盛土がある場所のマツの根
プロジェクト担当の吉田です。
夏休みに、森林組合の佐々木さんにご案内いただいて、牡鹿半島に行った時、
永年精一杯の機能を果たし生き残った海岸林と、立派な松の根を見ることができました。
「クロマツ根っこショールーム」さながらでした。
息子達は綺麗な海で嬉々とし、やはりオヤジ達はマツを見てしまいました。
ここは牡鹿半島ですがリアス式海岸ではなく、台風や高波の他、西に向いた海のため、
春の奥羽山脈からの強風が海を越える事による塩害を受けやすい立地かもしれません。
海岸林背後には壊滅した小さな集落があります。全長1kmぐらいの小規模な海岸林とは言え、樹齢は120年。大事に守られてきた事が伺い知れます。
海水面から最大3mの盛土の上にクロマツ林があり、倒れたマツは小川に沿って引いてきた波で盛土ごと海側に引き倒されたのだと思います。周囲には寛政年間等の墓石が散乱しています。
しかし、たった1~2mでも海岸林での盛土の効果を名取市北釜地区と同様に目の当たりにしました。
盛土を失っても、上部を伐採されても立っているマツの根もありました。



下の写真は、昨年東松島市野蒜で見た、盛土が無く、地下水位の高い場所で倒れた樹齢150年近いマツの根です。
マツらしい直根がありません。

ところで、いよいよ名取の治山工事、すなわち盛土工の入札を迎えました。
3m程度の盛土の造成が始まろうとしています。そして、津波で倒されてもなお飛砂を防いできたクロマツは撤去されます。
それでもまだ何かに利用され人の役に立つように思えます。
10円玉飛塩調査のその後
プロジェクト担当の吉田です。
ご存じのとおり、10円玉は銅で出来ており、一番錆びにくい。
去年の5月ごろ、地元の人が「10円玉が緑青に変わった」と言っていたので、
7月8日に設置し、しばらくぶりの8月20日に回収に行きました。
秋山君も以前事務所の前に置いていて、「黒くなった」と言っていたが。
海に向かって、海岸林前面、倒れていない海岸林帯の真後ろ、海岸から1.4km、
4kmのところ
潮風の影響が全くないオイスカ東京本部事務所。の5か所。
なんだか、あんまりはっきりしない結果でした。(笑)
なぜだろう?レモン汁につけた後、水に流さずに置いたから?
しかも、海岸林前面に置いたものは無くなっていた。
工事関係者に見つかってしまったか?
ゲートのてっぺんに置いたのに。
*海岸から4kmの第1育苗場班長の大友さん自宅には今回行けず。
プロジェクト担当の吉田です。
出張の機会を活かし、これまでも最寄りの海岸林を見てきました。
ところ変われば看板も変わる。
いくつかご紹介します。
これは敦賀・気比の松原。
4ヵ国語ですね。舞鶴・小浜等はロシア人も多いからですね。
ちなみに松林の中でバーベキューはしないでください。
燃やした場所から「ツチクラゲ」が発生し、周囲のマツは枯死します。
マツの大敵なのです。
福井県高浜町・和田浜海岸
拉致問題ですね。
静岡県湖西市・遠州灘海岸
春先の風と砂はすごいのです。
静岡県袋井市・同笠海岸
ブラジル人が多いからポルトガル語表記があります。
千葉県・九十九里浜
砂に埋もれる看板は皆さんの記憶にもあるかもしれませんね。
プロジェクト担当の吉田です。
昨年に続き、中2の息子と小6の娘と犬を連れて宮城沿岸部に行きました。 一泊目は佐々木さんの自宅に泊まり、ご家族の皆さんと大歓談。 二泊目はオイスカ名取事務所に宿泊。 牡鹿半島全域と石巻市などなど。今年も基本、「海三昧」。
畝と畝の間のみですが、草取りを3人でしました。 頑丈で四方に這うような根の雑草があっという間に出ます。 「一列終わるまで」と、1時間ぐらい3人で休みなく集中してやりました。 (やらないと怒られるから?案外面白いから?) 毎月校庭の草取りをする学校なので耐性がありました。
帰路車内で二人に聞くと、 父:事務所に泊まったのどうだった? 息子:絶望した。マジ真っ暗な方に向かうし。 娘:ホテル的と思ってた。 父:今回の旅行で何が一番大変だった? 息子:草取り。道が遠い。佐々木さんの家でナスが出たこと。 娘:(事務所の)蚊。海にいた噛む虫。 父:驚いたことは? 息子:(去年も見た)焼失した小学校がカーナビから消えていたこと。 娘:大川小学校を初めて見たこと。 あとー、ちょっと違うけどー、佐々木さん兄弟とパパがお酒を飲んでいるとき 怒鳴っているみたいで面白かった(笑) 父:次はどうしたい? 娘:また来たい。(女川と東松島の)海で遊びたい。 (女川の海で)また大きいワタリガニを捕まえて食べたい。 息子:また佐々木さんの家で泊まりたい。釣りしたい。
出張で事務所に泊まるとき、いつもこの夏を思い出すと思います。
3月30日に播種を行い、4月28日に発芽したクロマツは、病害虫の発生を心配されながらも大切に育てられ、すくすくと成長中です。
彼らが育つ育苗場の移り変わりをご覧ください。上から3月30日、6月20日、8月20日に撮影したものです。
3年間はこの育苗場で育てられ、その後海岸に移植される予定です。
今年は2キロしか播種していませんが、来年は倍に増える予定です。どんどん育苗場がマツの苗でいっぱいになって行きます。
海岸にもこうしてマツがいっぱいになる日が早く来ることを願って寒い中、暑い中、地元の皆さんが苗木のお世話をしてくださっています。
どうぞ、みなさん。これからも長く続いていく海岸林の再生に向けたこの取り組みをご支援ください。よろしくお願いします。
京都出張の後、ひと踏ん張りして「天橋立」に行きました。
「学校林・遊々の森」全国こどもサミットin京都とその反省会を終え、何とか日没前に駆けつけました。
まず、明るいうちに見れたことが嬉しく。見れば見るほど、離れがたくなります。
まず、低い位置から立派な枝が出ている充実した樹々に圧倒され、散歩する近所の人や自転車で帰宅する人が多く、親しみやすさを感じ、日没を過ぎた後は、波打ち際の青く細長く光る生き物にも、降るような星にも見とれます。
気比の松原と同様に湾の奥で、しかもここの背後は生活区域ではなく内海があり、強風・飛砂・飛塩・高潮・防霧から生活を守るインフラ、防災林ではなく、「特別名勝」であることが管理の重要なポイントと思いました。
美しさを維持するための長年の努力を想像しました。
また全国の海岸と同様、砂浜の浸食に対する対策(サンドバイス工法という)も成されていました。
「放置すれば50年後には広葉樹林化する」という京都大学の研究発表をTVで見た事が訪問の動機でしたが、
訪問客の来訪により林床が踏み固められ、根を保護する上で「客土」されてきました。
そのことが広葉樹や雑草を侵入させやすい状況を作っています。
古来からクロマツと広葉樹とゾーン分けして管理され、共存してきたのだと思います。

夕方と早朝から約6時間かけた実踏を終え、次に向かいました。
8月23日(木)夜 ラジオ出演します!
「海岸林再生プロジェクト」担当の吉田です。
明日、23日(木)J-WAVE「Heart to Heart」(環境省スポンサー)に電話での生出演をします。 プロジェクトについて話します。時間は、21:35から5分程度です。
皆さん、ぜひ聞いてください。