2009年8月11日

フィリピン・ネグロス養蚕事業 ネグロス養蚕、中古煮繭機設置完成式

  • 海外ニュース
  •  8月11日、日本大使館から奥山爾朗公使、西ネグロス州イシドロ・ザイコ知事、オイスカ・フィリピン総局アルフレッド・マラニオン会長ら関係者多数が出席して、「ネグロス養蚕中古製糸機械等供与」により供与された機械の設置完成式典が行われました。2004、06年度に続く、日本NGO連携無償資金協力によるもので、今回の煮繭機増設により、繭の処理能力が向上し、ネグロス養蚕の規模拡大が図られ、地場産業としての活性化に寄与することが期待されます。

    地元の神父とともに、操業の安全と事業の発展を祈った
    地元の神父とともに、操業の安全と事業の発展を祈った

     翌日、奥山公使らは養蚕農家を視察し、「山間部の貧しい地域にも養蚕が広がり、協力が住民の生活向上に大きく貢献していることを実感した」と語りました。

     7月30日には、アロヨ大統領が優先政策として推進する「一村一品」プロジェクトの第1回西ネグロス州大会で、最優秀中小零細企業として、養蚕事業に取り組むオイスカが表彰されました。

     「一村一品」プロジェクトはフィリピン通商産業省が中心になって進めているもので、有望産業や産品に対して各種支援を行い地場産業の育成に力を注いでいます。このネグロス養蚕事業でも養蚕普及セミナーを開催するなどの協力活動を実施し、積極的に養蚕業の普及・育成に取り組み、雇用創出を進めています。

     1989年にスタートした養蚕事業はこれまで、地域農家への地道な普及活動を展開し、養蚕農家も着実に育ち広く定着してきました。生産された良質の繭は生糸として国内の織物業者に卸されているものの、需要に対する生産量が追いついていないのが実情です。一方で紬など副蚕糸による絹織物開発は今後大きな市場につながることが期待されます。

     このネグロス養蚕事業は研修生の受け入れ、蚕種製造から絹織物までの幅広い分野にわたり、それぞれの技術者や専門家、そしてJICAや外務省などによる、オールジャパンによる支援の結晶と言えるでしょう。

    第1回西ネグロス州大会、最優秀中小零細企業の楯
    第1回西ネグロス州大会、最優秀中小零細企業の楯

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