「芽かき」 この言葉を覚えたのは2011年秋、秋田県能代市「風の松原」にて。 林野庁東北森林管理局米代西部森林管理署の署長様の説明を聞いてからです。 文字通りの「芽かき」であることは、容易に想像できました。 (能代で言う「芽かき」とは、素人仕事を超えるものも含まれますが) こうして振り返ってみると、わたしは幾人の森林行政当局の皆さんに教えてもらってきたことか。
ニセアカシアとの格闘は、秋田県能代市「風の松原」だけでなく、全国的なもの。 海岸林だけではなく、普通の山野でも同じで、鋭いトゲとしつこさは、プロ泣かせ。 腐食に強いため、枕木や、鉱山などの坑内材、土木用の杭のほか、火力も強いため薪炭材として生活や産業を支え、大量の花が咲きミツバチが好む(蜜源植物)ため、今も養蜂農家、リンゴ農家などに重宝されているそうです。そして鉱山・炭鉱跡地、牧場跡地や禿山など劣悪な土地などの造林の植栽木にも活用され、かつて、貧栄養土壌の海岸造林にも「肥料木」(落葉が肥料になる)として導入されました。 ニセアカシアが今となって、これほど苦労するものと、誰も予期できなかった。 かつての技術者もこれを良かれと思って、困難を極める海岸林造成の一助とする方針としました。 名取の海岸林では、将来の群生化を警戒して、「TOP3」に入る、札付きのターゲットにしています。
種の広がりもすごいですが、恐るべきは根の広がり。1年で数m伸びました。四方八方に根でも広がります。 ボランティアで扱えるのは「芽が出たばかり」の柔らかいとき、根っこごと「抜き取る」もしくは「刈り取る」ことです。雨上がりなどは数mの根が面白いほど引き抜ける。
実行部隊はボランティア。 写真の皆さんは、ダイエーユニオンの女性組合員の皆さん。根っこごと抜き取りやすい雨上がりを狙って来てくれたかのよう。長~い根っこが簡単に抜けるので、ほとんどエンジョイ。目的をよく理解してくださったので、燃えてました。しかし、木質化し硬く大きくなった後、いわゆる「木」になった後は、すごいトゲです。それは「プロ」の仕事。 葛もつるも、雑草も、そしてニセアカシアも、 7月~9月が最も疲労しています。叩くならその時。 明日はニセアカシアの特徴を、現場の立場から整理してみます。未
秋山君が走ります!!
昨日大阪マラソンのチャリティランナー申し込みが締め切られました。
当プロジェクトのために走るランナーは26名。
その中の一人に秋山君がいます。
秋山君はプロジェクトの立ち上げ当初、学生インターンとして現場に駐在し、佐々木統括の下、「名取市海岸林再生の会」のおじさんおばさんにかわいがられながら
大事なお役目を果たしてくれました。
社会人となった今、彼は仙台で仕事をしています。
今年の植樹祭には、レンタカーを借りて仙台から名取に来てくれました。
日本一麦わら帽子が似合う20代男子!多くを語らず、自分を飾ることをしない、純粋でまじめな好青年です。
再生の会のおじさんおばさんたちが嬉しそうに「秋山君、秋山君」と声をかけていたのが思い出されます。
その秋山君が大阪マラソンのチャレンジを“恩返し”と位置付けています。
大学を休学して彼が体験したこの現場は、彼の力を借りてスムーズに走り出すことができました。でも、彼にとってもかけがえのない出会いと体験にあふれたインターンだったのだと思います。その彼の思いが“恩返し”という言葉になったのでしょう。
秋山君のチャレンジを、ぜひ皆さん応援してください。
クレジットカードを持ち、ジャパンギビングのサイトで登録をされた方は、500円以上100円単位で彼のチャレンジを応援できます(寄附は「海岸林再生プロジェクト」に充てられます)。

トラクターも乗りこなす、本当になんでもできる秋山君が、今回「走ります!」と言ってくれた時は本当に嬉しかった。
海岸林再生への思いを背負い、頑張って走ってください!!
皆さん、秋山君のチャレンジへのご支援、よろしくお願いします。
→支援はこちらのページから
ボランティアの日、皆さんにつぼ刈りというやり方で草を刈って
もらっています(見事なつぼ刈りの写真はこちらのブログをご覧ください)。
苗木の周りだけを刈り取り、それ以外のところは残しておいてもいいのですが、
神経質なまでに摘み取らなければいけないのはツル性の草。
例えばこんなもの。
下の写真のように完全にマツの苗が巻き付かれてしまっていたらすぐに分かるのですが、まだツル状に伸びていないものは分かりにくいかもしれません。でも、あっという間にツルが伸びて、このような状態になってしまいますから、皆さんには葉の形などよく覚えてもらい、小さなうちに摘み取ってもらいます。

今年新しく出てきているツルはこちら↓
ツルの色を見てムカゴがつく、ヤマノイモのような感じがしましたが、葉の形が違うようです。ムカゴも食べたいですが、つる性植物は我らが敵。徹底的に排除しなければなりません。どんな小さくても見逃さず、根っこから引き抜く!
リピーターの方々はツルを見つけてはやっつけてくれていて、心強いです。

これは何でしょうか??
夏のボランティアの仕事シリーズ④ 「メヒシバ刈り」
イネ科の植物。これも種をつける前に刈り取りたい。
我々が「1区」「2区」「5区」と呼ぶ昨年の植栽地で、とくに出ました。
植栽後に宮城中央森林組合の手で施肥をしますが、
その場所で有機化成肥料をたっぷり吸収して
驚くほど大きく直径1m、真っ平かつ円形に広がります。
雨の後は、簡単に引き抜けます。
しかし乾いている時は、とても手強く、根元で刈り取るしかありません。
根についている土は有機化成肥料付きの土。ですから、土はクロマツの周りで、地面に叩きつけて払い落とします。
刈ったメヒシバは「逆さ」にし、根を乾燥させるように、捨て置きます。
逆さにしないと、また根が土に伸びて生き抜く、強い根です。逆さにしても、根が土を目指して生き抜くものもあります。
捨て置く場所は、クロマツから少し離れた場所。枯草の下に、善からぬ虫が発生し、影響を受けると困るので。
去年のボランティアの成果で、「5区」の秋植え個所以外は、ほぼ根絶しました。
今年の植栽地、6区の一部と、7区・8区・9区では、これから出るのかもしれません。
ハウスの中にあるもの 続・続編
以前ハウスの中で再生の会の方が育てているスイカを紹介しました。
大きくなったかなぁと見に行くと、ちゃんとわらがかぶせてありました!

立派なスイカが育っていました。
10個ぐらいあったでしょうか?
カラスにつつかれたりしないよう、
大きく育って皆さんを喜ばせてもらいたいものです。
再生の会の皆さんは、自分の農業や、お孫ちゃんのお世話に没頭しています。
それでも、散水、除草、根切り虫・立ち枯れ病・シンクイ虫対策などの消毒は抜かりなく、日々行い続けます。
加えて今月は、マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツの挿し木1,000本の作業、オイスカ名取事務所・第1育苗場での種苗組合講習会、再生の会の総会、岩手県庁・静岡県庁などの視察対応、取材対応などがありました。
先週は、播種して2か月の幼苗から寒冷紗をはずし、1年2か月の苗は「空中断根」の作業をし、直射日光による黒いコンテナ南側の高温障害対策として、木材で日よけしました。
当プロジェクトの最大の強みは、何と言っても、自家生産による育苗。
どこに出しても恥ずかしくない、抜群の優良苗。
月に一度以上、時に前触れもなく立ち寄って下さる全苗連・宮城苗連の太田清蔵組合長も、先日「満点」とメモを残してくださいました。
植栽は何と言っても苗次第。
森林組合の作業班諸氏も、我々も、この苗が植栽の手に渡るまで2年間見続けるのです。
今回の出張でも、真っ先に圃場を見ました。
整然とした美しい育苗場。
今回も僕には輝いて見えました。
18日のボランティアに9名で参加してくださった埼玉トヨペットグループの皆さんは
翌日もそのまま現場に残り、午前中たっぷり作業をこなしてくださいました。

そのスタイルからして玄人のwさん(左)。
足下は地下足袋です(アップの写真を撮るのを忘れました!)。鍬の使い方といい、姿勢といい頼りになる溝切りのプロ!
どんどん排水用の溝が掘られていきます。
ある方がおっしゃっていました。
「いろんなボランティアに参加してきたけど、その中でもここのボランティアはハードだね」と。
前日は比較的涼しかったものの、この日は太陽も出て暑さも体力を奪っていきました。
そんな中黙々と溝を作るWさん。
きっと雨が降ってもここの苗は根腐れしないことでしょう。
ありがとうございました!
成長の違い ~今年だけで80cmも伸びたものも!~
広報室の林です。
16・17日にモニタリング調査を終え、ほぼ全エリアの
生育状況を見て回った吉田は、どうしてもこれを見せたかった様子。
このエリアの生育は良好で、この写真のマツの背丈は115cmほど。
今年80cmも伸びたものも、
根元が直径が3㎝以上に育っているものも見られました。
みんな、名取市海岸林再生の会のお手製の、抜群に良い優良苗。
しかし、こんなに育っているものもあれば、
ほぼ成長していないのではないかと思われる苗も。
その違いは歴然。
左は順調に育っているところ、右はそうでないところを上から撮影したもの。
土壌や風の影響もありますが、苗木の良しあしも大きいようです。
モニタリングの結果は来月以降、ホームページでも公開していきます。
昨年植えた松に松ぼっくりが付いている
最も海に近いクロマツ最前列、オイスカ第一育苗場で育てた宮城県産精英樹クロマツにはなぜか既に「松ぼっくり」が付いている。一本に5つ付いているのもある。
植栽して1年3か月(播種から3年4か月)にもかかわらず。
海に向かって最前列に限って集中的に。
松ぼっくりってそんなに早くできるモノなのか?
ずっと不思議だった。
ガキのくせにマセた苗だ。。。
モニタリング調査をしながら清藤先生に聞いてみた。
もともと、昨年植栽した時点で、苗として抜群に良い苗でした。
今も生育は良く、根元径(根元の太さ)は2cm前後、高さ70~80cm。
大きなものだと根元径3cm以上、高さ100cm以上(この春で80cm伸びたものもある)
「それだけストレスが凄いということなんじゃないか。
その様子、よく観察してゆくと面白いよね」(清藤先生)
自分はギリギリで生きている。枯れてしまうかもしれない。
カラダは再生の会の人たちが頑強に育ててくれた。
体力があるうちに早く後継者を。

来年の除草では、その松ぼっくりから育ったマツの実生苗が出ているでしょう。
(いずれ刈り取らねばなりませんが)
皆さんも機会があったら見てください。
飛行機誘導灯から北へ、H26年度植栽地の東北端(防潮堤近く)の一帯です。
そのどこかに「タヌキの溜め糞」もあります。
ちなみに、H27植栽地南端には、風で飛んできた種が発芽しています。






















