオイスカへの期待は、毎年予定人員を大幅に超える研修生の入所申し込みがあることや、聞き取り調査を行った農家や学校ほか、行く先々でオイスカへの感謝の言葉が聞かれたことに表れています。PNGは人と自然資源の宝庫です。この素晴らしい国で、センターの活動を通してオイスカの理念が広く理解され、人々の心に浸透し、日本との友好が一層深まることが期待されます。

    アーカイブ