くるま

2020年10月3日( カテゴリー: 現場レポート )

本部・広報室の倉本です。
今回は特に独り言のような内容ですみません
 
地元では運転していたものの、上京してからは車も売り、地元でも東京でもめっきり運転する機会がなくなった私。これまで宮城県に出張した際に、練習のためハンドルを握らせてもらっていました。
今回も事務所の車をお借りし、塚本カメラマンの動画撮影下見補助という名目で、現場内や事務所現場間を行ったり来たり。
 
運転席から見る現場は、歩いてまわる時とはまた違った感想を持ちます。
この日は前日の大雨で、作業道のあちこちに水たまりがあったり、公道から逸れて現場に入るまでの道にいたっては、湖のようになっていました。普段だと、今日も道がぼこぼこしているなあだったり、ここはこんなに水がたまるんだなあ、くらいの感想になってしまいますが、ドライバーとなると、どこを通ったらあまり揺れずに進めるか、この水量でも通れるだろうか、と考えることも変わります。
それが少し面白く感じる一方で、今年は特に新型コロナウイルスの影響で移動も密にならないように配慮のされる中、自家用車で駆けつけて下さる方が多くいらっしゃって、こんな悪路且つ、作業でどろどろになるにもかかわらずありがたいなあ…となんだかしみじみ思ってしまいました。
時には、私自身、ボランティアに来てくださった方の車に同乗させていただくこともあり、長靴の泥が無性に気になることもあります。
参加された企業が手配してくださった、大型バスに乗る時も言わずもがな。
ぼこぼこの作業道と、泥だらけの作業を終えた人をたくさん乗せる運転手さんに、毎回嫌になってないかなあ、大丈夫かなと心配になります。(これまでお世話になった運転手さん、ありがとうございます!)
 
しかし、良いこともあります。
なんといっても、作業道を車で走ると気持ちいい!通常車で乗り入れない場所なので、ある種、これはボランティアに参加された方しか味わえないものかなと思います。
26日も涼しくて良かったけど、やっぱり青空のもと、しっかり作業で汗をかいた後に、風を切って走るのがいいなあ。
いつも真夏の特に暑い時期は、ボランティアの定員が埋まるのがゆっくりだそうですが、運転席でなくとも、窓を全開に、大きく成長しつつあるマツの景色を楽しむのもなかなかおすすめです。

この日はくもりでしたが、天気の良い日に走るととてもいい景色です

この日はくもりでしたが、天気の良い日に走るととてもいい景色です

塚本カメラマンに密着

2020年9月30日( カテゴリー: 現場レポート )

広報室倉本です。
前回に引き続き、9月26日のボランティアの日について。
この日、震災直後からプロジェクトの動画制作などでご協力いただいている、プロカメラマンの塚本公雄さんがいらっしゃいました。(2015年訪問時のブログ1/2
目的は、10ヵ年の区切りを迎えるプロジェクトまとめ動画の撮影&その下見。
重ねてボランティア参加者などへのインタビューも実施し、私も今後に活かすため、その様子を学ばせていただくべく、作業にも参加しつつ、一日密着していました。
CIMG5278

 時には指示を出しつつ、さまざまな角度からベストアングルを切り取っていく

CIMG5287

引きで撮影

私も、記録としても広報としても使える写真を意識し、カメラを構えてみます

私も、記録としても広報としても使える写真を意識し、カメラを構えてみますが…

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あ!カメラを向けた瞬間が同時でした。真正面からの映り込みすみません…

 
このように、作業中、必要な画を順次撮影してまわりつつ、この日は11名のリピーターを中心としたボランティア参加者・関係者への聞き取りを並行して実施。
参加のきっかけや活動に参加しての感想、プロジェクト10年の振り返りなどに加え、「これから」についても焦点を当て進められたインタビューでは、突然の声掛けにもかかわらず、みなさん流れるように次々と質問に答えられていました。ボランティア参加へのフットワークも軽やかだけでなく、トークも軽やか…!
それも、日ごろから強い思いを持って、活動に参加されているからなのですね。

若者を代表し、今年の月刊誌8-9月号の表紙にもなった大学生2人にも聞き取り

若者を代表し、今年の月刊誌8-9月号の表紙にもなった大学生2人にも聞き取り


語り口にも熱が入る

語り口にも熱が入る


 
みなさんそれぞれの視点からお話ししていましたが、私が特に印象的に感じたのは、今後のマツの成長に対する期待と、この活動を市民の若者を中心に、次世代につなぎたいという思いをリンクさせて語っていたこと。
そして、そのためにも、こうして参加しつづけているということが、みなさんのお話の主旨として共通しているように感じられたことです。
この大きなプロジェクトが、これほどまでに一体感を持って続けられてきたのは、関わる多くの立場の方が、未来の海岸林の姿を見据えた強い思いをともにしているからなのですね。そして、その思いがどんどん他の参加者などに伝播しているからなんだろうなと…感じました。
塚本カメラマンの話の引き出し方とともに、さまざまな方の声が聞けた良い機会ともなりました。
 
今回の撮影分がどのように動画としてまとめられるのか自分なりに想像しつつ、今後の実践に活かしていきます!
塚本カメラマン、ご協力いただいたみなさま、ありがとうございます!
下見の様子。さまざまなポイントをまわりました

下見の様子。さまざまなポイントをまわりました


 
 

こんにちは、浅野です。
倉本のブログにもありましたが、9月26日はボランティアの日でした!
今回は前回よりも参加人数が多く、県外からの参加者も多くいらっしゃいました。
前日は土砂降りでどうなることかと思いましたが、当日は雨は降らず、気温も最高が20℃と作業にはちょうどいい天気でした。
作業のことは倉本のブログにも書いてあるので省略しますが、ツルマメを放っておくと大変なことになるのです。
このブログを読んでくれている方はすでにご存知かもしれませんが、マツは栄養がなくても生きていけますが、
陽樹なので太陽の光が当たらなくなると、弱ってしまいます。
ツルマメは成長すると樹高が1m以上のマツのてっぺんまですっかり覆ってしまいます。
もちろん、小さいマツはひとたまりもありません…。
H
それだけではなく、ツルマメの巻き付く力がすごく強いので放っておくと幹が折れてしまう可能性もあります。
今回もツルマメに巻かれた跡がついてしまったマツを見つけました。
しっかり巻かれているこのマツ…
D
根を抜いてからツルをずらしていくと…
D
くっきりと跡がついています。こんな力で巻きつかれたらたまったもんじゃないですね。
今回は参加してくださった皆さんのおかげで1番ツルマメが繁茂しているツルマメの海地帯は完了することができました。ですが、面積は小さくてもツルマメが出てきてしまってしる場所がちらほらあります。
今年のボランティア活動は10月2日のUAゼンセンの皆さん、10月10日のボランティアの日、残すところあと2回。
出来る限りマツを救出したいので、皆さん頑張りましょう!
(今年頑張れば、その分来年が少し楽になります笑)

ツルマメの海

2020年9月28日( カテゴリー: 現場レポート )

広報室倉本です。
7月以来、ようやく今年度2度目の名取訪問を果たし、9月26日のボランティアの日の活動に参加してきました。
 
50名の定員いっぱいの参加をいただいた今回は、前回に引き続きツルマメの抜き取り作業を行いました。
ツルマメにすっかり覆われたモンスタークロマツの救出作業ということで、ある程度覚悟して現場に行きましたが、実際に見てみると、予想を上回る一面のツルマメの海。これまで何度もボランティアに参加しているリピーターさんも「これはすごい…」と一瞬言葉を失うほどの大発生具合です。
それでも作業が始まると、「これくらいすごいと、やりがいがあって楽しい」「だんだんマツの姿が見えてくると嬉しいね」という前向きな声があちこちで聞かれ、さすが前日の悪天候にもかかわらず(かなりの大雨でした)、気合十分で参加されるみなさんだなあ…と私もさらなるやる気をいただきました。

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ツルマメの海を前に、気合いを入れるお二人


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作業前。この中にマツが隠れています


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作業後。マツの姿が見えました


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作業後。すこし違う角度から


今回作業した場所のツルマメは、プロの下草刈りの作業の後、このひと月半ごろで成長したそうで、この時救出しなければぎりぎりだったマツもあったとのこと。上写真のマツたちは、今年の分の成長は遅れてしまったそうですが、この日の作業で救われました…マツくんたち良かったね…!
 
また作業中、マツの葉が腕や足にちくちく刺さり、「これは長ズボンじゃないとだめだ」「長くても薄いと刺さって痛いから、厚手の方がいいね」「次回来る人にも伝えないとね」という声も聞こえたので、ここでもお伝えします。
作業は長そで長ズボンが基本ですが、ちくちくが気になる方は、ぜひ厚手のものをご用意ください!
これからまた気温も下がり、寒い恰好で来られる方も少ないと思いますが、念のため…!
 

ボランティアふたたび再開!

2020年9月16日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
7月4日の宮城県民向けの活動を最後に中止していたボランティアの受入れが9月12日に再開しました!
2か月ぶりのボランティア♪と楽しみにしていたのですが、あいにくの雨予報。
前日には土砂降りの予報となり、急遽お申込みいただいてた皆さんに連絡を取りました。
「警報も出そうな予報なので、作業はやらないで見学だけになるかもしれません」と伝えると
遠方の方は「もう行くつもりで色々準備したから行くよー」と言ってくれて、
近くの方は「久しぶりにみんな来るんでしょ?顔見に行くだけでも行くよー」と。
結果、申し込みをしてくださっていた方のほとんどが参加してくれました!
当日は予報通りの土砂降り。
午前は車に分乗して名取の植栽地の見学を行いました。
土砂降りの中、車を乗り降りするのはよくないということでLINEミーティングを使って
吉田の説明を車内で聞きながら進むことに…オイスカらしくない試みですね。笑
雨が弱まったタイミングで車から降りての見学も交えながら久しぶりの現場に皆さんイキイキとした様子でした。
午後は「どうしても作業をやりたい」という声があがったのでツルマメの抜き取りを行うことになりました。
午前ほど雨は強くなくカッパを着ていれば作業は可能でしたが、さすがに長時間の作業は推奨できないので、
1時間ほどで切り上げ、15時には完全に解散しました。
今年は出るのが遅かったツルマメですが、場所によっては7、8月の雨と夏の太陽を浴びてすくすくと成長したものも
あったようです。久しぶりにモンスタークロマツを見ました…。
H
9月26日に参加予定の皆さん、クロマツの救出にご協力よろしくお願いします!

いよいよ本に! –その3–

2020年9月11日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは
海岸林担当の鈴木です。
3連投
私が書籍用に用意したものはイラストと写真。
基本的にはこれまで冊子に掲載してきたものを使用するのですが、
プラスαで
・巻頭のカラーページに掲載する書籍の顔ともいう写真
・冊子には掲載できなかったけれど、あれば文章理解を進むであろう写真
・まだ刊行していないVol.13とVol.14用の写真
の選定をしました。
選定するといっても、これまでプロジェクトで撮ってきた写真は数万枚
その中から選ぶのですから、相当なもの
いい写真はたいてい印刷物やブログなどで使用しているのですが、他にも掘り出し物があるはず・・・という考えのもと、写真フォルダを開けて上から下まで見て、また別のフォルダを開けての作業の繰り返し。
やっと見つけても
「この写真、どっかで使ってたよね・・・」と小林さんからひと言あれば、また探す・・・・
それでも適当な写真が無ければ、持っていそうな方に連絡して提供していただく。
再生の会の方々が作業をしている写真は、数万枚から再生の会の方が写っている写真2841枚を選びだし、その中から選んだ1枚です。1枚の写真の裏に2841枚が重なっているのです!!
映画のヒロインのオーディションのような高倍率(^^;)
編集者への提出期限間際に写真の提供をお願いして、快く対応してくださったボランティアの三浦さんには感謝感謝です。ありがとうございました。
書籍はやっと原稿が編集者へ渡ったところです。
この後、書籍用に編集の作業があり、写真のレイアウトをし、表紙を決め、帯をつけなどと作業が続いていくものと思います。
書籍発刊は11月中旬~下旬を予定しています。
詳しいことが決まったら報告します!
楽しみにお待ちください(*^-^*)
私自身、どんな表紙になるのか、とても楽しみにしているところです

いよいよ本に! –その2–

2020年9月10日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは 
海岸林担当の鈴木です。
昨日のつづき
小林さんが火だるまになりながら原稿執筆をしている横で、
近くでお尻を叩いていただけ!? まぁそんなようなものですが・・・
『よみがえれ!海岸林』を書籍にするにあたり、
「海岸林って必要なの?」
「何か効果があるの?」
「クロマツばっかりだけど、他の木じゃだめなの?」
など、素朴だけれど核心をついた質問に解答しようと、イラスト入りの解説ページを設けています。
どんなイラストが伝わりやすいか、イラスト内で伝える内容は何か?などを考え、イラストレーターさんとのやり取りを通じて、
あーでもないこーでもない、
こうした方がわかりやすい、
このイラストはもっと右にあった方がわかりやすい、
ここの表情は笑っていたほうがいい
などなど、細々した調整をしてイラストを完成させていきました。
イラストレーターさんは、いつもお世話になっているico.さん。
ico.さんは、こちらの要望を汲んで、どんぴしゃのイラストにしてくださるすごい方なので、なくてはならない存在です。
数種類のイラスト作成で苦労したのは、
○海岸林の防風効果は何キロ先まであるのか?
○海岸林を通り抜けると塩分減少率はどのくらいになるのか?
を調べること
まったくの専門外で、何を参考にすればいいのかすらわからない状態
手さぐりで論文を何本も読みました。最初のうちは、書いてあることの半分も理解できず、ちんぷんかんぷん。それでも、ガマンして読んでいると、何となくわかってくるものですね
やっと適当な論文を探し当て、イラストに反映させました。
でも、イラスト内で反映するのは「375」と「1500」たったこの2つの数字のみ。この数字の後ろに何十時間もの苦労が隠れています!
楽しかったのは、
松くい虫の被害拡大についてのイラスト制作!
こちらも訳が分からない論文を何本も読みました。
「マツノマダラカミキリ」と「マツノザイセンチュウ」の絶妙な共生ぶりに驚き、
「マツノマダラカミキリ」の蛹の芸術性の高さにまたまた驚き、
「マツノザイセンチュウ」10000匹を体の中にかかえた「マツノマダラカミキリ」を妄想して笑い、
驚きと笑いの連続でした。
でも、このたった1㎜の体長のセンチュウに感染して、枯れてしまうマツの大木を思うと、笑ってもいられず、深刻ですが・・・・・

触角がお腹のあたりで見事に渦巻いていることに芸術性の高さを感じてしまいました ~島根県HPより~

触角がお腹のあたりで見事に渦巻いていることに芸術性の高さを感じてしまいました
~島根県HPより~


そして、研究を続けたいのは
宮城県の海岸林は本当に伊達政宗が命じて作られたものなのか?
というギモン
いまのところそのような史実はないという説ですが、地理学に長けていたといわれる政宗が仙台市や名取市の海岸に立ち、農地を守るため、津波から命を守るために
「このあたりに雄松(クロマツ)を植えよ!」
と、本当に命じていたらかっこいいな~
と、これまた妄想しています。
何をどう調べたら、こんな史実は出てくるのだろうか??
このギモンにつまづき、「名取の海岸林史」をつくるのに相当な時間がかかってしまいました。
相当な時間がかかったものの、
これまで知らなかったことを知る楽しさを味わいました。
~ また明日へつづく ~

いよいよ本に! –その1–

2020年9月9日( カテゴリー: 本部発 )

こんにちは 海岸林担当の鈴木です。
しばらくのご無沙汰でした。
事務所の下の階に保育園があるのですが、ちょうど1歳児ちゃんのお部屋を見ることができます。
まだ歩くのもおぼつかない子もいて、見ているだけで幸せ気分です。窓際にいるベビちゃんたちに手を振り、癒されています。手を振り返してくれる子がいると、その日は一日幸せ気分です(^^♪ ・・・・このところの私の楽しみです。
前置きが長くなりました
ここしばらく、元日経新聞論説委員でオイスカアドバイザーの小林省太さんが執筆している冊子「よみがえれ!海岸林」の書籍発行のための準備にかかりっきりでした。
冊子「よみがえれ!海岸林」は、小林さんご自身の視点で見たプロジェクトを綴ったもの。
2018年6月から発行を始め、現在Vol.12まで発行されています。
聞きなれない林業専門用語が出てくるような林業の技術書ではありません。
プロジェクトの正当性を証明しようと、独自に取材先を選び、丁寧に取材を重ねて綴った「プロジェクトX」的とも言えばわかりやすいでしょうか。
これまでの取材先は、50人近くになっているはずです。
近くで仕事ぶりを見ていて、新聞記者で培われた記者魂、まさにプロを感じます。
冊子「よみがえれ!海岸林」は、オイスカ会員さん、プロジェクトの支援者さんにお届けしていますが、この内容は決してオイスカの内輪だけに留めておくものではなく、広く世の中に送り出して、多くの人の目に触れて欲しい内容です。
海岸林を再生する道のりでの人々の葛藤
プロジェクトの原動力
地元住民の想い
ボランティアさんの想い
など、かかわる人々の心の内も綴っています。
災害が発生し、同じように何かを再生しようとした時、交錯する「想い」を同じ方向へ向ける難しさを「感じる」内容です。次世代を担う中高生にも手に取ってもらえるように、簡単な言葉で語っています。
冊子の内容を書籍として世の中に送り出したいと願っていた時、
偶然にも陸前高田市出身の編集者と出会い、書籍化が実現することになりました!
発刊時期を検討し、最終的に11月中に落ち着き、
逆算して、原稿締切は8月末・・・・・・お尻に火が付くどころか、体中が火だるまだよ と言いながら、小林さんは書籍用の原稿を書き進めていきました。冊子では、誌面の関係上、書ききれなかった内容を、「膨らし粉を入れてるところ~」と言いながら書き加え、締切の1週間前まで名取市に出向き、取材をし、2年前の内容を「いま」に書き直し、書き上げていかれました。
そして(締め切りを4日延ばしてもらい)9月4日に原稿を提出し終えました。
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原稿執筆はすべて小林さんのお仕事で、私は近くでお尻を叩いていただけ!
というわけではなく、何をしていたかというと・・・明日へ続く

こんにちは!インターン生の嶋村です。
私は、国際基督教大学の三年生で、開発学を専攻しております。オイスカでのインターンに応募したきっかけも開発学を実践する方法を学びたいという想いからでした。開発学では困難に直面している国や人々をいかに豊かにしていくかを学んでいます。そこで、実際に海外開発協力など開発に直結する活動を行っているオイスカで、その学びを実践に活かす力が身につけられると考えたのです。
オイスカで行われている様々な取り組みに関わらせていただく貴重な機会を沢山頂きました。海岸林再生プロジェクトの仕事にもご縁がありましたので報告させていただきます。
東日本大震災が発生した2011年、私は11歳でした。テレビで放送される津波の様子を目にし、状況を理解できないままに恐怖を感じたことを覚えています。11歳の私にとってその映像は衝撃的で、約10年たった今でも鮮明に思い出すことができるほどです。震災発生当時、これほど大きなショックを受けた私でしたが、振り返ってみると記憶に残っているのは震災それ自体の衝撃ばかりで、被災後のことをしっかりと考えたことはありませんでした。テレビでの放送を見て、復興支援のことはなんとなく知っている、その程度でした。
そんな私ですが今回、クロマツ植栽地の生物多様性についてのブログへの掲載を手伝わせて頂くことになりました。これをきっかけに、被災地の復興についても、改めて多くの学びを得ることができました。
「2019年度 名取地区生物多様性調査報告書」( 仙台森林管理署)より、プロジェクト開始して間もない2013年から2019年までの生物の種数の遷移が掲載されている箇所を抜粋しました。ものすごく分厚い報告書です。「公式な調査が名取でおこなわれたことは、ものすごく光栄だし、幸運。このような調査は、オイスカのような民間団体単独ではとても出来ない。毎年、結果をとても楽しみにし、仕事の励みにしてきた」と吉田さん。
【名取地区全データ】

2013 2019 増加数
植物 299種 369種 70種
昆虫類 286種 362種 76種
鳥類 36種 48種 12種
哺乳類 5種 3種 -2種
両生類 3種 3種 ±0種
爬虫類 2種 1種 -1種
魚類 8種 4種 -4種
底生動物 4種 15種 11種

*鳥類、哺乳類、両生類、爬虫類、魚類、底生動物の2019年データは、内陸側保護スペースの調査。
*最終調査報告(要旨)は、今秋、林野庁東北森林管理局のHPで公開される予定です。
全体を見ると、生物種数がかなり増加しています!
これまで現場で確認した生き物の話題(ブログカテゴリー「いきもの」)
本プロジェクトの担当部長である吉田さんのお話によると、正しい施業を心がければ多様な生物がそれに伴って育つそうです。この調査結果から、クロマツが丁寧に育てられていることが一目でわかります。防災林としてだけでなく、生物多様性を保全する役割も担っているのです。
今回、このように海岸林再生プロジェクトに関わらせていただきましたが、オイスカで活動させていただく以前は、このような活動が行われていることすら知りませんでした。そこで、プロジェクトについて丁寧に教えて下さったのが、担当部長の吉田さんです。何も知らない私にとって、驚きの多いものでした。特に印象的だったのは、このプロジェクトが被災された方々にとって、「防災林の植栽」以上の意味を持つというお話です。活動が現地の被災された方々のコミュニケーションの場所になっていることや、震災により壊滅的な打撃を受けた場所に種から緑を育てること自体に、復興の希望が感じられていることを知り、意義の大きさを感じました。
また、吉田さんの言葉の一つ一つには熱がこもっていて、関わっている皆さんが強い想いを持って活動されていることが伝わってきました。「月面に植物を植えるようなもの」とも言われた被災地でのクロマツの植栽ですが、約10年でここまで立派なクロマツが成長したのは皆さんの強い想いがあってこそだと感じさせられました。
このように、私のように「何も知らない」という人もいると思います。少しでも多くの人にこの大切なプロジェクトが伝わればと思います。

眼が光っているのわかります???タヌキです。8月26日20時ごろ、親子がウロウロ。子どもは2匹はいました。

眼が光っているのわかります???タヌキです。8月26日20時ごろ、親子がウロウロ。子どもは2匹はいました。


ネズミが多いせいか、猫もいます

ネズミが多いせいか、猫もいます


報告書にはアオダイショウしかありませんでしたが、シマヘビも確認しています。めったに見れませんが、今年も林業会社の人たちが見たそうです。

報告書にはアオダイショウしかありませんでしたが、シマヘビも確認しています。めったに見れませんが、今年も林業会社の人たちが見たそうです。カナヘビもいます。


キツネのこども

キツネのこども

近々ドローン撮影を計画しています。皆様への報告用はもちろんですが、隅から隅まで現場の施業状況を確認したいので。撮影は早ければこの週末にも。本当は木々が分かりやすく、天候が安定している5月に撮影したかったのですが、コロナで身動き取れず。松島町の「三立重建」さんにお願いしています。先週26日にテスト撮影をしていただきましたので、最新の写真と過去の写真を比較ください。

2020年8月26日:名取市海岸林「最北端」閖上漁港付近から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「最北端」閖上漁港付近から南を望む


2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から北を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から北を望む


2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央部」から南を望む


拡大してみると

拡大してみると


内陸側を見ると

内陸側を見ると


2020年8月26日:名取市海岸林「仙台空港誘導灯」付近から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「仙台空港誘導灯」付近から南を望む


以下、2014年・2015年植栽地27haの定点観察(名取市海岸林「中央」から南を望む)
2020年8月26日:名取市海岸林「中央」から南を望む

2020年8月26日:名取市海岸林「中央」から南を望む


2019年7月20日

2019年7月20日


2018年5月19日

2018年5月19日


2017年5月20日

2017年5月20日


2016年5月20日

2016年5月20日


2015年5月24日(植栽1年後)

2015年5月24日(植栽1年後)


2013年9月18日(植栽1年前)

2013年9月18日(植栽1年前)


2011年9月5日(津波から半年後)

2011年9月5日(津波から半年後)


2011年5月25日(津波から2か月後)

2011年5月25日(津波から2か月後)

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