2016年度植栽 おかげさまで、今のところほとんど枯れてません!
2014年植栽約16ha、80,000本、活着率98.4%、
2015年植栽約10ha、50,000本、活着率99.1%
2016年植栽約10haは?…
植栽開始4月18日。植栽の最終日から14日が経過しました。
一つの目安が14日なので、ドキドキしながら5月12日に全体実踏しました。
枯れるとしたらいつなのか、小まめに把握することが重要なので。
今期一番心配な場所は、ディフェンス力が弱い閖上の3ha。
速報値ではありますが、そこで悲観的に見ても活着率99.2%。
名取市海岸林中央部のプロによる植栽地5haでは、1,000本に1本枯れているかどうか。
植栽直後の判定でも、あらためて林野庁の工事の、防風垣とマツのチップが
強力に効いていることが、よくわかりました。
つまり、全体で活着率99%以上は間違いない。
正確なところは、もうしばらく先の佐々木統括の測定を待ちたいと思います。
植樹祭2ha用、10,000本をの宮城県産マツノザイセンチュウ抵抗性クロマツが、
いま私がいる育苗場で待機しています。
満員御礼。締切ましたので、参加者の方には、植栽方法を全員に郵送しました。
20人に2人、指導者を付けます。21日、動員で集まった人ではない、意思をもってきてくださる
名取市民、宮城県民500人の腕の見せ所。植付の穴は決められた通りお願いしますね。
2014年、2015年の植栽地26ha、130,000本の今は、もちろん万全です。
今年は抜群の生長を見せるでしょう。
植樹祭の頃の、育苗場の約10万粒の発芽も楽しみです。
化学総連53名の活躍 ~マツ10,000本以上が感謝してます~
5月13・14日、今年も「全国化学労働組合総連合」(化学総連)53名が現場に。
待ってました。私たちも、クロマツも、雑草も。
オイスカ法人会員であり、海外の学校林活動でもある「子供の森」計画支援に加え、
海岸林再生プロジェクトへのご寄附、傘下単組からボランティアを募り、1年に一度、
大勢で来てくださいます。今年は大阪マラソンチャリティランナーも募集中。
そもそも10数年前、住友化学労組が、上部団体の
化学総連に働きかけて下さり、ご縁ができました。
その時、住化労組は、本社にも「労使協働」を呼びかけていただきました。
今は宝塚工場に勤務する一人のご担当の熱意からすべてが始まったことを
私はよく覚えています。オイスカ側は私が担当していたので。
その住化では来週、毎年の寄附金贈呈式があり、その翌週には労使24名が
名取に来ます。正味1.5日ガッツリ。毎年タフな作業内容です。
産別労組のUAゼンセンと同様、化学総連でも傘下単組に輪が広がっています。
日本板硝子労組は、単組ご寄附を続けていただき、昨年は大阪マラソンチャリティ
ランナーも。積水化学労組もご寄附継続と組合員チーム現場参加。今年は7月。
化学総連の過去2年の作業は、植樹祭の植栽箇所マーキング作業10,000本分を。
砂塵で前が見えないほどの突風が吹いた年もありました。
雨の中の作業の年もありました。思い切り土方もありました。
今年は…
まず、事務局の方がが自信をもって、笑顔で先頭を歩き、ピリッとしている。
参加者の皆さんの着替えなどの行動が早かった。入りが良い。
「ん?なんか違うなー」これからの仕事に期待が持てました。
やっぱり、事務局の理解、3年の蓄積。
3回目の方などリピーターは、自然に先頭を歩いています。
待っているのは、仙台国際空港北側の内陸防風林7列、約10,000本の草刈り。
10,000本÷53人=189本、これを120分で。1本あたり30秒ぐらいで「つぼ刈り」を指示。
(つぼ刈り=マツの周辺だけ草を刈る)
昨年のこの時期は、草が生えない寒さだったのに、今年はマツを探すのに苦労するほど。
佐々木統括も私も「全部刈るのは無理だろうな…」と思っていました。
化学総連の皆さんの「つぼ刈り」のおかげで、どこにマツがあるか見やすくなり、
誤伐リスクが減り、続く地元農家や宮城中央森林組合のプロは、草刈機での仕事が
格段にしやすくなります。マツは生長点を草に圧迫されることもなく、
今年は植栽2年後ですから、ぐんと伸びるでしょう。
「10,000本終わりました」と佐々木統括に報告。
まさか、やり切ってしまうと思いませんでした。
2日目は、後々頭を抱えるような「つる豆草」の群生地となる2ヵ所の、先制草取り。
来週は植樹祭。誰に見られても恥ずかしくない作業ができました。
みなさん、本当にありがとうございました。
ここのクロマツは幸せです。
2日間の詳しい活躍の模様は、日本板硝子のNさんが書いてくれるかと(笑)

募金もしていただきました。50,668円も。
大阪マラソンの私のページでも報告します
植樹祭の参加者500人超え.募集は締切ました
あと1週間ほどで植樹祭。
総員500名を超え、締切らせていただきました。
動員されて参加したのではなく、自分で手を挙げてくれた人です。
だからスゴイ植樹祭になるでしょう。でももう定員。これ以上は無理です。
「本当の草の根運動になったねー」(地元企業パシフィックの鈴木社長)
3月1日、広報「なとり」とJR名取駅写真展で、名取市民の告知を最優先に先行。
4月半ばから宮城県内に告知を広げました。
やっぱり、何より地元の人に植えてもらうことが大事。告知は長期間。
募集作業では無意味に媚びない。組織単位の動員はかけない。
その中で、やるべきことはすべてやりました。去年以上に。
しかし、4月20日頃の時点で50人だけ。
苗は10,000本用意してある。一人200本? 手ごたえの無さに絶望しそうになりました。
「連休明けまで申し込まないよ」(再生の会のメンバー)
なるほど。でも、それって、締め切り1週間前切ってるね…
連休明け直後、その予想通り、怒涛のような申込。
毎分毎に増えるかのよう。今度は増えすぎ?…
しかし、若い人の申込が大幅に増えました。親子連れも。
県立名取北高校、県立農業高校、東北学院大学、東北福祉大学、東北大学。
これまで5年じっくり進めた甲斐がありました。本当にうれしいことでした。
去年、若い世代の変化の兆しをブログでも書きました。
焦らず、自然なタイミングを待ってきて良かったです。
辛抱強く。粘り強く。
震災から6年目。これが今後のキーワードなのでしょう。あらゆる意味で。
クロマツとアカマツ その2
広報室の林です。
以前にもクロマツとアカマツの違いをご紹介しましたが
もう少し大きくなった苗で再度比較をしてみたいと思います。
左がクロマツ、右がアカマツです。
こちらは上から見たところ。
そしてやっぱりこのサイズになってもアカマツはクロマツに比べて
葉が柔らかく、チクチクの強さが違います。
この優しい感じもまさに“女松”といったところなんでしょうか。
現場に来られる機会があれば触ってみてください。
彼女たちは主に内陸防風林となり、強風から家屋や田畑を守る存在になります。
広報室の林です。
昨日の吉田のブログにあった“どいき”のことを少し。
播種の2日目、私は始発の新幹線で現場に向かいました。
(普段の始発より早いゴールデンウィークの増発便があり、
みんなが集まってくる8時過ぎには現場入りすることができました)
仙台から空港アクセス線に乗り、外を眺めていると景色全体が
先月体験した砂の嵐が吹き荒れているような白さに覆われていました。
風が吹いているわけでもないのに……と思って現場に行き、霧だと分かりました。
いつも事務所の2階から見える仙台空港が全く見えない!
強風の中、バランスを崩さず着陸する飛行機をすごい(そしてちょっと怖い)
と思っていつも眺めていますが、前が見えない霧の中の着陸も大変そう。
午後になったら少し霧が晴れて仙台空港がちょっぴり姿を見せてくれました。
上の写真との違い、分かりますか?
辺りが白くなるほどの濃い霧に驚いている私の横で
再生の会の女性たちは「この季節はいつもこんなだよね」「んだね」とこともなげ。
名取行きは40回を超えましたがまだまだ知らないことだらけ。
行くたびにいろんな発見があるのも楽しみなのです。
「どいき」沸き立つ日に
今年の春は去年と全く違う多雨傾向。
根腐れの心配は長く付き合う持病のようです。
三寒四温は今も変わらず、5月2日の播種初日は朝まで雨。
「寒い、寒い」と着込んでの種蒔きでした。
「播種」2日目は、予報では穏やかな晴れのはずが、朝から濃霧。
1km先の仙台国際空港はまったく見えず。名取は霧の多い場所でもあります。
濃霧警報の季節到来です。
8時前から気温がぐんぐん上がり、霧に変わって、畑からモヤが湧き出てきました。
お昼になっても、勢い変わらず沸き立っているのを見て、ついウットリ見惚れました。
再生の会の武田さんが、「いい景色だよね。ここらじゃ『どいき』って言うんだよ。
土が息をしてるみたいでしょ。これが出たら、野菜の種蒔きに最適ってことなんだよ」
「土が息をしている」
そんな日に種蒔きができる喜び。
私にとっての種蒔きは一年で一番重要であり、一番楽しい日でもあります。
2012年、初めての種蒔きの時の感動を忘れることはありません。
その種蒔きも今回で5回目。
名取の植栽は極めて順調なペースで進んでおり、盛土工事次第では、
10年かからず、前倒しで植え終わる可能性もあります。
この種蒔きができるのもあと1回?、それとも…
終わりが見えるのも、ちょっと寂しい気もします。
5月13日・14日、化学総連のボランティア70名がいつものように来訪。
もしかしたら、最初に発芽を見るのは彼らかもしれません。
6月の初旬には、例のいちばん「めんこい」姿になるでしょう。
タネの重さ、いや、タネの軽さと言った方がいいかもしれません。
5月2、3日のゴールデンウイーク真っ盛りに行われたクロマツの種まきについては、
林広報室長の詳しいレポートがありますから、様子はよくわかると思います。
今さら、という気もしますが、私があらためて思い知ったのはタネの軽さです。
植物のタネは小さくて軽いのが当たり前。
でも、いったい重さはどのくらいあるのかを意識したことはありませんでした。
農家の方や林業に携わる方には常識なのでしょうが、今回初めて、クロマツのタネの重さを知りました。
レポートにあるように、まいたのは宮城県、香川県、徳島県でつくられた、
マツクイムシに強い抵抗性クロマツのタネです。
それぞれ微妙に重さと大きさは違いますが、1キログラムあたりの数はおおよそ5万から7万。
つまり、1円玉1個分にあたる1グラムで、50粒から70粒あるわけです。
残念ながら、そのタネを数粒指につまんだところで、重さを感じることはできません。
まく前にタネにベビーパウダーをまぶすのは、まいたタネが土の色にまぎれずによく見えるように、
そしてタネをさらさらにして扱いやすくするためだそうですが、
なにかの拍子に濡れてしまったタネが指のあちこちにくっついてしまってもわからないのです。
初めは四苦八苦、だんだん慣れてくるにしても、指先のわずかな触覚を頼りに
そんな小さなタネを一粒ずつコンテナの穴に落としていくのは、なかなか根気のいる作業でした。
それが10万粒。10万回繰り返す作業というのは私の日常にはないので、
少し気が遠くなるような気もしたものです。しかし、人の力というのはたいしたものだと、
これもあらためて思い知りました。ざっと20人が二日間で、しかも予定より早くし終えてしまいました。
中腰だったり、あるいは和式トイレに座るような格好をしてみたり、といろいろ試してみましたが、
やがて腰が痛くなるのは結局同じことでした。
「いててて」などと口走ると「ペンより重いものを持ったことがないんだからきついだろ」と
年上の農家の方に慰められましたが、タネはペンよりずっと軽いのに、と不思議ではありました。
このタネが10日から二週間ほどで芽を出し、2年後には30センチほどの苗になって海岸に植えられ、
さらに、何十年かのちには立派なマツ林に育っている。
そう思うと、一粒一粒のタネには0.0何グラムという“体重”だけでは計り知れない重さがあることに気づきます。
その重さを相手にしているのだから、まあ、腰が痛くなっても当たり前です。
播種レポート その5 さすが!
播種には「名取市海岸林再生の会」とオイスカ以外にも
森林組合からも参加ししてくれていました。
今年の植栽も森林組合のお兄ちゃんたちの手によって無事終わりました。
(植樹祭の分と内陸防風林が残っていますが)
彼らに聞いてみました。
「植栽大変でしたね。おつかれさまでした。あの重労働に比べたら種蒔きは地味な作業だけど、どっちがいいですか??」
答えは2つにわかれました。
「こっちは体は楽ですが、精神的にキツイっす。植えてる方がいいですね」
「種蒔きの方が楽なんで・・・・・・(こちらがいいです)」
体力のある・なし、根気のある・なしで別れるのかもしれません。
「育苗は女性向きの仕事」とよく耳にしますが、よく分かります。重労働ではないけど、地道で細かい作業が続く仕事ですから。
ただ、森林組合のお兄ちゃんたちには、さすが職人だなぁと思わされました。
なんと、種子を播くための穴開けを両手でやっていたのです!!
棒を両手に持って一回で2つの穴を開けていく。
スバラシイ!!
そして彼は後輩に、土をかぶせる時も両手で効率よくやるように指導をしていました。
さすが!!
こうして仕事も速く片付いていくのですが、もう一つ速いのが、仕事が終わってから車に乗り込んで帰っていくときのスピード。
山形から3時間もかけて通ってきているため、少しでも早く帰ろうと必死なのです。
連日おつかれさまでした!!
播種レポート その4 専用の道具
広報室の林です。
しつこく続く播種レポート、今日もお付き合いください。
私はコンテナへの種まきを今回初めて経験しました。
小さな種子を一粒ずつ播いていくのはこんなゴッツイ手のお兄さんには難しいかもしれませんが、私は細かい作業が好きなので苦になりません。
どうしたら効率よくできるか、いろいろ試してみるのも楽しかった。どの指でつまむのがいいか、手のひらに乗せて落としていくのがいいか、右手がいいか、左手がいいか・・・・・・。
目も悪くないので、おじさんたちより種子も穴もよく見えています。そして人が2粒穴に入れてしまったのも目ざとく見つけて拾い出してみたり・・・・・・。
そんな私も何度も2粒落としてしまい、拾うのに苦労しました。そこで専用の道具を準備。
←この写真で分かりますか??
種子を入れた皿の上に細い棒が一本。穴に2粒落ちた場合はこれではじき出して拾うのです。
ただ、うっかり土が入っている穴の横にある小さな穴(土が入っていないところ)にも一粒落としてしまったのですが、これはさすがにこの棒でも拾うことはできませんでした。コンテナの外に芽が出てきたらそれは私が落としたものです・・・・・・。
← この穴です。
分かりますか?? 棒で指示している小さな穴。
これまで苗が2~3本生えているものやコンテナの外に苗が育っているものを見ると「誰かがいっぱい播いちゃったんだなぁ」「種子落としちゃったんだなぁ」と思っていましたが、私も同じようにやってしまいました。
それからもう一つ。作業をしてみて気が付いたのは、皿から意識せずに種子をつまんでいるのですが、どうしても小さなものばかり最後に残ってしまいます。小さな種子だからといって育ちが悪いとは限りませんが、コンテナによって育ちが悪いものは、こうして残ってしまったものを播いた場所かもしれないなぁとも思ってみたり。
やってみて分かることがたくさんありました。
しゃがんだ姿勢はかなり腰にきましたが、楽しい作業でした!
播種レポート その3 香川&徳島
まだまだ続く播種レポート。
今日は徳島と香川のお話です。
播種と何が関係あるのか・・・・・・?
播種の作業中、「次は香川行く?」「いや、徳島だ」といった
会話が聞こえてきます。旅行の相談ではありません。
宮城県産の種子だけでは間に合わず、今年は香川県と徳島県の
種子も播くことに。それをしっかり区別して管理しなければならないのです。
種子にもずいぶん差があるように感じられました。
同じグラム数でも粒数がずいぶん違ったり、
水に浮いてしまう種子の量に大きな差が出たり。
↓ これは香川県産
これから2年間こうして管理されるのです。
香川県の皆さん! 徳島県の皆さん!
皆さんのふるさとのマツが宮城県に根を下ろします。
ぜひ見に来てくださいね!!