宮城県庁 森林土木技術職員研修
10月21日、昨年に続き、宮城県庁の職員研修として、
約0.3haに1,720本の宮城県産抵抗性クロマツを「秋植え」しました。
生産者はわが第一育苗場、再生の会です。
これ以上ない秋晴れ。
これぞ本来設計された通りの山砂。
これまで2年の土壌から、大きく修正されている。
一鍬植えしたくなるし、出来なくもない。
プロなら実質6時間で500本は確実に植えるだろう。
掘ると、思った以上に、水分を保っていることも分かった。
森林組合も、再生の会も各4人参加。
種蒔きから2年、苗を育ててきた再生の会は、掘り取り・出荷だけでなく、
珍しく静かに、夢中で植えていた。私にとっては何とも言えない嬉しい光景。
(ちなみに、今日の昼休みの話題は、旅行と忘年会計画と今晩の宴会の話題で持ち切り)
県庁職員の方は顔見知りの方が何人も。
なかには、宮城県庁唯一の震災前からの知人も。
その方は、当プロジェクトの初動も初動のころ、
震災直後の宮城県庁職員全体が置かれている困難な状況を教えてくださった。
応援職員として最前線に派遣され、森林とは全く別の被災地の様子を、日々伝えていただいた。
私にとっては、その方から2011年の県庁との初会議のタイミングを、
間接的に示唆いただいたと勝手に思っています。
「父親が亡くなってねー。ちょっと落ち着きました。来年は家族で植樹祭に参加したい。
子ども連れでも大丈夫?」と言ってくださった。
吉田:「親父さんの分まで家族皆さんで是非!その前にセリ鍋行きましょう!」
「私、東京農大の学生時代、(オイスカの30日ボランティアで)
フィリピンのヌエバビスカヤに行きました。」と女性職員が声をかけてくださった。
吉田:「シプシプ(やっかいなブヨ)刺された?バンブーハウス泊まった?トイレ・風呂は川?」
と質問攻め。時々、学生時代オイスカの現場に行ったという方に会いますが、これは職員名利。
Sさん(女性)は、ガチで植えていた。
さすが、オイスカ担当。いつでもどこでも一生懸命。
うちの海岸林チーム女子と会ったら、気が合うだろうな。
みなさん、植栽後のお世話は任せてください。
皆さんが植えている間、モニタリング自主調査地を新設。樹高と根元径は取りました。
平均すると苗の高さ26cm、根元径は8mmでした。
佐々木統括:「10㎜ぐらいに太らせて植えかったなー」
毎年1月頃、HPで調査結果を公開します。
10月17日(土) ボランティア報告 その1 穴掘り部隊
ボランティア前日のこと。
森林組合作業班がニセアカシアを刈る作業にあたってくれていました。
ここでも吉田は彼らとのコミュニケーションを密にしています。
会話を聞いていると「ニセアカシア刈るように言われたんすけど、パヤパヤしかないんすよ」とおにいちゃんたち。
パヤパヤ?? ニセアカシアではなく、パヤパヤが生えてる??
どんな雑草なんだろう??
そのかわいい響きに思わず笑ってしまいました。
よく聞けばパヤパヤとは草の名前ではありませんでした。
東北の方言でぱやぱやは、「小さく細いものがまばらに生えている状態」を指すのだそう。
つまり、「ニセアカシア、まだ小さいのが少し生えてるだけですけどここも刈るんですか?」と彼らは聞いていたわけです。
ぱやぱや。
やっぱりかわいい響き。髭の生えたごっつい風貌のおにいちゃんたちが使うと
そのアンバランスがますます愉快で、いっぱい笑ってしまいました。
私もいつかその場面に出会ったらさらっと使ってみたいものです。
「雑草ぱやぱやしかおがってなくてよかった~」とか?
(訳:雑草、小さいのが少ししか生えてきてないからよかった)
大阪マラソン頑張ります!!!!!
大阪マラソンまで残り一週間となりました。
チャリティランナーの久我さんからメッセージが届きましたので紹介します。
私は大坂で行われるマラソンでチャリティランナーとして走ることになりました。
チャリティランナーは寄付先団体を決めて、寄付を集めて、その団体の活度を支援するものです。
私はオイスカを支援することにしました。なぜなら私はオイスカ高校の卒業生で、
オイスカがこれまでどんな活動を行ってきたかは以前から知っていましたし、
現在は宮城県名取市で「海岸林再生プロジェクト」ということで
クロマツの植林が行われていることも知っていました!
私はオイスカを支援して走るということで、海岸林再生を行っている現場を一度見て、
実際に見て、活動を体験したほうがいいと思い、8月にボランティアに参加しました。
実際現場で広大な面積への植栽をしていることに驚き、またクロマツを育てるのに
どれほどの苦労をしているのかが身をもってわかりましたので、
より一層オイスカを応援し、マラをンを走ることで期待に応えられればと思っています。
それから私のチャレンジを応援し、ご寄付にご協力してくださいました皆様、
本当にありがとうございました!
久我
今回のテーマは森林土木 ~10月17日ボランティアの日の122名~
昨年1年間でボランティア1,402人。今年は10月末現在で1,598人。
11月にあと100人が来てくださいます(ご視察は含みません)。
今年も今のところ、病気や怪我人などもなく。
「9月の彼岸までに」の一心で草と闘いました。
異常乾燥を心配したり、多雨・多湿による根腐れを回避すべく溝切りなども。
夏場は人が足らず、ギリギリでしたが、やれることを存分にやり遂げました。
植えた苗木は抜群の生育。
2年連続、植えたクロマツは99%以上の活着。
来年初夏までにドーンと伸びるでしょう。
多くの皆さまのおかげです。心から御礼を申し上げます。
10月17日(土)ボランティアの日。
毎月来てくださる三菱UFJニコスを中心とするMUFG、UAゼンセン、仙台トヨペット、
ニコングループ、名取市役所のほか、東京海上日動火災保険の仙台支店自動車営業部、
高島屋&労組、アサヒビールHD、第一三共、オイスカ長野県支部が団体参加し、
個人参加も含め、122人が8時間従事してくださいました。
今回の業務のテーマは「森林土木」。
宮城中央森林組合の作業班6名と、松島森林総合の佐々木さんのプロの指導体制のもと、
これまでのボランティア受入でも、トップ5に入る厳しい仕事。
当日の仕事内容は
・コンテナの除草(約30,000本分)
・広葉樹300本補植 *土壌が非常に硬く70人で実質5時間を要した。
(バーク堆肥と培養土の撹拌、水・土・苗運び、40cm四方の穴掘り、植栽)
・広葉樹植栽地周辺0.8haの溝切り(排水作業。20cm掘り)
・クロマツ秋植え0.3ha・1,500本の植栽箇所マーキング、植栽地の礫除去
・約20haの葛刈り(最終点検で2.5km歩く)
初めて来訪された方が多く、このボリュームを回せるか、こなせるか、納得・満足いただけるか、いつものように緊張しましたが、無事、全て終わりました。
詳細はこれからブログでレポートします。
いつもの事ですが、慣れない仕事、過酷な仕事、さまざまな不自由に耐えてご尽力いただきました。
本当にありがとうございました。
広報室の林です。
明日のボランティア受け入れに向けた準備のため
いつもより一日早く名取入りし、朝から吉田と現場を回りました。
先月のボランティアの日に風邪をこじらせ、シルバーウィークを寝て過ごしたのですが、その風邪にいつまでもしつこくつきまとわれ、体は重だるく咳も出ます。不安なまま現場入りしました(めずらしく前日のビールをガマンしたほど)。
マスクをしてちょっとだるい体でなんとか動いていましたが、吉田はそんなことお構いなし。「気のせい、気のせい」と階段の修繕に向かいます。雨の水と一緒に流れてきた砂が階段下に堆積してしまうので、この砂で土のうを作り、砂の流れを止めるのです。
ゼイゼイ、ハァハァいいながら土のうを作り、上に担ぎ上げていきます。ほんの数袋の作業でしたが疲労困憊。明日のボランティアの受け入れ、大丈夫だろうかと不安が募ります。
そして車で移動。
植栽地の盛土の工事をしている現場のおじさんたちが休憩しているのを見て、吉田は「ちょっと適当にしてて」と私に告げ、車を降りてあいさつに向かいました。
いわれた通り、周辺のマツの生育状況などを見ながら、適当にしていたのですが、“ちょっと”では戻ってきそうにありません。私もおじさんたちにあいさつをして会話が聞こえる程度の距離から撮影をさせてもらいました。
会話を聞いていると、おじさんたちは工事をしながら、なぜ植栽地に溝を掘るのか、
何のためにこのようなもの(今座っているもの)を置くのかよく理解していなかったようで
自分たちのやっていることは無駄なのではないかと思うこともあったのだそう。
排水のために溝が必要なこと、座っているものは防風柵で、
適度に風を通すことで防風効果を高めていることなどを説明すると
「なんでも一つひとつ意味があるんだな」と納得し、
次から次へと疑問に思っていたことを質問し始めたのです。
「(盛土の表面に敷いてある)この木のクズなんかもきっと意味があるんだね」「なんで海岸端のマツは大きくならないの?」等々。
吉田がじっくり質問に答えていくと「次から魂入れて作業すっから」と。
無駄かも知れないと思いながら作業をするのではなく、すべてクロマツがよく育つように考えられたその意味を理解して、魂を入れてくれるとおっしゃってくださったのが本当に嬉しかった。
おじさんたちはクロマツにとても愛着を感じてくださっていることも分かりました。
枯れている苗を見ると「まだ生きてるかな、また青々とした芽を伸ばすかな」と
そっと見守ってくださっているのだそうです。
以前吉田が盛土工事を担当する責任者の方が植樹祭に参加してくださったことを
ブログで紹介していました。こちら→http://www.oisca.org/kaiganrin/blog/?p=10695
工事に関わる方、苗を育てる「名取市海岸林再生の会」、その苗を植える森林組合、
その苗のお世話をしてくださるボランティアの皆さん。みんながクロマツのためを思って
お互いの仕事を尊重し合い、ベストを尽くしていくことがプロジェクトの成功につながるのだと
この日改めて感じました。そのためにはいろいろな方としっかりコミュニケーションをとること。
おじさんたちからは「ホント、勉強になったわ、ありがとう」とおっしゃっていただきました。
この日一番の大仕事、無事終了!
【ボランティア参加の皆さま】服装にご注意を!
今さらですが。
先月のボランティアの日の前日のこと。
半袖で作業をしていたスタッフが蚊の大群に襲われ、こんなことに・・・・・・。暑いからといって半袖はいけませんね。
次回のボランティアの日は乾燥した砂埃が舞う可能性も。暑くても風が吹くと寒く感じたり、飛んできた砂が肌に当たると痛かったり。
いろいろなことが想定されます。長袖長ズボンでご参加くださいね。
砂埃が舞うときは花粉症対策のゴーグルなんかが役に立つそうです。100円ショップでも売っているとの情報も。
今一度服装や注意事項などご確認ください!
http://www.oisca.org/kaiganrin/2424
10月17日(土)【予告】ボランティアの日の仕事候補
ありがたいことに、10月のボランティアの日は満員御礼でなく「満員札止め」状態。
140人。宮城県内の、初めての方が多いかなという印象です。
ボランティアの日の仕事内容は、再生の会や森林組合の会話をよく聞いておき、
候補だけは目一杯考えておきます。
そして、指導者やリピーターの数、年齢層、男女比、
企業担当の現場経験度合などの人的要因を頭に入れます。
当日直前、もうすでに森林組合や再生の会が終えてしまったことは省きます。
その残ったものの中から、優先順位や天候などを考え、佐々木統括と話し合った上で
当日を迎えます。
10月17日の仕事のテーマは「森林土木」になるでしょう。
150本ある唐鍬はすべて使うことになるでしょう。
つる草など雑草との戦いは今年も無事やり遂げました。
もうあとは来年です。
大掛かりな仕事の候補は、
・溝切り、とどめは20cm掘り目標。対象は26ha全域(笑うしかない規模)
・H27植栽地補植250本(そのための培養土と堆肥を混ぜる。植栽穴掘りは重労働)
・雑木のニセアカシア抜根(トゲに注意しながら、根っこごと豪快に引き抜く)
その他細かい候補は
・クロマツ秋植えマーキング1,500本、階段1か所の補修(土のう詰め少々)
・広葉樹苗250本のポット植え替え(30cm近く掘ります)
・広葉樹H26年植栽地毎木調査422本
・育苗場コンテナ苗の除草
・現場管理用の小さな看板の取り外し
・寄附者銘板の名前確認
業務多数。どれを選ぶか。
誰が何をするかは、コチラで決めさせていただきます。
皆さんにいろいろな仕事をやっていただけるように
よーく考えておきます。楽な仕事はないと思います。ご覚悟を。
リピーターボランティア、企業担当者の力を借りるところ多し。
指導体制を充実のため、森林組合、再生の会も数名だけ助っ人に入ります。
みなさんよろしくお願いします。
だいぶ前ですが、9月12日仙台空港の民営化について発表があり、
東急グループと、このプロジェクトを支援いただいている前田建設工業などに決まりました。
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201509/20150912_12007.html (9月12日河北新報)
http://www.sankei.com/politics/news/150912/plt1509120010-n2.html (9月12日産経ニュース)
空港の運営だけでなく、周辺地域の活性化も念頭に事業者選定をしたようです。
チャンスをいただいて、ぜひその事業者の方たちにも海岸林のことを知っていただき、将来多くの人に知っていただき、足を運んでいただける海岸林になるよう努力します。
この夏から「海岸林の将来ビジョン形成調査」を始めました。
ポスト2020。将来、名取の海岸林を海岸防災林としてどのように維持し、
どうやって市民に親しまれてゆくか、その運営方法、将来コストの試算など、行政当局の皆さんとの話し合いのための
たたき台づくりを2・3年かけてコツコツ進めます。
来月には、佐賀県唐津市の虹ノ松原で聞き取り調査を行います。
あそこは協議会があります。「アダプト方式」で知られています。
まず年度内に名取市に第1次提言書を出し、3月12日(土)には活動報告会を兼ねて将来を考えるシンポジウムを名取市文化会館で開催します。
会場確保はもう済ませ、まずはお尻を決め、第一次の結果を出す覚悟を決めました。
10月6日、森林組合による下刈・除伐の施工後確認で、
今年度植栽地10haを2時間以上かけて歩きました。
昨年の植栽地16haは、ボランティアの奮闘のおかげで草に勝ったようなので、
森林組合の力は仰ぎませんでした。
あーやっぱり・・・「誤伐」
佐々木統括からも聞いていました。
全体から見ればごく少数。こういうことも覚悟して大目に植えてあるし、
完全切断に至っていないのが大半。補植には及ばない。
ですが、森林組合の現場代理人から反省と改善策を聞かねばならない。
ボランティアのつぼ刈りも詰めが甘かった個所があった。
森林組合諸氏も、自分が苦労して植え、植樹祭では参加者に指導した現場。
ボランティアの働きっぷりも知っている。ですから、愛情をもって刈払機をふるったはずです。
もちろん私も下刈の経験はありますので、伐られ方を見れば、どう刈払機を使ったか想像できます。
彼らは正直。
誤伐してしまったクロマツを隠したりせず、我々が一目で分かるようにしてありました。
一緒に歩いた松島森林総合の佐々木勝義さんは「やっぱり悲しいよな~」と。
息子が森林組合の現場代理人。
「吉田ちゃん~、兄貴(佐々木統括)と一緒に、厳しく追及してよね。
若い職人、若い現場代理人を育てるのも、このプロジェクトだからこそ。
ヒデ(現場代理人)はボロカス言われて凍りつくだろうけど、そういうものなんだ。
ボランティアがつぼ刈りしてくれたのに、このザマじゃね」
怒鳴ることはないですが、彼らと真正面から向き合って、反省をしようと思います。
永い付き合いになるだろう仲間ですから。