植樹祭準備1事務所横で行われているこの作業は、23日の植樹祭の準備。
1万本のクロマツを植えてもらうのにその位置を示すためのもの。割り箸にスプレーで色を塗り、乾かして割って、100本の束にまとめます。
植樹祭準備3
割り箸を並べ、シュ~っとスプレーをかけた後、また全部の割り箸をひっくり返さなければなりません。スピードアップのため、割り箸にガムテープを貼って一気にひっくり返す作戦を考えました。
植樹祭準備2
 
 
 
 
 
 
 
 
見事に貼りつき、すだれのようになりました!!
ボランティアの皆さん、「こんな作業もあるんだ」と驚かれたことでしょう。
海岸林を再生すると聞けば、“植える”ということがまず浮かぶと思いますが、
植えるためにもたくさんの準備や作業があるのです。
こうして皆さんにお手伝いいただき、植樹祭を開催することができます。
本当にみなさん、ありがとうございました!

広報室の林です。
先月スタートした今年度のボランティアの日。
11月まで第三土曜日(8月だけは第五土曜日)に開催しています。
今月も16日に開催されましたので前回同様しばらくレポートにお付き合いください。
午前中はあいにくの雨。
雨の中の作業1
どしゃ降りではなかったもののカッパを着て作業をしている人の姿もあります。
この作業、なんだと思いますか??
これは23日に行われる植樹祭の準備。1万本の植栽を行うため、クロマツを植える位置に印をつける作業です。向こうから手前にピンと張ったロープには、1.3m感覚で印がついていてそこに色のついた割り箸(これをつくる作業は明日ご報告します)を挿していくのです。
土が硬くてスッと入りませんが、そこに時間をかけていられません。でも大丈夫。“カンカン係”と名付けられた2人が後ろに控えていて、金槌を持って深く挿しこんでくれますから。
チームワークよく進む様子がとても心地よかった!
皆さんありがとうございました。

緑化技術担当参事の清藤です。
「植栽したクロマツにも雌花と思われるものがよく見かけますが、
雄花はないのでしょうか?」と担当の吉田さんから質問が来ました。
さっそく送られてきた写真を見ると確かに新梢の上部に赤い2つの雌花芽がついています。

image1

中央先端の赤色箇所が雌花芽


今日は開花結実の話をしましょう。
雌花は、雄花から花粉をもらい交配し、結実して球果へと発達していかなければ種子は生産できません。クロマツは確かに花が2~3年でつくことがよくあります。花芽はストレスがかかると早熟な雌はよく付きますが、雄は憶手で、だいぶ遅れることが多いのです。
これは優良な種子を作るための自然の理と考えられます。これまで樹木を観察してきた私の結論ですが、しっかりした結実を始める樹齢は、人間が子供を産む年齢によく似ていて、15年から20年であるといえます。これはマツだけでなく、スギでもヒノキでも同じことがいえます。そのころには雌花だけ、あるいは雄花だけの単独花性はほとんどなくなり、写真に示したように3月下旬以降になれば新梢の上部に1~3個、卵円錐上の雌花芽、そして新梢の基部に丸みを帯びた雄花芽が見られるようになります。雄花芽は大きくなって写真のような土筆の状態となって花粉を飛ばすのです。開花は5月前後で、開花受粉が終われば、雌花は幼球果の形態を示し、雄花は赤褐色になって枯れていきます。
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先端の小さい方が♀雌花芽 。
横の大きい方が♂雄花芽


マツの場合は開花から球果を生産するまでは人間の妊娠から出産に要する月数よりも長く、翌年秋となります。約1年半を要するのです。非常に大事に育てられているのに驚きます。
ところで一個の雌花は何個の種子を持つ球果に発達するでしょうか?
それは雌花(球果)の麟片の数×2です。麟片数は15~40くらいあり、ですから種子の数にすると30から80粒ということになります。球果の大きさと種子の充実を見ますと、やはり大きな球果からは大きな種子ができ、発芽力も強いです。球果を見つけたら麟片の数を数え種子の数を推定しその発芽を想像するのも楽しいものです。
 

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第一育苗場で93,000粒蒔きました


5月11日、このプロジェクト4度目の発芽確認!
播種は4月27・28日でした。早い。
2012年の初めての発芽確認には28日かかりましたから。
5月12日、内陸防風林1.86haの下草刈り開始。
夜、台風にともない、23日ぶりに降雨。
(昨年の5月は時折降ったものの「観測史上最も乾燥」と発表)
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播種の時にベビーパウダーをまぶして白くするのは、見えやすくするため。そうでないと蒔き忘れ・間違いをするから


発芽はやっぱりみんなで喜びます。
森林組合の若手も「これを2年後、俺たちが植えるんですね」と。
台風(温帯低気圧)が去り、朝から気温は上がっていました。(5月13日朝6時に2011年以来の震度5の地震)
さあ、今日13日は台風も去ったから、再生の会は苗床の「コモはずし」かな。
今週末のボランティア230名にも発芽したばかりの芽を見てもらえるなあ。
森林組合は下刈地拵えと、植樹祭会場のニセアカシア除伐。
私は植樹祭準備と各種契約準備。
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昨年の植樹祭会場にて。立派な穂が出てきました


植栽現場のクロマツも雑草も、雨の恩恵を存分に吸い上げて、日光をたっぷり浴びて、グンと伸びるでしょう。
昨年と今年植えられた約20ha、約100,000本は、おかげさまで枯れたものを探すのが難しい状態。
昨年の苗は、びっくりするほど一気に穂を伸ばしています。この雨でさらに伸びるでしょう。
週末の230名の皆さん、23日の植樹祭の数百名の皆さんを一期一会の気持ちで、精一杯お迎えします。
忙しくて気持ちばかり焦ります。
腹に力を入れてがんばろう。

14日(木):オイスカ四国支部石井淑雄会長(オイスカ理事)一行25名
*全員香川県より。うち女性9名。
15日(金):化学総連(労働組合)全国17県 66名(うち女性2名)
*住友化学労組、積水化学労組、日本板硝子労組、電化労組など19労組)
リピーターは住友・積水はじめ数名確認。
16日(土):ボランティアの日午前中:130名、午後:75名
*三菱UFJニコス、UAゼンセン、ニコン、仙台トヨペット、個人など
リピーター多数。
お願いしようと思っている選択肢は多岐。(優先順ではありません)
・苗木袋、鍬に名前書き(各150)
・植樹祭 植付場所マーキング用割り箸10,000本準備
・植樹祭 植付場所マーキング10,000か所
・植樹祭 班分けプラカードづくり
・【至急】寄附金のお願いチラシ8,000部セット(500部/人時)
・H27年クロマツ植栽地モニタリング調査地設定・調査3か所・PC入力
・H26年クロマツ植栽地モニタリング調査地メンテナンス 残り4か所
・第一育苗場コンテナ苗・広葉樹苗除草
・そして、早くも出てきた葛を根元から刈り取り
・根腐れ対策の溝切り(排水)
勝負は16日(土)。
それまで二日は一気に決める準備。
天気天候にもよりますので、引き出しは直前で決めます。
今年は盛土完成後3年目。
さすがに雑草の足が速くなってきたのか…
「葛」って言っても、ボランティアの人にはメジャーではない。
「ニセアカシアはトゲがある木です」といっても、野ばらと間違えられる。
イイんです。リピーター証明の腕章目指す人がどんどん増えてますから。
面積はどんどん広くなるけど、ボランティアの機動力は2年前と比べて
伸びてます。
まず、葛だけは覚えてもらおう。
葛もニセアカシアも、発芽ホヤホヤの赤ちゃんも見分けられる人が増えれば。
大阪マラソンでもお世話になり、タイのマングローブにも行く住友化学労組さんは、
夏に毎年単組でも名取に来ます。
去年一日8時間以上格闘したから、尾崎委員長は隊長ですね。

葛がわかりますか?


DSC_0009

葛です


 

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H26広葉樹植栽地全景
(1.8m間隔で2列×約500m)
写真右の裸地のような個所


降雨なし18日連続。
今日は朝から電話多数。
来客は、市議会議員さんや、宮城県庁治山課の方など。
深い情報交換・意見交換が出来ました。
今回出張は珍しく2日間。
海岸の現場には行く時間がなく。
でも何とか行きたいと思って、17:30に事務所を出て1時間巡視しました。
昨年5月植栽(432本)と、今年4月植栽(304本)の広葉樹を中心に。
非常に苦しんでいます。雨なしですから。
今年4月は上半期が多雨多湿、下半期は植栽2日後に雨。それ以降は乾燥。
これからまだ新芽が出るので、活着状況判断するのは早いのですが。
ヤマザクラは強い。

H27植栽ヤマザクラ。
後ろはクロマツ


H26植栽ヤマザクラ。
左はクロマツ。


 
 
 
 
 
 
 
 
広葉樹は、三井物産環境基金の助成3ヵ年で実施しています。
クロマツの数からすれば、広葉樹はわずかなのですが、
下記の考え方をとっております。
●私たちの広葉樹植栽の考え方
生物多様性の保全等もクローズアップされているため、林野庁「東日本大震災に係る
海岸防災林の再生に関する検討会」資料を元に、最前線の海側にはクロマツの単層林を形成し、
その背後にクロマツと広葉樹の混交林が形成されるよう計画しています。
広葉樹は、時間的経過とともに土壌化(土壌が富栄養化した状態)が進むと自然に侵入し、
定着していきますが、種子源となる母樹がなければ、多様な広葉樹の混交林にはなりません。
そこで、私たちは母樹となる広葉樹も植栽し、将来、クロマツの単層林の背後に広葉樹の混交が
見られる、多様で健全な海岸林を目指しています。
 
 
 
 

連休明け5月7日は、雨が降らなくて17日目。
昨年春の連続降雨なし日を越えました。
宮城中央森林組合の現場代理人にあたる佐々木君と、女性新入職員のAさんが来訪。
私と佐々木統括が業務に追われているのを見て、すぐに植栽現場に急行。
植栽したばかりの「裸苗」(コンテナ苗と違い培養土が付いていない直播苗。
根がむき出し)を巡視。「まだ穂ががおっていない」「穴を掘ると多少湿っている」と報告。

がおってきた


マツの穂が「がおる」=曲がってしおれている
マツの穂が「おがる」=ピンと立って元気がある
その後、オイスカ側現場監督にあたる佐々木統括、私と4人で、来週12日から始まる内陸防風林(8列)1.82haの境界確認。諸注意伝達。
境界から70cm下がって植えること、境界を越えてきた木への注意、残存木からは2m離して植える。刈払機使用の際、礫に注意、マサキやツバキなどの常緑広葉樹は下刈しないこと等を確認
その後、宮城県庁仙台地方振興事務所林業振興課に書類提出。夕暮れ時、第二育苗場を巡回。再生の会メンバーは帰宅した模様。
目に飛び込んできたのは、「がおってる」マツ苗。
あ、水やってないな。
翌日朝一で、散水・消毒を統括から指示。
「おーい、しっかりやっとけよー」
【クイズ】
さて、下の写真全部で約25,000本弱あります。
Q:何ヘクタール分植栽できるでしょうか
A:8日のブログ下部をご参照ください。

これで何ha植えられるでしょう?

植樹祭の準備進捗状況

2015年5月8日( カテゴリー: 現場レポート )

来週から取り掛かる「内陸防風林植栽1.82ha」の段取りと並行して、
5月23日(土)の植樹祭準備にようやく火がついてきました。

DSC_0069

今年の植樹祭会場2.02ha。約10,000本植えていただきます。


3月末から1ヵ月、名取市内への告知は十分行いました。
何百もの自治会を代表する区長会、各公民館、駅、学校、農協、議会、商工会、RC・LC、空港協力会、農業委員会などに、どぶ板戦略でチラシを配布。
地元ラジオでも機会をいただき、市の広報・HPにも掲載。評判のパン屋さんもチラシ設置協力。
植樹祭のチラシのイラストは、名取市閖上出身のイラストレーターicoさん作。
裏には「ボランティアの日」の募集。
一切動員をかけることなく、意志ある250名から申し込みいただきました。
そして、満を持して、5月1日に宮城県庁内の記者会にプレスリリース。
最大500名、13日まで募集しています。
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昨年の植樹祭開催地1ha。ばっちり育ってます。4月23日撮影


名取市民70,000人。
いま、市民の多くは津波浸水域外に住んでいます。
津波被害を受けた地区と、そうでない地区のギャップは当然大きなものです。
統計はありませんが、1年に1度も、名取の海や、復旧工事地域に入らない人が市民の大半を占めていると思います。その気持ちは何となくわかります。
2012年に勉強に行った襟裳岬では、植樹祭のこともたくさん聞きました。
「町民の5人に1人は参加」「集まりすぎて困る」
「号令掛けてないのに作業を始めてしまう」
「植樹祭は女性や子ども、間伐や枯れ枝落としをする育樹祭は男性」
偉大過ぎる格闘、積み重ねの歴史が違いますが、 はるか先の大きな目標と思っています。
来週はボランティアが3日間でのべ200人。
宮城の方はもちろんシェア1位ですが、香川、大阪、兵庫の方が目立ちます。
そういう方たちと植樹祭の準備をする予定です。
名取の方はまだ少ないですが、一人また一人と、若い世代の申し込みも
増えてきました。
物事の進め方にこだわりが強過ぎれば固くなります。
必要以上に苦しくもなり、空しくもなります。
すこし、肩の荷物を降ろして、連休明けの仕事始めをしよう。
水の音や風の音にも耳を傾け、向かい風が吹いても風の戯れと思うような
穏やかな気持ちでまた頑張ろう。
宮城に向かう新幹線の中にて。
 
【11日ブログ クイズ解答】A:約5ha 東京ドーム全敷地分です。

4月27・28日、5種類約90,000粒のクロマツ播種を行いました。
コチラは名取市海岸林再生の会と、オイスカは佐々木統括、清藤参事、吉田。
並行して宮城中央森林組合が「29日の休日確保」を目指し、海岸での植栽。
両部隊あわせて50名は、まさに奮闘しました。

DSC_0024

手も動くけどホントによく口も動く。しかもオモシロイ。顎が外れるぐらい可笑しいときもある。


播種するのは
1.宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ
2.宮城県産精英樹クロマツ
→これらは林業種苗法に基づき、大衡村の「県林業技術総合センター」いわゆる「試験場」の母樹林から採種されたものです。
DSC_0020

1穴に1粒づつ。穴をあけるチーム、赤ちゃんパウダーで白くまぶした種を蒔くチーム、穴を埋めるチーム。


3. 宮城県石巻市網地島産クロマツ
→これは30年ほど前、松くい虫によって壊滅的打撃を受けた網地島のクロマツ林に、九州などから抵抗性クロマツ苗を取り寄せて植えた。
植えられた苗は、いわゆる「スーパー抵抗性」。つまり2次検定としてセンチュウを接種しても枯れなかった最強のマツ。
そのマツが大きくなり採種された。最強の遺伝子を継承している。
4.香川県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ
5.岡山県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ
→残念ながら今年も母樹林の種子は豊作と言えず、不足分は他県からの種子を配分された。
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2日間各20人工でぶっとおし。連休前に終わったぜ!


第一育苗場はこれまで「直播」苗が一面に広がっていましたが、今年からは一部を除き、新たに3,916台(24穴/台)のコンテナが展開しました。
おそらく20日後、5月第3週のボランティアの日あたりに「発芽」。
植樹祭のころ、例の「めんこい」状態。
そして2年後、2017年に植栽されます。
直播ではないので、小まめな散水が必須になります。ボランティアさんには除草に加え、散水もお願いすることもあるでしょう。

森林組合のH君が「ホントに太くなったなぁ」と
一本一本、クロマツの幹の部分を触りながらしみじみと。
CIMG7552今回のボランティアで、砂が舞う強風も、硬い土も体験しました。雨が降る日だってあります。
植栽にあたってくださっている森林組合の皆さんのご苦労に本当に頭が下がる思いです。
私は昨年、植えるチャンスはあったものの、1本も植えませんでした。情けない話ですが、2年もかけて再生の会の皆さんがお世話してきた苗木を枯らさないで植える自信がなかったのです。私の植え方が悪くて枯らしてしまったら申し訳なくて……。
植えていない私だって「成長したなぁ」とうれしく思う気持ちはありますが、その何倍も大きな気持ちでH君はうれしく感じているのだろうなぁ。
でもやっぱり今年も私は植えられないと思います。その分、しっかりお世話をさせていただきます。

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