今年上半期も現場では存分に頑張ったので、
割り切って、7月20日から1ヵ月現場に行っていません。
東京を起点に西方面で活動報告を行ったり
学校林など海岸林以外のことにも費やしました。
8月14日、大阪マラソンを走って下さる久我君との打ち合わせと併せ、彼のチャレンジを応援し、寄附していただいている方が多い掛川市で活動報告会を行い、男女比半々、幅広い年齢、オイスカの中野悦子新会長を含む40名以上の方が聞いていただきました。
静岡県沿岸には、東から西まで広大な海岸林があります。
震災以降、遠州灘や三保の松原を何度も歩きました。
富士市から沼津沿岸は、新幹線や第1・第2東名高速の車窓から、沿岸部が盛り上がって見えます。
その自然砂丘上に松林が延々と続き、東端には沼津の御用邸があります。
そして何といっても御前崎から浜名湖西の湖西市まで遠州灘全長100kmには、
150年かけて編み出されたと地元で言われる「人工斜め35度砂丘」が幾重にもあり、
その上に海岸林が造成されました。「遠州の空っ風」という西からの強風の飛砂対策です。
掛川市もそこに含まれます。
南海トラフへの危機意識が高い地域です。
「地震・津波が来たらすぐ退避」という看板、海抜の表示板が、すぐ目に入ります。
すぐ近くに高い場所がない個所も多く、袋井市や磐田市などには先人が「命山」と呼ばれる
円墳のような築山を築いてきたことに習い、国道沿いに新たに造成中の箇所や、
鉄骨の避難タワーがいくつも造られています。
活動報告会はだいたい1時間。
「宮城の現場報告」「寄附への御礼」が趣旨ですが、
そのご当地ネタを話すのは、あらゆる意味でとても大事だと思っています。
「地元なのに知らなかった」と言われることがとても多いのです。
ただ、全国各地の海岸林を見ていて共通して思うのは、
看板だけでももう少し設置して、「何のためにこの森があるのか」、
できれば先人の労苦や技術、松くい虫との戦いの現状に触れればいいのに…
と思ってしまいます。税金を使った説明責任として。
海外からご支援いただいた皆さんに
海外からの多くのご支援に対して、下記のような英文のメッセージをお送りしました。
グローバルギビング レポート
*オイスカ本部勤務のフィリピン人スタッフ、グラゼン(名取にはもう20回ぐらい行っているか?)、
ボランティアの鈴木昭さんが発信・報告を続けてくれています。
————【原文】——————————————————————
Global Givingのサイトを通じてご支援いただいた皆さまへ
震災以降、Global Givingのサイトを通じ、海外からご支援いただいた皆さまに
心からの感謝を申し上げるとともに、近況をご報告申し上げます。
被災地は連日30℃を超える真夏日が続いております。
津波浸水域では東日本大震災から4年半を迎えても、早朝からたくさんの重機の音が響き、
炎天下の中で復興事業に従事する人の姿があります。
2011年5月、「農業再生にとって不可欠な海岸林再生の担い手になりませんか」との
オイスカの呼びかけに応じた宮城県名取市の被災農家とともに、そして行政当局、
多くの市民、ボランティアの協働により、当プロジェクトは極めて順調に進んでおります。
2020年、東京でオリンピックが開催される年までが、行政が立案した復興達成の目標期間です。
当プロジェクトは、名取市の100haの再生に必要な苗木50万本を、被災農家自らが生産し、
その2020年までに植栽を完了。当面2033年まで管理を継続するプロジェクトです。
その実施に当たっては、復興交付金を頼らず、自助自立の必要性を重視し、すべて民間寄付金で、
被災地の雇用・生計支援を生み出すこととしており、2033年までに11,000人以上の雇用を創出します。
2012年3月、育苗に関する法律に則り資格を取った上で、初めてクロマツの播種を行い、
2014年4月、2年間育てた苗8万本を初めて植栽しました。
2015年4月、同じく5万本植栽し、これまで2年で26ha、計13万本を植えました。
潮風や乾風・寒風にさらされる防潮堤真裏の過酷な環境ながら、
生育率は運よくほぼ100%を維持しています。
年間1,400人の雇用、1日8時間除草などに従事するボランティアも年間1,400人。
活動報告会は年間30回、4,500人以上が聴講。
寄附金はこれまで4年で約4億円に達しています。
行政・民間ともに一丸となって復興を目指す日々は変わらぬものの、
全体の計画は順調に行っているものばかりではなく、
時が止まったままのような場所も、随所に見られます。
大地震に大津波が加わったことが、東日本大震災の大きな特徴であり、
極めて広範囲な被災地の、復興の道の大きな足かせ要因となっています。
土木・建築技術で世界のどこにも引けを取らないと自負する日本にとっても、
厳しい道のりを歩んでおり、技術者の不足、人件費の高騰、資材不足と価格の高止まりは
未だに続いています。
また、同じ市内においても、津波被害を受けた人とそうでない人、
仮設住宅を出て新居に移った人とそうでない多くの人などという生活格差は際立ち、
旧来のコミュニティーが崩壊したことにより、高齢者など生活弱者がとくに孤立化している
問題視されています。復興を目指す気持ちは一つでも、状況は決して単純なものではありません。
津波を目にし、まさに黒い波をかぶった多くの方たちは、未だに海に行く気になれないのが
正直な気持ちで、好きだった海釣りを封印している人をたくさん知っています。
その中で、私たちは100年、1000年先のためにも、海からの潮風から農業や生活を守る
古からの日本人の知恵の結晶である海岸林を、官民連携で再生させることで、
東北の創造的復興の一端を担いたいと考えております。
このプロジェクトは必ず成功させます。
これまでのご協力に深く感謝するとともに、ごれからもご支援いただきますよう
心からお願い申し上げます。
——————————————————————————————————–
「名取市海岸林再生の会」のメンバーは海外向けメッセージを手に持って写真撮影。
おい吉田君、これは『私は馬鹿ですって書いてあるんじゃないの?』(ご本人談)
香川県産抵抗性クロマツを採種した方と会えた
8月3日~9日まで岡山・香川に出張しました。
偶然にも、この2県から「被災地への協力」で、
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツの種子が宮城県に送られ、
県と種苗組合を通じて払い下げられ、今春オイスカの育苗場でも播種。
しっかり育てられています。
残念ながら岡山県庁職員や、母樹林を管理し、種子を生産するいわゆる「県の林業試験場」
(県によって名称は違う。宮城の場合、林業技術総合センター)職員にお目にかかる機会は
ありませんでしたが、香川では、活動報告会に2度も職員が参加、
苗木生産農家の方も誘ってご参加くださいました。
民間に払い下げられた後、その後の様子を報告されるということはあまりないと思います。
「発芽率は90%以上。抜群の質の苗を目指して、被災農家の皆さんが本気で育てています」と
直接お伝えしたく、今回の出張間際に、育苗場の写真を収め持参しました。
マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツは、非常に長い年月を費やして、各県で開発しています。
いつ香川県の方が育苗場に来ても、2年後植栽された後も、
「これです」と指をさして報告できると思います。
岡山~四国~東京+1・5日の休日
吉田です。
先週末はブログを休んでしまいました。
岡山・四国に出張しており、今日はそのレポートです。
オイスカ四国支部はインドネシア・ロンボク島植林ツアー中に
火山の噴煙の影響で帰国フライトが飛ばず、足止め。帰国が危ぶまれましたが予定通り無事帰国。
オイスカ四国研修センターでは、JICA四国から委託されたアフリカ5ヵ国の行政マンへの短期研修、
それに加えて、地元の子どもたちのキャンプ受け入れ。水田のポンプも壊れたし。忙しい。
私は忙中閑あり。ハンモックが気持ちよかった!
下記のような充実した行程を組んでいただきました。
会員、職員の皆さん、そして担当いただいた池田さん、本当にありがとうございました。
プロジェクトを知り尽くしている人は、出張の意図もよくご存じ。
そうでないとこれは組めません。
8/5(水)
「学校の森・子どもサミット」in岡山市・西粟倉村のあと、
オイスカ四国支部事務所経由で四国研修センター入り
8/6(木)
9時 海外研修生8名への講義
11時 四国森林管理局香川森林管理事務所訪問
15時 香川県交流推進部交流推進課、みどり推進課を訪問。「津田の松原」について聴取
17時半 オイスカ高松推進協議会にて活動報告会16名・懇親会
※香川県森林センター(育苗担当)からも出席
ここの母樹林から採種されたクロマツ種子を名取でも育てています。
8/7(金)
9時半 「八八松蘇会」代表に面会。「津田の松原」について聴取
11時 さぬき市建設経済部商工観光課を訪問し「津田の松原」について聴取
13時 「松原をよくする会」メンバー6名、増田拓朗香川大学名誉教授に面会
「津田の松原」(さぬき市)、「白鳥神社の松原」(東かがわ市)視察
18時~ 長尾ライオンズクラブで活動報告会・懇親会34名
8/8(土)
10時 会員&支援者向け活動報告会 15名
※香川県森林センター所長、森林組合からも出席
14時 四国電力総連青年委員会にて活動報告会20名
18時 綾川推進協議会主催懇親会 15名
8/9(日)
9時 島経由で帰京
10・11日と1.5日休みました。
地方巡業の季節。「10人以上集まるならどこにでも行く」というつもりです。
今週は静岡県掛川市。来週からは宮城。来月は愛媛・広島かもしれない。
ブログ休んじゃいましたが、また頑張ります。
2012年10月に、オイスカ四国の集いで500人を前に活動報告させていただいた際、
津田の松原を訪問しました。再訪の理由もまた書きます。
(その報告書が大変だ…)
全日本社会貢献団体機構より助成金をいただきました!
先日、全日本社会貢献団体機構より当プロジェクトに
290万円の助成金をいただきました。
「10年間で10億円!」を目標に、民間からの募金や寄附、助成で活動を進めています。
震災から時間がたち、人々の「何とかしなくや」「何かお役に立ちたい」という気持ちが薄れていく中、資金獲得は年々難しくなっていくことが予想されます。
そんな中、こちらの団体では、“東日本大震災の被災者を元気づける助成”という特別枠を設け、さまざまな活動を支援してくださっています。
大事に使わせていただきます。ありがとうございました。
香川で活動報告会を集中開催!
こんにちは。四国支部の池田です。
学校の森・子どもサミットに参加した本部の吉田副部長が、
海岸林再生プロジェクトの今後の参考にするため、
度々ブログで取り上げられている香川県の「津田の松原」
視察調査に8月6日から8日まで当地に滞在。
そこで、これは絶好の機会!と思い、
会員や支援者への御礼訪問も兼ねて、活動報告会を5回開催しました。
8月6日(木)高松市:16名
8月6日(木)オイスカ四国センター:研修生など8名
8月7日(金)長尾ライオンズクラブ例会:32名
8月7日(金)津田の松原:7名
8月8日(土)綾川町:15名、四国電力総連青年委員会20名
吉田にとっては、ミニ集会のような報告会でしたが、
5回で98名、中には香川県森林センター関係者や
名取市のプロジェクト地を視察された方も参加して下さったので、
気合いの入った会となりました。また、不思議な御縁ですが、
今春は香川県産抵抗性クロマツを播種したこともあり、
参加者それぞれ熱心に耳を傾けていらっしゃいました。
こちら→→http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=10959
一番の目的であった「津田の松原」視察調査も、香川県や地元さぬき市、
そして日頃から松原の整備活動を行っている住民ボランティアグループ等にヒアリング協力いただけ、
これからの活動展開に手応えを感じていたようです。
調査に協力いただいた方々へ厚く御礼申し上げますとともに、公園や海水浴場として一般に
開放されている、全国でも稀有な松原を維持管理され続けていることに、深く頭が下がる思いです。
なお、10月25日(日)開催の大阪マラソン2015チャリティランナーに
元オイスカ四国研修センター所長の小野泰司(現オイスカ西日本研修センター副所長)がエントリー。
現在、出場権獲得に必要な7万円を募っており、報告会の会場で募金を呼び掛けたところ
7千円余りを協力いただきました。この場を借りて、募金に応じて下さった皆様に御礼申し上げます。
昨年は、JR高松駅や高松空港、そしてJR岡山駅等でパネル展示を行いましたが、被災地からの情報が
あまり入って来なくなった上に相次ぐ自然災害の発生により記憶の風化が進む中、このような活動報告会と
パネル展示を引き続き行い、各地で啓発活動に取り組んでまいりますので、今後とも応援をよろしくお願いいたします。
チャリティランナー紹介 その2
今日ご紹介するのは、フィリピンから参加する渡辺重美バゴ研修センター所長です。
ネグロス島から4名(写真)、ルソン島から2名の研修生OBを引き連れて来日します。
以前もご紹介しましたが、渡辺所長はフィリピンで40年以上活動するベテラン職員。
20代前半からフィリピンで活躍しています。
現在ネグロスでは、このバゴ研修センターを拠点に
養蚕の普及に力を入れています。蚕種製造から機織りまで
一貫した生産体制が築かれています。
40年以上も情熱を持って国際協力活動の最前線を走り続けてきた所長が
60を過ぎてフルマラソンにチャレンジしようというのですから
これは応援しないわけにはいきません!!
チャリティランナー紹介 その1
広報室の林です。
7月31日に大阪マラソンのチャリティランナー受付けが締め切られました。
オイスカのランナーは26名。
今日はその中の一人、中島さんをご紹介します。
先週末オイスカ本部で行われた夏祭りでは、募金箱を持ってフルマラソンへのチャレンジを応援してくださるよう声かけをしている中島さんの姿がありました。
中島さんの勤務する長門屋商店は、紙を扱う会社。そんなこともあり、社会貢献活動としてオイスカが進めている海外の子どもたちの手による森づくり「子供の森」計画を長く支援してくださっています。
海外の子どもたちが来日した際には、中島さんが調整してくださり、会社見学をさせていただきました。
同じ年の私のお腹はぶよぶよしてきているのに、中島さんのお腹はカタイ腹筋に覆われています。鍛えていることがよく分かる体型。努力の賜物です。
そして、中島さんはそれを自慢し、私のたるんだ体型をバカにするイヤな奴でもあります(笑)。
先日の夏祭りでは、鍛えた腹筋に思いっきりパンチをしても大丈夫だというので3発ほど、思いっきりパンチをしてみました。ちょっとスッキリ。
そんなイヤな感じの中島さんですが、今回は同じ年のおじさんが走るのだから
私も精一杯応援させてもらいます。どうぞ、皆さんもご支援よろしくお願いします。
中島さんのチャレンジページ
7月中旬、宮城中央森林組合の手で、協定区域内のニセアカシア除伐を終えました。
2013年の盛土造成工事で倒伏したクロマツとともに、すでに繁茂していたものは
抜根、破砕チップ化され、さらに盛土をかぶせて駆除しましたが、
一部もとの地盤が残った個所から広がりつつあります。
我々の現場は「まし」です。
林野庁の盛土造成工事を行っていない他市の民地などでは凄まじい勢いです。
昨日、ニセアカシアに関する論文などを久々読み漁りました。
頭の整理を兼ねて、箇条書き的に整理してみました。
ニセアカシア(別名:ハリエンジュ)
●原 産:北アメリカ東部
●樹 高:25m~30m
●世界3大普及種: ユーカリ属、ハイブリットポプラに続き世界に普及している
●日本への導入:1873年(諸説あり)公園緑化樹等として
●救国樹?:昭和30年ごろまではこう呼ばれた。農業高校の教科書にも出ていた。
●用 途: 鉱山・炭鉱跡地、放牧場跡地、はげ山の緑化、治山・砂防、
鉱山・炭鉱の坑杭、鉄道の枕木、公園緑化、荒廃地緑化、街路樹、
養蜂・リンゴなど果樹園の蜜源植物
長野県や秋田県などアカシア蜂蜜主産県では、8割~9割がアカシア蜂蜜。
●窒素固定の能力:マメ科植物特有の特徴として空気中の窒素を固定する能力。
●窒素固定根粒菌との共生:クローバーなどのマメ科植物は、根に根粒があり、窒素化合物を生産する「根粒菌」と共生しているため、根で窒素窒素肥料を合成できる。
一部のマメ科植物は土の質を「窒素過多」(富栄養化)にし、他の植物が侵入困難となり、長期にわたって単一群落となるとのこと。
●肥料木:窒素を多く含んだ落葉を大量に土壌に供給し、土壌の地力を向上させる。
●増殖戦略:種子のみならず、親株を中心に水平の根で四方八方に広がる。
●強い生命力:39年間埋められても発芽した例がある。
●林種転換が難しい:「一度成林すると林種転換が難しい。導入には慎重さが求められる」。
救国樹と言われた時代もそう指導されていた。
●高い光合成能力:陽樹が生存できないという相対光量6%以下のクロマツ林で種子飛散による
拡大も最近報告された。弱光でも生きてゆけるようだ。
●排他的性質:アレロパシーという他の植物の成長を阻む物質や、動物・昆虫に対して有毒な成分を有し、他の樹木と共存するというより、独占的に生育範囲を広げ、生物多様性を低下させる。
山地の植栽木の種子が下流に流れ、河原で繁茂、自生種を駆逐し占有する例は全国的。
洪水の際の流化能力低下・流木化という治水上の問題が現実化している。
●浅根性:20~30年生の成木は倒れやすい。
●ほかの特性:耐暑性、耐寒性、耐塩性、耐乾性、耐貧栄養性、土壌を選ばない。
【管理することの重要性】
●「生態系被害防止外来種リスト(区分:産業管理外来種)」(環境省)
生物多様性の低下の恐れがある。
*産業管理外来種とは、産業または公益的役割において重要で代替性がないもの。18種類。
緑化や牧草、養蜂における蜜源植物、果樹、養殖、放流、施設栽培の受粉用
などに利用されている。樹木ではビワ、キウイフルーツ、孟宗竹など、動物ではニジマスなど
●「侵略的外来種ワースト100」(日本生態学会)
【駆除する立場から】
海岸林に関しては、クロマツや海岸の広葉樹と競合し、生育を阻害する事例が
全国各地で現実の問題になっている。
●地下の根茎を効果的に除去する技術、地下部を死滅させる技術は確立されていない。
●伐採により増殖が誘発される。1つの切り株から10本以上の萌芽が発生する。
つまり、一度伐ると幹の本数が10倍以上になる。伐採を繰り返すことで枯死させる。
●伐採時期を選ぶ必要がある。芽吹き前に伐採すると盛夏伐採した場合よりも旺盛に萌芽する。
●成長し木質化した後の「トゲ」は、大きく、固く、鋭く、けがの原因になる。
●実生や芽吹き直後は、幹もトゲもやわらかく、抜き取るまたは掘り取り、根も除去する。
●大きくなったものは、6月~7月に伐採し、「ラウンドアップ」などを薬剤塗布する。
薬剤が染み込みやすくなるように、切り株に切り込みを複数入れる。
「芽かき」 この言葉を覚えたのは2011年秋、秋田県能代市「風の松原」にて。 林野庁東北森林管理局米代西部森林管理署の署長様の説明を聞いてからです。 文字通りの「芽かき」であることは、容易に想像できました。 (能代で言う「芽かき」とは、素人仕事を超えるものも含まれますが) こうして振り返ってみると、わたしは幾人の森林行政当局の皆さんに教えてもらってきたことか。
ニセアカシアとの格闘は、秋田県能代市「風の松原」だけでなく、全国的なもの。 海岸林だけではなく、普通の山野でも同じで、鋭いトゲとしつこさは、プロ泣かせ。 腐食に強いため、枕木や、鉱山などの坑内材、土木用の杭のほか、火力も強いため薪炭材として生活や産業を支え、大量の花が咲きミツバチが好む(蜜源植物)ため、今も養蜂農家、リンゴ農家などに重宝されているそうです。そして鉱山・炭鉱跡地、牧場跡地や禿山など劣悪な土地などの造林の植栽木にも活用され、かつて、貧栄養土壌の海岸造林にも「肥料木」(落葉が肥料になる)として導入されました。 ニセアカシアが今となって、これほど苦労するものと、誰も予期できなかった。 かつての技術者もこれを良かれと思って、困難を極める海岸林造成の一助とする方針としました。 名取の海岸林では、将来の群生化を警戒して、「TOP3」に入る、札付きのターゲットにしています。
種の広がりもすごいですが、恐るべきは根の広がり。1年で数m伸びました。四方八方に根でも広がります。 ボランティアで扱えるのは「芽が出たばかり」の柔らかいとき、根っこごと「抜き取る」もしくは「刈り取る」ことです。雨上がりなどは数mの根が面白いほど引き抜ける。
実行部隊はボランティア。 写真の皆さんは、ダイエーユニオンの女性組合員の皆さん。根っこごと抜き取りやすい雨上がりを狙って来てくれたかのよう。長~い根っこが簡単に抜けるので、ほとんどエンジョイ。目的をよく理解してくださったので、燃えてました。しかし、木質化し硬く大きくなった後、いわゆる「木」になった後は、すごいトゲです。それは「プロ」の仕事。 葛もつるも、雑草も、そしてニセアカシアも、 7月~9月が最も疲労しています。叩くならその時。 明日はニセアカシアの特徴を、現場の立場から整理してみます。未