吉田です。
5月18日、毎年の生育状況の毎木調査前に、全体を歩いてきました。毎木調査は来週に。以下写真報告にて。
まず、空港真東(市有林)の約200本の状況。多くが2016年植栽。
次は、名取市海岸林の中央、最も内陸側、山砂中心の国有林。多くが2016年植栽。ここには合計470本植えましたが、去年も枯死が目立ちました。ですが、根付いたものは何とか形になってきました。
育ちが悪い箇所では草も生えません。なんとか育っている個所でも草の背丈を越えました。
したがって、今年から広葉樹は一部の場所を除き「おおむね、下刈卒業」です。
ですが、葛の枯殺だけは続けます。
この木はなぜ枯れた?? ~クロキボシゾウムシ??~
吉田です。かれこれ1か月前、5月18日のこと。
清藤城宏先生と浅野さんと、仙台空港真東の広葉樹を見に行ったとき、、2015年植栽地で変色した松を1本だけ見つけました。二人は枝下に顔を突っ込み、潜り込む勢いで凝視。
「一番下の枝下に、穴みたいなのがあります」(浅野)
「葉はまだ黄緑色だけど、松脂が止まってるから、もう枯れているね。頂芽の伸びも止まっている」(清藤先生)
「私が2月に来たときは、間違いなく枯れていなかった」(吉田)
「頂芽が伸び始めた時に枯れたということだ。あとで穴の場所の皮を削ってみて」(清藤先生)
名取事務所にて・・・
「たまに1本だけ枯れるのがあるよな。なんだろな。でも、蔓延する感じではない」(佐々木統括)
翌日、清藤城宏先生より「クロキボシゾウムシではないか?」「マツの虫害は大概、衰弱木、壮齢木、枯死木に多いですが」と。この程度なら騒ぐことではないと思っていますが、来週現場に行ったら、また周囲の様子を確認します。しかし、たったこのぐらいかじっただけで枯らせてしまうってしまうのも、すごいと言えばすごい。
お詫びブログ:ヤマドリではありませんでした!!コジュケイでした。
以下、鳥に詳しい、宮城の三浦さんからのメールです!
吉田様 。お疲れ様です
久しぶりですみませんが
海岸林のブログをながめていて間違いを見つけましたので 連絡します
5月22日のブログですが
写真のヤマドリとしている鳥はコジュケイです
コジュケイについて
コジュケイはヤマドリと同じくキジの仲間ですが
ヤマドリ(尾羽の短い♀で50~60cm)の約半分(約27㎝)の大きさの鳥です
中国中南部原産で日本には1920年頃に東京、神奈川などで放鳥され始めた外来種です
特徴的な「ちょっとこい、ちょっとこい」と聞きなしが有名な
鳴き声にかなり特徴のある鳥です
声は聞けども姿が見えない、なかなか姿を見ることができない鳥です
里山付近で時々声を聴くことがありますが
私も写真を撮ったことがありません
参考に他の場所ですがヤマドリ♂の写真を添付します
念の為確認お願いします
吉田コメント:この前、鈴木和代さんから「浅野さんがちゃんと調べたら、あれはコジュケイだって言ってましたよー」と指摘あり。私の周りにはちゃんとした人がいますので、ほんとに助かります!!
令和2年度「森林・林業白書」に紹介いただきました
吉田です。「森林・林業白書」への掲載について、若い職員の方から最初にお話しいただいたときは、本当に光栄に思ったのと同時に、「失敗したら林野庁にも恥をかかせてしまう」ということが頭に浮かんだことを思い出します。表紙には「通常国会提出」とも書いてあります。閣議に提出されるんです。以来この10年で3回も紹介いただきました。白書づくりは、各部署の若手職員が集まってまとめられ、上に上がってゆくと聞いています。まず、そういうプロセスで若い人たちに認めてもらえたことが嬉しいです。ありがとうございます。
書籍「松がつなぐあした」についても言及されています。明日は、各都道府県の森林セクションに書籍PRの資料をお配りする手配をしに、林野庁に行きます。
まず、東北在住の方でボランティア再開します! ~6月19日(土)ボランティアの日~
吉田です。また始めます!
募集人員は最大50名。東北にお住まいの方。ご不明なこと、ご相談ごとはオイスカ本部海岸林担当(03-3322-5161)まで。
まず、「ツルマメの抜き取り」これを最優先に! あと、35名大丈夫です!
「松がつなぐあした」が、雑誌「オルタナ」で紹介されました!
さっき、林広報室長からのメールでびっくりしました。
元日経論説委員のあの原田勝広様が、あの雑誌「オルタナ」に我々のプロジェクト、書籍「松がつなぐあした」を紹介くださったと。しかも、Yahooニュース(今日5月28日)で紹介されたと。3拍子揃ってる!とてもうれしい!
雑誌「オルタナ」 原田勝広の視点焦点 (Yahooニュースより引用)
ぜひ、ご覧ください!
なお、6月19日(土)の公募ボランティアの日の実施判断は、来週前半に。できれば宮城県民だけででもとは思っていますが、改めて慎重に判断します。
本数調整伐試験 写真レポート
吉田です。本数調整伐当日のレポートです。やってみないとわからないこと、コスト計算上知りたかったこと、将来の予習が出来ました。
5月17日(月)8:30~9:30 宮城中央森林組合6名、松島森林総合1名、オイスカ5名が集合。施業の手順確認、安全講習。その後、即現場に行き、おもむろに伐採開始。こういうところがプロ。もう少し戸惑いや混乱があるかと思いましたが、まったくなく。こういうところで、森林組合の現場代理人、佐々木秀義君の力量が発揮されます。下見・佐々木統括との打ち合わせがされていたのでしょう。現場で右往左往し、あげくは立ち止まってしまい、議論が始まるようなことがない。いざという時の対処を考えていましたが、出番なしで、ある意味、私は暇でした。清藤城宏先生にヘルメットを貸してしまったので、林内は皆さんに任せ、合流した県庁の6名への視察対応に専念できました。
試験地は0.12ha。汀線(海岸線の波打ち際)に平行に、北から①1伐3残、②1伐2残、③1伐1残、④無伐。対象木は昨年12月、すべて伐採前に計測済み。今秋、伐採後の成長期を経たものをさっそく計測できるように。
伐り手は一人、伐採木の林外への搬出が4人、トラックへの積載が1名。がっつり休憩もしましたが、伐採自体は100本余り。半日で概ね終了。今回の搬出はすべて人力。(本格的に始まった時は、文明の利器を使います。しかし、林内作業道が必要になります。)トラックへの距離も最長100m弱と近いので。4mあまりの松を中段で切らず、森林組合のみんなは2本まとめて持って、腕ずくで引きずっていきます。コロナ太りの私は無理せず1本。伐採木を林内に据え置くと、それがマツクイの温床になるという岩手県での情報があります。
今回は調査地なので、調査の支障となるため下枝を払ってあります。その際、幹から20㎝程度離して。傷が入るリスクがあるからです。スギ・ヒノキと枝打ちの位置が違うのです。ですが下枝がないから、通りやすい。ただ、本格的な伐採の際は、下枝払いはしません。不要な施業と考えています。また、調査地ゆえ、枝条も林外搬出してみました。これは歩きにくいというぐらいで、本当はそこまでしなくてもいいと思います。どのぐらい大変か、十分体感しました。なお、防風垣・静砂垣は朽ち果て、ボルト・釘などが錆びて危険。役目を果たした箇所から、いずれ解体・分別されて廃棄処分されるでしょう。
プロのみんなも、われわれも、いろいろなことが分かりました。行政・専門家の皆さんなどとも情報提供、情報交換しながら、ともに工夫していきたいと思います。今秋は数haの本数調整伐を開始します。
5月17日、とうとう「本数調整伐」試験地の伐採を迎えて
吉田です。
そもそも海岸林は、山のスギ・ヒノキのような経済林ではなく、海岸の砂や風を止めるための防災林。伐採の必要はないと考えられたと思います。江戸時代に殿様が植え始めた歴史もあり、民の林はほぼなく、当然「禁伐」。近代に至っても、所有・施業方針はかつての流れを汲んできました。
伐るにしても、研究をするにしても、同じお金を使うなら経済林が優先。防災林ですから、伐らないほうがいいのでは?と手を付けにくい。昭和も後期に入って、積極的に伐って強靭化を目指すべきとの優れた研究する人が表れ始めたものの、本数調整伐の方向性には転換されませんでした。ちなみに経済林ではないので、専門家は本数調整伐と呼び、間伐とは言われません。
しかし、東北の震災で海岸林がなぎ倒されたことにより、逆に強靭化を目指すべきとの方向性が定まりました。かねてより研究を重ねてこられた森林総研の方たちなどの成果物が活きたのだと思います。行政当局や研究者の方たちにも本数調整伐に対する賛成意見をお伝えし、議論し、われわれ民間の意見も非常によく聞いてくださりました。しかし、現実に実行する立場としても「未知」の世界です。手探りな点が多いです。佐々木統括がそう言うぐらいです。
2020年度 生長モニタリング調査、CO2固定量調査、本数調整伐試験
*本数調整伐調査概要は、報告書の最後の項目にあります。
ところで、自分たちで種から育てたクロマツを伐採すると、皆さんはどんな気持ちになるか・・・
「忍びない」「もったいない」それが普通の意見です。
でもやっぱり、私はその場に立っても何の躊躇もありませんでした。
皆さんが感じるだろう気持ちをしっかり胸で受け止めて、別のことに力を向け続けたいと思います。
「松がつなぐあした」書評が続々。河北新報にも紹介記事が出ました。
2020年度後半は、書籍「松がつなぐあした」の全国展開に没頭していました。
何としてでも、若い世代に読み継がれて欲しいと考えて。オイスカの全国支部や心熱い会員のみなさん、海岸林の寄付者の方々がたくさん協力してくれました。愛知県内ではオイスカ愛知県支部の協力で、1,000人にわたりつつあります。おかげさまで、エッセイスト大賞候補にもノミネートされ、全国学校図書館協議会の選定図書にも選ばれました。
書評や紹介記事も続々。
産経新聞(2月21日)、日本農業新聞(3月7日)、矢作新報(3月12日)、電気新聞(4月30日・7万部)、UAゼンセン新聞(3月4日・43万部)、宮城県内コミュニティー誌「ぱど」(2月26日・40万部)、広報「なとり」4月号、森林林業業界雑誌は3誌。
そして、5月4日のみどりの日に、満を持して河北新報社で大きく取り上げていただきました!
*HP掲載を同社から快諾いただきました。御礼申し上げます。
全国紙・地方紙、とくに海岸林がある県の地方新聞対策は、プロのアドバイスを聞いて、素人ながらあの手この手で本当に努力したのですが、結果を出せませんでした。これからも一人でも多くの方に読んでいただくよう、努力を続けます!