3月末のオタクの休日、「愛林碑」がどうなっているか確かめに、しばらく遠慮していた高潮対策護岸工事現場に入らせていただきました。普段は毎日工事で入れる雰囲気ではありません。場所は名取市海岸の中央、内陸側。貞山堀の赤い水門の近く。再生の会の櫻井副会長の畑から50m。今年もスイカ栽培の準備を始めていました。
工事関係者の方たちが、きちんとトラロープで囲って、管理してくださっていました。
この石碑については、元日経新聞論説委員の小林省太さんの「よみがえれ!海岸林」でも重きを置いて記述され、我々のブログでも過去多数。
今年は、広浦沿い海岸林の盛土下に、県の自転車道工事が本格化する模様。「愛林碑」とともに、閖上に近い広浦沿い海岸林盛土の下に水に浸かって倒伏したままの「大正天皇即位記念植林碑」を修復する機会になるといいですねと、3月末、4月初旬の市農林水産課職員の皆さんとともに、リマインドしました。
海岸林ブログ(2016年8月):大禮(大正)記念植樹碑 津波で流された先でようやく発見
海岸林ブログ(2016年4月):名取市海岸林の歴史調査について(東北学院大学 菊池慶子教授)
来年の5月頃、再生の会の皆さんは、どこに令和の愛林碑を建てるのかな?
襟裳や秋田や唐津の海岸林になくて、名取には常にあるモノ ~ゴミ~
3月28日のボランティアの日、じつは、ごくごく内輪で軽作業しました。その一つがゴミ拾い。
実質1年で100袋になりました。あんまりたくさんやると申し訳ないので短時間を何回も。もう慣れてきました。拾った後も、市のクリーン対策課の若い方(この春、異動してしまいました)や清掃公社の方たちがが、いつも迅速に対応してくださります。
盛土工事をやってる地元建設業者の職人さんたちも、自主的に拾ってくれています。聞かなくても、事務所の裏なんかにまとめてあるのでわかります。個人で一人で拾っているのも見たことあるし、大学生からどうすれば清掃活動ができるか、問い合わせもありました。浜ではいろんな団体も拾っています。
拾った後、10日間ぐらいはきれいです。でもすぐに・・・
4月7日には、名取市海岸林再生の会の櫻井副会長の旧宅(現在盛土工事中)から20m先には、まだ使えそうな洗濯機など家電3台が投げられてましたし、甘酒缶と栄養剤セットも50本以上。
ゲートへの悪質なイタズラ
つい先日、国が管理している空港東の北釜ゲートのダイヤルキーを切断し、自分が持ってきた南京錠に付け替える人まで出てきました。国とオイスカが同じ日に気付き、調べてみた結果は、当然どの機関も心当たりナシ。イタズラと断定するしかありません。国が新たに付け替えました。
昨年はこの場所のダイヤルキーの暗証番号を変えられました。しかも、ボランティアの大型バスが2台入った後で。当然出れなくなりました。きっと陰から見ていて笑っていたことでしょう。その時は運よく、同じ日に同じ目に会った測量会社の人に助けられました。宮城県南部の別の場所では、ゲートを破壊されたそうです。保安林を管理するのに、こういうことはこれから日常茶飯事でしょう。もしまた閉じられてもいいように、簡単な準備をしました。次に同じことをされたらどうするか、佐々木統括の考えも聞きました。国の役人さんで、何日もやぶの中に隠れて、本当に現行犯でひっとらえた人は何人もいるそうです(笑) 森林は、税務署などと同じで本当に警察権を持ってます。
悪い鍵師がすぐ近くにいること、関係者一同でよく心得ておきます。
下2枚の写真は、壊されたまま、ずーっと直してもらえない。閖上港付近。管理者が不明。入ってはいけないのか、いいのか、それすらはっきり意思表示もない。少なくとも、森林行政ではない模様。管理者の境界って、細かく、複雑で難しいこともあるようですが。私が見たときは、入ってきた人にはいつも丁重に説明して、出て行ってもらっています。凄まれることもあります。岩沼の名取市境近くにも侵入口があります。入ってきた人から教わりました。
閖上の名取市サイクルスポーツセンター10月OPEN
津波から10年目。復興期間最終年。名取の海沿いは、北端の閖上も、南端の空港東の北釜も、その中間も、9年間、工事がないときはありませんでした。閖上は通るたびと言ってもいいぐらい、道路が変わりました。 今年10月、海岸林北半分はサイクルスポーツセンターopenで大きな変化を迎えます。 名取市HP 利用料金が細かく書かれています。温泉もあり、宿泊も可能。1周4㎞のサイクリング周回道も施設も、宮城で知らない人がいない有名旅館グループが管理委託で担うそうです。
2011年5月25日、オイスカ調査チームは、この屋上から全景を眺めました。同年10月の視察会では、参加者170人にこの屋上を案内しました。海砂を高く積んだ巨大仮置きが津波来襲方向にあったため、この程度の破壊で済んだと思います。それでも完全に大破・全壊ですが。建物の前にあった、若いクロマツはよく耐えて、粘って、流れず倒伏していました。
上記は私が撮ったものではありません。Youtubeには他にも震災前の様子が分かる動画がたくさんあります。
名取の海岸林北半分は、震災前から限りなく公園に近い潮害防備保安林でした。しかし今までと違うのは、これから延々整備が続くこと。管理者の市当局に深い理解を求め、協力し合い、万難を排して利用者への安全配慮義務を徹底し、感動してもらえる森林にしたいと思います。10月、私も真っ先にサイクリングしてみます。泊まります。いつか8時間耐久ママチャリレースも復活してほしいです。

近年、「親しまれる森林」の裏側で、林業の世界を震撼させた「奥入瀬渓流訴訟」のように、事故の場合、森林は訴訟で負け続けているという思いがあります。林業側から危険勧告を出し続けたのに、地主や歩道の管理者が取り合わず、枯損木が直撃して重大事故になったと裏話も聞いています。名取のこの建物、舗装された道路を見るたび、「リスクマネジメント」という言葉が浮かびます。
この工事の経過を振り返ると、近くを利用する人や観光当局から見た森林整備は、ボランティアだろうと、プロだろうと、立場などあってない扱いでした。森林法に沿って設置されているはずの名取の潮害防備保安林は、随分安易に、軽く扱われてきました。「保安林をなんだと思ってるんだ!」と怒鳴りつけた国の方もいますが、もうあの一喝は忘れられてしまってるのでしょう。昔、請われて担ったはずの八王子市の観光施設周辺の森林整備で経験し続けた、腸が煮え繰り返るような想いが甦ります。
ゴミひとつとっても、最近はひどくなってきました。閖上に設置した「名取市市民の森」の看板前だけで写真集ができます。産業廃棄物不法投棄、BBQフルセット投げる人、グレープフルーツとネギ多数、サーフボード・・・。ウンコを残していく人もいます。工事現場の人までが黙ってゴミを拾っています。大学生サークルから電話がかかってきて、ゴミを拾いたいと言ってくれたこともありました。でも、仕事できた人は、ご自分の用事だけ果たして、見向きももしないのでしょう。 絆という言葉は、ここにはもうありません。
今年から再び、力の半分ぐらい行政との連携、市民に向けた発信に注ぐ年にします。3月末~4月上旬の出張は、その幕開けという気持ちでした。利用と整備それぞれが、お互いを認め合い、協調しながら維持管理に努めたいと思っています。何人かの行政マンと会い、もう一度気を取り直して信じてみようと思いました。
ボランティア中止のお知らせ
こんにちは、浅野です。
吉田の楽しい名取ブログの間に失礼します…。
4月のボランティアの日が中止となったことはすでにお伝えした通りですが、
先週の緊急事態宣言を受けて弊団体でも再度対策会議が行われ、
5月6日まで国内外の出張禁止(原則ではなく禁止)、東京本部では職員を
2つのグループに分けて交代勤務となることが決まりました。
4月14日にも対策会議が開かれ、5月23日のボランティアの日の中止が決定しました。
6月以降のことは遅くとも1か月前には決定し、ブログ・HPにてご連絡します。
一刻も早くコロナウイルスが終息することを祈っています。
皆さま、くれぐれもご自愛くださいね。
初めて撮影できた鳥 ~ジョウビタキの雄~
4月11日、オタクの休日。
大きく育ち、鬱閉して暗いマツの根元。鳥の鳴き声が聞こえました。小さな鳥がいろいろ。鳴き声もいろいろ。ずいぶん図々しく、いつまでも大きな声でなにか訴えてるようなのも。
一匹だけで大っぴらに出てきて、逃げなかったのがこの鳥。
スズメバチは名取の海岸林で見ることは、ほとんどありません。
数年前の早春、大きなスズメバチを見てから毎年設置するようにしました。
ですが例年通り、予断を排して、4月10日、合計10ヵ所に仕掛けを設置しました。名取の海岸林、内陸防風林、名取事務所の周辺に、スズメバチの女王に巣をつくらせなければいいのです。ここに関わる方たちが兵隊バチに刺されぬように。例年8ヵ所設置しますが、今年はペットボトルがうまく手に入ったので多目に。
「名取では連休前に仕掛けるのがイイ」「そのあと作っても意味がない」と言われています。ですがその頃、私は自宅勤務。いつもは浅野さんや誰かと設置します。今回は一人寂しく。「スズメバチはコロナウイルスと関係ない」「記録的暖冬だからスズメバチも出足が早い」と自分に言い聞かせ、「慌てる乞食は貰いが少ない」という天の声を振り切りながら。
「一つ作ると半径1㎞以上から呼び寄せる」と言われています。作り方はネットにも書いてあります。材料は、風雨に耐えるビニールロープ、硬い2リットルのペットボトル10本、日本酒2リットル2本、酢500ml、砂糖1㎏。雨が入りにくい場所に設置します。口は陸側に向けて。今回は、とりわけ甘口の日本酒を選び、口の開け方を工夫し、いつもの設置場所から少しずらしてみたり。少し多めに作って、補充分を用意したり。酢が入っているので、ミツバチは落ちません。ですが、どうしてもコクワガタ若干が落ちてしまいます。
去年は、「10数種類いる」ハチ全体が明らかに少ない年でした。今年は多いかもしれません。
過去の植樹祭開催地のいま
4月11日、「しばらく来れないな~」と思いながら、「オタクの休日」。 弁当を持って、朝から気が済むまで現場を歩きました。
海側最前列なので風当たりが強く、いつも気になる場所の一つですが、今期も無事。
この辺りはキツネの大きな巣穴が修築・増築。掻き出した砂がてんこ盛りになるのでわかりやすい。根が邪魔なら噛み切ってしまいます。
2018年のボランティアに多湿対策の溝切りを頑張ってもらった一角。手を打って2年経つと生長の勢いは炸裂するように増すと予想しています。手前の右半分の数本は、村井県知事、佐々木元市長、オイスカ中野理事長が植えたもの。このゾーン4haは、まだ溝切りしたい場所がたくさん。
このゾーンは手がかからない。葛もニセアカシアも出ない。私も時々見に行くだけ。
盛土の土は、仕様書通りの山砂。水捌けは抜群に良し。ですが、2015年植樹祭の場所に完全に抜かされてます(笑) 森林総研の調査地でもありますが、原因不明。このあたりがオタク中のオタク、ごく一部の林業マンにとって興味深いところです。
ではでは。