レポートが届きました! その1
広報室の林です。今日はボランティア活動日。
そんなタイミングで先月の活動レポートを公開するのは
ちょっとタイミングがよろしくないかもしれませんが……。
先月参加してくれたオイスカ中部日本研修センターのスタッフから
活動レポートが届きましたのでご紹介します。
第二弾も届くそうなので、皆さんお楽しみに~!
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期間:2019年 4月19日(金)~4月21日(日)
中部日本研修センター研修担当の安部です。
「ボランティアの日」に合わせて海岸林再生プロジェクトの活動に参加させていただきましたので、報告させていただきます。
1日目(4/19)
中部国際空港から仙台空港までは、飛行機がプロペラ機でした。利用者が少ない線だから小さい飛行機なんですね。他の乗客の方が、「プロペラ珍しいよな~」なんて話をされていたので、つられて写真を撮ってみました。そういえば、国際線ではプロペラ機に乗る機会はあまりありませんよね。私も国内線でしか乗った記憶がありません。調べてみると、プロペラ機はジェット機よりもスピードは劣るそうですが、維持費を考えるとジェットエンジンを交換するよりもプロペラを交換する方が低コストで、それほど速度が求められない路線ではプロペラ機を使うなど、各社路線によって使い分けているそうです。今回のプロペラ機はカナダのボンバルディア社製。短中距離ではジェット機に匹敵するスピードが出るのだそうです。小さいからよく揺れるのかな?なんて心配しましたが、乗り心地は快適でした。
さすがANA! 帰りも楽しみです。
のっけから脱線しました。すいません。空港へは吉田部長、浅野さんが車で迎えに来てくれていました。空港から事務所まで歩くつもりでいましたので、助かりました。事務所に着いたら、さっそく苗場へ。
苗場に着くと、「再生の会」の皆さんが苗の選別作業をされていました。海岸林再生プロジェクトで予定通りの本数を植えた後、余った苗は販売してプロジェクトの運営資金にもなるとのこと。元々は海岸林再生プロジェクトで植えるために作った苗で、良い物から選別して植えた後の残り苗なわけですが、出来が良くて高い評価を得ている「再生の会」の苗だけあって、残り苗でも売れるんですね。この時作業されていたのは、その残った苗から、さらに選別して販売できる苗を揃える作業。選別の基準を聞いて、私も参加します。
葉が赤くなっている苗は冷たい風に当たったからで、良い状態ではないですが、しばらくして回復すれば緑になるので、選別はちょっと後回しにしてまた後日。葉が茶色く乾いている苗でも、先が青々としていれば、まだ元気になるとのこと。また、元気でも軸が無い(?)枝分かれしている(?)苗は販売できない、と言われました。どうしてこういう苗になってしまうのか、と検索してみましたが、素人の私にはその原因は発見できず。おそらく、これも生存戦略の一つで、種に多様性を持たせるという意味があるのかな、ということにしました、勝手に。自然界では、“ちょっと変わったヤツ”ということで元気に生きていくのでしょうが、人間界の商品としては、残念ながら失格です。
休憩しながら「再生の会」の皆さんにお話を伺ったのですが、関西出身の私には宮城の言葉は難しかったです。時々意味がわからない所があるのですが、でもやっぱり方言というのは温かいですね。生まれた場所で、自然と身に着いた言葉は、感情ごと相手に伝わるような気がして、みなさんのお話を聞いていると気持ちが安らぎました。それぞれの地域の方言も、次世代に伝えていけるといいですね・・。 また脱線してしまった・・。
休憩後、苗の選別の続きをしていると、選別が終わったところから苗に灌水をされていました。水は農業用水が引かれているのかと思ったら、井戸水とのこと。海が近いので井戸を掘っても塩水が出るのかと思ったのですが、そうではないんですね。私は学生の時に、佐賀県で短期の研修を受けたのですが、有明の海岸近くには潮遊池(ちょうゆうち)という池が掘られていました。海面干拓堤防に沿って陸地側に長い池を掘って、満潮時に堤防から浸透した海水が耕地に侵入するのを防ぎ、干潮時に排水する、というものでした。そのイメージが残っていたので、この苗場が海岸からそう遠くないことを考えると、農業に使う水は川から引いてきていると思い込んだのですが、ここでは井戸水が使えるんですね。場所が変われば自然環境も変わるという当たり前のことを、再認識しました。何事にも、思い込み、というのは危ないですね。しっかりとその場の情報を集めなければなりません。。
弁当を食べて、吉田部長と20分の昼寝をしたら、いよいよ午後は植林地へ。初めて植林地に入ると、どこもかしこも松だけの世界で、「ここは何年に植えた、あっちは何年。」と言われても、よくわかりません。吉田部長と浅野さんが、相談しながらテキパキとスズメバチを誘引捕殺するワナを設置していきます。「こっちは去年かかってたな。」「この辺は確認するのに効率が悪いのであっちにしましょう。」う~ん、プロっぽい会話がかっこいい。わけもわからずフラフラついて行く私が、吉田部長に言われた方を見ると、遠くにモヤがかかったように白く見えるところがあります。潮です。海から堤防を越えて内陸へと流れていく潮がはっきりと見えます。海岸林は津波に備えるためだけではなく、日々の生活を潮から守るためにも、大きな役割を果たしている。そのことが実感できました。
この重要な役割を果たす海岸林。しっかり育ってもらわねば。
そう思うと、明日の作業に向けて気合が入ります。
明日は「ボランティアの日」。大勢のボランティアの皆さんが全国から来て下さいます。
明日に備えておいしいご飯も食べたし、ビールも飲んだし、スイーツ食べて寝よう!
頂芽の勢い ~溝切り効果~
2014年植栽のクロマツを、2017年春は「鬱閉のはじまり」と表現しました。
防風垣の上に立ってみて、地面が見えないほど茂った箇所が出現。
去年の春は、「そんなに伸びて大丈夫か?」と思うぐらいの勢いとなって、
頂芽がひょろひょろっと、見るたびに伸びました。
防風垣を大きく越えたので、台風で折られることを覚悟したり。
1年で1m以上伸びるものもあるんです。
今年一番感じているのは、多湿で悩む2016年植栽地の「頂芽」の活力。
過去3年、プロと、年平均2,000人のボランティアの多くが、世話してくれました。
多湿に苦しんだだけあって、「鬱閉のはじまり」は2年遅れの感があります。
でもやはり、やるだけのことはある。来てくれた全員に胸を張ってお見せできます。
2年遅れぐらい、松の一生においては影響ない。
今日5月9日、「溝切り効果」を、大阪から来てくれたダイセル労働組合10人にも
見てもらいました。感想は後日寄せてくださることになっています。
彼らは、溝切り新設50m(直接効果720本分)、補修60m(間接効果約1,500本分)
つぼ刈り(720本分)、約0.6ha分の成長促進に相当します。
今年のトレンド候補、「カラスエンドウ」の「抜き取り」にも着手。
去年の台風で、防風垣がひっくり返っていた箇所も修復。
一日ありがとうございました!大阪に行ったら、寄らせていただきますね。
プロとボランティアのリレー、次は、オイスカの法人会員、
角川学園花壇自動車学校の自動車整備士を目指す学生さん約80名の巻です。
日東電工の皆さんから、ボランティアの日の感想が届きました!
こんにちは、日東電工㈱の吉田、藤村、横山です。
今回は三人とも東京から参加させていただきました。会社では、ベルマークの回収活動や地域清掃の
ボランティアには一定の認知度がありますが、こうした体験型ボランティアの参加者は限られており、
今回感じたこと良かったことを他社員に共有していきたいと思います。
㈱各参加者コメント
・初めて行う作業で終盤はエネルギーが切れてしまいましたが、楽しく作業でき、他の参加者の方と
話すことができたのも良かったです。運動しつつ人生観が高められる良い旅行ができました!(吉田)
・宮城県出身者として、震災への想いを抱きつつ、8年の歳月が経過した中、労組活動を通じて
今回参加出来たことが、個人としてもとても嬉しかったです。また、植林をキーワードに様々な
企業の方々の活動や近隣住民の方々の想いを知る良い切欠となり、とても勉強となりました。(藤村)
・OISCA関係者の皆さんの広大な植林面積に対して地道な活動に驚かされました。
また、長年に渡って植林の研究を試行錯誤しながら、育成していても 結果は育って見なければ
結果が判らない難しさを教えて頂きました。(横山)
広報室の林です。
ちょっと時間が空いてしまいましたが、
先日のボランティアの日の出来事を少し。
活動日、植栽地から少し離れたところにある事務所に集合するため、
作業場所に行くためには車で移動しなければなりません。
車で来ている方たちにご協力いただき、みんなで乗り合わせて向かいます。
作業が終わって車に乗り込むときは、座席に座った後、
こうして足を外に出し、長靴をぱんぱんとぶつけ、
着いた泥を外に落とすようにしています。
少しでも車内が汚れないように……との思いからですが、
ふと見ると隣の赤い車、ドアのところにこんな汚れが↓
いつも軽トラックでボランティアに来てくださる地元のMさんは、
道具を運ぶのに現場までトラックを出してくださいます。
泥だらけになったスコップを一つも嫌な顔をせず積んでくださる。
本当にありがたいこと。
ボランティア活動がスムーズにできるのも、こうして
皆さんがいろいろな形で協力してくださるから。
皆さん、いつも本当にどうもありがとうございます!!
広報室の林です。
備忘録的に残した印象的な話。
最後は「カイム」の話。
今回は終わりの会は倉庫で行いました。
風が冷たくなってきて寒かったから。
その話をしてくれたのはIBEXで副操縦士を務めるという
リピーターのTさん。
機内アナウンス調で感想を話してくれました。
その中で触れたのがカイム=海霧=海上に発生する霧のこと。
以前から夏場になると霧が発生しやすいということは聞いていました。
空港に勤務している人たちからは、飛行機の離発着に影響を及ぼすことがある
ということも聞いたことがあったので、Tさんの話に食いついてしまいました。
「海岸林には防霧効果があり、飛行機を運行させている
自分たちにとって、海岸林の再生は仕事に直結すること。
だからこれからもボランティア参加を続けていきたい」
そう話してくれたTさんは、翌日にフライトを控えていました。
IBEXの皆さんは、いつも午前中仕事をして午後はお休みをとって
ボランティアに参加してくれているのです。
余談ですが……。
以前、乗務の何時間前まで飲酒ができるか?といったことが話題に
なったことがあります。そんな話を受け、今回私が心配していたのはこんなこと。
溝切りを頑張りすぎて手足を痛め、明日のフライトに影響が出てしまったら
IBEXさんでは「乗務前日のボランティア参加禁止」などという
新たな規定が設けられるのではないかと……。
幸い若いTさんはガシガシ働いても元気いっぱい。
翌日のフライトも問題なかったようです。ホッ。
広報室の林です。
20日のボランティアの日、いろいろな方から
いろいろなお話が聞けてとても楽しかったので備忘録として
残しておこうと思います。
まずは女子高校生とおばさんたちの会話から。
今回2人で参加してがんばって作業をしてくれていた2人。
印象的だったのはお昼ご飯の時の会話。
いきなり「彼氏いるの?」などと聞かれてもニコニコと対応し、
おばさんたちと途切れることなく会話をしている彼女たちの
コミュニケーション能力の高さがすばらしいと思い
「おばさんたちは若い人が来てくれるだけで本当に楽しくてうれしいんだよ~」
そう伝えると、こんな話をしてくれました。
週に一度しか活動しない文化部に所属しているという2人は、
普段、放課後になると家に帰ってゲームなどをして過ごすことが多いそう。
そんな彼女たちは家では役立たず扱いされているそうで、
「ここに来ただけで、自分たちの存在をそんなふうに言ってもらえてうれしい。
来てよかった。また来たい」と。
若い人たちが自分の価値を教えてくれる大人と交流できる現場ってステキ!
もう一つ印象的だったのは、吉田が皆さんに2014年の植栽地を案内していた時のこと。
少し離れたところで業者のお兄さんたちが作業をしていました。
挨拶をし、「今日は何の作業ですか?」と聞くと
サイクリングロードの拡幅変更に伴い、すでに植えられたクロマツを
移植しなければならず、昨日からひたすら移植をしていると。
今日のノルマはどれくらいか聞いてみたら
「もう、いいかげん飽きたっす。あっちは若い女子もいていいっすね~」
と答えにならない答え。「今日は女子高生もいるし、新入社員もいるよ」と応じ、
全国からボランティアさんが60人ぐらい来ていることを伝えると驚いていました。
「若い女子来てくれたら俺らも頑張れるっすけど……」
すみません、おばさんで。
……備忘録2に続く
東京本部海外事業部のフィリピン人職員グラゼンさんは、
2011年以降、少なくとも30回は現場に来ています。
読書百遍と言いますが、現場百遍とは私も彼女も同じこと。
理解を深めるには、回数を重ねることも大事だと思います。
当初、彼女に託したミッションは、オイスカの海外の同僚も見るだろうプロジェクト情報発信と、
海外からの寄付金獲得でした。海外の財団や外資系企業対策でもありました。
目下、総収入の2割弱に相当しています。
東京本部ボランティアの鈴木昭さん(元フォーリンプレスセンター)とともに
海外のオイスカ職員・関係者視察や研修、海外報道関係者の視察(約60ヵ国)、
JICAによる海外政府職員のECO-DRR研修対応などで通訳など担い、
世界銀行・IMF年次総会や、国連防災会議in仙台でも堂々とした
プレゼンをしてくれました。
昨年秋から、私自身が海外でのECO-DRR(森林など生態系を活用した防災・減災)に
関わることになり、その意味でも仕事を共にする機会が増え、3月にはフィリピン・
北ルソンの、国内指折りの貧困地域かつ、一大はげ山地帯に出張しました。
彼女はいま、はげ山の乾燥に耐えられる吸水ポリマー活用技術などを学び、
同僚に伝えようと懸命です。
タイ東北部でも、フィリピンでもすでに試験は実施。
各国のポリマーの取扱説明書などは、簡単な説明しかなく、疑問な点も多い模様。
ポリマーは技術交流のほんの一例。
彼女曰く「熱い気持ちを伝えたい」
指導するとか、されるとか、国内外の関係は、上下の関係ではないと思っています。
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水に弱いマツが根腐れしないよう、スコップで穴を掘り水はけをよくする側溝作りはハード
でしたが、初顔合わせの他社の皆さんと声を掛け合い協力の結果、何とか3本の側溝基礎
が完成。今後もまだまだ必要な作業ですのでリピート参加していきたいです。


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ボランティアの日だといろいろな年代、職種の方と作業ができるので
今まで全く知らなかった話も聞けるので海岸林以外の勉強にもなります。
皆さんもぜひ、ご参加ください!(特に8月!!)
こんにちは、浅野です。
ボランティアの日の翌日に久しぶりに東松島に行ってきました。
東松島市は東日本大震災での死者が1,000人を超え、いまだ行方不明者が24人もいます。
その中でも特に被害の大きかった野蒜(のびる)地区。
野蒜駅はその隣の東名駅とともに津波に飲み込まれました。
上り電車も脱線し、電車に乗っていた人たちが逃げた指定避難所も津波に飲まれたそうです。
下り電車は止まったところが小高い丘だったため、全員が無事だったそう。
野蒜地区のほとんどは津波防災区域(災害危険区域)に指定され、野蒜ヶ丘と名称を新たに高台へと移転されました。野蒜駅と東名駅も一緒に元の駅から内陸に500m、海抜22mの高台へ。2015年5月にJR仙石線は全線開通しました。
現在、旧野蒜駅は震災復興伝承館になっていて、旧野蒜駅のプラットホームだけ、震災当時のまま残っています。
ここには「3.11」と当たり前のように使われているこの言葉を、過去のものにしない為に…と
・震災の記憶
・復興への希望
・感謝の心
・ふるさとへの思い
・東松島の未来
という5つのメッセージが込められているそうです。
新野蒜駅はちょうど旧野蒜駅の真上に当たるそうです。
たまには名取だけじゃなくほかの地域にも行かなくちゃいけないなぁと思いました。
ぜひ、皆さんも復興の軌跡を見に行ってみてください。
100%活着!
4月5日、ブログカテゴリーの「観察日記」の通り、東京本部の
鈴木和代さんが本部の庭で2年間育てた宮城県産マツノザイセンチュウ
抵抗性クロマツ19本を、広葉樹生育の見込みがない場所に補植しました。
国有林の砂地です。
2週間経ったら、活着の成否が分かります。
4月19日に確認したところ、100%活着。
たった19本と言っても、本人も私も「すごく」気になっていました。
秋から春の西風、寒風と乾風、蔵王おろし最前列の位置です。
19本中2本、変色していましたが、頂芽はしっかり立っていて、
まず無事でしょう。
あとは草刈りで「誤伐」されないことを祈るのみ。
目印の支柱をちゃんと立てました。
cf.ちなみに、広葉樹の開葉確認は連休明けに行います。
まだ早い感じでした。ちかいうちに広葉樹に「施肥」もします。