宮城県庁HPに名文あり!

2013年4月8日( カテゴリー: 本部発 )

担当の吉田です。
宮城県のホームページにある、このレポートぜひご一読ください!http://www.pref.miyagi.jp/uploaded/life/204992_255858_misc.pdf
「宮城県における海岸防災林の再生に向けた取り組み」
基本的な考え方が、端的に書かれております。
この春退職された宮城県農林水産部の前次長、河野裕様が執筆したものです。
河野前次長は、 震災を挟み、海岸林の再生にご尽力され、 昨年秋には
オイスカの海岸林シンポジウム(東京)にもパネリストとして加わってくださいました。

経済同友会視察団ご一行に、県の育苗状況を説明する河野前次長

経済同友会視察団ご一行に、県の育苗状況を説明する河野前次長


去る3月11日には、経済同友会の皆さまを、ともにご案内させていただきました。
河野前次長は、移動のバスの中で宮城県の海岸林再生にむけた説明の冒頭で、「オイスカと名取市海岸林再生の会が育苗に取り組み、さらに育林まで共にしてくれるとの申し出に勇気づけられました。皆さんも是非オイスカと我々をご支援ください」とおっしゃってくださいました。
このレポートは、その日、ご本人から直接いただいたもので、とても感激しました。
近々、オイスカHPからもリンクを張りたいと思います。
今後ずっと、一人でも多くの方に読んでいただきたい読み物です。
防災と森林 復興に関する国際フォーラム(2012年10月・左から二人目が河野前次長)

防災と森林 復興に関する国際フォーラム(2012年10月・左から二人目が河野前次長)

わかりやすさ

2013年4月5日( カテゴリー: 本部発 )
担当の吉田です。
思うところがあって、林政審議会施策部会を傍聴しました。
この会議の目的は、林野庁の年次報告と言える
「森林・林業白書」の作成です。
私が傍聴したのは、その作成最終段階です。
4月末の本会議の後、上程され、閣議決定を経て公開されます。
各省庁には、審議会と検討会がありますが、どちらも長い期間行われます。
震災後、2011年5月からの林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の
再生に関する検討会」は私も全5回傍聴し、議論の過程を聞きました。
この手の会議は、前半は議論・検討、後半は取りまとめ。
従って最後は「言葉」の使い方もポイントの一つになってくるんですね。
・・・ということで、今日は思っていなかった収穫がありました。
白書は国民に読んでもらうためのもの。
『木材の利用が森林の整備になる』
という表現が一般市民、消費者に正しく伝わるか?
そもそも『森林整備』という言葉も正確にご理解いただけないのでは?
という委員の先生の問いかけがそれでした。
ただでさえ分かりにくい長期復興の道のり。
「海岸林再生プロジェクト」も然りです。
どうすれば、もっと分かりやすい説明となるか。
クロマツおたくを鼻にかけて、難しい話ばかりしているようでは、
まだまだ修行が足らないと、目が覚めた気がします。
専門用語ばかり使われては、聴くのもしんどいですよね。

広葉樹種子確保先

2013年4月4日( カテゴリー: 広葉樹, 現場レポート )
目下、宮城県内のH24年度のクロマツ種子生産結果や、
県の計画も更新された現状に照らし合わせ、
我々もクロマツ・広葉樹ともに、改めて見直しを行っています。
県幹部の方からも、「10年では終わらない」との見通しがありました。
後日、このHPに載せたいと思っています。
広葉樹の種子確保先を名取市内に求めようとしましたが、
開発で状況が不安定なため、別な場所を視察しました。
林内にはまだ春の気配はありません

林内にはまだ春の気配はありません


仙台駅から車で西に30分も走ると、
素朴な里山がたくさんあります。
名取にしても仙台にしても、山林は豊富です。
採りたい種子は、ヤマザクラ、クリ。
コナラも然りですが、
我々にはいつも「ナラ枯れ」への危惧があります。
ケヤキは種苗組合から購入しようかと。
海岸林の内陸部に、これらを配置することになるでしょう。
先方の好意もありますし、視察結果としても申し分ない場所なので、
これから許可申請を行い、種子採取先を明確にしたいと思います。

実は中央に天然記念物のニホンカモシカが写っています

実は中央に天然記念物のニホンカモシカが写っています


「地拵え」(じごしらえ)。この仕事をやる必要があります

「地拵え」(じごしらえ)。この仕事をやる必要があります


						

名取沿岸部の概況

2013年4月3日( カテゴリー: 現場レポート )
海側の国交省の防潮堤工事は部分的に完成してきています。
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/03/20130324t15009.htm
(河北新報社3月24日)
その内陸側の林野庁が発注した盛土工事は形になってきており、
ダンプは土曜日でもひっきりなしです。
名取では被災し倒伏したクロマツの姿は少なくなってきています。

被災マツはその場で大きめのチップにし、飛砂防止のマルチングで使用するか

被災マツはその場で大きめのチップにし、飛砂防止のマルチングで使用するか


名取だけで100台のダンプが稼働

名取だけで100台のダンプが稼働

 
名取市では、平成25年度予算で、海岸林内陸側の
旧ビニールハウス団地、約50haの圃場再整備が始まると聞きました。
まずは除塩でしょうか。 閖上では、除塩が沿岸部まで進んでいます。
その内側はまだ零細がれきはもちろん、
大きながれきもまだ撤去されていない場所もあり、
我々の第一育苗場はその真ん中にあります。
零細がれきは手で拾います。日当8,000円と聞きましたが、人手が不足しているようです。
除塩が終わったとしても、農業から2年も離れた人が、
もう一度戻ろうとするのか。後継者自体も少なく、複雑な気持ちになります。
災害公営住宅は、美田園の駅のあたりに、平成25年度から着工し、
閖上の大規模な建設はその翌年から。
道のりは平坦ではなく、まさに今年が正念場と聞いています。
名取市は仙台のベットタウン化の様相で人口が増えています。
美田園駅周辺も、次々と新しい建物や店舗が建っています。
名取市南部の盛土工事。まだ途中です

名取市南部の盛土工事。まだ途中です


						

嬉! 久々の水やり

2013年4月2日( カテゴリー: 現場レポート )

名取の沿岸部は、春を感じるような木々はないものの、
内陸に行けばフキノトウが出て、梅が咲き始めました。
ここしばらく全く雨が降らず、宮城全域で山火事が頻発し、連日新聞に出ています。
3月30日には久々の雨が降りました。

クロマツも半年ぶりに人の手で水をもらって嬉しそう

クロマツも半年ぶりに人の手で水をもらって嬉しそう


そんな天気予報も睨みつつ、根切りを行った直後、やはり即、水やりです。第1育苗場は、大昔は海。山の砂が堆積して、何百年かけて砂浜が前進したところ。
100m掘っても砂地と言われています。とにかく表面は砂ですから、これから水やりは欠かせません。
昨年9月、まだマツらしい痛さのない、柔らかい葉でした。その時に最後の水やりをして、それ以降は冬越しをするために、肥料も水もやらず、上方に成長させず、固くて強い葉になるよう仕立ててきました。
育苗場には何本か井戸が掘ってあります。
最初は黄緑色の不凍液が出てきました。
久々ですから。
地元の人は、昨日まで地域の旅行でずっと一緒だった延長もあって
凄まじい冗談が飛び交います。しかし、手足だけは動いています。
これからは、毎日何かの仕事が畑で続きます。
今季の幕開けを肌で感じました。
 

根を切る!

2013年4月1日( カテゴリー: 現場レポート )

2011年9月に知り合った種苗組合の方に指導していただき、
昨年播種した1年生クロマツ約90,000本の「根切り」を行いました。

DSC_0146

この刃を持っている種苗農家は全国的にも少数では


手で切るのでなく、機械で切るのです。
根を切ってしまうの?と思いますが、まさにその通り。
「根切り」とは、直根を切ること。
地上部の成長を一端止め、細根の充実を促します。
そして、地上部が頭でっかちでなく、活着率の高い、丈夫な苗を作ります。
特注の「刃」がトラクターの後ろについており、18cmの深さでザクザクと切ってゆき、第1・2育苗場ともに、作業はわずかな時間で終わりました。
DSC_0163

来年は、再生の会農家でこの作業をするつもり。研修として10人が参集


見とれてしまいました。一歩一歩の歩みです

見とれてしまいました。一歩一歩の歩みです


 
 
 
 
 
 
 
すぐに水遣りをし、こののち仮植、床替移植という手順です。
移植作業は1ヵ月以上は続くでしょう。
それが終わると育苗場は全面緑色になります。
6月14・15日の発芽視察ツアーの時には、一面のクロマツ畑を
見ていただきたい一心です。いい季節になっていると思います。
しっかりした根だと褒めてもらいました

しっかりした根だと褒めてもらいました


これから第2育苗場へ

これから第2育苗場へ

先日、静岡市内で活動報告会をさせていただく前に、
日本三大松原の三保の松原を視察いたしました。小学校の遠足以来でしょうか。
地方で報告するときは、地元の海岸林を発表に必ず織り交ぜるようにしています。

圧巻です

圧巻です


まず、落ち葉掻きをする4人の地元の方が目に入りました。
ボランティアとして自主的にされているとのことでしたが、
観光客の冷やかしと思われたようで、お話は聞けず。
手さばきの早いこと早いこと。
年に1回、秋に地域総出で落ち葉掻きを含む林内清掃を行うようです。
「特別名勝」「名勝」とは文化財保護法(文化庁)で規定されています。「名勝」としての景観を維持するための地元の方の努力です

「特別名勝」「名勝」とは文化財保護法(文化庁)で規定されています。「名勝」としての景観を維持するための地元の方の努力です


全国の例にもれず、海岸浸食を防ぐ離岸堤が多数

全国の例にもれず、海岸浸食を防ぐ離岸堤が多数


 
 
 
 
 
 
 
まるで、海岸林の保全の見本市のようでした。
地元の老舗旅館の女将さんから、地元としての維持管理に関する
並々ならぬご苦労を聞くこともできました。
地元NPOによる活力剤注入

地元NPOによる活力剤注入


行政によるシロアリ防除処理(5年に1回程度か?)

行政によるシロアリ防除処理(5年に1回程度か?)


松くい虫の枯損木の伐採

松くい虫の枯損木の伐採


伐採跡地への抵抗性クロマツの植栽

伐採跡地への抵抗性クロマツの植栽


樹勢回復のための施肥実験

樹勢回復のための施肥実験


いい看板だと思いました

いい看板だと思いました

需給調整

2013年3月28日( カテゴリー: 現場レポート )

クロマツ種子も、当年・前年の夏の気候などによって、豊凶が生じます。
言われてみれば、そうかもしれないと思いますよね。
今年度、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ種子は凶作でした。
2011年度は宮城県で7kg。しかし、2012年度は400g。
そこで登場するのが、昨年度以前に採れ冷蔵保存された種子。
長い冬を過ごしてきたわけです。
一説では、1年冷蔵保存すると15%発芽率が落ちると聞いたことがあります。
受け取った種は、気のせいかもしれませんが、昨年のものと比べて少し白い気がしました。
「オイスカの苗木は名取市にしか使えないのですか?」と
某市農林水産部の方から聞かれたことがあります。
林野庁からも、県からも、2011年に何度も確認されました。
造林計画への需給調整は行政や種苗組合が行い、
我々は組合の傘下で、他の組合員とともに需給全体に協力する立場です。
従って、宮城の海岸林復旧全体に使われます。
オイスカと「名取市海岸林再生の会」は、
名取市の海岸林全体に「相当」する50万本の苗木を生産するのが目標です。
「名取市以外には使わせない」という事などは考えたことはありません。
現に、先日の初の山出し800本は、先行して盛土工事が終わった宮城の別の市に植えられました。
また、宮城県でどうしても足らない場合は、林業種苗法の範囲で他県からも協力があると思います。
しかし、他県も「種で協力する」のでは育苗農家の生活が成り立ちませんので、
他県で育てた「苗」で協力するはです。
当地の気候に合うように、1年生苗で運ばれ、こちらで1年育てるのかもしれません。

初の山出しでは、ベテラン組合員に指導に来ていただいた。

初の山出しでは、ベテラン組合員に指導に来ていただいた


初めての山出しは800本。2時間で裕に完了

初めての山出しは800本。2時間で裕に完了

 はじめまして、こんにちは。
海岸林再生プロジェクトに参加させて頂いています、
ANA海岸林再生プロジェクトサポート隊(ANAすか隊)福岡支部の若林です。
過日オイスカ事務所でダイレクトメール発送のお手伝いをさせて頂きました。
たまたまお休みと日程が合ったので今回参加させて頂きました。
でも、今回参加した一番の理由は
「オイスカ本部事務所での活動だった」からです。
私個人の考えですが、何を行うにしてもまずは活動の中心に行く事を大事にしています。
そこで活動している人の想いとかを実際にお会いして聞くことは、
直接動かないと聞いて感じる事は出来ませんし、そういった事を一番大事にしています。
私自身、このANAすかの活動に参加した一番の理由も「人」でした。
プロジェクトの中心にいる人達の想いにとても動かされました。
今回オイスカの事務所での作業中、仕事の大変忙しい中、吉田さんも色々なお話をして下さいました。
これからの活動についてだったり、今現在のプロジェクトの進捗状況だったり、
そしてどんな想いで活動をしているのかだったりと大変勉強になりました。
それと同時にこのプロジェクトにはまだまだ人が必要だという事です。
たくさんの人の力、助けが必要になってくると感じました。
僕は福岡で草の根活動になりますが、協力してくれる人達を一人でも多く探していきたいと強く思いました。
最後に私達一人一人に出来る支援を一つ紹介させて頂きたいと思います。
賛同して頂ける方はぜひご協力よろしくお願い致します。
~マイルで「海岸林再生プロジェクト」支援~
ANAグループが長期支援している「海岸林再生プロジェクト」に賛同いただいた方が
マイルによる支援ができるよう、期間限定でマイルを受け付けています。
受付期間:2013年3月1日~31日
ANA SKY WEB(ANAホームページ)の「ANAマイレージクラブ」ページより、3000マイル1口として受付中。
こちらです。

こんにちは!
ANAすか羽田本部の庄司でございます。
2013年1月26・27日にANAすかの羽田本部メンバーを中心に
福岡のANAグループ社員に向けて「海岸林再生プロジェクト」の説明と
これまでのANAすかの活動報告を行いました。
遅くなりましたが、ご報告をしたいと思います。
計2日間開催し、各日約10名の方々に参加いただきました。
宮城出身の私からすると『東北』と『九州』同じ日本なのに、
異国の地のようなイメージを持っておりました。
震災から約2年経つ今、震災のことなんて記憶として
薄れているのではないかと勝手ながら心配をしておりました。
しかし、参加者の方の話を聞くと、
「震災当日は仙台空港近くの航空大学校(パイロット志望の学生が集まる学校)にいて被災した」
「親戚が宮城におり、震災によって亡くなってしまった」
「ボランティアに参加したいと思っていたが何が出来るのかわからず、今回の説明会に参加した」
などなど。
こんな遠い地でも宮城に深く関わっている人に出会えるなんて・・・と感無量。
P1010619
今回の説明会は羽田からのANAすか本部メンバー
4人が福岡に入り、2班に別れ2人ずつがリーダーとなって
進行をする「グループ形式」で行いました。
今までの説明会の講座形式だと質問がしにくいという
反省を踏まえてのことです。
少人数で疑問に思ったことをその場で質問し、
回答するといったクループ形式で説明会に望んだ結果、
一人一人の意見をしっかり聴くことができ、
多くの方がプロジェクトに興味を持ってくれました。
冒頭の私の心配とは裏腹に福岡のANAグループの皆さんはとても心が温かい人ばかりで、
福岡の仲間たちはなんて心がこんなにもあったかいのだろうと心がジーンとなりました。
福岡在住でも宮城にゆかりのある人。
協力したいと申し出てくれる人。
沢山の出会いに恵まれた日でした。
また必ず福岡に足を運びたいと思います。
P1010617次の報告をお楽しみに~♪
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