草との闘い

2014年7月23日( カテゴリー: 現場レポート )

先日、最強の雑草「葛」についてブログで紹介しました。
7月19日のボランティアの際にも、葛の刈り取り作業に取り組んでいただきました。

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こんなに茂っていました~!


ただ、刈り取らなければならないのは葛だけではありません。
場所によってはこんなに草が茂り苗木が見えない状態!        ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
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向こう側の苗はよく見えるのですが・・・・・・。
手前だけこんなに草が出てきて
向こう側にはあまり生えていないのです


 
 
 
 
 
 
 
 
これ、クロマツがどこにあるか分かりますか?????
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CIMG5807クロマツの根元にこんな大きな雑草がある際は、この雑草をやっつけるのにも注意が必要です。クロマツの根を痛めることのないように、また一緒に引き抜いてしまうことのないように気を付けなければなりません。
あまりに大きな雑草なので、ボランティアの皆さん、だんだん楽しくなってきてしまったようで
「今日一番の大きさだ~~~!」
「こいつ、タコみたい~~~~!」
などとわいわいやっつけていました。
小さな雑草をただひたすら引き抜いていく育苗場の草取り作業より、大きなものをやっつける達成感が得られるのは分かる気がします。
草との闘いは地味な作業ながら、自分がクロマツを助ける
ヒーローのような気分を味わえるちょっと楽しいボランティア活動なのかもしれません。
来月のボランティアの日は8月30日。
ぜひご参加ください!!

心豊かなボランティアの皆さん

2014年7月22日( カテゴリー: 現場レポート )

あれからすでに2週間以上経ってしまいましたが、
7月5日、UAゼンセン、ボーイング社、全日空グループの、総勢110人のボランティアの中に、
植栽現場に出た途端、身のこなしが明らかに軽やかな人が目に入りました。
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躊躇なく先頭にいて、周りの人とコミュニケーションを取りながらも手は止まらず、膝の使い方が柔らかいから姿勢も良い。
服装は職人と見間違うようなシャープな姿。
まぎれもなく「ベストドレッサー賞」。
作業する場所も、「排水溝の際など、乾燥しやすく、より丁寧に仕事してほしい場所」と指定した所に自分だけでなく、数人で取りかかってくださっている。
全日空の社員さんでした。
率直な参加の動機をお話しくださいました。
名刺をいただけばよかった…そこまで気が回らなかった。
ボランティアの人が来るときは必ず一期一会と言い聞かせていても、
毎回あるんです。もっと話したかったなあということが。
しかし、初めての現場なのに、どうしてあんなにスマートにできるのか。
一体どんな方なのだろう。ぜひまた一緒に仕事したい。

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通訳の彼、とっても印象に残ります


ボーイング社の外国人社員への通訳を買って出てくださった同社の若い男性社員も、一目見るからに印象に残るナイスガイでした。難しい通訳をユーモア交えて意訳していただきました。
実家が北海道の農家と話してくれた、あの方だから難なくこなしてくださったと思います。
その日の最後に、スコップが一本足らないことがわかりました。現場に誰かが忘れてきてしまったようです。広大な現場の中で、必ず見つけて帰ろうと、名乗り出てくださった方が幾人も。道具がなくなったら、その日のうちに徹底的に探すのは、工場でも我々の現場でも当たり前ですね。
捜索範囲は狭かったので、我々に任せてと、皆さんには帰路を急いていただいたのですが、震災直後から丸3年、「ANAすか」チームとして縁の下を担ってくださっている新婚ホヤホヤの若手が、
空港からあの距離を歩いて探しに行ってしまった。
行くなと言っても、あの彼はやっぱり行くよな~
追いついて一緒に捜索。何とか発見。
防風垣に一緒に座って涼みながら、ホッと一息。
彼をはじめとする「ANAすか」の皆さんには、本当にお世話になってきました。
毎週毎週、とても紹介しきれないほどの人間臭い、心豊かな人たちに恵まれています。
たくさんの小さなドラマの日々。

全国事務局会議

2014年7月18日( カテゴリー: 本部発 )

オイスカは全国にいる5,000件の会員に支えられており、
北海道から沖縄まで14支部と46の支援組が運営されています。
7月17日、年に3回程度の全国事務局会議が開催されました。

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全国22の支部・支援組織より参加がありました


私たちが現場で存分にできるのも、まずオイスカの会員さんが毎月の月刊誌に必ず掲載されているプロジェクト報告をもとに、各方面に紹介し続けてくださっているから運転資金が枯渇せず、この2年毎日欠くことなくご寄附が寄せられています。
こういうベースがオイスカの強みです。

今日は各地区事務局の皆様に、「当プロジェクトは何が他と違うのか」を、改めて再確認していただくべくオイスカ緑化技術参事の清藤城宏先生から、説明していただきました。要約してご紹介します。

 
①震災直後にいち早く被災地農家と接触し、
②植林をしたいだけの部外者(地元以外の方)ではなく、
 オイスカのこれまでの海外等のプロジェクトと同様、地元中心主義でを進めていること
③2033年までに少なくとも11,000人もの雇用を確実に創出すること
④育苗~植栽~育林までの長期にわたる一貫施業、100haもの大規模プロジェクトは近年類を見ない
⑤行政にかつていた経験を持つ者としては考えられないぐらいの決断を、国や宮城県、名取市がしてくれた
 行政からオイスカに対する期待と信用、我々の側からすれば、ものすごいプレッシャー
⑥震災から3年もたった今、年間2,000人ものボランティアが来るのもすごいが、
 あくまでも地元中心主義で植栽イベントではなく、育苗や保育作業を補完すべく、非常に有効に活かしている
 人づくりのオイスカらしいプロジェクトを確実に実施している。
 数多ある植林活動と何が違うのか、スタッフがよく理解することが大事
私の報告は、現場の状況報告のほか、今年度の募金目標は2.1億円。
8月上旬に、これまで3年を総括するDVD(10分)、新しいチラシ、最近の新聞記事などを同封のうえ、
DVDの活用、チラシの設置・配布協力などをお願いするダイレクトメールを、8,500通送ること。
新しいチラシ10万部を来年3月末までに配布。現在350ヵ所の設置個所を1,000ヵ所にする。
活動報告会はいつでもどこにでも伺う。
ギアを替え、外回りの時期が始まります。

中学生も活躍!

2014年7月17日( カテゴリー: 現場レポート )

先日、7月5日のボランティアの報告をしましたが、その中に
お父さんと一緒に活動に参加してくれた中学生がいました!
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関東からの参加。被災地でのボランティアは初めてとのこと。津波で海岸林が失われてしまったことを知ってショックだったけど、こうして再生のための活動が進んでいること、そして自分がこうしてそのお手伝いに参加できたことがうれしいと話してくれました。
周りはみんな大人たち。その中で大人と同じように作業に取り組んでくれていました。普段はお父さんと一緒に出掛けたりすることは少ないそうですが、こうしてお父さんの声掛けに応じてボランティアに参加したことはとても貴重な体験となったのではないかと思います。
夏休みに入ったら“親子でボランティア参加” が増えたらいいなぁとちょっぴり期待しています。

最強の雑草「葛」への対応

2014年7月16日( カテゴリー: 現場レポート )

当プロジェクトを深くご理解いただいているリーダーに率いられた「住友化学労組」が
委員長以下全国各地から23名、朝8時過ぎから5時まで作業してくださいました。
終日、手加減なしの現場実務。(ただし、昼寝付き)
作業内容は、いつも通りの育苗場の除草、植栽地での根踏み、チップ寄せに加えて、
最強の雑草「葛(くず)」の刈り取りに着手。
DSC_0005繁茂はまだ部分的ですが、盛土工事完成から日もたたないのに、範囲は広くありませんが法面に生え始めました。放置すれば植栽した苗を覆ってしまいます。
タイ南部のマングローブ植林に長く関わってくださっている住友化学の皆さんですので、プロジェクトサイトでの、葛に似た太いつる草との戦いについても、少し説明しました。
私自身、100mを優に超えるつる草の刈り取りの厳しさ、使いにくく慣れない現地の大鎌、強烈に高い湿度の中で熱中症になりかけたことなど思い出しました。
今後は佐々木統括の言う「山芋理論」に基づき、
毎年7月と8月は集中的に、葛の刈り取りを行うことになるでしょう。
プロとボランティアの併用でも、相当な作業量になるかもしれません。
薬品で駆除することも検討しましたが、草が盛土法面の崩れを防いでいることも考えて、
薬品駆除は見合わせました。
今回は早目の着手ができました。やっぱり先手必勝です。
何より機動力のある体育会系メンバーが繁茂している場所にさっと分散し、
実質一時間で刈り取りは終了。鎌と剪定鋏で根元をきっちり攻めました。
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≪「葛」 出典:ウィキペディア≫
つるを伸ばして広い範囲で根を下ろし、繁茂力が高い。
かつての農村では、田畑の周辺に育つクズのつるを作業用の材料に用いたため、
定期的に刈り取られていたが、刈り取りを行わない場合は短期間で低木林を覆い尽くすほど成長が早い。
伸び始めたばかりの樹木の枝に巻き付くと、それによって樹木の枝が曲がってしまうこともあるため、
人工林においては、若木の生長を妨げる有害植物と見なされている。
クズは根茎により増殖するため、地上部のつるを刈り取っても地下に根茎が残り、
すぐにつるが再生する。抜本的に除去する方法として、除草剤のイマザピルを使う手法がある。
薬剤を染みこませた楊枝状の製品であり、根株に打ち込むことにより効果を発揮する。

植栽を開始したのは4月28日。植栽を終えたのは5月30日。
それに続いて、住友化学㈱と同労組から寄贈いただいた20kg×150袋の有機化成肥料の施肥は
6月2日に開始、6月30日に終了しました。全長1km以上、15haの広大な現場の75,182本に1本づつ。
「施肥は梅雨明けまでに完全に終えよう」と雨の日も続けました。体力的にも極めて厳しい仕事に従事した
宮城中央森林組合作業班の皆さま、本当にお疲れさまでした。
DSC_0097私が東京にいるとき、名取事務所の皆さんや、森林組合の佐々木君との電話では、天気の話題が出ないことはありません。
台風の襲来などまだまだ、厳しさはこれからも続きますが、名取市海岸林再生の会の農家の皆さんにその後の植栽現場のデータ速報を伝えるべく、全員が集まる「総会」の前日7月3日に、佐々木統括が括着率を調べました。
カウンターを手に、ランダムにたくさんサンプルを採って短時間で割り出す、現場の「職人」の方式で。
98.4%が活着(枯損率1.6%)!
「補植が必要」と言われるのは3%以上ということなので、非常に優良な成績であるといえます。
しかし、わずか2カ月後の単なる通過点です。
3ヵ月で1,000人以上のボランティアが、プロによるスピード施業の後を追跡するように、
根踏みとチップ寄せを繰り返し、1本でも多くの生育を助けるべく、丁寧さで勝負する日々です。
プロとボランティアのこれらの分業は「当プロジェクトならでは」と自負しています。
ここまで現場に来てくださったボランティアの皆さま、私の強引なリードをお許しいただき、
気持ちのこもった仕事をしていただき、本当にありがとうございます。
今後年3回、いわゆるモニタリング調査を行うための標準地は、6月第3週に決めました。
初回調査は7月19日(土)のボランティアの日に、参加した皆様にも一部協力いただいて実施します。
たくさん歩いていただくことになるでしょう。
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再生の会「総会」にて

2014年7月14日( カテゴリー: 現場レポート )

名取市海岸林再生の会、第2回通常総会が7月4日に開催されました。

会場は名取駅から南に徒歩15分程度の、かつては結婚式も行っていたという90畳の大広間がある
料理屋さん。今日は皆さん若干さっぱりした格好で参集。

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関係当局や森林組合、種苗組合、オイスカの幹部も来賓として出席し、
事業報告・決算、事業計画・予算、役員全員の留任が承認されました。

県の森林整備課長様のご挨拶がとても印象に残りました。
正確性に欠けますが、記憶と若干のメモを頼りにご紹介します。

「担当者になる前から、名取市海岸林再生の会とオイスカの取り組みには強い関心を持っていました。
先ほど植栽を終えた現場を視察して納得しました。丁寧さと愛情のある植栽と感じました。
見た瞬間返ってくるものがありました。
私自身、たくさんの現場を経験してきましたが、このような現場は初めてです。
私自身も海岸林再生に携わる力をいただきました。関係者のご尽力に深く御礼を申し上げます。
2月13日に県・名取市・再生の会・オイスカで結んだ協定の名称は、
「みやぎ海岸林再生みんなの森林づくり活動協定」です。
ハイカラな名称ではありませんが、多くの職員で意見を出し合って考えたものです。
みんなの海岸林にしよう。津波で犠牲になられた方、まだこの世に誕生していない次世代のみんなのことも思って。
そういう気持ちをもって決めました。
村井知事は創造的復興として民間の力を活かし、みんなの力を活かして
新しい宮城を作ろうと常々申しておりますが、皆さんの活動は
その象徴と言え、心から敬意の気持ちをもっています。
これからもこの活動に我々県を交ぜていただきたいです。」

昨年と同様、今年の総会でも、県の方からあたたかいご挨拶をいただき、素直にうれしくおもいました。

103名のボランティア

2014年7月11日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。

7月5日(土)、ボランティアの日ではないですが
たくさんのボランティアの方が来てくれました!

UAゼンセンのみなさん、ANAのみなさん、ボーイングのみなさん
総勢103名の参加がありました。

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山口から参加していただきました


私は今回、1日中UAゼンセンのみなさんと作業させてもらいました。
ボランティアの方に私が最初に聞くことは…
「どこからですか??」
とりあえず、どこから来ていただいたのか聞いてみます。
山口・石川・富山…遠くから本当にありがとうございます。
「旅行もかねてるんで自費で来ました」や
「今日のために長靴とつなぎ買ってきました」
「実家の近くと風景が同じで懐かしいですよ」などなど。
色々な方が来てくださいます。

今回の作業は草取り・根踏み・チップ寄せ。
内容は先月のボランティアの日のブログにて。

初めて参加される方・リピーターの方
同じ作業をしても感じることはさまざまですが、
みなさん、“また来ますねー”と言って帰られます。
人好きな私にとっては
いろんな方と会えるこの現場、楽しい限りです。

そういえば!
今回、参加された皆さん…
まったく打ち合わせしてないのにユニフォームがみなさん青!でした。
「区別できるように準備したのにー」と担当の方々は困り顔。

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1つのグループみたいになりました

みなさん、本当にありがとうございました!!

現在オイスカ四国研修センターに海岸林のパネルが展示されています。
7月末まで展示予定ですので、お近くの方・お時間の取れる方は、ぜひお立ち寄りください!

展示の様子

展示の様子

時間は原則として9時~17時ですが、お時間の都合でそれ以降を希望される方は、
事前に研修センターまでご連絡いただければ対応できる場合もあります。

来所された際は事務所にお声掛けください。
誰もいない場合は申し訳ありませんが、改めて来所いただけると助かります。

場所 : 香川県綾歌郡綾川町陶5179-1
オイスカ四国研修センター 2階会議室

連絡先:オイスカ四国研修センター
Tel:087-876-3333  Fax:087-876-3334

センター入口

センター入口


会議室前

会議室前


 
 
 
 
 
 
 
 

海岸林再生の会 総会

2014年7月9日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、浅野です。
7月4日に行われた「名取市海岸林再生の会」の総会に参加させてもらいました。
7月3日時点での枯損率は1.6%
ということは活着率は98.4%。
そんな単純に考えてはいけないかもしれませんが、一安心です。
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再生の会の鈴木会長のお話の中にあった
「苗木は血と汗の結晶」「1本1本に魂がこもっている」という言葉が印象的でした。
また、森林整備課の課長様からは
「こんなに愛情の感じられる現場を見たことがない」
「オイスカの現場をみて感動した」とのお言葉をいただきました。
育苗をしている再生の会の方々、
植栽・施肥をしてくれた森林組合の方々
ボランティアに来てくれる方々
全国にたくさんいる支援者の方々
それぞれがぞれぞれの役割に
真剣に、大切に取り組んだ結果なんだなぁ…と感じました。
私もみなさんに負けないよう、
自分の役割をしっかり果たせるように頑張ろうと思えた総会でした。

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