2011年8月17日

モンゴル研修生OB追跡・フォローアップ 自国で活躍する「MUFGコース」研修生OB

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    オユビリグ氏(左)と豊田研修課長(右)
    オユビリグ氏(左)と豊田研修課長(右)

     8月17~23日、西日本研修センター・豊田敏幸研修課長が、同センターの「環境保全型有機農業指導者育成コース(MUFGコース)」で約1年にわたり有機農業の研修を受けて帰国した研修生3名の追跡調査・フォローアップのため、モンゴルを訪問しました。同研修は、㈱三菱UFJフィナンシャル・グループの支援により実施されているもので、今回は、研修でイチゴ栽培の指導にあたった吉原誠氏(佐賀県在住)にも同行をお願いし、栽培管理の技術指導をしていただきました。   はじめに、2009年度の研修生OBバツク・オユビリグ氏を訪問。同氏は、首都ウランバートル市郊外にある国営の森林研究公園に勤務し、主にクロマツやサージなどの苗木生産を担当しています。オイスカ・モンゴル総局が実施した植林事業もこの公園内で行われており、植えられた苗木は同氏の熱心な管理により順調に生長していました。同氏が栽培する苗木は政府からも高い評価を受けており、今後はヒツジやヤギの糞を利用した堆肥づくりを進めて、苗木の品質向上や土づくりに取り組んでいきたいと、力強く語っていました。 次に、首都から300㎞ほど北西にあるエルデネト市に、10年度の研修生OBカタンバター・ヒシゲ氏を訪ねました。この町にはモンゴルで一番大きい銅鉱山があり、同氏は銅鉱山が所有するビニールハウスで野菜や花、イチゴの苗などを栽培しています。特に、イチゴ栽培に対しては思い入れが強く、訪日研修中は熱心に栽培管理を勉強し、同行した吉原氏からも技術指導を受けていました。その甲斐あってイチゴ苗の生育は順調でした。モンゴルでのイチゴ栽培は大変珍しく、高値で販売されているとのことで、ハウス全体にイチゴの苗を植えて、たくさん収穫できるようにしたいと話していました。マイナス30 度を超える厳しい冬の寒さをいかに乗り切るかが、当面の課題です。 

     

    吉原氏(左)がヒシゲ氏(右)にイチゴ栽培についてアドバイス
    吉原氏(左)がヒシゲ氏(右)にイチゴ栽培についてアドバイス

     最後に、08年度の研修生OBナジスレン・オチジェレル氏が勤務しているウランバートル市郊外の植物研究所を訪問。本人は出張中で面会はできませんでしたが、ロシアで開催中の会議にモンゴル代表として参加していると聞き、専門研究員として幅広く活躍していることがうかがわれました。また、同氏の先生に当たる方(モンゴルの花卉栽培の第一人者)からは、帰国後、人が変わったように熱心に研究に取り組む姿がほかの研究員の模範となっていることや、今後への期待などについて話を聞くことができました。 

     今回の訪問では、周囲が寄せる研修生OBへの期待が予想以上に大きいことが分かり、研修の成果を実感するとともに、その期待に応えるためのフォローアップの継続が重要であることが分かりました。

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