2014年植樹祭の植栽地の今
当時は再生の会お手製の苗と購入苗を併用したものです。
私個人の見立てですが、再生の会の苗は飛びっきりのイイ苗に見えました。
植樹した場所は大きく二つに分かれます
1.雑草の百貨店
2.雑草すら出ない
みんな、不思議がります。
なんでこんなに違うのかと。
違って当たり前。
この盛土の規模です。100ヵ所以上からの土と思っていいはず。
重機を扱った人のさじ加減で、表土をちょっとでも混ぜたら
雑草が引っ越してくる。
2014年の植栽現場から言えば、南北1.5km。
北端と南端は、面積の半分強は雑草の百貨店。
真ん中は雑草すら生えない。
全体的、平均的に言えば、ずんぐりむっくりの形を保ち、枝数も豊富。
力枝が低い位置から伸びている。惚れ惚れする姿。
ただ、いま良ければ、これからもずっと良いままなのか?
そうとは限りません。たぶん。
枯れた苗を抜いたら、地中の滞水によって根がZ型に変形し、
直根が横に伸びているものもありました。
誰かが悪いわけではないのだと思います。
ここでやるしかないんです。だから燃えています。
森林総研のこの人ぞという方に尋ねたことがあります。
吉田:「ここではいつ本数調整伐(間伐)はいつ始められるでしょうか?」
その方:「ここでは誰もわかりません。人工で盛った場所ですから。
ただ、樹高平均が1mになったら読めてくるかもしれません」
わからないから面白い。難しいから真剣になる。
当たり前ですよね。
7月15日、名取市海岸林再生の会の年次総会です。
佐々木統括や事務局の菅野さんは、書類作成、役員会、会計監査など
準備に忙殺されています。
森さんや淑子さんは、苗が海岸に植えられ、空き家になったコンテナの洗浄作業を何日も延々と。
育苗場の除草は、再生の会メンバーが6月下旬までにバッチリ済ませているので
見事なまでの美しい圃場です。ボランティアの出る幕はありません。
大勢出勤し、除草に没頭していたころは、休憩時間にカラスにエサを上げるのがトレンドでした。
もちろん、ひどいイタズラばかり。しかも朝から。
最近は、キジが中まで入ってくるのをよく見かけます。
まだ巣立ったばかりのトビの「こっこ」(宮城弁:こども)も
防風ネットの上によくいます。
今年度から圃場は100%コンテナ苗に切り替わりました。
除草などかなり省力化されるでしょう。
圃場の集約として、第2育苗場も閉鎖しました。
問題があったわけではなく、「もう1ヵ所にすんべ」の一言。
全員賛成、即決でした。
そろそろ消毒もするでしょうし、もう少ししたら空中断根のためのコンテナ移動の時期。
総会の次の週あたりから、また「そ~れ、稼ぐか~」(宮城弁:働く)と、
賑やかになるでしょう。
広報室の林です。
先月のボランティアの日の現場入りは、飛行機でした。
飛行機にした理由はいろいろあるのですが・・・・・・。
■その1
家庭の事情から実家に戻っており、比較的中部国際空港(セントレア)が近いため
■その2
6月末で消滅するANAのマイレージがあったため
■その3
6月中は機内でANAの環境保全の取り組みの映像が流れており「海岸林再生プロジェクト」の様子も見られるため
■その4
仙台空港着陸直前に眼下に広がる植栽地をカメラに収めたいから
直前での予約だったため窓側の席が取れず、写真撮影は半分あきらめていました。
機内の放送だけでも・・・・・・と思っていたら残念。セントレアから仙台に飛んでいる
プロペラ機では見ることができませんでした。
半分あきらめていた写真撮影に賭け、トイレに行った帰りに空席を発見。
フライトアテンダントのお姉さんに、機内誌『翼の王国』のANAがプロジェクトを支援している
ことがわかるページを見せ、
「全日空さんにご支援いただいているこのプロジェクトを担当している者です!
この現場が仙台空港着陸直前に見えるんです。写真を撮りたいので、席の移動をお願いしたいんです!」と
鼻息荒く伝えると、機長の許可が必要なのだそう。機長のじゃまをしてしまうならと
「それじゃあ結構です」と伝えたのですが「すぐ取れますから」と言われたその1分後には
「どうぞ」と空席に案内してくれました! わ~い!!
「明日は全日空の社員さん40名が全国からボランティアに来てくださるんですよ」と伝えると
驚きつつ「写真撮影にご協力できてよかったです。よい写真が撮れますように」と本当に
気持ちよく対応してくださいました。絶対にシャッターチャンスは逃すまいと、しばらく前から
カメラをスタンバイして、何度か撮影を練習。飛行機の羽が見える席ではありましたが、
よいアングルが見つかり、これで完璧!と安心していたら、なんと着陸直前に主翼から
ブイ~ンとタイヤが下りてきて視界をふさがれてしまいました・・・・・・びっくり!
何とかシャッターは切ったものの、写っているのはほぼタイヤ。
せっかくお姉さんが親切に席に案内してくれたのに・・・・・・残念っっ!!
大河原町立金ケ瀬中学校の全校生徒ボランティア
6月29日(水)、宮城県にある大河原町立金ヶ瀬中学校の全校生徒がボランティアに来てくれました!
元々、学校の取り組みとしてちょいボラ(ちょこっとボランティア)をしている学校で生徒へのアンケートで、
今後は震災関連のボランティアにも取り組みたいという意見が一番多かったため、
当プロジェクトへの参加を決めたそうです。
当日は、前日までの雨が嘘のような快晴。作業をするには暑すぎるくらいの陽気でした。
まず、育苗場の見学。今年の5月2日・3日に播き、発芽している小さなクロマツを見て
「ちっちゃ!」「かわいい」「初めて見たー」などマツの苗に感動気味の生徒たち。
後方に見えるマツを指さして「これがああなるんだよ」と伝えると「えぇっ!?」「まじか…」など驚きの様子でした。
その後、昨年のクロマツを見ると、「あぁ、これマツっぽい」「これならマツって分かるわぁ」など納得のご様子。
あまり時間がないのでさらっと見ましたが、初めて見るマツの苗はインパクト大だったようです。
植栽現場へ移動し、作業開始。
今回の作業はつる草取り。
この時期、まだつる草は伸びていませんが伸び始めるとぐんぐん伸びるのがこの草たち。
伸びていくとマツに絡みつき締め付けてしまう可能性があるのです。
今のうちに全て抜いてしまいましょう。ということで、生徒の皆さんに頑張ってもらいました。
暑い中、つるを見つけて抜く。たまに違う雑草も抜きたくなって抜く。
あっという間に作業終了の時間になりました。
最後の生徒代表挨拶では、3年生の子が「高校生になっても、また来たいです」と話してくれました。
2時間という短時間で何をどのように感じてくれたのかは分かりませんが、こういうところで活動している人たちがいる、ということはよく理解してもらえたのではないかと思います。
中学生の皆さん、暑い中お疲れさまでした!
5月21日、高所作業車から現場を見て、佐々木統括と私が思ったことは共通でした。
生長が平均以下の「穴」が見られること。そのことに悔しく思ったこと。
穴は分かっていましたが。
翌日、そのちょっとの悔しさを胸の奥に、全域を5時間かけて歩きました。
これだけ広い現場ですから、庭のような手入れはできません。
どうしようもなく水捌けの悪い場所など、捨てるべき個所はあります。
長たる者、諦めも肝心と思うこともあります。
しかし、去年東京本部のパートの鈴木和代さん一家を含む8月のボランティアに
溝切りをしてもらった誘導灯の南や、東北電力労組や何十人ものボランティアが
何度にもわたって執拗に溝を深掘りした、最南端の空港近くなどのマツを見て驚きました。
「今年はこれだけ伸びますよ」とマツが主張していたので。
もしかしたら、ここはダメかもしれないと思った場所、
諦めることも考えた場所でしたから。
人海戦術にモノを言わせて、水との闘いを力づくで押し切った感じです。
まだ予断は許しません。2年経って、3年経って枯れることもありますから。
それこそどうしようもないです。
この良い結果を見て、みんな合羽のままで撮った集合写真を思い出しました。
鈴木さんには会った途端、報告しました。
ひどい場所は4人がかりで、泥濘に足を取られながらも、防風垣を移動させ、
強引に溝を作りましたね。
佐々木統括にも意見を言ってみました。
「優先順位は考えますが、余力があれば、2年経っても伸びが悪く、水捌けの悪い場所には
無理のない限りで、さらに溝を切ってみたい」と。
私自身の意見は「溝切りは最大2年。ダメな場所は諦める」と考えていました。
これまで常に先手先手で臨み、多くの人の頑張りのおかげで、
何事もターゲットが絞りやすくなっています。
溝切りの場所もしかり。狙うは誘導灯北の中央列。
とくに第3・4区の一部。
多少の雨の中の作業もご覚悟を。
せっかく来てくれる人には申し訳ないのですが。
先日、住友化学本社ご担当の方から、お礼の電話をいただきました。
わざわざ写真もたくさん送って下さり。
(陣頭指揮と写真撮影の両立はなかなかできず、実はすごくありがたいんです)
いつも皆さんから激励のリアクションをいただきます。
つくづく仲間に恵まれているなあと思うばかり。
化学総連や、住友化学労使合同チームを皮切りにスタートした今年度の下草刈り序盤戦は、2014年植栽地16ha(80,000本)を1回、2015年植栽の内陸防風林1.8ha(9,000本)を2回刈り。
すでに完全に終えました。100m走の山縣選手のような、ドンピシャリの好スタート。
みなさんのおかげです!
協定区域内の作業道と盛土法面にはプロを投入。
6月序盤で、植栽地全体37haの半分近い雑草に、痛烈なダメージを与えたことになります。
プロと、5月・6月来訪のボランティア約250名の分業により、
いま、惚れ惚れするような美しい状態です。
いまこの時期、幼子のクロマツの生長点すべてに、
存分に太陽を浴びさせたい。
クロマツの場合、栄養を奪われるというより、
大事なことは日光を当ててあげることです。
いま現在はアカツメグサが大きな阻害要因。
ツルマメグサは、おそらくワンテンポ遅れて出てくる。
雨に濡れ、重たくなった雑草に押し潰されたクロマツも多数。
新しい穂や、葉っぱの形も変形しそうな圧迫です。
これを「被圧」と言います。
それを、まさに人海戦術で「救出」。
ボランティアの皆さんは、息も絶え絶え、
疲れていてもしがらみを取り除いて
あげるのが快感になってゆくかのような表情。
一日で、ものすごく表情が変化します。
人の表情もそうですが、クロマツも同じだと思います。
3度目の来訪 オイスカ豊田推進協議会
6/24-25にオイスカ豊田推進協議会(以下、豊田推協)一行29名がボランティアに来てくれました。3年連続です。
今年は中学生5名も来てくれました。公欠扱いで参加してくれたそうです。ありがたいですね。
前日まで天気予報は雨。
これは大変そうだなぁ…と思っていましたが、当日は曇り。作業をするには最適な天候でした。
1日目はつぼ刈り。説明のあと、リピーターさんと初めての参加者のグループに分かれて作業開始です!
豊田推協の方々は農業経験がある方が多いのでサクサク進みます。中学生5名は吉田担当部長の指導のもと、慣れない鎌に苦戦しながら、作業を進めていました。
海岸の現場を終えた後は内陸防風林のつぼ刈り。
つぼ刈りがしてあると、後で刈り払い機を入れても誤伐が少なくなるのです。
初日は皆さんのおかげで早く仕事が終わりました。
夜は再生の会の鈴木英二会長・オイスカ宮城県支部の小野事務局長も交え、夕食会を行いました。
2日目は広葉樹の草取りと追肥。
クロマツのつぼ刈りとは違い、目に入った雑草は全部抜く。といった勢いで皆さん、どんどん進んでいきました。
一方、追肥チームは穴をあけ、肥料を入れ、穴を埋める…。
この作業が結構きつい。20分くらいで交代!の声がかかりました。
交代したのは中学生。
さすがの若さで残りの追肥を終えてくれました。
午前までで作業を終え、午後は被災地見学へ。
震災遺構として検討されている旧山元町立中浜小学校へ行き、改めて震災の大きさ、津波の怖さを知る機会になったのではないかと思います。
空港へ行く前に北釜観音寺を訪問し、鈴木英二会長からお話をいただきました。地蔵尊像2万1千体が奉納された「北釜地蔵堂」の中にも入らせてもらい、震災の犠牲にあった方々へ思いを馳せました。
その後、皆さん帰路へとつきました。
2日間、ありがとうございました!
余談…
晴れ男でもいるんですか??
「誰かなぁ…あ、Sさんかも!!」
「あ、そうだそうだ!」
「去年もSさんが帰ってから雨だった!」
(Sさん、去年は1日だけの参加だったそうです)
ふむふむ。Sさん、来年もご参加お待ちしております!
7月16日(土) ボランティア募集中!
毎月第三土曜日に行っているボランティアの日の活動。
7月は70名の定員を超えたため、一度締め切らせていただきましたが、
6月には130名を受け入れ、作業を行いましたので、7月ももう少し追加で募集します!
クロマツが覆われてしまうほどの草が茂った植栽地で
クロマツを救出してください!!
申込はこちらから。
リピーターさんも、初めての方もどうぞいらしてください!!
広報室の林です。
今日は、見た目はごついけど、とってもかわいい山の男のお話です。
18日のボランティアの日、たくさんの参加者の技術指導に
あたってくれたのは森林組合の若き職人たち。
私のチームにいたのはKさん(右)。
普段は別の現場に行くことが多く、「海岸林再生プロジェクト」の
現場での植栽は今年一回来ただけだと言っていました。
内陸防風林での草刈りをしている時に、何本か続けて枯れているマツがあったので、引き抜いてKさんに「何が原因だと思いますか?」と質問。
「何ですかねぇ」といわれたので、「深植えじゃないかと思うんですが・・・・・・」と私なりの考えを説明してみました。
根の形からコンテナ苗と思われる。通常はコンテナの土から2センチぐらいの深さのところまで土をかぶせることになっているのに、写真では鎌で指した位置まで土があり、鎌の下に伸びているのは根のように見えて実は枝なのではないかと推測しました。
するとKさん「あ、ここ、本当なら力枝になって伸びる枝ですよね。そうか、深く植えるとこうなっちゃうんですね。勉強になりました」と。
私の推測が正しいかどうかは分かりませんが、観察して学ぼうとする素直な気持ちが伝わってきました。
どうして森林組合で働こうと思ったのか聞いてみました。
Kさん「昔の人たちがせっかく育ててきた森を守らなきゃって」
林 「おじいさんとかが森を持ってたの?」
Kさん「そういうことじゃないんですけど・・・・・・。治山治水とか考えると大事だと思って」
林 「身近にそういうのを教えてくれる人がいたの? だって多くの若い人は治山治水とか考えて“自分が森を守らなきゃ”って思ってないでしょ」
Kさん「自分はもともと興味があったんです」
林業や農業(に限らないのだとは思いますが)の後継者不足はいろいろなところで耳にしますが、ふるさとが抱える問題、日本が抱える問題を知り、「よし自分が!」という気概を持ってその解決に向かって進んでいく若者がいることを嬉しく思います。特にこのプロジェクトを支えてくれている森林組合の職人さんたちは若い人が多い!
こんなことをいったら怒られるかもしれませんが、みんな一生懸命で、本当に気持ちのいい、かわいいお兄ちゃんたちなのです(完全におばさん目線ですみません・・・・・・)。
彼らがプロジェクトの大事な部分を担ってくれていること、心強く感じます。
いつもありがとうございます!
6月17日、仙台空港誘導灯の北側、最も海寄りの場所で、
枯れたばかりの濃い茶色のマツを10本ほど集中的に見つけました。
5月22日に全域実踏した際も、それ以降も枯れてはいなかったのに。
なぜだ?
よく見ると、地上部から10cm弱の幹に傷がある。
ネズミの食害第1号と考えました。
クロマツに立って抱きつくようにして食べたのだと。
ウサギならもっと食痕が鋭いはず。
クロマツは全滅はしていない。枯れたのは何本かだけ。
「ちょっと何本か食べてみて、マズイ……と思たんでしょうね」とは森林組合の若い衆。
傷は新しくない。
冬の間にかじって、生長期に入った今、耐えきれずに枯れたのか。
ネズミらしき穴はたくさんあるが、植栽地で生きた実物は見たことがない。
トビ、ノスリ、ミサゴ、ハヤブサなどの猛禽類はここには多数。
キジも農地から進入してきました。
タヌキやイタチなどの足跡も多数。丸々太ったキツネを昼間でも見ます。
タヌキの「溜め糞」もちょいちょい目にします。
ネズミの巣穴の前の雑草には、なにかの動物が這いつくばった跡もあります。
じっとそこで待っていたかのように。
ネズミや野ウサギは林業にとって要注意の動物。
やっぱり巡視は欠かせません。