2009年12月17〜19日、オイスカ・タイ総局が、タイ北部にあるオイスカ・ランプーン農林業研修センターで「ネイチャーゲーム研修」を実施しました。
研修の場となった森の中に、「キラキラキラ、ヒュ〜」とおかしな声をあげながら体を動かす集団の姿が見られました。これは「木を作ろう」というゲームの様子で、木の仕組みを体で表現している場面です。日頃、子どもたちに環境教育を行っている参加者たちが、子どもの側に身をおいて改めて自然の魅力を楽しみ、分かち合い、学び合いました。
参加者はオイスカのタイ、インドネシアのスタッフ、外部NGOのスタッフ、JICAシニアボランティアなど総勢約20名。ネイチャーゲームの手法を学ぶだけではなく、そのゲームの一つ一つの意味、展開方法、ネイチャーゲームそのものの理念などを学びました。
研修期間中に実践したゲームは23ゲームで、昼間だけではなく、夕方は教室で理念などの講義を受講し、夜は暗闇でできるネイチャーゲームを学びました。受講者はすでにネイチャーゲームを環境教育の指導法として用いているか、今後用いる予定のある人がほとんどであり、非常に熱心に、楽しみながら研修に取り組んでいました。また、今までそれぞれが行っていたネイチャーゲームが、本来意図しているものから外れている部分があったことや気付かなかったゲームの魅力・指導法などを知る機会になりました。
今回の研修は日本ネイチャーゲーム協会に、講師の派遣や小道具の提供などの協力を受けて実施しました。派遣された講師の三好直子氏はJICA青年海外協力隊の技術顧問もされるなど幅広く活躍されており、実践を通じた研修になりました。
研修が行われたオイスカ・ランプーン農林業研修センターはこれまで事務所的な機能として使われることが多かったのですが、今回の研修実施を機に、広い研修室と寝室を設け、さらに使いやすいセンターへと改修しました。今後もこうした研修の場として、広く一般の方々に機会を提供していくセンターとして活用していく予定です。
また、今回の研修は、隣国同士であるタイとインドネシアのネットワーク、そして民と官のネットワーク、さらにNGO同士のネットワークなど、今後の活動に生かされる貴重なネットワーク作りにも寄与しました。今後も「子供の森」計画など環境教育の場で、こうした技術やネットワークを生かした取り組みや活動の展開が大いに期待されます。